2020年5月27日更新会社・事業を売る

非上場の株式譲渡とは?手続きや課税される税金の仕組みを解説

非上場会社の株式譲渡は、後継者不足や将来への不安から増加傾向にあります。今回は非上場会社の株式譲渡のメリット・デメリットや税金について詳しく解説!注意点もしっかり理解し、非上場株式の株式譲渡を成功させましょう。

目次
  1. 非上場株式とは
  2. 株式譲渡とは
  3. 非上場企業が株式譲渡を用いるメリット
  4. 非上場企業が株式譲渡を用いるデメリット
  5. 株式譲渡に課税される税金の仕組み
  6. 身内への非上場株式の譲渡で発生する税金
  7. 非上場会社の株式譲渡における注意点
  8. 非上場株式の株価算定方法
  9. 非上場企業が株式譲渡を実施する際の手続き
  10. 非上場株式を時価より安く売却するなら
  11. 親族間での非上場株式の売買
  12. まとめ
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非上場株式とは

非上場の株式譲渡

非上場会社の株式譲渡について確認をする前に、「非上場株式」について確認をしましょう。

そもそも上場株式とは、証券取引所を通して売買することのできる公開されている株式のことです。

取引が可能であることを公開しているので、公開株式と呼ぶこともあります。

しかし、非上場会社の株式は公開されていません。

つまり、非上場株式とは、証券取引所に上場しておらず、限られた人しか取引できない株式のことです。

公開されていない株式なので、誰もが株式の売買をできるわけではありません。

多くの中小企業は上場せず、非上場株式を経営者や役員・親族などが保持しています。

株式譲渡とは

株式譲渡とは

株式譲渡とは、自社が保有する株式を第三者に売却する形で、経営権を譲渡する手法です。

この際、買収する側は経営権を受け取る対価として、現金を売り手側に支払います。

株式会社では、持っている議決権(株式)の数によって、行使できる権限が変動します。

全株式の過半数の株式を所持すると、会社の重要事項を一人で決定できます。

具体的には、取締役や監査役の選任、剰余金の配当、役員報酬等を決定できます。

さらに株式の所有率が3分の2を超えると、さらに権限が強くなります。

社名や定款の変更、M&Aの実施、監査役の解任等を一人で決定できます。

上記の通り、所有する株式数が多いほど権限が大きくなります。

この仕組みを活用しているのが、株式譲渡と呼ばれる手法です。

非上場企業が株式譲渡を用いる場合、全株式を売却するケースがほとんどです。

それにより、非上場会社の経営者は、完全に経営に関する全権限を失います。

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非上場株式の譲渡はできる?

