M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2022年6月6日更新業種別M&A
アパレル・雑貨小売業におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説
アパレル・雑貨小売業のM&Aにおいては、買い手や売り手によってM&Aを選択する目的は異なります。メリット・デメリットをしっかり判断した上でM&Aを選択しましょう。また、大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため、専門家を活用して慎重に進めましょう。
目次
アパレル・雑貨小売業とは?
アパレル業界とは、衣類のデザイン、生産、流通、販売を扱う業界で、ファッションという流行が関連する商品を扱うことから、今年の商品を次年度以降に販売することが困難です。商品のライフサイクルが非常に短く、トレンドに対応した経営が求められる点が特徴として挙げられます。
そして、雑貨小売業は、食品・医薬品・生活必需品などの日用雑貨を扱う業界です。取扱商品が多岐に渡るため、製造、流通、販売と卸業者も含めて、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、ネットストアなど最終消費者に繋がるチャネルが非常に幅広い点に特徴があります。
取り扱い品目が幅広いため、参入業種も様々であり、市場内に数多くのプレーヤーがいる点も特徴の1つといえます。スーパー・コンビニ・ドラッグストアなどは、業態が異なっていても同じ物を取り扱っていることもあります。
アパレル・雑貨小売業界の現状
アパレル業界も小売業界も最終的にはBtoC、つまり最終消費者を顧客としているため、景気の動向や購買層の経済状況などの影響を大きく受けます。また、最近は実店舗ではないネットストアでのショッピングが主流となってきており、業界を取り巻く環境は大きく変化しています。
急速な少子高齢化、核家族や単身世帯の増加、世帯収入の二極化などを背景に、「中間層」と呼ばれるアパレルや雑貨小売業界の従来のターゲット層が大きく減少しています。また、実際の店舗で対応する従業員の人手不足の状況にあり、事業の維持・拡大のために人材の確保を進める必要があります。
さらに、EC(電子商取引)が大きく伸びてきており、仲介業者を省いた商流が主流になりつつあるなど、業界内の各企業は生き残りをかけた経営戦略を策定・実行している状況です。そんな中、様々な理由からM&Aも活発に実行されるようになってきています。
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アパレル・雑貨小売業のM&Aの現状と動向
ここでは、アパレル・雑貨小売業のM&Aの現状と動向について解説します。
アパレル・雑貨小売業のM&Aの現状
様々な環境の変化があるアパレル・雑貨小売業界では、より効率的かつ効果的に新事業の開始や事業拡大をするためにM&Aの手法を採用する企業が増えています。
アパレル・雑貨小売業のM&Aの動向
業界の動向としては、どちらかといえば薄利多売のビジネスモデルであり、市場におけるシェアの獲得が重要となることから、同業種間での規模拡大、もしくはブランド力の強化を目的としたM&Aが増加傾向にあります。
市場内が有力な大規模企業と特徴的な小規模企業という二極化に向かっているという状況です。中小企業は、従来のようにできるだけ安い卸から仕入れて売るというだけのビジネスモデルで事業展開しています。
そのため、競争の激化についていけず、M&Aにより事業承継し、大手の傘下に入る、もしくは実質的にリタイアするなどといったケースも増えているのが現状です。
アパレル・雑貨小売業のM&Aの相場と費用
M&Aは相手がいる相対取引であり、それぞれのビジネスの状況、財政状態や経営成績の状況によって、M&A時の譲渡価格は変動します。他の業界と同様に、M&A時の譲渡価格は、大きく以下の3つの方法の組み合わせで算定されます。
①マーケットアプローチ
マーケットアプローチとは、市場における他社の事例を参考に価格を決定する方法です。過去における関連企業やビジネスの売買情報を入手して、それを参考に売買価格を決定します。
具体的には、企業規模や業績、財政状態、市場での立ち位置など、近似した要素を持つ過去の事例を集めて、検討事例との比較(売上高・利益・資産負債の状況など)をして、価格決定します。
②インカムアプローチ
インカムアプローチは、将来獲得されるキャッシュに基づいて価値を評価する方法です。M&A相手の将来の事業計画をベースに評価するため、将来を重視した方法といえます。
定量的な数字に、今後の見通しの織り込むことで価値が変わる点に特徴があり、評価に利用する事業計画の精度が高ければ高いほど、事業の価値をより正確に算出できます。インカムアプローチに属する評価方法としては、DCF法が最も有名かつ様々な場面で利用されています。
③コストアプローチ
