M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年2月9日更新会社・事業を売る
M&A仲介会社へのマージンは高い?仲介会社に支払う紹介手数料・相場・報酬体系を解説
M&A仲介会社にサポートを依頼すると、一定のマージンが発生します。相談先によって仕組みや報酬体系が異なり、時には数千万円以上の差異が生じうるため、事前の確認が大切です。本記事では、M&Aで発生するマージンの仕組み、相場・報酬体系を解説します。
目次
M&A仲介会社へのマージンは高い?
M&Aでは、契約書の締結やM&A先の選定・交渉など、各工程で専門的な知識が必要になります。必要な知識を全て自力で補うのは非現実的なので、M&A仲介会社のサポートを受けながら進めることが一般的です。
しかし、M&A仲介会社にサポートを依頼すると、安いとはいえない金額のマージンが発生します。この章では、M&AにおけるM&A仲介会社の役割やマージンの仕組みを解説します。
M&A仲介会社とは
M&A仲介会社とは、M&Aの仲介を役割とする専門家です。M&A取引における譲渡企業と譲受企業との中立的な立場から、成約に向けた仲介業務を行います。
仲介者が中立的・客観的な仲介に努めることで、友好的にM&Aを進行します。譲渡企業・譲受企業の経営陣の同意を得たうえで、進めやすくなるため、中小企業のM&Aでは仲介会社にサポートを依頼することが多いです。
M&A以外に事業承継のサポートも業務内容に含むことがあります。中小企業は、経営者の高齢化や後継者不在の影響から事業承継問題が深刻化しているため、積極的にサポートする仲介会社も多くなっています。
M&Aのマージンの仕組み
M&A仲介会社は、サポートの対価として依頼主からマージンを受け取っています。M&Aのマージンは、M&A仲介会社の収入源となっています。金額はM&Aの取引規模や仲介会社が設定する基準に応じて変動するのが一般的です。
M&Aのマージンは、着手金・中間金・成功報酬などの種類分けがされています。仲介会社によっては、特定種類のマージンを無料としているところもあるので、相談先によってM&A費用は大きく変わります。
また、M&A仲介会社との契約形態によっても依頼主の手数料負担が変わるのも特徴です。仲介型では譲受企業と譲渡企業の双方からマージンを受け取るのに対し、アドバイザリー型は片方の依頼主のみからマージンを受け取るので、金銭的負担が増加する傾向にあります。
M&A仲介会社へのマージンは高いのか
M&A仲介会社へのマージンは、取引規模に応じて変動するため、なかには数千万円規模になることもあります。取引価格のいくらかをマージンにあてることになるため、依頼主の負担は大きいといわざるを得ません。
マージンが高くなる理由は、M&A人材の人件費が高いためです。M&A仲介業務には、M&Aや金融の知識を持つ優秀な人材が必要不可欠であるため、かかわる人材が多くなるほど人件費も高くなります。
M&A成約までの期間が長くなりやすいことも、マージンが高くなる要因の一つです。M&A交渉が長期化するほどM&A人材の拘束期間が長くなり、人件費もその分必要になるので、M&Aのランニングコストも肥大化します。
M&A仲介会社が支出した費用は、依頼主が負担する形となるため、マージンも高くなる傾向にあります。
M&A仲介会社による紹介手数料と相場
M&Aで支払うマージンですが、着手金・中間金・成功報酬などの報酬体系、金額を算出する方法も違う場合があるため、相談先によって大きく変わります。
M&A後の資金を多く残すことを考えた場合は、マージンが安い依頼先を選ぶ必要があるでしょう。この章では、複数のM&A仲介会社を見極めやすいように相場を解説します。
M&A仲介会社の紹介手数料
M&A仲介会社の紹介手数料の仕組みをご紹介します。
レーマン方式とは
レーマン方式とは、取引金額に応じて報酬料率が逓減する仕組みの体系です。取引金額に一定の料率を乗じることで成功報酬を算出する方式です。合理的な計算式として、ほぼ全てのM&A実務で採用されています。
料率は、仲介型の場合1~5%が一般的です。アドバイザリー型の場合は片方からのみマージンを受け取る形式であるため、単純に倍増させた2~10%を採用しているところも多いです。
【レーマン方式の一般的な料率】
- 取引金額5億円以下の部分・・・5%
- 取引金額5億円超~10億円以下の部分・・・4%
- 取引金額10億円超~50億円以下の部分・・・3%
- 取引金額50億円超~100億円以下の部分・・・2%
