2020年3月31日更新会社・事業を売る

M&Aスケジュールとは?M&Aにおける売り手・買い手スケジュール(流れ)を解説します

M&Aを実行する際には、対象企業を見つけてクロージングまで、さまざまなプロセスを経なくてはなりません。この記事では、M&Aにおけるスケジュールを買い手と売り手に分けて解説します。スケジュールと手順を理解して、リスクのないM&Aを検討しましょう。

目次
  1. M&Aスケジュールとは
  2. M&Aスケジュールの全体像を解説
  3. M&Aにおける買い手のスケジュール
  4. M&Aにおける売り手のスケジュール
  5. M&Aスケジュールの注意点と解決法
  6. M&Aスケジュールの短縮方法
  7. まとめ
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M&Aスケジュールとは

M&Aは案件の大きさによっても異なりますが、基本的にはクロージングまでそれなりの時間を要します。M&A仲介会社にサポートをお願いすることでスムーズな取引は可能ですが、買い手も売り手も手間取らないために、M&Aスケジュールを把握する必要があります。

この記事では、M&Aにおける売り手・買い手のスケジュールをわかりやすく解説します。M&Aは不必要に時間を費やすと失敗のリスクも高まるため、スケジュールと手順を理解したうえでM&Aを検討しましょう。

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業界ごとにM&Aを行う目的、メリットを紹介!

M&Aスケジュールの全体像を解説

買い手と売り手別のM&Aスケジュールを解説する前に、M&Aスケジュールの全体像を解説していきます。以下に挙げるスケジュールの全体像を、順序に沿ってそれぞれ詳しく紹介していきます。

  1. M&A戦略の策定
  2. 対象企業を見つける
  3. 交渉
  4. 契約
  5. 統合

①M&A戦略の策定

M&Aは、後継者不足問題の解決、経営基盤の強化、事業規模の拡大といったさまざまな目的のために行われます。M&Aを実行する前に、何を実現したいのか、M&Aを行う目的をはっきりさせなくてはなりません。

目的がはっきりすればM&Aの手法を検討しやすく、M&A戦略の策定につながります。M&Aといっても「買収」「合併」「事業譲渡」「株式譲渡」など手法はさまざまで、目的に合った手法を検討する必要があるのです。

もし目的が曖昧であると、後になって適切ではない手法を選択して、M&Aが失敗に終わってしまうことも考えられます。こういった事態を防ぐためにも、目的と手法をきちんと分析し、M&A戦略を策定する必要があります。

②対象企業を見つける

具体的なM&A戦略が決まったら、M&Aの対象企業を探します。買収であれば「買収候補となる企業」の選定を行うこととなりますが、その際に候補企業の財務状況など、専門的な調査・分析を行う必要があります。

特に買い手は売り手となる企業を取り込むため、売り手が持つリスクも抱えることになります。買収候補を絞る際に、買収にあたってどのくらいのリスクがあるのか、きちんと検討しておかなくてはなりません。

また、売却であれば、適切に事業を経営してくれる企業を探す必要があります。M&Aにあたり、買い手と売り手の信頼関係を築くことも成功への鍵となってくることを覚えておきましょう。

③交渉

対象企業が決まれば、その企業と企業の株主に対してアプローチを行い、相手企業が応じた場合は具体的な協議に進みます。協議で合意に至った場合は「基本合意書の締結」が行われ、必要となる調査とともに具体的な買収金額などの交渉が行われます。

この段階での調査は、買い手と売り手に分けて考える必要があるので、詳しくは後述します。いずれにせよ、対象企業が決まったら、具体的な交渉を進めていくというイメージです。

④契約

交渉がまとまったら最終的な契約に進み、これまでの交渉結果をもとに、当事者が合意した条件が盛り込まれた「最終契約書」が交わされます。そして契約締結後、M&A業務における最終的な手続き(クロージング)によって取引が実行されるのです。

例えば株式譲渡であれば、株券の引き渡しと対価の支払いがクロージングとなり、実際に経営権が移転します。

⑤統合

クロージング後は新体制のもとでスタートしますが、ここで「統合」の段階に進みます。統合とは買収企業と売却企業、2社の違いを素早く埋めるプロセスのことをいいます。

買収後の事業展開をスムーズに進めるためには、風土・雰囲気など2社の違いを早急に埋めなくてはなりません。また、人事システム、情報システム、業務プロセスなど、あらゆる面で統合作業を行う必要があります。

これらは、実際に業務をこなす中で統合作業を進める形になります。このように、取引の実行後にも重要なプロセスが残っているため、M&Aは取引を実行して終わりというわけではないことを覚えておきましょう。

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M&Aにおける会社売買とは?会社売買のメリット・デメリット、動向や相場を把握する方法を解説!

