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2022年12月14日更新会社・事業を売る
法人の正しい節税対策をわかりやすく解説【中小企業必見】
会社を運営するうえで、税金の支払いは避けられません。どの経営者も対策を立てて節税を図っています。しかし最大限の節税効果を得るためには、多種多様な方法の中から最適なものを探し出さなければなりません。今回は、法人が活用できる節税方法を紹介します。
法人が節税する際に把握しておくべき基本事項
法人として会社を運営している以上、税金の支払いは避けてとおれません。経営者は会社の財務や利益を考慮し、少しでも節税したいと考えるのが自然です。どの経営者も何らかの対策を立てて節税を図っています。
法人が節税を実施する際、いくつか考慮しておきたい事柄があります。税務上の失敗やトラブルを避けるためにも、これからご紹介するポイントを把握しておきましょう。
法人税の概要・申告期限
法人税は、所得の種類に関係なく法人の事業活動によって得られたすべての所得に対して課せられる税金です。法人の所得に課せられる税金には、国税である法人税・地方税である法人住民税・法人事業税があり、これらすべてまとめて「法人税等」と呼びます。
法人税は、定款(ていかん)で定めた事業年度ごとに算出し、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に税務署へ申告・納付を行います。支払方法は以下の3種類です。
- 現金で納付
- 電子納税
- クレジットカードで納付
長期的な対策と短期的な対策がある
法人が節税する方法は種類が非常に多く、「長期的な対策」と「短期的な対策」の2つに大別されます。
長期的な対策とは、節税効果が非常に長く続き、支払うべき税金そのものを削減する方法です。法人の税金負担を軽減でき、法人の利益を守れます。ただし、長期的な対策では、準備に時間がかかるケースも多く、細かい管理が必要です。
一方、短期的な対策は、あくまでもその年の税金を何らかの形で先延ばしにしたり、支払いを回避したりする効果を発揮します。それほど手間もかからないことが多いため、いざという時にすぐに実行できます。
ただし、短期的な対策の節税効果は一時的なものであるため、いずれ税金を支払わなければなりません。税金の負担自体が減るわけではなく、ただ先延ばしにするだけといえます。その事業年度の税金は回避できても、根本的な節税対策にはなりません。
法人の節税を本格的に実践したいならば、短期的な対策は補助的に用いて長期的な対策をメインに実施しましょう。M&Aのような経営手法が節税につながることもあります。
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税理士の協力を仰ぐ
節税を実施する際、税理士の協力が必要不可欠です。なぜなら、法人の税務には、専門的な知識や経営全体を把握する視野が必要になるからです。たとえ税務の知識に長けていたとしても、節税対策には多大な作業量が必要です。節税を経営者の独力で実行するのは非常に困難だといえます。
優秀な税理士は節税で法人の負担を減らすだけでなく、事業全体の改善や利益の向上に対してもアドバイスしてもらえます。経営者にとって最適な税理士を見つけておくことは、節税のみならず法人全体の利益につながるでしょう。
法人が節税対策を講じる必要性
なぜ経営者の多くは、節税対策を講じるのでしょうか。代表的な理由として考えられているものを2つピックアップし、順番に解説します。
毎年利益が出るとは限らない
そもそも法人は毎年利益を生み出せるとは限らず、事業年度によって納税をしたりしなかったりを繰り返します。利益が生まれた年は、適切な節税対策によって翌期以降に利益を繰り延べるなどして、将来的な赤字に備えるのが一般的です。こうした考え方が、事業を継続していくうえで非常に重要だといえます。
法人の納める税金は数多い
会社が支払う税金には、法人税・法人住民税・法人事業税・消費税・印紙税・登録免許税・固定資産税など非常にさまざま存在します。とはいえ、適切な対策を講じることで、税負担を減らすことが可能です。そのため、経営者の多くは、自社で採用できる節税対策を検討し導入しています。
法人が利用可能な節税対策
ここでは、法人が利用できる節税対策を紹介します。
①未計上の経費を計上
法人が実施する節税の中で最もスタンダートな方法が、未計上の経費計上です。従業員への給料や通信費、光熱費、広告費などの費用を経費として計上します。その結果、利益を減らし、税金の負担を軽減することが可能です。