- 取引金額100億円超の部分・・・1%
例えば、取引金額が15億円の場合、各部分に3~5%の料率が適用されることになります。金額が高くなるにつれ、料率が逓減されて負担も軽くなります。
【取引金額15億円の場合】
- 5億円(5億円以下の部分)× 5% = 2500万円
- 5億円(5億円超~10億円以下の部分)× 4% = 2000万円
- 5億円(10億円超~50億円以下の部分)× 3% = 1500万円
- 成功報酬 = 2500万円 + 2000万円 + 1500万円 = 6000万円
成功報酬の算出基準
M&Aの成功報酬は、取引金額に一定の料率を乗じることで算出されます。しかし、ベースとする取引金額が違う場合、同じ完全成功報酬のM&Aであっても算出される成功報酬が違ってきます。
譲渡価格ベースは、株式譲渡対価のみに料率を乗ずる方式です。株価総額の部分のみを考慮する形式なので、ベース価格が安くなる傾向にあり、算出される成功報酬も安くなる特徴があります。
移動資産ベースは、株価総額+負債総額に料率を乗ずる方式です。株価総額と企業の負債価額の総和をベースとするため、算出される成功報酬は高くなる特徴があります。
例えば、移動総資産15億円(株価総額5億円+負債価値10億円)の企業をM&Aで売却した場合、料率を乗じる部分は、移動資産ベースの15億円に対して、譲渡価格ベースは5億円です。
それぞれの算出基準における成功報酬は、移動資産ベースは6000万円、譲渡価格ベースは2500万円となり、2倍以上の開きが生まれます。
算出基準が移動資産ベースでは、完全成功報酬制であっても負担が膨らみます。依頼する際は、算出基準までしっかりと確認することが大切でしょう。
M&A仲介会社の紹介手数料の相場
M&Aの料金体系は複雑化しており、近年のM&A業界の競争激化から、一部の手数料を無料とする仲介会社も増えています。相談先次第で必要になる手数料が全く異なるため、依頼主にとって判断基準が難しい部分でもあります。
見極める際の判断材料として、手数料の相場を把握しておくことが大切です。下表はM&A実務で採用されることが多い手数料の相場を一覧表に取りまとめたものです。一つの項目で数十万~数百万円の開きがあるので、総額ではかなりの違いがでることが分かります。
【M&Aの手数料の相場】
相場 | 備考 | |
着手金 | 50~100万円 | M&Aサポートの依頼時に発生 |
中間金 | 成功報酬の10~30% | 基本合意時に発生 |
成功報酬 | 取引価格の1~5%の料率 | M&A成約時に発生 |
月額報酬 | 50万円/月 | M&Aサポートの依頼以降、毎月発生 |
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M&A総合研究所は、主に中小・中堅規模のM&Aを手掛けるM&A仲介会社です。M&Aの実績豊富なアドバイザーが多数在籍しており、ご相談からクロージングまでフルサポートいたします。
当社は成約までのスピードを重視したサポートを実践しており、本業への支障を最小限にとどめつつ成約を目指します。
料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。成功報酬の算出でレーマン方式の料率を乗じる基準は、譲渡価格ベースです。
無料相談は随時お受けしています。M&A仲介会社をお探しの際は、お気軽にM&A総合研究所までご連絡ください。
M&A仲介会社の報酬体系とは
M&A仲介会社次第で採用する手数料はさまざまであり、報酬体系も非常に多くなっています。この章では、M&A仲介会社の報酬体系に採用されることが多い手数料の種類や概要を解説します。
【M&A仲介会社の報酬体系】
- 相談料
- 着手金
- 中間金
- 成功報酬
- 月額報酬
- デューデリジェンス費用
- その他、業務にかかる費用
相談料
相談料はM&A仲介会社に相談する際に発生する手数料です。近年はM&A業界の競争も激化しているため、間口を広げる目的で相談料無料が一般的になりつつあります。
しかし、中には数万円程度の相談料を要求する会社も存在します。トラブルを防ぐため、M&A仲介会社に相談する前に、相談料が発生するかどうか、そしてその金額を事前に確認することが大切です。
主な相談内容は「M&Aの正当性」や「M&Aの大まかな流れ」などです。多くの経営者にとってM&Aは初経験であることが多いので、M&Aに対する疑問や不安を解消する場という意味合いが強くなっています。
