M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年11月19日更新会社・事業を売る
学習塾の事業承継の動向!課題や事例・案件例・注意点も解説
学習塾は学習支援だけでなく地域のコミュニティとしての一面も持っているため、事業承継できずに廃業すれば地域や顧客への影響が大きい事業です。そのため、学習塾の事業承継の成功は、経営者の非常に重要な課題だといえます。本記事では、学習塾の事業承継について解説します。
学習塾業界の市場規模
特定サービス産業動態統計をもとに、学習塾の売上高と受講生一人あたりの売上高の推移を指数化してみると、2020年を除き、売上高指数は増加傾向を維持しており、一人あたりの売上高指数も2016年以降増え続けています。
受講生数を示す「学習塾指数」が低下傾向にあるにもかかわらず、売上高は堅調に推移しており、一人あたりの売上高も増加していることから、学習塾では受講料を引き上げることで売上を確保し、人材の確保にもつなげていると考えられます。
コロナ禍では、塾側が感染対策を施した対面授業やオンライン授業など、受講方法を多様化したことも影響しています。オンライン授業専門の校舎も誕生し、遠方に住む生徒や通学が難しかった生徒が新たに受講できるようになり、こうしたサービスの拡充が売上増加に寄与したとみられます。
さらに、受講生一人あたりの売上高の増加は、首都圏における2023年の私立・国立中学入試の受験者数が過去最多を記録するなど、中学受験の競争が激化したことが要因です。特に、費用の高い中学受験塾の受講料や、集団指導と個別指導を併用するケースの増加も、売上高を押し上げたと考えられます。
学習塾における事業承継の課題
学習塾の事業承継にはどのような課題があるのでしょうか?ここでは以下のポイントについて解説していきます。
- 事業承継の手法を選別する必要がある
- 新たなノウハウを導入する必要がある
①事業承継の手法を選別する必要がある
まず、事業承継の手法は注意深く選別する必要があります。近年、事業承継の手法は多様化しており、従来の家族・親族の中から後継者を選定する事業承継(親族内承継)だけが唯一の手法ではありません。
事業承継の際は、従業員や社外の人材から後継者を選定する「親族外事業承継」や「M&Aによる事業承継」などの中から、自社に合った手法を選択する必要があります。
これまでは後継者がいない場合は廃業するしかありませんでしたが、現在ではM&Aによって企業を売買する形式で後継者を選択できるため、以前よりも事業承継が実施しやすくなっています。ただし、いずれの手法を実行する場合も、メリット・デメリットがあるため、会社の内情に合わせて選択する必要があります。
また、事業承継には時間と手間がかかることも考慮しておく必要があるでしょう。後継者を選定する事業承継であれば長ければ10年、比較的短期間できるM&Aによる事業承継でも1年半はかかります。
そのため、経営者の高齢化が進んでいる場合は、事業承継を完遂する体力がなくなっている可能性も否定できません。
途中で経営者がダウンしてしまうと、理想の事業承継が実現できなくなってしまう恐れもあります。いずれの手法を選ぶ場合であっても、なるべく早い段階で準備を始めることをおすすめします。
M&A総合研究所では、知識・支援実績豊富なアドバイザーが相手先探しからクロージングまで親身になってフルサポートいたします。
通常、M&A取引には半年から1年程度の期間がかかりますが、M&A総合研究所ではスピーディーなサポートを実践しており、最短3カ月での成約実績を有するなど機動力にも強みがあります。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)M&Aに関して、無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。
②新たなノウハウを導入する必要がある
昨今は学習塾が多様化しており、学習支援を行う方法も実に多種多様であるため、事業承継を機に、新たなノウハウの導入を考える学習塾も非常に多いです。
しかし、「集団指導から個別指導に変更する」「デジタル技術を導入する」などは、業態を大規模に変える可能性もあり、簡単にできるものではありません。
また、Eラーニングのようなデジタル技術を使ったシステムは、新たなノウハウに加え、正確にそれらを扱える技量を持つ人材が必要になります。既存の人材だけでは対応できないことも珍しくありません。
そのため、新たなノウハウを導入する上で事業承継を行うのであれば、事業承継M&Aがオススメです。事業承継M&Aは成功すれば新たなノウハウが導入できるだけでなく、買い手の資本の傘下に入れるため財務基盤の強化も可能な上、認知度が高いブランドを扱える可能性も出てきます。
学習塾における事業承継の注意点
学習塾の事業承継にはどのような注意点があるのでしょうか?学習塾の事業承継には、以下2点の注意点があります。
- 生徒や保護者の心証に注意する
- 講師の人数を維持する
①生徒や保護者の心証に注意する
学習塾が事業承継や事業承継M&Aを行う場合は、生徒や保護者の心証に注意しましょう。いずれの手法であっても、事業承継を実施して経営者が変われば、顧客である生徒や保護者は不安に思うでしょう。
事業承継をきっかけに、これまで授業を受けてきた環境や授業の方式、料金が変わるようなイメージを持つことは避けられません。そのため、事業承継の際には、生徒や保護者の心証に注意を払い、不安な印象を与えないようにしておくことが重要です。
とりわけ事業承継M&Aであれば、買い手となる会社が経営の主体になるため、学習塾が潰れてしまうというイメージを与えてしまう恐れがあります。事業承継M&Aを行う際は、契約が締結されるまで徹底的に情報を秘匿し、公表できる段階に入り次第、生徒や保護者向けに丁寧に説明するようにしましょう。
