M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年5月20日更新業種別M&A
フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aの事例22選!案件一覧からメリットや注意点も解説!
本記事では、フランチャイズ加盟店の株式譲渡などのM&Aを事例とともに説明します。案件一覧やメリット、注意点まで紹介します。フランチャイズ加盟店がM&Aを実施する際は一般の企業と違う点があり注意が必要です。M&Aを検討している方は必見の内容です。
目次
- フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aについて
- フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aの事例22選
- フランチャイズ加盟店(FC)のM&A案件の一覧
- フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aの今後の動向
- フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aを行うメリット5選
- フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aを成功させるポイント4選
- フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aを行う際の相談先5選
- フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aを行う際に相談先を選ぶポイント5選
- フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aでおすすめの相談先
- フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aのまとめ
フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aについて
はじめに、フランチャイズ加盟店の定義や株式譲渡・会社譲渡の意味合いについて確認しましょう。
フランチャイズ加盟店(FC)とは
フランチャイズ加盟店とは、フランチャイザー(フランチャイズ運営会社)と一定の条件で設定された契約を締結することで、フランチャイザーのブランドや商品、サービスなどを借り受けて営業を行う店(会社)のことです。
したがって、フランチャイズ加盟店は一から自社ブランドや商品を作る必要がありません。また、フランチャイザーからブランドや商品、サービスを借り受けられるだけでなく、経営や販売のメソッドが記されたマニュアルなども供されるため、事業を円滑に行えます。
開業を考えている起業家にとって、フランチャイズ加盟店は手軽に起業できる業種だといえますが、その代わりとして、加盟金や売上の一部をロイヤリティーとして支払う必要があり、それがフランチャイザーの利益となるのです。
株式譲渡とは
株式譲渡とは、日本で最も多く利用されているM&Aスキーム(手法)です。株式の売買で経営権を取得でき、手続きが簡潔でスピーディーに完了させられるメリットがあります。また、公的機関のチェックを受ける必要もありません。
ただし、包括的承継が発生してしまう点が株式譲渡のデメリットです。買い手は、売り手企業を丸ごと承継するため、負債や訴訟などのリスクを引き継いでしまう可能性があります。これを放置すると、株式譲渡後の経営統合で大きな経営的ダメージを負うかもしれません。
したがって、買い手はデューデリジェンス(売却側企業への精密監査)をしっかり行うことが肝要です。簿外債務を含め、表に出にくいリスク注意深く調べましょう。売り手も不都合なリスクを隠すようなことはせず、建設的にに対処しなくてはなりません。
リスクの隠蔽はM&Aの破綻につながるだけでなく、万が一の場合には損害賠償請求の対象にもなるので誠意を持ってデューデリジェンスに協力しましょう。
会社譲渡とは
会社譲渡は一般的な単語であり、特にM&Aのスキームを表す言葉ではありません。狭義では、会社譲渡=株式譲渡です。株式譲渡は、中小企業のオーナー経営者などが株式を譲渡することで会社の経営権を引き渡す、つまり、会社を譲渡することだからです。
また、広義では、会社譲渡=M&Aとも言えます。M&Aは「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略称で、会社・事業の売買取引や企業間の組織再編行為などの総称です。つまり、M&Aとは総論的に会社を譲渡する行為の総称であり、両者は似た意味を持ちます。
フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aの事例22選
ここでは、実際に行われたフランチャイザーやフランチャイズ加盟店の株式譲渡によるM&Aを中心に、会社譲渡事例を紹介します。
- オートバックスセブン×G‐7・オートバックスつくば
- ミニストップ×LOTTE Corporation
- ローソン×天虹微喔便利店(深圳)有限公司
- エアトリ×ファーストキャビンHD
- ホットランド×エムファクトリー、い志井
- フィット×Plus one percent
- JFLAホールディングス×アルカン
- 早稲田アカデミー×明光ネットワークジャパン
- タムラ建材×タムラ
- 物語コーポレーション×DAIZ
- レカム×Sin Lian Wah Lighting Sdn.Bhd.