そのほか、M&Aの見通しを立てるとともに、相談先の力量を測る手段として活用できます。M&Aにおける重要なプロセスでもあるので、「依頼する事前段階」として相談することがおすすめです。
着手金
着手金はM&A仲介会社に依頼する際に発生する手数料です。M&Aは初期段階の作業に人員が必要であるため、人件費や実費として着手金が発生します。無料でサービスを提供する場合もあれば、案件の規模に応じて50万円から200万円程度の費用がかかることがあります。
主な作業内容は「業界動向の調査」や「企業概要書等の資料作成」です。高い能力や多大な時間を要し、M&A戦略策定に欠かすことのできないプロセスとなっています。
なお、着手金を支払った段階でM&Aの成約は保証されていません。今後の交渉でM&Aが破談になったとしても、着手金が返金されることはないので、着手金を採用する仲介会社に依頼する際は注意が必要です。
中間金
中間金は基本合意時に発生する手数料です。譲渡企業と譲受企業の双方がM&Aに対して前向きであることを意思表明したことを意味するので、一定成果の見返りとして中間金を支払います。
基本合意の主な内容は「現段階の交渉内容の整理・確認」や「今後のスケジュール確認」などです。一部の条項を除いて法的な効力はないため、今後の交渉内容次第では記載内容が変更されることもあります。
中間金は成功報酬の一部の前払いという形式が一般的です。成功報酬の10~30%を先払いして、成約時に成功報酬の残り70~90%を支払う形になります。
成功報酬
成功報酬はM&A成約時に発生する手数料です。M&Aの成約という確かな成果をあげているため、M&A仲介会社の報酬体系のなかで最も高額な手数料になります。
最終契約書の締結段階で支払いが確定します。依頼主によっては譲渡代金の一部から成功報酬を支払うケースもあるので、実際に支払うのはクロージング後が一般的です。他の手数料とは異なり、M&Aが成約しなかった場合は支払う必要がありません。このことからも、完全成功報酬制の報酬体系は、無駄な出費リスクを抑えられる良心的なシステムといえます。
成功報酬の算出には「レーマン方式」と呼ばれる方法が一般的に用いられます。この方式では、取引金額が増えるにつれて手数料の割合が減少するという特徴があります。ただし、レーマン方式での取引金額の基準には、株式譲渡価格の他に総資産額や企業価値(株式価額プラス有利子負債)が含まれることもあるため、契約時にはどの基準を用いるのかを明確にすることが重要です。
月額報酬
月額報酬は毎月発生する手数料です。リテイナーフィーとも呼ばれています。相場は月額50万円程度で、仲介業務に携わるアドバイザーやコンサルタントの人件費として毎月支払います。
月額報酬を採用している場合、資金が潤沢になってM&Aを円滑に進めやすくなるメリットがあるものの、M&A交渉が長期化すると、月額報酬がかさんで依頼主の負担が膨らんでいくデメリットもあります。
M&A成約の望みがない案件の交渉を悪戯に引き延ばし、月額報酬だけを徴収しようとする業者もなかには存在します。メリットよりデメリットが大きくなるケースも多いので、基本的に月額報酬を採用する仲介会社は避けたほうが無難でしょう。
デューデリジェンス費用
デューデリジェンスは基本合意の締結後に実施するものです。M&A対象の価値・リスクを調査する活動のことで、税務・財務・法務などの観点から潜在的リスクを徹底的に調べます。M&A成約後に潜在的リスクが発覚すると、M&A前から想定してたシナジー効果が創出できなくなる恐れがあります。そのため、最終契約書の締結前に全て洗い出しておくのです。
デューデリジェンス費用の負担者は譲受企業側です。譲受企業の主導で行われるので、譲渡企業側はマネジメントインタビューや関連資料の提供などを通して協力することになります。
関わる専門家の人数や稼働時間、案件規模によって大きく変動するものの、中規模企業が会計、財務、法務その他全般にわたってデューデリジェンスを行うケースでは、費用相場は200~300万円程度が目安です。
その他、業務にかかる費用
ここまで報酬体系を見てきましたが、M&Aではほかにも必要になる費用があります。主な費用は以下の4つです。
【その他、業務にかかる費用】
- 税金
- 買収費用
- 株券発行費
- 書類作成費用
税金
M&Aによる会社売却で譲渡企業側に譲渡益が発生した場合は、用いる手法によって税金を納める必要があります。
株式譲渡の場合は、20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税)が譲渡益に対して課せられます。譲渡益は、M&Aの譲渡価格から株式取得費用やアドバイザリー費用を差し引いた価格です。