決算時期に向けて各事業年度に経費の支払いを調整しておけば、長期的な対策にもなり得ます。節税効果が高い費用(人件費など)を優先的に計上しておけば、より法人の負担を軽減することができるでしょう。
②役員報酬の調整
役員報酬を調整することで、節税につなげられます。役員報酬は法人の利益から出されるため、役員報酬を調整すれば利益にかかる法人税を節税することが可能です。ただし、法人税対策のために役員報酬を増やした場合、報酬を受け取る社長や役員にかかる所得税や住民税の負担が増えます。
法人税を節税できたとしても、個人単位でかかる税金が増加するため注意が必要です。法人税と所得税がそれぞれどの程度発生するのかを把握し、負担が片寄らないように注意しましょう。
③福利厚生費の活用
法人内で行われるさまざまなイベントを福利厚生費として計上することで節税につながります。
例えば、社員旅行や忘年会・新年会、クラブ・サークル活動などは福利厚生として扱われるため、福利厚生費として計上できます。ただし、福利厚生は「社員全員が平等に享受できるもの」でなければなりません。特定の社員にのみ与えられるものは、福利厚生として認められないので注意しましょう。
社員旅行や慰安旅行なども注意が必要です。長期的に外出する場合や、多額の費用がかかるものだと福利厚生と認められない可能性があります。社員旅行や慰安旅行は、期間は4泊5日、費用は1人10万円以内などの条件が設けられており、福利厚生に該当するかどうかを確認しなければなりません。
福利厚生として扱われるものの中には、健康診断や人間ドックなども含まれます。その際には、「従業員全員に受診させる」「費用は法人が支払う」「社会通念上必要な回数を受けている」などの要件を満たす必要があります。
④赤字会社の買収
M&Aで赤字の会社を買収することも、節税につながるケースがあります。赤字の会社は常に損金が発生している状態であり、利益を圧縮することで法人税の節税につながる仕組みです。
もちろん経営再建に成功すれば利益にもつながりますし、事業の多角化を推進できます。ただし、M&Aの主な目的は「合併して事業を改善すること」であるため、節税のためだけにM&Aを行うことは決してオススメできません。
よりよいM&Aを実現するには、しっかりした検討をせずに赤字会社を選ぶことは得策ではありません。将来的なシナジー効果が高い確率で期待できる売り手を選びましょう。
⑤保険の利用
保険の活用も、法人が節税する際にはよく用いられる方法です。経営者保険や総合福祉団体保険などの保険にはさまざまなメリットがあり、税負担を考えながら退職金を効率よく積み立てる、格安の保険料で福利厚生を従業員に提供するなどが該当します。
保険料は全額損金算入できるため、法人の節税にもつながります。しかし、全額損金加入になっている場合は、その額を超えるだけの営業利益を出しておかなければなりません。
解約返戻金があるタイプの保険の場合、返戻を受けるタイミングを誤ると税金が発生します。保険の種類によって運用方法が異なるため、保険の内容をしっかり把握してから検討しましょう。
⑥経営者・従業員の家を社宅にする
会社が第三者から借りている物件を経営者や社員に社宅として貸した場合、会社が支払った家賃と経営者・社員が支払った賃貸料相当額の差額分を会社経費にできるため節税につながります。
例えば、賃料が月10万円のマンションへ社員が住む場合、会社85,000円、社員15,000円とします。この場合、会社は年間「85,000円×12ヵ月=102万円」を経費として落とすことが可能です。
社宅とするには、名義を会社名にして賃貸物件を借りたうえで、入居する経営者や社員から一定の賃料を受け取る必要があります。ただし、経営者や社員の賃料が無料あるいはあまりに低く設定されている場合は、現物支給として課税される場合がありますので注意が必要です。
⑦経営者に旅費日当を支給する
旅費日当とは、出張中の宿泊費や交通費以外に要した食費や少額の諸雑費に充当する費用です。法人の場合、経営者・社員が出張した際の旅費日当を経費として計上できるため、法人税の節税につながります。旅費日当の支給は、会社の旅費規程にもとづいて支払います。
⑧赤字を繰り越す
赤字を繰り越すことも、法人税の節税対策の1つです。青色申告をしている個人事業主の場合は、赤字を3年間繰り越せます。法人であれば最大10年まで繰り越せます。赤字分を繰り越し、翌年度以降の黒字額と相殺することで、将来の法人税の節税につながるでしょう。