- ワッツ×エフ・リテール、ニッパン
- アトラグループ×One Third Residence
- 綿半ホールディングス×夢ハウス
- フレアス×スカイハート
- オートバックスセブン×ジョイフル車検・タイヤセンター
- オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングス×TAインポート
- 安楽亭×アークミール
- 明光ネットワークジャパン×ケイライン
- トリドールホールディングス×アクティブソース
- アークランドサービスホールディングス×バックパッカーズ
- CVC×長谷川ホールディングス
オートバックスセブン×G‐7・オートバックスつくば
2022(令和4)年2月、オートバックスセブンは、G‐7・オートバックスつくばの株式49%を取得し持分法適用関連会社としました。取得価額は公表されていません。
オートバックスセブンは、カー用品の卸売・小売、車検・整備、車両買取・販売、板金・塗装などを行うオートバックスグループ店舗のフランチャイズ本部です。フランチャイズ加盟法人になる予定のG‐7・オートバックスつくばは、カー用品小売業を行っています。
オートバックスセブンとしては、パートナーシップを高め、エリアシェア拡大を図る狙いです。
ミニストップ×LOTTE Corporation
2022年1月、ミニストップは、完全子会社である韓国ミニストップの全株式を、韓国のLOTTE Corporationに株式譲渡する契約を締結しました。譲渡価額は日本円で約304億5,900万円です。
ミニストップは、コンビニエンスストア「ミニストップ」のフランチャイズ展開をしています。LOTTE Corporationは、韓国のロッテ・グループの持株会社です。
ミニストップとしては、経営資源の効率化・集中化の観点から、韓国でのコンビニエンス事業を現地の企業に譲渡する考えに至りました。
ローソン×天虹微喔便利店(深圳)有限公司
2022年1月、ローソンの中国の孫会社である羅森(広東)便利有限公司は、天虹微喔(てんこううぇいうぉ)便利店(深圳)有限公司の株式譲渡を受けることに合意したと発表しました。株式は親会社である天虹数科商業股份有限公司の全持分を譲受します。
ローソンはコンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズチェーン展開をしていますが、羅森(広東)便利有限公司は、中国の広東地方で同事業を行っている企業です。天虹微喔便利店(深圳)有限公司は、深セン市などでコンビニエンスストア203店舗を運営しています。
エアトリ×ファーストキャビンHD
2021(令和3)年12月、エアトリは、ファーストキャビンHDと資本業務提携契約を締結しました。契約内容の詳細は公表されていません。資本の移動を伴う資本業務提携は、広義のM&Aとされています。
エアトリは、エアトリ旅行事業、ITオフショア開発事業、訪日旅行事業・Wi-Fiレンタル事業、メディア事業、投資事業などを行っている企業です。ファーストキャビンHDは、コンパクトホテル運営とそのフランチャイズ本部事業を行っています。
エアトリとファーストキャビンHDは、それぞれが展開する事業において相互送客を実現すべく協業を進める所存です。
ホットランド×エムファクトリー、い志井
2021年12月、ホットランドは、エムファクトリー、い志井の飲食店(もつやき・ ホルモン・焼肉)事業を吸収分割で承継する新設会社2社の全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。
ホットランドは、たこ焼き店などのファーストフード店運営などを行うグループ全体の経営・管理を行っています。エムファクトリーは、もつやき専門店の運営やフランチャイズ事業を行っており、い志井は、もつやき専門店を運営している企業です。
ホットランドとしては、グループの事業拡大の意図で株式譲渡を受けました。株式譲渡をした企業名は、日本再生酒場、もつやき処い志井です。