「非上場であれば、株式を譲渡することができないのでは?」と考える人もいるかもしれません。

しかし、非上場株式の譲渡は可能です。

相続や事業承継以外の目的でも譲渡することができます。

非上場株式の株式譲渡が増えている背景

現在、非上場株式の株式譲渡の事例が増えています。

その理由は、以下の2つが考えられます。

  1. 後継者不足
  2. 経営の先行き不安

後継者不足とは、少子高齢化によって事業承継をするための後継者が見つからない状態です。

後継者がいなければ会社を廃業しなければなりません。

そうなると、従業員や取引先を路頭に迷わせることになるでしょう。

また、経営の先行き不安とは、国内市場の競争激化によって、経営資源が少ない非上場の中小企業が、この先生き残りにくくなっている問題です。

どちらも、非上場企業の存続を困難にする深刻な課題といえます。

そんな非上場企業における問題の解決策として、株式譲渡が近年注目されているのです。

非上場企業が株式譲渡を用いるメリット

非上場企業が株式譲渡を用いるメリット

前述の通り、非上場企業のM&Aでは、株式譲渡が用いられるケースがとても多いです。

何故なら株式譲渡は、非上場企業にとって使い勝手が良い手法だからです。

株式譲渡には2つのメリットがあります。

  1. 手続きが簡単でスピーディー
  2. 創業者利潤の獲得

まずは、他のM&Aの手法と比べて手続きが簡単でスピーディーです。

手続き自体は契約書の作成のみで完了します。

また、株主総会の承認が不要なため、スピーディーに完了させることができるのです。

ただし、譲渡制限がかかっている場合は手続きの内容が異なるので注意しましょう。

次に、創業者利潤を獲得することもメリットです。

創業者利潤とは、創業時の株価から現在の株価は上昇しているケースが多く、その差額を創業者が獲得できることを指します。

つまり、株式譲渡をすると経営者は多額の現金を得ることができるのです。

その資金によって、ハッピーリタイアを実現するのも夢ではありません。

【関連】事業承継とM&Aの違いとは?メリット・デメリット、件数を解説

非上場企業が株式譲渡を用いるデメリット

非上場企業が株式譲渡を用いるデメリット

一方で、非上場株式の株式譲渡をおこなうデメリットもあります。

デメリットは以下の1点です。

  • 会社の持つ全てを承継することとなる

株式譲渡は、株式名簿の書き換えを行うため、会社の持つ全てを継承することとなります。

負債や不要な資産までを引き継いでもらえることはありがたいことです。

しかし、「この資産を残しておきたい」と思っても、株式譲渡では残すことができません。

そのため、何か残しておきたい資産や権利、人材などがあるのであれば株式譲渡はやめておきましょう。

また、買い手にとっては、株式譲渡を行う際には例え相手が訴訟や膨大な債務を抱えていたとしても承継しなければならないということです。

通常、株式譲渡を行う際はデューデリジェンスを行い、M&Aを行ううえで発生し得るリスクを洗い出します。

しかしそれでも財務諸表にない簿外債務などは見落とされることもあり、それがM&Aを行った後に発覚することもあり得ます。

また悪質なケースだと、売り手となる会社がM&Aの成約を優先して不都合なものを隠すこともあります。

当然ながら共有されていないリスクが発覚すればトラブルが発生します。

最悪な場合、M&A契約が破棄され、訴訟や賠償請求をされることにもなるでしょう。

必ず、事前に正直にすべてを洗いざらい話しておくことでトラブルを防ぐことができます。

株式譲渡に課税される税金の仕組み

株式譲渡に課税される税金の仕組み

申告分離課税と呼ばれる方式によって、株式譲渡に税金が課税されます。

申告分離課税とは、給与所得や事業所得等とは区別した上で、税額を計算する方式です。

よって、通常の事業活動で稼いだ額とは関係なく、税金が課税されます。

また、株式譲渡を実行した際には、誰が株主かによって課税される税金の種類が異なります。

下記で、それぞれについて解説します。

⑴株主が個人のケース

一般的な非上場企業は、このケースに当てはまります。

何故なら殆どの非上場企業では、経営者が株式を保有しているからです。

株主が個人の場合、譲渡所得に所得税(15.315%)と住民税(5%)が課税されます。

譲渡所得とは、株式譲渡によって獲得した金額から、費用を引いた部分です。

この際の費用は、2種類あります。

1つ目は取得費です。

これは、株式を最初に取得した際の費用(資本金)です。

ただし、取得費が判明しない非上場企業も少なくありません。

その際には、売却価格の5%分を取得費に出来ます。

一方で譲渡費用とは、株式譲渡の実行にかかった費用です。

消費税やM&Aアドバイザリーへ支払った手数料等が該当します。

以上を式にすると下記になります。

  • 譲渡所得=売却価格−(譲渡費用+取得費)
  • 税額=譲渡所得×20.315%(所得税、住民税)