コストアプローチとは、対象会社の純資産額と営業権を考慮する方式で、対象会社の純資産の時価を将来の見込みも想定して計算する方法です。実務上は、対象会社の固定資産の時価から負債を引いた金額に、営業権の価値をプラスすることで算定されます。
資産と損益の両方の要素を考慮して算定する方式であり、中小企業のM&Aにおいて、比較的よく採用される傾向があります。
このように企業価値の算定方法には複数あり、どれを用いるのが最適なのかはケースによって違ってきます。そのため、算出する際は専門家に依頼することをおすすめします。
M&Aをご検討の際はは、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には、知識・支援実績豊富なアドバイザーが多数在籍しており、M&Aをフルサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。
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アパレル・雑貨小売業の買収とは?買う・買いたい場合
アパレル・雑貨小売業界は、市場の競争が激化しており、価格競争の側面が強くなっています。その業界のM&Aを買い手として実行する場合、企業規模・ビジネス規模の拡大によるスケールメリットの享受が一般的には大きなメリットと言われます。
しかし、その他にも一般的なM&Aの買い手としてのメリットの獲得も見込むことができます。具体的には以下のようなメリットが考えられます。
①商品仕入・販売・流通・店舗運営などにおける規模の経済
規模の経済とは、事業規模が大きくなることで得られる効率性・収益性の向上といった効果をさします。アパレル・雑貨小売業は、薄利多売の傾向が強いビジネスモデルであるため、少しでも安く仕入れ、高く売ることが重要になります。
この観点から、M&Aを通じた市場内における競合との統合は、市場内におけるプレゼンスの向上に繋がり、結果として仕入・流通コスト削減に繋がり、収益性を向上させることが可能となります。
②ブランド力の獲得・向上
特にアパレル業界に強くある傾向ですが、ブランド力が企業やビジネスにおける収益源となっている場合、M&Aを通じてブランド力を手に入れることができるというメリットがあります。
自社の中に、他の有力なブランドを取り入れることで、収益力の向上だけではなく、新しいブランド価値を作ることも可能となり、M&A買い手における一般的なメリットでもあるシナジー効果(統合による相乗効果)の獲得が見込めます。
③異業種との統合による新しいサービス展開
アパレル・雑貨小売業界では、異業種を統合することで、新しいサービスやビジネスが展開できる可能性が高いといわれています。例えば、アパレルメーカーがカフェやホテル事業を展開するなどといった事例もあります。
流行に敏感な業界であるため、その強みを活かすことで、消費者の需要に対して広く価値を提供できる点が特徴といえます。条件の合う売却案件を探す場合、M&A総合研究所のM&Aプラットフォームをご活用ください。
M&A総合研究所のM&Aプラットフォームは日本最大規模であり、豊富なM&Aを案件の中から理想的な案件をAIが選定してくれます。そのため買収ニーズを登録するだけで条件の合う売却案件をマッチングしてくれます。
④ビジネス基盤の拡大
M&Aにおける一般的なメリットでもありますが、同業との統合を通じたビジネス基盤の拡大が見込めます。
顧客・商品・地域など、何かしらの共通点がある相手との統合を行うことで、共通のポイントについて効率的に大きく伸ばすことができるため、ビジネス上の基盤の拡大を効果的に進めることができます。
アパレル・雑貨小売業の売却とは?売る・売りたい場合
アパレル・雑貨小売業が、売り手としてM&Aを実行する場合、他の業種と同様に後継者問題の解消や経営資源の選択と集中というケースが多いです。M&Aによって、売り手が享受できるメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
①後継者問題の解決
どの業界にも共通していますが、経営者が高齢となってきている中、後継者がおらずビジネスの継続が困難になるというケースがあります。後継者を自力で見つけることは困難であるため、外部の企業と統合するM&Aはビジネス存続のための手法として、非常に有力な施策といえます。
②大手の傘下に入ることによる経営の安定化
M&Aによって大手の傘下に入ることで、大きな経営資本を背景としたメリットを享受することができます。市場における大きなプレーヤーと統合し、利益を獲得しやすくする体質を得ていくことは有用な戦略です。
この戦略は従業員雇用を確保することにも繋がるため、経営者のみならず従業員にとっても大きなメリットがあります。
M&Aをご検討の際には、M&A総合研究所にぜひ一度ご相談ください。M&A総合研究所は中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱っており、M&Aに関する豊富な知識と経験を持つアドバイザーがフルサポートいたします。
また、料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