フィット×Plus one percent
2021年11月、フィットは、Plus one percentの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は4億円および条件付対価(アーンアウト対価)2億円です。アーンアウト対価とは、M&A後の業績目標の達成度合いに応じて支払われる対価をさします。
フィットは、クリーンエネルギー事業、スマートホーム事業、ストック事業、住宅販売事業とそのフランチャイズ事業などを行っている企業です。Plus one percentは、太陽光発電システムの開発・販売・保守管理事業、 太陽光発電売電事業、不動産賃貸事業などを行っています。
フィットとしては、クリーンエネルギー事業におけるシナジー効果が期待できると考え、株式譲渡を受けました。
JFLAホールディングス×アルカン
2021年11月、JFLAホールディングスは、アルカンとの資本業務提携を開始しました。資本提携として、JFLAホールディングスがアルカンの株式85%を取得したので、アルカンはJFLAホールディングスの連結子会社となっています。取得価額は公表されていません。
JFLAホールディングスは、さまざまな飲食料品の販売を行っているグループの持株会社で、外食フランチャイズ本部運営と外食店舗運営なども行っています。アルカンは、酒類の輸入・販売事業を行っている企業です。
業務提携内容は、商品カテゴリー・取扱商品数の拡充、人材マネジメントの共有化、共同購入によるコスト削減、ノウハウやリソース共有による新たな付加価値創造、共同マーケティングによる効率化などとなっています。
早稲田アカデミー×明光ネットワークジャパン
2021年11月、早稲田アカデミーは、明光ネットワークジャパンの新設子会社である個別進学館の全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。早稲田アカデミーは、小学生・中学生・高校生を対象とする進学塾「早稲田アカデミー」を運営しています。
明光ネットワークジャパンは、「明光義塾」直営事業、「明光義塾」フランチャイズ事業、学童保育事業などを行っている企業です。個別進学館は、早稲田アカデミー個別進学館事業を行うために設立されました。
早稲田アカデミーと明光ネットワークジャパンは、2010(平成22)年から資本業務提携を続けていましたが、その提携を解消するにあたり、明光ネットワークジャパンが早稲田アカデミーと協業していた事業部分を切り離した新設子会社を買収したものです。
タムラ建材×タムラ
2021年11月、JKホールディングスの孫会社であるタムラ建材は、タムラより建築資材販売事業を譲受しました。譲受価額は公表されていません。JKホールディングスは、総合建材卸売・小売事業、合板製造・木材加工事業、建設工事業、フランチャイズ事業などを行っています。
タムラは福岡県で事業を行っており、JKホールディングスとしては、グループの九州地方での販売エリア拡大を見込んで孫会社に事業譲受させました。
物語コーポレーション×DAIZ
2021年10月、物語コーポレーションは、DAIZと資本業務提携契約を締結しました。資本提携としては、DAIZの第三者割当増資を物語コーポレーションが1億5,010万円で引き受けます。
物語コーポレーションは、外食事業(焼肉・ラーメン・お好み焼レストランチェーン、和食店)の直営による経営とフランチャイズチェーン展開を行っている企業です。DAIZは、発芽大豆由来の植物肉(Plant-based Meat)や植物性食品の開発・生産・販売を行っています。
業務提携内容は、DAIZが開発した次世代植物肉「ミラクルミート」を使った食品メニューを共同開発し、物語コーポレーションの展開する外食事業で販売することです。また、DAIZ商品の販路拡大に物語コーポレーションが協力することにもなっています。
レカム×Sin Lian Wah Lighting Sdn.Bhd.