これらの譲渡所得は、株式譲渡をした翌年の3月15日頃(年によって変わる)に確定申告を行います。

所得税は確定申告と同時に支払いましょう。

住民税は後日市町村役場から納付書が送られてくるので内容に従って納税することとなります。

非上場株式の売却時の源泉所得

非上場の株式を売却する際、源泉所得が発生します。

この際、発生した源泉所得は自分で確定申告を行う必要があります。

上場株式であれば特定口座が使えるため、確定申告をする手間が省けますが、非上場株式の場合は自分で確定申告をしなければならないので気を付けてください。

⑵株主が法人のケース

株主が法人の場合、個人のケースとは違い課税される税金が異なるので注意です。

株式譲渡によって得た譲渡益に対して、法人税等が課税されます。

会社側に課される譲渡益は、前述した譲渡所得と同様に算出可能です。

ただし、売却価格の5%を取得費とする、概算取得費の適用は出来ません。

また法人税率は、企業ごとに税率が異なります。

以上を式にすると下記になります。

  • 譲渡益=売却価格−(譲渡費用+取得費)
  • 税額=譲渡益×法人税率

法人税は、会社の決算月によって申告及び納税のタイミングが異なります。

いつもの法人税の申告及び納税のタイミングに従いましょう。

もしM&Aにかける費用を抑えたいのであれば、M&A総合研究所がおすすめです。

その際におすすめなのがM&A総合研究所です。

M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つプロがM&Aをフルサポートいたします。

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規模の小さい企業がM&Aを実施することが考えられますが、そのような案件にも対応しています。

【関連】株式譲渡時の税金

身内への非上場株式の譲渡で発生する税金

身内への非上場株式の譲渡で発生する税金

身内へ非上場株式を株式譲渡するときには、以下のような税金が発生する可能性があります。

  1. 贈与税
  2. 相続税

経営者(株式所有者)が生きている間に身内へ株式譲渡をするときは贈与税が発生します。

いわゆる株式を無償で譲渡し、事業承継するときに発生するのです。

また、経営者(株式所有者)の死後に身内へ株式譲渡をするときは相続税が発生します。

これらの税金も累進課税制度が適用されており、相続・贈与する額が大きいほど高額な納税になるのです。

しかし、これらの税金は税負担の軽減措置があります。

それぞれの軽減措置について確認していきましょう。

①贈与税の特例

贈与税はそれなりの税率で課税されるうえに、経営権の掌握に必要な株式の総額を考えると、贈与税の負担はかなり大きくなります。

そのため生前贈与を行う際には贈与税が非課税となる範囲である「年間110万円以下」の贈与を行っていくケースが多いです。

非課税の範囲で少しずつ贈与を行えば時間こそかかりますが、贈与税の負担を削減することが可能になります。

また、譲渡の相手が配偶者であれば、総額2,000万円分までが非課税となる配偶者控除を受けられるのです。

配偶者控除は利用しやすい制度なので、忘れないようにしましょう。

②事業承継の贈与税・相続税の猶予

事業承継税制を活かすことで贈与税・相続税の納税猶予を得ることができます。

事業承継税制は中小企業の事業承継をサポートするための税制であり、都道府県知事に認可されるなど諸条件を満たした中小企業であれば贈与税の100%の納税猶予を得ることができます。

つまり、実質的に贈与税・相続税の支払が免除されるというわけです。

この制度は、承継相手が親族でなくても適用されます。

しかし、相続税・贈与税を猶予し続けるには、事業を5年以上維持しなければならないなどいくつかの制約があるので注意しましょう。

非上場会社の株式譲渡における注意点

非上場会社の株式譲渡における注意点

前述の通り株式譲渡の際には、その売却した時に得る収益に対して、所得税をはじめとした様々な税金が課されます。

非上場株式を譲渡する場合には、特に注意すべきポイントがあります。

非上場株式を譲渡する際、「時価」や「誰に売却するのか(法人か個人か)」を考慮しなければなりません。

時価で売却する場合や、多少時価よりも低い程度なら問題はありません。

しかし、時価よりも著しく低い価格(時価の1/2以下)、もしくは時価よりも高い価格による株式譲渡の場合には注意が必要です。

なぜなら、通常の株式譲渡の場合とは、課税される所得や税金の算出方法が異なるからです。

今回は、特に注意すべきパターンを説明します。

※高度に専門的な分野なので、実際に株式譲渡を実施する際には、専門家からの意見を必ず参照してください。

⑴時価の1/2以下の価格による非上場株式の譲渡

①個人に対する株式譲渡

通常のパターン通りに算出

②法人に対する株式譲渡

時価によって譲渡したとみなされます。

  • 非上場株式の時価:10,000円
  • 非上場株式の取得価格:3,000円
  • 2,000円で非上場株式を譲渡(会社の売却代金)

