2020年11月10日更新業種別M&A

SESの事業売却とは?メリット・デメリットや事例をご紹介!

近年、特にSESの需要が高まっており、競争力の強化などを目的にM&Aを実行するケースも増えています。SES事業で事業売却・会社売却・M&Aを検討する場合、業界動向やM&A事例を総合的に判断し、分析を進めることが大切です。

目次
  1. SESの事業売却について
  2. SES事業とは
  3. SESの事業売却の現状
  4. SESの事業売却/会社売却のメリット・デメリット
  5. SESの事業売却/会社売却の注意点
  6. SESの事業売却/会社売却の事例
  7. まとめ
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SESの事業売却について

事業の強化・拡大や新規業界への参入などを目的に、M&A・事業売却/会社売却を検討する企業が増えています。さまざまな業界でM&Aが活発化しており、「子会社化」「買収」「事業売却」などといった言葉を見聞きする機会も増しています。

このようなM&A・事業売却/会社売却ですが、近年はSES事業を行う会社の間でもしばしば見られます。本記事では、SESに関するM&A・事業売却/会社売却について、その現状や具体的な事例などをご紹介します。

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SES事業とは

SESとは、システムエンジニアリングサービスの略称で、主にソフトウエアやシステムの開発・保守・運用などで行われる委託契約の一種になります。

また、SES事業とは、IT関連分野に精通したエンジニアを他社に派遣することでシステム・ソフトウエアなどの開発・保守・運用を行う事業のことをさします。このようなSES事業を手がける会社が、SES事業会社となります。

①SES事業のニーズ

外部のエンジニアに対するニーズの高まりに伴い、SES事業の重要性もますます高まっています。これは、それぞれの会社でエンジニアが足りていない、または、エンジニアの育成が追いつかないことなどが主な要因として挙げられます。

会社内に優秀なエンジニアが多く在籍していれば問題ありません。しかし、近年は特にIT業界で人材不足が深刻化していることもあり、それぞれの会社で人材が足りない、または、人材の育成が間に合わないなどのケースも目立ちます。

そのような状況になると、どうしても外部のエンジニアに頼らざるを得な苦なり、SES事業会社が対象企業に向けて、エンジニアを常駐させ、システムやソフトウエアに関する開発・保守・運用などのサービスを提供することがあります。

②SES契約の仕組み

SES契約とは、エンジニアを対象企業に常駐させ、期間内の労働に対して報酬を支払う契約のことをさします。SES契約は請負契約や派遣契約との違いも重要ですので、以下で整理しておきます。

請負契約との違い

請負契約とは、ある仕事を完成することを約束し、それに対して報酬を支払うという契約のことです。成果物を引き渡すなどの形で仕事を完成させなければ、対価は支払われないという点に特徴があります。

一方、SES契約は期間内の労働に対して報酬が支払われることに特徴があり、この点がSES契約と請負契約の違いになります。つまり、SES契約の場合、もしシステムなどが完成していなかったとしても、その期間内の労働については対価が支払われることになります。

派遣契約との違い

派遣契約は、対象企業が実施するプロジェクトに応じてエンジニアが派遣される形になります。つまり、対象となるプロジェクトが完了すれば、別の企業に移ることになります。そのため、同じ企業に長期間常駐する契約とは異なります。

一方、SES契約は契約内容によって雇用期間が定められ、対象企業に常駐して業務を進めます。また、SES契約はSES事業会社にエンジニアへの命令権があります。しかし、派遣契約の場合は派遣先企業にエンジニアに対する命令権があるという違いがあります。

③SES事業の動向

前述したように、さまざまな会社でエンジニアが足りていない傾向が強いため、外部のエンジニアに対する需要は高く、SES事業に対する需要も高まっています。また、SES事業はIT業界でも特に競争が激しいとされています。

SES事業が属するソフトウエア業は、IT業界でも特に企業数が多く、競争相手が多くなります。また、IT分野におけるニーズは日々目まぐるしく変化しており、最新技術をはじめ、さまざまな動向・ニーズに対応できるかがカギとなります。

保有する技術、ノウハウ、エンジニア個人の技術力など、それぞれで高い競争力が求められます。さらに、IT業界全体で人材不足が深刻化しているため、SES事業会社も人材の効率的な確保は急務となります。そして、優秀な人材の有無は、SES事業会社の競争力に影響します。

SESの事業売却の現状

次に、SESに関連する事業売却について、その動向や現状についてご紹介します。M&Aが活発化している現在、事業売却や会社売却、事業譲渡など、それぞれの言葉が持つ意味が曖昧になっているケースもあります。

いずれもM&Aの手法として考えられますが、事業売却という言葉が使用される場面も非常に多いため、まず事業売却の意味からしっかりおさえておきましょう。

①事業売却とは

事業売却とは、基本的には会社の事業の全部または一部を他の会社に売却することをさします。会社の事業を第三者に売却(譲渡)するという意味で、事業譲渡ともいわれ、あくまで事業を切り離して譲渡することを意味します。