2021年10月、レカムは、マレーシアのSin Lian Wah Lighting Sdn.Bhd.の全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は7億2,500万円です。Sin Lian Wah Lighting Sdn.Bhd.は、電器・照明器具の卸売業を行っています。
レカムは、ビジネスホンなどOA機器全般の販売・設置工事・保守サービス、インターネット関連サービス、電力小売販売、およびそれらのフランチャイズ展開を行っている企業です。レカムとしては、マレーシア市場進出の足掛かりを目的としています。
ワッツ×エフ・リテール、ニッパン
2021年10月、ワッツは、音通の完全子会社である音通エフ・リテールとニッパンの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は、それぞれ1円で合計2円です。ワッツは、100円ショップの運営を行っています。
音通エフ・リテールは、100円ショップの運営とフラン チャイズチェーン店舗の運営を行い、ニッパンは、100円ショップ向け雑貨商品の企画・輸入・販売を行っている企業です。ワッツは、100円ショップ店舗網と事業の拡大を目的としています。
アトラグループ×One Third Residence
2021年7月、アトラグループは、One Third Residenceの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。アトラグループは、鍼灸院・接骨院支援事業を中心にフィットネスクラブのフランチャイズ展開なども行っています。
One Third Residenceは、フィットネスクラブの運営、「Fitness Mirror」事業などを行っている企業です。Fitness Mirrorとは、鏡に映った自分を見ながらトレーナーの指示を受けてトレーニングができる、オンラインデバイスの鏡のことをさします。
アトラグループとしては、このM&Aにより、フィットネスクラブのフラ ンチャイズ展開を加速させたい考えです。
綿半ホールディングス×夢ハウス
2021年7月、綿半ホールディングスは、夢ハウスの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は25億6,800万円です。綿半ホールディングスは、小売事業、建設事業、貿易事業などを行うグループの持株会社です。
夢ハウスは、戸建木造住宅の販売・設計施工、フランチャイズ加盟店の運営、戸建施工、木材・建材輸入、プレカット材・建材の製造・販売などを行っています。
綿半ホールディングスとしては、夢ハウスとグループ会社が行っている戸建木造住宅フランチャイズ事業において、リソースや仕入れ調達力の相互活用で企業価値向上が図れるという目論見です。
フレアス×スカイハート
2021年4月、フレアスは、スカイハートの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は500万円です。フレアスは、マッサージ事業(在宅マッサージサービス含む)、マッサージフランチャイズ事業、訪問看護・訪問介護事業などを行っています。
スカイハートは、千葉県で居宅介護支援事業、訪問介護事業を行っている企業です。フレアスとしては、千葉県での居宅介護支援事業・訪問介護事業に参入し、在宅マッサージと組み合わせたサービスの提供で企業価値向上を目指します。
オートバックスセブン×ジョイフル車検・タイヤセンター
2021年4月、オートバックスセブンは、ジョイフル本田の非連結子会社であるジョイフル車検・タイヤセンターの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。
オートバックスセブンは、オートバックスグループ店舗のフランチャイズ本部です。ジョイフル車検・タイヤセンターは、千葉県・東京都・群馬県・栃木県・茨城県で車検・整備・タイヤ販売などを行っています。
ジョイフル本田は、ホームセンター・ガーデンセンター・ペットセンターの運営、リフォ ーム(増改築工事、外構工事)、アート・クラフト事業などを行っている企業です。
オートバックスセブンとしては、ホームセンター利用客向けに自社の商品・サービスを新たに提供していくことで収益拡大を狙っています。
オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングス×TAインポート
2021年4月、オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスは、TAインポートの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスは、オートバックスセブンの完全子会社です。
新車販売、サービスおよびメーカー認定中古車の販売を行う子会社の経営管理と付帯業務を行っています。TAインポートは、栃木県および千葉県北部でAudi正規ディーラーを3拠点運営している企業です。