譲渡価格が2,000円と、時価の1/2以下の価格なので、この場合には時価によって譲渡したと考えます。

したがって下記の価格を基に所得税等が課税されます。

  • 譲渡所得=10,000円-3,000円=7,000円

⑵時価より高い価格での非上場株式の譲渡

①個人に対する株式譲渡

譲渡価格が時価を上回る部分に、贈与税が課税されます。

また、時価から取得価格を差し引いた部分に、所得税が課税されます。

  • 非上場株式の時価:10,000円
  • 非上場株式の取得価格:3,000円
  • 13,000円で非上場株式を譲渡(会社の売却代金)

譲渡価格が13,000円と、時価よりも高い価格です。

この場合には、この3,000円が贈与税です。

  • 譲渡価格13,000円−時価10,000円=3,000円

一方で、この7,000円が譲渡所得となり、所得税が課されます。

  • 時価10,000円−取得価格3,000円=7,000円

②法人に対する株式譲渡

基本的には①の株式譲渡と同じです。

しかし法人に売却する際には、譲渡価格が時価を上回る部分に、贈与税ではなく給与所得や課税所得が課税されます。

非上場株式の株価算定方法

非上場株式の株価算定方法

一般的な非上場株式の価格の算定方法としては、3つの手法があります。

  1. 類似業種比準方式
  2. 純資産価額方式
  3. 配当還元方式

それぞれ使用する場面や、メリット・デメリットが異なります。

どのような違いがあるのか見ていきましょう。

⑴類似業種比準方式

非上場会社の株式を、その会社と同じ業種の他会社と比較する方法です。

原則として、大企業の非上場株式を評価する際に用いる手法です。

①メリット

  • 上場会社を比較対象とした場合、市場の取引を反映できるので信頼性が高まる
  • 純資産価額方式と比べて、相続税の支払額を低く抑えられる

②デメリット

  • 非上場企業を比較対象にすると、信頼性が低いと見なされる

適切な上場企業を比較対象とすることがポイントとなっています。

⑵純資産価額方式

会社の純資産を基準にして、非上場の株価を算出する方法です。

原則的には、非上場小会社の株式譲渡で用いられます。

①メリット

  • 貸借対照表の数字をベースに算出するので、客観性に優れていて、信頼性が高い
  • 含み損益を考慮するため、現実的な財務状況を株価に反映可能

②デメリット

  • 将来に渡る収益獲得力が株価に考慮されない

また、この非上場株式の評価方法は、大きく二つに分けられるので、それぞれ説明します。

(ア)簿価純資産法

  • 株価=簿価純資産額÷株式の総数

この際、純資産額に含み損益を含めた場合、評価時点の実質的な資産価値を反映できます。

(イ)時価純資産法

  • 株価=時価純資産額÷株式の総数

全ての資産を時価評価するのは困難なので、株式譲渡の交渉がもつれる可能性があります。

⑶配当還元方式

一年間の配当金を一定利率で還元して、非上場の株価を算出する手法です。

一般的には、同族株主以外が取得した非上場株式については、株式を発行した会社の規模に関係なく、この方法を用います。

この手法を活用した場合には、企業全体の価値を評価できないデメリットがあります。

したがって、非上場企業の株式譲渡にはあまり向いていない手法です。

【関連】M&Aの相場

非上場企業が株式譲渡を実施する際の手続き

非上場企業が株式譲渡を実施する際の手続き

続いて、非上場企業が株式譲渡を実施するときの手続きについて詳しく確認しましょう。

非上場企業が株式譲渡を実施するときの手続きは、以下のように分けることができます。

  1. 株式譲渡承認の請求
  2. 取締役会または株主総会での承認
  3. 決定内容の通知
  4. 譲渡契約の締結
  5. 株主名簿書き換え

5つのステップに分けて順番に確認しましょう。

⑴株式譲渡承認の請求

まず最初に、株式譲渡承認と呼ばれる手続きを実施します。