③経営資源の集中
M&Aによって不採算部門やビジネスの一部の売却を行うと、その分経営資源を他の伸ばすべき部門・ビジネスに利用することができるため、経営資源を集中することが可能となり、結果的に経営の効率化が進むというメリットがあります。
アパレル・雑貨小売業では、自社の得意分野を明確にすることが非常に重要となるため、経営資源の集中を図ることができるM&Aは、売り手にとって大変有用な経営上の施策となります。
④創業者利益の獲得
創業者はM&Aによる事業売却を通じて、大きな利益を獲得することができます。これは、M&Aの売り手における一般的なメリットですが、個人保証の解消なども含め、ハッピーリタイアに繋がる創業者にとっての大きなメリットの1つです。
アパレル・雑貨小売業のM&A成功・失敗事例
M&Aにおける成功・失敗は、メリットを上手く享受できたかどうか、という点で決まります。想定通りの効果を得ることができれば、そのM&Aは成功ですし、想定の効果が得られなければ、そのM&Aは失敗となります。ここでは、アパレル・雑貨小売業のM&A成功・失敗事例についてご紹介します。
①アパレル・雑貨小売業のM&A成功事例
まずは、アパレル・雑貨小売業のM&A成功事例について解説します。
自社ビジネスの弱点を補強したM&A
特にアパレル・雑貨小売業界における成功例としては、M&Aを通じて売り手の経営資源である商品仕入・販売・流通・店舗運営などの中で、自社のビジネスの弱い部分を上手く補強することに繋がった事例が多いです。
例えば、ある地方の幅広い地域で展開していた小売店が、さらなるビジネスエリアの拡大を目指した際に、他のエリアにおける有力なM&A対象となる企業を見つけ、交渉の結果、M&Aがまとまり大きな販売網を手にしたという事例があります。
他社の販売網の獲得を通じて、ビジネスエリアが大きく広がることで、ビジネス規模の拡大を実現できたという事例です。また、自社が持つ管理面の強みを、買収先企業でも展開し、全体としての収益性が上がったという、買い手・売り手の双方にとって大きなメリットがあった成功例といえます。
他業種を絡めたM&A
アパレル業界内だけでなく、他業種も絡んだM&Aが増えています。例えば、アパレル業界大手のオンワードが自然派化粧品を手掛けるベンチャー企業を買収し、ベンチャー企業が運営していたECサイトの販路を有効に活用し、事業を拡大したことが知られています。
このように、特に近年は、化粧品業界など他業界内の企業や、ECを取り扱うベンチャー企業など、アパレルと親和性の高い企業の買収を実行することで、新たな販路の獲得や事業拡大を図る例が増えています。
②アパレル・雑貨小売業のM&A失敗事例
続いて、アパレル・雑貨小売業のM&A失敗事例についてご紹介します。
事業規模拡大に至らなかったM&A
失敗例としては、規模の拡大を目指したものの、想定した効果が得られなかったケースが挙げられます。成功例にあるビジネスエリアの拡大のため、積極的なM&Aを行い規模の拡大を模索したものの、各店舗における従業員や商品の品質確保が追い付かず、結果的に収益性が上がらないという例があります。
この場合、想定していたコストメリットなどのシナジー効果が得られないだけでなく、収益にマイナスの影響を与える結果となることもあります。
具体的には、過去にダイエーなどは拡大路線の結果、大きなマイナスを抱える結果となったという事例があります。M&A時の検討時はプラスの側面を多く考える傾向にありますが、マイナスの部分も含めて十分に検討し、獲得できるシナジー効果の見積もりは慎重に行う必要があります。
買収先の企業文化に馴染めなかったM&A
買収先の企業文化に馴染めず、期待・想定していたメリットが得られないこともあります。特に、ブランド意識の高いアパレル業界の場合、買収側と売却側の企業で派閥ができてしまい、従業員同士のトラブルが起こりやすい傾向があります。
M&Aを行う前に買収先企業の文化や社風を可能な限り調べる、従業員が買収先企業に馴染めるように企業の統合をゆっくり慎重に行うなど、対策を講じることが大切です。企業統合に必要な期間は会社ごとに異なりますが、想定以上に長くなると考えておきましょう。
どの業界でも言えることですが、アパレル業界においても、最も大切なのは人材です。多少時間をかけてでも、買収先とのトラブルはなるべく避けるようにしましょう。
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まとめ
アパレル・雑貨小売業のM&Aに関して、動向や相場、成功・失敗事例について解説しました。買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なるため、メリット・デメリットをしっかり判断した上でM&Aを選択しましょう。
また、大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため、専門家を活用しながら慎重に進めると良いでしょう。
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