オートバックスセブングループは、「マルチディーラーネットワーク」を構築中であり、その一環として新たな自動車メーカーとのネットワークを確立しました。
安楽亭×アークミール
2020(令和2)年2月、安楽亭はアークミールの全株式を取得して完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。安楽亭は焼肉レストランや中華、和食などの飲食事業を自社およびフランチャイズで展開しています。
アークミールは、吉野家ホールディングスの傘下でステーキレストランやしゃぶしゃぶレストランなどを展開する会社です。両社はいずれも焼肉事業を主力としており、それに加えてステーキやしゃぶしゃぶなどにおいて食材など共通しているところが多くあります。
安楽亭としては、事業拡大とともに多くのシナジー効果創出が期待できると判断しました。
明光ネットワークジャパン×ケイライン
2018(平成30)年4月、学習塾の明光義塾を展開している明光ネットワークジャパンは、フランチャイズ加盟店だったケイラインの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は6億円です。
明光ネットワークジャパンは、フランチャイズ加盟店を買収することで事業エリア内での事業強化を行いました。また、ケイライン以外にもフランチャイズ加盟店との株式譲渡を実施しており、日本全国での事業を強化しています。
トリドールホールディングス×アクティブソース
2017(平成29)年8月、「丸亀製麺」などの外食チェーンを経営しているトリドールホールディングスは、アクティブソースの株式80.30%を取得し連結子会社化しました。トリドールホールディングスは、飲食業のフランチャイズ展開をしているグループの持株会社です。
アクティブソースは、立ち食い居酒屋「晩杯屋」を展開しており、株式譲渡後も順調に出店を続けています。その後、2020年3月、株式交換が実施され、アクティブソースはトリドールホールディングスの完全子会社になりました。
アークランドサービスホールディングス×バックパッカーズ
2017年7月、アークランドサービスホールディングスはバックパッカーズの株式66%を買収し子会社化しました。取得価額は公表されていません。アークランドサービスホールディングスは、とんかつチェーンの「かつや」を展開しているグループの持株会社です。
バックパッカーズは「野菜を食べるカレーcamp」を直営およびフランチャイズで展開しています。両社は株式譲渡を通じてお互いのノウハウを共有し、さらなる事業拡大やシナジー効果創出を実現する考えです。
CVC×長谷川ホールディングス
2016(平成28)年9月、イギリスの投資ファンドであるCVCは、「おそうじ本舗」のフランチャイズ展開を行っている長谷川ホールディングスを買収しました。買収額は約350億円に達しており、かなり大型のM&Aだといえます。
CVCは日本を含めた東アジアなど海外での事業拡大に積極的であり、長谷川ホールディングスの買収はその経営計画の一環です。長谷川ホールディングスも将来的に上場を目指しており、CVCとの株式譲渡は事業強化とさらなる規模拡大のために行っています。
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A事例については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
フランチャイズ加盟店(FC)のM&A案件の一覧
ここからは、フランチャイズ加盟店(FC)のM&A案件を紹介します。
【無借金/高利益率】パソコン教室FC事業
はじめに紹介するのは、パソコン教室FC事業のM&A案件です。多店舗展開によるロイヤリティで収益を上げており、加盟店は10店舗以上です。
売上高 | 1,000万円〜5,000万円 |
営業利益 | 1,000万円〜5,000万円 |
譲渡希望価格 | 1億円〜2.5億円 |
売却理由 | 戦略の見直し |
【首都圏】蕎麦屋運営・FC事業
次に紹介するのは、蕎麦屋運営・FC事業のM&A案件です。直営店舗・FC加盟店舗にて多数展開中です。自動製麺機が各店に配備されており、それを用いて効率的にうちたての蕎麦提供を可能にしています。
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
営業利益 | 赤字経営 |
譲渡希望価格 | 2.5億円〜5億円 |
売却理由 | 後継者不足 |
フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aの今後の動向
フランチャイザーではM&Aが一般化していますが、フランチャイズ加盟店のM&Aはまだ数は少ない段階です。しかし、現在の日本は、少子化による人口減少の影響で国内市場が縮小しています。