M&Aにおける買い手のスケジュール

次に、買い手側から見たM&Aのスケジュールにつき、順番に整理しておきます。前述したM&Aスケジュールと大まかな流れは変わりませんが、より具体的な手順も踏まえながら特徴を見ていきましょう。

①M&A戦略の策定

まず、どのような企業・事業を買収したいのか、どのような手法を用いるのか、具体的なM&A戦略を策定します。M&Aによる買収は、新規事業の参入や事業領域の拡大といったメリットがあります。

例えば、一から新規事業を開始して参入することは難しいですが、その事業で業績のある企業を買収すれば、比較的短期間でその事業に新規参入が可能です。このように、M&Aによってどのような企業・事業を買収したいのか、具体的に戦略を練る必要があります。

②対象企業を見つける

次に、買収候補のリストを作成するなどして、買収対象となる企業の選定を進めます。先ほども述べたように、買収候補企業の財務状況など、専門的な観点から調査・分析をしなくてはなりません。

この「デューデリジェンス」と呼ばれる専門的な調査や分析は、買収対象が決まった後で本格的に行われます。売り手を取り込む立場となるため、リスクなどを事前に検討する必要があるからです。

しかし、対象企業を選定する段階でも、財務状況など最低限の分析はきちんと行わなくてはなりません。候補を絞るうえで、あらゆる問題点を洗い出しておく必要があります。

③基本合意書の締結

買収したい企業が決まった後は、その企業と企業の株主へアプローチします。相手企業が買収に応じた場合は、買収方法などの具体的な内容の協議を進めて、協議で合意に至った際には基本合意書を締結します。

④デューデリジェンス

基本合意書の締結後は、前述したように「デューデリジェンス」と呼ばれる、買収対象企業の財務状況など詳細な調査を行います。これらの調査は、買収金額などの具体的な交渉のために重要な意味を持ち、M&Aの実行を左右する重要なプロセスとなります。

買収金額の算定のためには、対象企業の資産価値を適正に評価する必要があるからです。デューデリジェンスでは、このような買収対象企業の経営状況などを詳細に調査して問題点を検証します。

買い手と売り手を比較すると、一般的には買い手のリスクが高いといえます。買い手は売り手が抱えている問題も取り込むため、経営における問題点はないか、税務・法務上の問題点はないか、トラブルになるような点はないかなどさまざまな点を検証する必要があります。

例えば対象企業に簿外債務があった、対象企業が訴訟を抱えていたなど、問題が発覚すればもう一度検討する必要があるでしょう。法的な問題など、見過ごすことのできない重大な問題が発覚すれば、買収自体を取りやめる場合もあります。

⑤交渉

デューデリジェンスの結果も踏まえ、買収金額などの具体的な交渉を進めます。デューデリジェンスによって問題が発覚しても、法的な問題でない限りは買収に踏み切る可能性があります。

例えば経営面で問題があっても、買収によって最終的に解決できると判断し、多少リスクが高くても買収に踏み切るといったケースです。ただしリスクが高い分、買収価格を引き下げて買収をすることになります。

ここで価格交渉がうまくいかなければ、買収が中止になる可能性もあるのです。交渉次第ではM&Aが実現しないおそれがあるため、交渉をうまく進めるには専門のアドバイザーやM&A仲介会社に相談することをおすすめします。

⑥契約・統合

交渉がまとまった場合は、最終的な合意によって契約となり取引が実行されます。M&A業務における最終的な手続き(クロージング)によって経営権が移転し、買収対象企業が傘下に入り、買収後には統合の段階に進むことになります。

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M&Aの目的とは?売り手(売却)、買い手側(買収)におけるM&Aの目的を解説

M&Aにおける売り手のスケジュール

次に、売り手側から見たM&Aのスケジュールを整理しておきましょう。売り手側のスケジュールも、M&Aスケジュールの全体像と大きな違いはありませんが、買い手よりも比較的シンプルといえます。

①M&A戦略の策定

売り手にとってM&Aは、後継者不足問題の解決、経営基盤の強化、事業規模の拡大といったさまざまなメリットがあります。どのような目的でM&Aを行うのか、そのための最適な手法は何か、あらゆる面を検討してM&A戦略を策定します。

②対象企業を見つける

自社の事業を引き継ぎ、適切に経営してくれる企業を探す必要があります。対象企業に将来、自社の経営を任せることになるため、慎重に検討して信頼できる企業を見つけなくてはなりません。

自社の従業員の立場なども踏まえ、適切な経営をしてくれる企業かどうか、候補企業を徹底的に分析することが重要です。

③基本合意書の締結

買収に応じる段階に入ったら、買い手側と具体的な内容を協議します。協議で合意できれば、基本合意書の締結が行われます。

④交渉

売り手にとっては従業員の待遇、今後の経営方針や事業展開、売却価格など、さまざまな点を交渉しなくてはなりません。特に従業員の待遇など、非常にデリケートな問題も含まれます。

交渉がうまくいかずに不利な条件で売却すれば、従業員の反発を招くおそれもあります。より良い条件でのM&Aを実現するためにも、M&A仲介会社や専門的なアドバイザーに相談することが有効です。