そのため、株式そのものが動くわけではなく、この点が事業譲渡と株式譲渡の違いです。ただし、事業譲渡ではなく事業売却と表現する場合、事業譲渡だけでなく株式譲渡を含むケースもあります。

つまり事業売却には、事業の全部または一部を譲渡する方法(事業譲渡)と、株式を譲渡して経営権を移転させる方法(株式譲渡)の2種類があります。また、株式を譲渡する形で会社の全ての事業や資産を他社に譲渡することを、会社売却といいます。

基本的には、株式譲渡(会社売却)の事例が多く見られます。このような事業売却、つまり事業譲渡と株式譲渡(会社売却)は、いずれもM&Aの手法に含まれます。

②SESのM&A・事業売却/会社売却の現状や動向

SESのM&A・事業売却/会社売却の現状や動向について整理しておきます。

人材確保のためのM&A

IT業界では、特に人材不足が深刻化しており、いずれの企業も優秀な人材の効率的な確保が急務となりますが、これはSES事業会社も例外ではありません。そこで、M&Aによって優秀な人材を効率的に確保するケースも増えています。

優秀な人材が多く在籍するSES事業会社を買収し、比較的短期間で多くの人材の確保を実現するといったケースがあります。IT企業によるSES事業会社のM&Aは増加していますが、特に今後は人材確保を目的としたM&Aが加速する可能性があります。

また、買収されるSES事業会社からすると、優秀な人材を多く抱えていれば、いろいろな企業が買い手に名乗り出てくれる可能性があるということです。資金力の豊富な大手企業に売却できれば、売り手となるSES事業会社にとっても大きなメリットがあります。

特に創業して間もないSES事業会社であれば、経営基盤の安定化などを目的に事業を売却するメリットは大きく、そして、優秀な人材が多く在籍するということは、事業売却を成功させる大きな強みになります。

同業者同士によるM&A

先ほども述べたように、SES事業は競争が激しい傾向があります。こうした状況で競争力の強化を図るため、同業者同士のM&Aが加速しています。

同業者同士であれば、双方のノウハウや技術、サービス体制、人材などをスムーズに活用でき、競争力の強化につなげやすくなります。

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SES事業会社のM&A・買収・売却・譲渡動向や相場、事例、成功のポイントを解説

SESの事業売却/会社売却のメリット・デメリット

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ここでは、SESの事業売却/会社売却のメリット・デメリットについて解説します。

①SESの事業売却/会社売却のメリット

M&A・事業売却/会社売却は、事業の強化・拡大、競争力の強化、新規業界への参入などのメリットのほか、後継者不足問題の解決や経営基盤の安定化など、経営上の問題を解決するための手法としても効果的です。

同業者がSES事業会社を買収するケースであれば、SES事業の強化・拡大や競争力の強化につながり、異業種の企業がSES事業会社を買収すれば、一からSES事業を開始するより比較的短期間で新規参入を果たすことが可能です。

また、SES事業会社が事業売却/会社売却を行う場合であれば、大手の傘下に入って経営基盤の安定化などのメリットを狙うといったケースが考えられます。

②SESの事業売却/会社売却のデメリット

M&A・事業売却/会社売却は、売り手・買い手ともに適切な対象企業と取引をして初めて成功するため、損失が発生してしまった、従業員が反発したなどの事態にならないように、きちんと見極める必要があります。

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SESの事業売却/会社売却の注意点

M&A・事業売却/会社売却によって何を成し遂げたいのかという目的と、その目的に合った適切な対象企業選定は、M&A・事業売却/会社売却を成功に導くための大前提となります。

特にSES事業会社の場合、優秀な人材の確保や技術の強化など目的はさまざまであるため、目的と適切な対象企業選定が曖昧であると、M&A・事業売却/会社売却の失敗につながります

何を優先すべきかをはっきりさせ、目的に合った対象企業を見つけ、競争力の強化などにつなげる必要があります。また、M&A・事業売却/会社売却は専門的な手続きが多いので、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家のサポートを受けることが大切です。

もし信頼できるM&A仲介会社をお探しの場合は、専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しているM&A総合研究所へぜひご相談ください。

通常のM&A取引は交渉から成立まで半年から1年程度かかることが多いですが、M&A総合研究所は最短3ヶ月でクロージングを実現させていますので、ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。

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SESの事業売却/会社売却の事例

SESのM&A・事業売却/会社売却の事例について、代表的なものを4つご紹介します。

①FPG×ケンファースト

FPGは、2020年4月に、ケンファーストの発行済全株式を取得し、同社を連結子会社化することおよび新たな事業の開始を決定しました。

FPGグループは、リースアレンジメント事業、不動産事業、保険事業、M&A事業などを展開しており、全国約5,000の会計事務所、約140の地方銀行・証券会社との提携を活かし、グループで取扱商品・サービスの拡大を図っています。