したがって、フランチャイズ加盟店に限らず、あらゆる業種の会社がM&Aを経営戦略に取り込むことで生き残りを図っている状況です。また、フランチャイズ加盟店においても事業承継問題を抱えているところは多く、今後はM&Aが増加していくと予想されています。
フランチャイズ加盟店のM&Aでクリアすべき課題
フランチャイズ加盟店でM&Aがまだ少ないのは、フランチャイズ加盟店のM&Aにはクリアすべき課題があるからです。その課題とは、フランチャイザーの合意にほかなりません。
フランチャイザーの立場にしてみると、フランチャイズ加盟店のM&Aは、契約している加盟店の数やロイヤリティーの減少を招くものです。
また、共有しているノウハウや機密情報が漏洩する危険も伴うため、フランチャイザーの中には契約内容にM&Aを禁止する事項を設けるなどして事前に手を打っているところもあり、それがトラブルに発展した事例もあります。
そのため、フランチャイザーとの合意を取得することや、契約時点でM&Aができる余地を残しておくことが重要でしょう。しかし、フランチャイズ加盟店がM&Aを検討しなければならない状況、つまりは事業承継や市場縮小の問題はフランチャイザーにとっても深刻です。
フランチャイズ加盟店のM&Aでは、契約について確認することはもちろん、M&Aの検討段階からフランチャイザーに相談しておき、選定対象などについても情報共有することで、合意が取得しやすくなります。
フランチャイズ加盟店(FC)の事業承継については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aを行うメリット5選
フランチャイズ(FC)の店を持つ人が、その店や事業を他の人に譲ると、以下のような利点があります。
- 譲ることで得たお金を、新しい事業の開始や運営に使える
- そのお金を退職時の資金として確保できる
- 管理のプレッシャーや上司とのやりとりから自由になれる
- 従業員の仕事や取引先との関係を守れる
- 場合によっては、店の借金も他の人に引き継げる
譲った後は、フランチャイズの特定の商品やブランドを使うことはできなくなります。しかし、フランチャイズで働いて得た経験や人脈、技術などは失われません。これらの経験は、新しい事業を始めるときや新しい仕事を見つけるときに役立つでしょう。
さらに、多くの人がレストランやコンビニを利用している今、事業を止めるよりは他の人に譲ることで、業界を続ける意味でも良いことがあると考えられます。
フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aを成功させるポイント4選
フランチャイズ加盟店の株式譲渡・会社譲渡を成功させるには、まず、フランチャイズ契約に抵触しないかの確認やフランチャイザーの合意を得ることが絶対条件です。そのうえで、以下のポイントを踏まえておきましょう。
- 自店舗の強みをリストアップする
- 株式譲渡・会社譲渡するうえで譲れない条件をまとめる
- 譲渡先に伝えるべきポイントを説明する
- 株式譲渡・会社譲渡の専門家に相談する
①自店舗の強みをリストアップする
株式譲渡・会社譲渡は会社そのものを売買するため、会社の強みを売り手が把握しておくことは当然といえます。そのため、強みをリストアップしておき、交渉のベースにしておくことがおすすめです。
このプロセスは、譲渡先のニーズを想定しながら行うようにしましょう。そうすることで、買い手が提示する条件へ対応しやすくなります。なお、強みをリストアップする際は客観的な視点で分析するようにし、実態に合ったリストを作成するようにしましょう。
②株式譲渡・会社譲渡するうえで譲れない条件をまとめる
株式譲渡・会社譲渡では譲渡先のニーズを踏まえることも重要ですが、譲れない条件を決めておくことも不可欠です。買い手のニーズだけを優先させると、M&A後に売り手は思いどおりに経営に参加できないリスクがありますし、希望する譲渡価額で売却できないかもしれません。
なにより、会社の経営を譲渡先に託す以上は、経営者として譲れない条件を持っておくべきです。たとえば、従業員の待遇や地域住民との付き合い方など、経営者がこれまでに築いてきた良いところは残しておくべきでしょう。
M&Aの買い手は、こうした売り手の経営者の想いも引き継ぐことになりますので、むしろ、このような譲れない条件を飲んでくれない譲渡先とのM&Aはあきらめることも1つの選択肢だといえます。
③譲渡先に伝えるべきポイントを説明する
M&Aは交渉が非常に重要であり、契約の内容も譲渡価額も交渉によって左右されるといっても過言ではありません。そのため、交渉の際、譲渡先に伝えるべきポイントを説明できるようにしておくことも大切です。それにより、交渉でイニシアティブを取りやすくなるでしょう。
④株式譲渡・会社譲渡の専門家に相談する
株式譲渡・会社譲渡の際は、専門家に相談するようにしましょう。M&Aは経験と専門的な知識が問われるものでもあります。特に、後述するデューデリジェンス(売却企業への精密監査)のようなプロセスは、専門家でなければできないものです。