⑤契約・統合

交渉がまとまったら、最終的な契約の段階に進みます。契約、取引の実行、統合については、先ほど述べた買い手の例と同じように考えることができます。

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M&Aスケジュールの注意点と解決法

ここまでM&Aスケジュールを紹介していきましたが、それを踏まえて以下に注意点と解決法を挙げていきます。

注意点:M&Aは専門的な知識が必要

M&Aのスケジュールを見ると、それぞれの段階で専門的な知識が求められることがわかります。また、自社だけでM&Aのスケジュールを進めるわけではないという点を十分に注意しておきましょう。

例えばデューデリジェンスでは、税務・法務上の問題点など、専門的な内容を調査・検証しなくてはなりません。また、経営者だけでM&A交渉をすると、トラブルが発生する可能性が高まります。

これらの注意点を踏まえても、M&Aは専門知識を持つコンサルタントが交渉を進めることで、より良い条件でのM&Aが可能です。M&Aのスケジュールのさまざまな段階で専門家のサポートを受け、より経済効果の高いM&Aにつなげなくてはなりません。

解決法:M&Aの専門家を活用

M&Aの専門家に依頼することで、M&Aスケジュールの最初から最後まで手厚いサポートを受けることができます。M&A戦略の策定では、専門家のアドバイスも踏まえ、より良い形でM&Aを実現するための具体的な戦略を練る必要があります。

また、対象企業を見つける際にも、専門家が持つネットワークを活用すれば、より広範囲で候補企業を探すことができます。交渉やデューデリジェンスも、専門家に協力してもらうことでより良い結果を得られるでしょう。

統合の段階でも、専門家のアドバイスを受けることは大きな意味があります。先ほども述べたように、M&Aは取引を実行して終わりというわけではなく、取引の実行後も業務の中で統合作業を進めることになります。

このように重要なプロセスが多くのあるM&Aですが、もし検討している際には豊富なアドバイザーが在籍しているM&A総合研究所にぜひご相談ください。M&A総合研究所では早いクロージングを目指しており、平均3ヶ月という短期間でのクロージングを実施可能です。

また、M&A総合研究所は初回の無料相談後も、一切費用が発生しない完全成功報酬制で、成功報酬は国内最安値水準です。M&Aについてお悩みの際には、ぜひ一度M&A総合研究所までお気軽にお問い合わせください。

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M&Aスケジュールの短縮方法

一般的には1年程度の長い時間を要するM&Aですが、長い時間をかけすぎることで業界の動向などが変化して、M&Aによる効果が受けられなくなることもあります。この項では、少しでも時間短縮するために考慮すべき点を以下で紹介します。

①あらかじめ譲歩条件を決めておく

M&Aのスケジュールを短縮するために、あらかじめ譲歩条件を決めておくことをおすすめします。最初から条件を絞りすぎると候補先の会社が少なくなるため、自社にデメリットが生じない範囲で検討しましょう。

②M&Aスケジュールのシミュレーション

M&Aのスケジュールを短くする方法として、全体的なM&Aスケジュールをシミュレーションすることは大切です。想定通りにM&Aが進めば問題ありませんが、想定外のできごとに直面する可能性もあります。

場合によってはM&Aの方向性までぶれてしまうおそれがあるため、事前にあらゆる可能性をシミュレーションしておくことで臨機応変に対応できるようにしておきましょう。

③統合のプロセスを準備

前述したとおり、M&Aを実行した後はその成否を決めるといっても過言ではない「統合」というプロセスがあります。M&Aスケジュールを短縮するためには、統合における手続きの効率化・対策案や、具体的なスケジュールを検討しておくことが必要です。

また具体的な対策案を検討する際、買い手は売り手の社内の雰囲気や、企業文化を事前に把握しておくことも必要です。そしてクロージングまでには、統合するための施策を具体的なスケジュールとともに社内に共有しましょう。

※関連記事
M&Aのプロセスとは?買収・売却におけるプロセスや注意点を解説

まとめ

M&Aスケジュールは、簡単にいえば「M&A戦略策定→対象企業を見つける→交渉→契約→統合」という流れですが、それぞれの段階でさらに細かい手続きがあります。例えば、基本合意書の締結やデューデリジェンスなど、複数の手続きを経る必要があります。

このようにM&Aのスケジュールでは、最初から最後まで多岐に渡るプロセスがあり、いずれも高度に専門的な知識が求められるため専門家のサポートを受けることも必要です。最後に、今回の記事をまとめると以下のとおりです。

・M&Aスケジュールの全体像
→M&A戦略の策定、対象企業を見つける、交渉、契約、統合

・M&Aにおける買い手スケジュール
→デューデリジェンス(買収対象企業の財務状況など詳細な調査)が重要

・M&Aにおける売り手スケジュール
→従業員の待遇、今後の経営方針や事業展開、売却価格など交渉が重要

・M&Aスケジュールの注意点と解決法
→専門的な知識が必要なため、専門家を活用

・M&Aスケジュールの短縮方法
→譲歩条件を決めておく、M&Aスケジュールのシミュレーション、統合のプロセスを準備

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