一定の要件を満たせば、「欠損金の繰り戻しによる還付」を受けられます。ただし、法人住民税は赤字であっても均等割の部分は定額となり支払う必要があるので注意が必要です。
⑨不要な在庫を処分する
在庫の廃棄期末時点で残っている在庫のうち、売れる見込みがない不要な商品を実際に処分することで処分費用を損金とできるため、節税につながります。原価よりも安く売却した場合は売却損、廃棄処分した場合は廃棄損が損金として計上できます。
ただし、処分した費用を損金計上する際は、確定申告に廃棄証明書などの証明書類の添付が必要です。
⑩取引先との飲食費・交際費を経費にする
取引先の接待時に要した飲食費・交際費を経費として計上するのも節税につながるでしょう。ただし、内容によっては経費と認められないケースもあるので注意が必要です。
⑪経営者の自家用車を社用車にする
経営者が所有する自家用車を社用車にすると、自家用車として使用していた減価償却費相当額を取得金額から差し引いた分を減価償却費で経費に計上できます。そのほか、自動車保険料やガソリン代、高速代、車検費用も経費にすることが可能です。
ただし、社用車をプライベートでも使用する場合は、会社で利用規程を作成し、ルールを定めておく必要があります。
⑫中小企業倒産防止共済制度に加入する
中小企業倒産防止共済制度の掛金は、損金として計上できます。1年以上事業を行っている中小企業であれば加入できるため、入っておくと全額必要経費にできるため節税につながるでしょう。毎月最低5,000円から最高8万円までの5,000円刻みで、自由に掛金の額を決めて積み立てられます。
中小企業倒産防止共済制度は、得意先が倒産して受取手形や売掛金の回収が不能になったときに融資を受けられる制度でもあるため、いざというときのために備えておきましょう。
⑬本社家賃を年払いにする
本社家賃を年払い契約にすることで、その分を経費として計上することが可能です。これを短期前払費用と呼び、年払いした家賃分の経費にできるので、法人税の節税にもつながります。ただし、利益操作だと指摘される可能性があるため、家賃の年払いを継続して行うことがポイントです。
⑭30万円未満の消耗品の購入費用を損金計上する
青色申告をしている中小企業は30万円未満の什器、備品などを購入した場合には、その全額を損金として計上できます。これを「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」と呼び、制度を利用するためには一定要件を満たす必要があります。
⑮節税に活かせる税制の利用
税制の中には法人の節税に活かせる項目が多数存在します。それらを活用すれば、節税効果だけでなく、法人全体の利益向上にもつながります。計画的に税制を活用することで、長期的な節税効果を期待可能です。従業員のモチベーションにもつながり、業績も向上する可能性があります。
しかし、いずれの税制であっても一定以上の出費を伴ったうえで活用可能です。法人の財務状況が悪化した場合、活用できない節税対策です。
法人の節税につながるオススメの税制
法人の節税につながるオススメ税制は下記のとおりです。
雇用促進税制とは?
「雇用促進税制」とは、適用する年度中に5人以上(中小企業は2人以上)かつ10%以上雇用者数を増加させるなどの一定の要件をクリアすることで、法人税の税額控除が受けられます。従業員を全体の10%以上の増やした際に法人税控除を受けられる制度です。
賃上げ促進税制とは?
賃上げ促進税制は、中小企業が 前年度より給与などを増加させた場合に、その増加額の一部を法人税から税額控除できる制度です。適用期間は、令和4年度税制改正により、令和4年4月1日〜令和6年3月31日までの期間内に開始する事業が対象です。
賃上げ促進税制は、政府が企業の賃上げを促進する目的で設置されました。中小企業の場合、必須要件を満たすと最大で30%の税額控除が受けられます。
エンジェル税制とは?
エンジェル税制とは、ベンチャー企業への投資を促すため、ベンチャー企業に投資を行った投資家に対して税制上の優遇措置を実施する制度です。
ベンチャー企業に対して投資を実施した場合、投資時点と売却時点とで税制上の優遇措置を受けられます。ベンチャー企業に投資をすると控除を受けられる制度です。
法人の正しい節税対策まとめ
今回は法人の節税方法を紹介しました。従業員にとってもメリットがある節税対策には、出費を伴う節税対策もあります。自社に合った節税対策を見極めて実施することが重要です。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。