ケンファーストは、SI事業、チャットボット事業、インフラ事業、およびSES業務を取り扱っています。特に、フィンテックに強みがあり、最先端のIT技術を持った経験豊富な多数のエンジニアが、当該技術を活用し、さまざまな金融サービスなどを提供しています。

このM&Aにより、ケンファーストの最先端 IT 技術をFPGグループの商品開発・販売に最大限活かし、グループを取り巻く構造変化に柔軟に対応し、さらなるサービス・業務拡充に向けた施策に活かし、企業価値の向上を図ります。

②じげん×マッチングッド

ライフメディアプラットフォーム事業を展開するじげんは、2019年1月に業務支援システムの開発などを手がけるマッチングッドを子会社化しました。また、同年2月には、じげんの子会社であるブレイン・ラボとマッチングッドが同年4月1日付で合併されました。

じげんは2014年、人材紹介会社向けに採用管理基幹システムを提供しているブレイン・ラボを子会社化し、HRテックの推進などに取り組んでいます。また、ブレイン・ラボはじげんグループに入ってから売上高が倍増するなど、確かな実績と業績を残しています。

そして、じげんが子会社化したマッチングッドは、人材紹介会社、人材派遣会社、企業の採用担当者向けに採用管理業務を支援する基幹クラウドシステム「matchingood(マッチングッド)」を提供し、約260社の顧客基盤を有している会社です。

このマッチングッドをじげんが子会社化することで、マッチングッドとブレイン・ラボの協業による顧客社数の増加、商品ラインアップの拡充を実現し、収益拡大を目指すとしています。

マッチングッドとしては、会社売却に加えて合併という形で、ブレイン・ラボとさらに一体化したサービス体制のもと、これまでのノウハウや事業基盤が活かされる形となっています。

③ITbook×RINET

2018年8月、官公庁や民間企業向けのITコンサルティングなどを展開するITbookは、エンジニア派遣などを行うRINETを子会社化することを発表しました。取得価額は1億円とされ、同年9月にRINETはITbookの子会社となっています。

ITbookはITコンサルティングを事業内容とするほか、新しい事業創生にも積極的に取り組んでいます。RINETの子会社化も、新たな分野への進出の一環として行われたものです。

RINETはエンジニア派遣や受託開発などの事業を展開しており、AIやIoT向けの社内教育、システム開発なども行っています。ITbookはRINETを子会社化したことで、新たな分野への進出、そして既存事業とのシナジーの創出、事業の発展などにつなげるとしています。

④日本プロセス×アルゴリズム研究所

2018年5月、制御/組込システム開発などの事業を展開する日本プロセスは、社会インフラ分野のシステム開発を行うアルゴリズム研究所を子会社化しました。

日本プロセスは、IoT、自動車、環境・エネルギー分野を重要視し、次の中核ビジネスへの注力や人材への重点投資に取り組んでいました。特に自動車を注力分野とし、車載制御システムや車載情報システムの開発、自動運転に向けた先進運転支援システム(ADAS)分野の拡大などを進めています。

また、アルゴリズム研究所は鉄道、道路、消防・防災といった社会インフラ分野のシステム開発を行い、確かな顧客基盤を誇ります。アルゴリズム研究所の子会社化により、日本プロセスは共同営業や業務委託などを行うことでグループの成長につなげるとしています。

まとめ

SESとは、システムエンジニアリングサービスの略称で、ソフトウエアやシステムの開発・保守・運用などで行われる委託契約の一種です。また、SES事業は、IT関連のエンジニアを他社に派遣し、システム・ソフトウエアなどの開発・保守・運用を行う事業のことを意味します。

近年特にSESに需要が高まっていますが、SES事業の競争激化も目立ちます。こうした中、競争力の強化などを目的にM&Aを実行するケースも増えています。

また、人材不足が深刻化していることもあり、優秀な人材を抱えていると多くの買い手が魅力を感じ、それだけ事業売却/会社売却も成功しやすくなります。

今回の記事をまとめると、以下のようになります。

・SES事業とは
→IT関連のエンジニアを他社に派遣することでシステム・ソフトウエアなどの開発・保守・運用を行う事業

・SESの事業売却の現状
→事業売却:基本的には会社の事業の全部、または一部を他の会社に売却すること

・SESのM&A・事業売却/会社売却の現状や動向
→人材確保のためのM&A、同業者同士によるM&A

・SESの事業売却/会社売却のメリット
→同業者がSES事業会社を買収するケースであれば、SES事業の強化・拡大や競争力の強化、異業種の企業がSES事業会社を買収すれば、一からSES事業を開始するより比較的短期間で新規参入を果たすことが可能

・SESの事業売却/会社売却のデメリット
→損失が発生してしまった、従業員が反発したなどの事態にならないように、きちんと見極める必要がある

・SESの事業売却/会社売却の注意点
→目的と適切な対象企業選定が曖昧であると、M&A・事業売却/会社売却の失敗につながる、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家のサポートを受けることが大切

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