具体的には、売り手側と買い手側が共同で株式譲渡承認請求書を作成し、当該非上場企業に対して提出します。

その際、この書類には以下の事項を記載する必要があります。

  • 譲渡する株式の種類と数量
  • 売り手と買い手それぞれの住所や氏名

当該請求書はインターネットにテンプレートが出回っている為、気軽に作成可能です。

しかし、後々のトラブルに備える為にも、税理士等の専門家から助力を得た上で作成するのをオススメします。

ちなみに、非上場企業の中でも有限会社の株式には、例外なく譲渡制限がかかっています。

その為、この請求手続きは無条件で必要となるので注意しましょう。

もし手続きの観点でも条件を合わせたいのであれば、売り手選びには注意しておくべきです。

その際にはM&A総合研究所のM&Aプラットフォームを活用してください。

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⑵取締役会または株主総会での承認

非上場株式の譲渡について承認請求を行ったら、次は企業側が所定機関で承認手続きを実施します。

基本的には株主総会で手続きを実行します。

一方、取締役会が設置されている非上場企業の場合には、取締役会で行います。

ただし定款の定めによって、取締役会設置会社でも株主総会で、当該手続きを実行可能です。

ここで株式譲渡が承認されると、実際に株式を第三者に売却可能となります。

しかし、非上場株式の譲渡を認めないケースもあります。

その場合には、企業側は自身が株を買い取るか、指定の買取人に買収してもらうかを決定しなくてはいけません。

企業側が非上場株式を買い取る場合、株式を買い取る旨と買い取る株式の数について、株主総会で決議する必要があります。

一方で指定買取人に買い取ってもらうケースでは、取締役会もしくは株主総会で、買取人を決定します。

⑶決定内容の通知

所定機関で決定した事項について、株主側に通知します。

譲渡承認請求があった日から二週間以内に通知しないと、非上場株式の譲渡を承認したとみなされます。

認めていないのに決定した事になるので注意しましょう。

加えて、非上場株式の譲渡を承認しないケースでは、実行する手続きが異なります。

この非上場株式を誰が買い取るかについて、請求を行った人物に通知しなくてはいけません。

企業が非上場株式を買い取る場合は40日以内、買取人が買収する場合は10日以内に通知する必要があります。

⑷譲渡契約の締結

一般的なM&Aの手続きを経て、両者が合意に至れば株式譲渡契約書の締結です。

株式譲渡契約書には、以下の事項が記載されます。

  • 非上場株式の譲渡価格
  • 対価の支払い方法
  • 損害賠償に関する内容
  • 株式譲渡の目的・株主の氏名 

ただし契約によっては、さらに他の内容が付け加えられる場合もあります。

⑸株主名簿書き換え

ほとんどの非上場企業では、株券を発行していません。

株券を発行していない非上場企業は、株主を「株主名簿」で管理しています。

その為、株式譲渡の契約が完了したら、株主名簿の書き換えを実施しなくてはいけません。

以上で、非上場企業が株式譲渡を実施する際の手続きが完了します。

【関連】株式譲渡の手続き

非上場株式を時価より安く売却するなら

非上場株式を時価より安く売却するなら

非上場株式は株式譲渡の際に時価より安く価格を設定したうえで売却することできます。

しかし、この形で株式譲渡を行った場合は課税に気を付ける必要があります。

時価より安く価格を設定して売却することは、その分所得を減らして税金を抑えられるイメージがあるかもしれません。

時価より安くすることはより利益を増すことにもつながることであるため、かえって課税が増える可能性もあります。

課税は非上場株式を売却・購入したのが個人か法人かによって変わるのでそれぞれ確認していきましょう。

⑴売却:個人 購入:法人の場合

非上場株式を安く売却したのが個人であり、購入したのが法人の場合、売却した株式の価額が時価の2分の1未満になっていたのであれば、個人は時価で売却したのと同じ課税が発生します。