事業譲渡の場合は、法人税30~40%(実効税率)が、譲渡益に対して課せられます。譲渡益は、譲渡代金から譲渡資産の簿価を差し引いた価格で、負担が大きくなる傾向にあります。
事業譲渡の場合、譲受企業側は消費税10%を納める必要があるので注意が必要です。土地などの非課税資産を除いた課税資産に対して消費税10%を乗じて算出します。
買収費用
譲受企業側は、譲渡企業の買収費用が必要です。企業価値評価で算出した値を基準に、M&A交渉やデューデリジェンスを経て最終的な取引価格が決定されます。
キャッシュが足りていない場合は、融資や増資を活用して資金調達を行います。金融機関からの融資であれば、M&Aの正当性や事業計画の見通しを提出して審査を受けましょう。
融資が難しい場合は、増資を活用する方法もあります。第三者割当増資は、特定の第三者に新株引受権を付与して資本金を増資する手法です。
中小企業でも実践しやすい増資方法なので、資金調達方法として幅広く活用されています。株式の希薄化というデメリットから既存株主が嫌う傾向がありますが、調達した資金が前向きなものであれば受け入れられやすいでしょう。
株券発行費
株券発行費とは、自社株式を発行するための費用です。定款で株券の印刷発行が義務づけられている場合は、M&Aで売却する際に発行しなくてはなりません。
印刷費用の相場は1万~10万円程度であり、ほかの費用と比較すると少額となっています。定款に印刷発行を義務づけていない場合は、発行する必要も費用を払う必要もありません。
書類作成費用
M&Aは、取引の有効性を証明するために、進捗に応じて秘密保持契約書や基本合意書、最終契約書など、さまざまな契約書を作成・締結します。契約書の内容には税務や法務などの部分もかかわるため、作成・チェックには手間がかかります。
作成費用は基本的に着手金や中間金に含まれることが多いですが、別途請求されることもあるので、あらかじめ確認するとよいでしょう。
M&A仲介会社が担う役割
M&A仲介会社が担う主な役割を下表にまとめました。
全体スケジュール作成 | M&Aの際、計画的に進めることは成功のカギです。成功させるためには、会社の売主や買主だけでなく、取引先や従業員、専門家との調整が欠かせません。 |
適切な相手選び | M&Aは一社だけでは進められません。必ず相手が必要です。M&Aの専門会社は、買主と売主をマッチングさせて進めていきます。 |
交渉のサポート | 相手が決まった後、価格や取引条件の交渉が始まります。原則として売主と買主が直接交渉するのですが、M&Aの専門会社がサポートすると、スムーズに合意に達することができます。 |
専門家を見つける手助け | M&Aを成功させるためには、会計士や税理士、弁護士などの専門家の助けが必要です。特に初めてのM&Aの際、どんな専門家に相談すればいいのか迷うこともあるでしょう。 |
M&AならM&A総合研究所へお任せください
M&Aを検討されている経営者の方は、料金体系が明瞭なM&A仲介会社に依頼するとよいでしょう。M&A仲介会社によってM&Aのマージンは大きく異なるので、比較検討して探すことをおすすめします。
M&Aに関するご相談はぜひM&A総合研究所へご連絡ください。当社は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。
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M&A仲介会社へのマージンは高い?まとめ
本記事では、M&A仲介会社のマージンについて解説しました。M&Aの進行に合わせてさまざまな手数料が発生するので、各項目を認識しておくことが大切です。
仲介会社によって、採用している仕組みが違います。どこに依頼するかで手数料負担が大きく変わるので、M&Aを依頼する際は、より多くの仲介会社を比較検討するとよいでしょう。
【M&A仲介会社のマージンのまとめ】
- M&Aのマージンの仕組みは仲介会社によって異なる
- M&Aのマージンが高い理由は人件費が高いため
【M&A仲介会社の報酬体系】
- 相談料
- 着手金
- 中間金
- 成功報酬
- 月額報酬
- デューデリジェンス費用
【その他、業務にかかる費用】
- 税金
- 買収費用
- 株券発行費
- 書類作成費用
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