また、フランチャイズ加盟店の経営者がフランチャイザーとの交渉は行っていたとしても、M&Aの交渉には慣れておらず、うまくポイントを伝えられない場合も少なくありません。
専門家に相談し、サポートを受けることでM&Aをスムーズに進められるだけでなく、より高く売却できる可能性もあります。しかし、昨今はM&A仲介会社の数も増えており、まず相談先選びで悩んでしまうかもしれません。
そこで、フランチャイズ加盟店としてM&Aを検討する際は、M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所にはM&Aの知識と経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、これまで培ったノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談をお受けしておりますので、フランチャイズ加盟店のM&Aをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aを行う際の相談先5選
フランチャイズ加盟店の株式譲渡・会社譲渡を行う際、相談先としては以下の候補があります。
- 金融機関
- 公的機関
- 会計士・税理士・弁護士などの士業
- M&Aマッチングサイト
- M&A仲介会社
①金融機関
銀行や信用金庫などの金融機関が株式譲渡・会社譲渡の相談先になってくれることは珍しくありません。最近はM&Aの支援に実績がある金融機関も多く、M&Aの支援成果が認められて受賞したケースもあります。
金融機関は仕事柄さまざまな会社と接しているため経営の知識が豊富であり、加えて独自のネットワークも持っているものです。特に地方の金融機関は地域に根差しているため、同じ事業エリアの同業者とのつながりを作ってくれます。
ただし、金融機関は営業目的でM&Aを勧めるケースがあるかもしれません。そのようなケースだと経営者の利益にならないM&Aとなる可能性があるため注意しましょう。不安な場合はセカンドオピニオンを受けることをおすすめします。
②公的機関
株式譲渡・会社譲渡を支援してくれる公的機関もおすすめの相談先であり、商工会・商工会議所や事業承継・引継ぎ支援センターなどがあります。公的機関は事業承継目的の株式譲渡・会社譲渡に強く、M&A仲介会社などの専門家の紹介やマッチングも行ってくれます。
また、公的機関は営利団体ではないため料金の負担が少なく、社会的な信頼性も高いため安心できる相談先です。もちろん、そのような公的機関が紹介する専門家も安心して利用できます。ただし、公的機関自体は、M&Aの仲介業務は行っていません。
③会計士・税理士・弁護士などなどの士業
会計士・税理士・弁護士などの士業も、株式譲渡・会社譲渡などのM&Aを支援するケースが増えてきました。財務や税務、法務の専門的な知識に長けている士業は、株式譲渡・会社譲渡を行ううえで非常に頼りになる専門家といえます。
特に、デューデリジェンスや契約などの重要な場面で、士業は力になってくれるでしょう。最近は、会計士事務所や税理士法人などの事務所がグループとなり、さまざまな士業の支援をワンストップで受けられるケースもあります。
ただし、相談の段階から費用が発生するケースも珍しくありませんので、事前に調べることをおすすめします。
④M&Aマッチングサイト
M&Aマッチングサイトとは、M&Aや事業承継を行うためのポータルサイトです。サイトに登録している経営者同士が、インターネットを介してやり取りができます。また、電話相談ができるM&Aマッチングサイトなどもあり、使い勝手はさまざまです。
M&Aマッチングサイトは売り手の料金が格安、あるいは無料になっていることが多く、基本的に費用が発生する買い手の料金も安めに設定されています。料金の負担を減らしたい場合におすすめです。
ただし、M&Aマッチングサイトでは、基本的に当事者同士だけで交渉を進めなければなりません。専門家の紹介も行っているマッチングサイトもありますが、この場合は別途費用がかかりますので、料金体系は事前に確認するようにしましょう。
⑤M&A仲介会社
M&A仲介会社はM&Aの専門業者であり、M&Aのプロセスを全面的にサポートできるだけでなく、独自のネットワークを活かしてマッチングも行います。また、最近ではリーズナブルな料金体系を設定しているM&A仲介会社も多いため、負担を抑えたサポート依頼も可能です。
さらに、M&A仲介会社によっては、特定の業界・業種に特化している業者もいます。そのような業者は業界の事情や業態の特性への理解が深いため、クライアントのニーズを的確にくみ取ったサポートが可能です。
フランチャイズ加盟店(FC)の売却については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aを行う際に相談先を選ぶポイント5選
株式譲渡・会社譲渡を行う際の相談先を共有したところで、ここでは相談先を選ぶ際のポイントとして以下の5点を説明します。
- 株式譲渡・会社譲渡の実績がある