そして購入した法人は時価と購入した時の価額の差が利益として扱われ、その分が課税対象になります。

⑵売却:個人 購入:個人の場合

個人間で株式を時価より安く売却した場合、基本的にその価額が時価として扱われるため、特別な課税は追加されることはありません。

しかし、もし株式を時価よりかなり安い価額で売買した場合、贈与と見なされる可能性が高まります。

そうなると贈与税が課税されるため、気を付けておきましょう。

親族間での非上場株式の売買

親族間での非上場株式の売買

最後に、親族間での非上場株式の売買について確認しておきましょう。

事業承継のような場面では親族間で非上場株式の売買を行うことは珍しくありません。

これは後継者に経営権を獲得できるだけの株式を譲渡することで、経営者から後継者に会社を承継することが目的です。

株式は資産でもあるため、事業承継の際には相続や贈与という形で後継者に承継されるケースも多いでしょう。

しかし、相続税や贈与税のことや株式が分散してしまうリスクを踏まえると株式譲渡は確実に後継者に株式を承継させることができる手堅い方法だといえるでしょう。

親族と非上場株式の売買をするデメリット

株式譲渡は株式を売買することであるため、後継者には一定の資金力が求められることになります。

ただ、これは「一定の資金力が必要」という条件を後継者に持たせることで、株式が他の親族に株式が行き渡らないようにする、ある種の制約として有効的に機能するものであるため、必ずしも悪いことではありません。

非上場株式に多い譲渡制限株式の仕組みと組み合わせれば、より確実に後継者に株式を承継させることが可能になるでしょう。

ただ、経営権を獲得するだけの株式は過半数以上、中小企業であれば100%の株式の承継が必須です。

それだけの株式を購入できる資金力を後継者が確実に持っているとは限りません。
そこで、次のような手段を使うことをおすすめします。

親族と非上場株式の売買をする手段

そのため親族間で非上場株式の売買を行う際には、後継者を役員に昇格させ、役員報酬を調整することで収入を増やしたり、株式の価額を時価より安く設定することで株式譲渡を円滑化するという手法が用いられます。

株式の価額を時価より安く設定することは、さきほどもお伝えしたようにやりすぎると贈与税が発生する恐れがあり、かえってコストが高くなってしまう可能性が高いです。

相続や贈与など、他の手法を組み合わせながら実行する方がコストを抑えられるでしょう。

また、親族間の非上場株式の売買は、親族という間柄もあって当事者同士の感情でやってしまうこともあります。

ルールを守らなければトラブルの元になったり、税務署に睨まれることにもなりかねないので注意してください。

まとめ

非上場会社の株式譲渡は、後継者不足や将来への不安から増加傾向にあります。

上場企業とは少し手続きの内容が変わります。

違いについて知らずにM&Aを行うと、後々想定外の事態が生じる可能性も出てくるでしょう。

そのため、非上場企業の株式譲渡については、通常のパターンとは別に把握しておく必要があります。

非上場株式の株価算定や譲渡所得の算出プロセスは非常に複雑で、非上場会社が株式譲渡を自力で実施するのは大変です。

したがって、非上場会社の株式譲渡に携わった経験が豊富な仲介業者に支援してもらうのがベストです。

仲介業者などの専門家にアドバイスをもらいながら、非上場株式の株式譲渡を成功させましょう。

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民事再生法とは法律の1つで会社を再建するためには非常に有効な手段となっていますがメリット・デメリットが存在します。今回は民事再生法による詳細な内容と民事再生法の手続きや費用などを解説するとともに...

有料老人ホームのM&A・買収の最新動向/相場/メリットを解説【事例あり】

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入所する高齢者に介護などの支援を提供するのが有料老人ホームの事業です。当記事では、有料老人ホーム業が抱える問題をはじめ、M&Aの動き、M&Aの手法、買収の相場、関係者が享受できるメリット、スケー...

中小企業の廃業理由とは?廃業数・廃業率の推移と相談窓口も紹介

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民間調査会社のデータによると中小企業の廃業件数は増加しています。また、近年は廃業を視野に入れている中小企業の経営者も増加しています。そこでこの記事では中小企業の廃業に関する現状や廃業理由、また、...

廃業による従業員の処遇は?解雇にせずM&Aで雇用を守る方法も解説

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廃業を行うと従業員の処遇で困ることやさまざまなリスクがあるため、できる限り行いたくはありません。そのような場合においてM&Aは従業員を解雇せずに守ることができます。今回は廃業による従業員の処遇と...

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