- 同規模の案件を取り扱ったことがある
- 仲介も請け負う
- 費用体系が分かりやすい
- 相性が良い
①株式譲渡・会社譲渡の実績がある
株式譲渡・会社譲渡の実績の有無は、実績のあるほうが安心です。実績が多ければ多いほど、それだけ多くの会社の株式譲渡・会社譲渡に貢献している証だといえます。
実績を調べる際には、その相談先のホームページを参照するだけでなく、口コミサイトなども見ておいたほうがいいでしょう。最近はM&Aの専門家を専門的に取り扱っている口コミサイトも多いため、実績を調べることも簡単になっています。
②同規模の案件を取り扱ったことがある
実績の中では、自社と同規模の案件を相談先が取り扱ったことがあるかどうかも意識すべきポイントになります。たとえば、M&A仲介会社の中には中小企業や零細企業のM&Aは扱わないところもあるのです。
一方で、中小企業や零細企業、個人事業主などのM&A、いわゆるスモールM&Aを得意とするM&A仲介会社もあります。そのため、同規模の実績があるかをチェックすることは大事です。ただし、最近は規模を問わずにM&Aをサポートする専門家も多くなっています。
③仲介も請け負う
M&Aの仲介も請け負ってくれる相談先にサポートを依頼すれば、株式譲渡・会社譲渡の成功率は上がります。相談先によっては仲介していないケースもあり、相手探しは自社で行わなければなりません。
一方で、仲介も請け負っているところでは、株式譲渡・会社譲渡は譲渡先との相性やニーズの兼ね合いも含めて選定し、交渉も行います。M&Aの成功率を高めるためにも、仲介も請け負ってくれるところに相談することをおすすめします。
④費用体系が分かりやすい
M&Aの相談や依頼にかかる費用は、相談先によってバラバラです。たとえば、簡単な相談をしただけでも相談料が発生したり、サポートを依頼した段階で着手金が発生したりする場合もあり、相談先によって費用の負担は大きく変わるといっても過言ではありません。
相談してサポートを受ける以上、費用の発生を完全にはなくせませんが、できるだけ費用の負担を減らしたい場合は、費用体系を明確にしている会社に相談するようにしましょう。最近は完全成功報酬制で相談料や着手金が発生しない費用体系にしている専門家も多いです。
そのような専門家を探して相談・依頼することで、十分なアドバイスやサポートを受けつつ、費用を最小限に抑えられます。
⑤相性が良い
株式譲渡・会社譲渡などのM&Aは、会社の将来を左右する重要なものであり、そのサポートを行う相手は極めて重要なパートナーだといえます。パートナーとなる以上、信頼関係の構築は必須ですし、信頼関係を築くには根本的な相性の良さが大事だといえるでしょう。
相談先と相性が良ければ相談しやすくなりますし、経営者の悩みも共有しやすくなります。逆に相性が悪いと本音で語り合うことはもちろん、経営戦略について語り合うことも難しくなるでしょう。そのため、まずは無料相談をして、専門家との相性を把握することが肝要です。
FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却については、下記の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aでおすすめの相談先
フランチャイズ加盟店の株式譲渡・会社譲渡をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は全国の中堅規模のM&A案件を主に手掛けており、さまざまな業種・規模でM&Aを成約させてまいりました。
M&A総合研究所では、実務経験や知識が豊富なアドバイザーが多数在籍し、それぞれが専任となって相談時からクロージングまで丁寧にM&Aをフルサポートします。また、最短3カ月での成約実績に代表されるようなスピーディーなサポートも強みです。
料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」となっています(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談をお受けしておりますので、フランチャイズ加盟店のM&Aをご検討される際には、お気軽にお問い合わせください。
フランチャイズ加盟店(FC)の株式譲渡・会社譲渡・M&Aのまとめ
フランチャイズ加盟店は株式譲渡・会社譲渡に限らず、M&Aを行う際にはクリアすべき課題があり、他の業種よりもM&Aを実施しにくいです。しかし、M&Aはフランチャイズ加盟店の経営課題を解決するうえで有効的な手段であるのも事実であり、今後はM&Aが増えていくでしょう。
M&Aをお考えの場合は、まずフランチャイズ契約の内容を確認し、検討の段階からフランチャイザーに相談して同意を得やすくする必要があります。また、同時にM&Aの専門家に相談し、スムーズにM&Aを進められるようアドバイスやその後のサポートを依頼するのが得策です。
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