②講師の人数を維持する
事業承継を行う際、講師が減らないよう配慮しておかなければなりません。学習塾における講師の存在は、数・質ともに非常に重要なファクターになります。そのため、講師の数が減ったり、質が低下するような事態になれば事業に支障をきたします。
また、事業承継により学習塾全体の雰囲気や方針が変われば、事業承継後の環境になじめない講師は離職する可能性が出てきます。このような事態を避けるためには、生徒や保護者に向けて行うのと同様に、講師に向けて事業承継後の学習塾の雰囲気や方針について説明をすることが重要になります。
また、後継者に事業承継を行うのであれば、講師と後継者との信頼関係を構築させる時間も必要です。一方、M&Aで事業承継を行うのであれば説得材料を用意するなど、細やかな配慮が必要になります。
学習塾の事業承継・M&A案件例
M&A総合研究所が取り扱っている学習塾の事業承継・M&A案件例をご紹介します。
【難関大学進学実績多数/生徒総数1,000人超】英語特化進学塾
地元での高い知名度があり、高い継続率・リピート率を誇っています。東大、京大など最難関大学へ、毎年合格者を輩出しています。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 応相談 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【創業30年以上】那覇市中心部含む3教室で小・中・高生向け個別学習塾経営
沖縄で創業30年以上経営する学習塾で、地域住民からは一定の知名度があります。那覇市内の一等地を含む3教室を展開しています。
エリア | 沖縄県 |
売上高 | 1000万円〜5000万円 |
譲渡希望額 | 1円(備忘価格)+役員借入金3,700万円の返済 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
学習塾の事業承継・M&A事例
ここでは学習塾の事業承継の事例についてお伝えします。
ヒューリックによるリソー教育へのTOB
ヒューリックは、2024年4月8日の取締役会決議に基づき、リソー教育の株式を公開買付け(TOB)で取得し、さらに第三者割当増資を引き受けることを決定しました。
当初の公開買付期間は5月22日までの予定でしたが、5月27日まで延長され、取引は完了しました。5月28日に増資の払い込みを終えたことで、ヒューリックはリソー教育の親会社となりました。ヒューリックは不動産業務を手がけ、リソー教育は個別指導塾「TOMAS」を運営し、1対1の指導を行っています。
早稲田アカデミーによる幼児未来教育の子会社化
2024年1月25日、早稲田アカデミーは、取締役会で幼児未来教育(東京都渋谷区)の全株式を取得し、子会社化することを決定しました。早稲田アカデミーは小学生から高校生を対象とした進学塾を運営しており、一方、幼児未来教育は「ベンチャースクール サン・キッズ」のブランドで、未就学児向けの幼児教室を展開しています。
今回の子会社化により、早稲田アカデミーは未就学児向け教育分野に進出し、顧客層の拡大や教育ノウハウの共有を図り、ライフタイムバリュー向上と事業拡大を目指します。また、両社の理念や事業の親和性を生かし、早期のシナジー創出も期待されています。
スプリックスによる湘南ゼミナールの森塾事業の承継
2023年8月28日、スプリックス(7030)は、連結子会社の湘南ゼミナール(神奈川県横浜市)から「森塾」事業を会社分割(吸収分割)で承継することを決定しました。
この分割により、スプリックスが森塾事業を自社に集約し、グループ全体の資産効率向上と戦略的営業体制の構築を目指します。これにより、学習塾業界の変化に対応し、さらなる競争力強化を図ります。
学習塾の事業承継時におすすめの相談先
学習塾の事業承継時におすすめの相談先をご紹介します。
金融機関
近年、金融機関がM&A支援を専門に扱う部門を設立する動きが活発化しています。特に投資銀行やメガバンクなどの大手金融機関は、ファイナンシャルアドバイザー(FA)として、M&A取引の資金調達や戦略策定を含む幅広いサポートを提供し、取引を円滑に進める役割を果たしています。
このようなサポートにより、企業は資金調達や事業承継といった複雑な課題にも対応でき、専門家の支援を受けることで、取引の成功率が高まります。
しかし、大手金融機関は規模の大きな案件を優先しがちなため、中小企業には十分な支援が行き届かない場合もあります。そのため、企業は自社に合った支援機関を慎重に選定する必要があります。また、アドバイザリー報酬が高額になることも多いため、事前に費用を確認することが大切です。
公的機関
近年、事業承継やM&Aに対する公的な支援体制が急速に整えられています。全国47都道府県に設置された「事業承継・引継ぎ支援センター」は、後継者不足に悩む中小企業の相談窓口として、事業承継やM&Aに関する情報提供やアドバイス、企業マッチングのサポートを無料で提供しています。
この支援により、地方の中小企業も専門的なサポートを受けやすくなっており、個人事業主向けの支援も強化されています。希望に応じてM&A仲介会社や専門家の紹介も可能です。
ただし、民間の仲介会社と比較すると、対応のスピードや柔軟性に限界があるため、利用の際にはこの点を考慮する必要があります。こうした公的支援機関は、事業承継やM&Aを検討する企業にとって、選択肢の一つとして非常に有力です。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、企業の売買を幅広くサポートする専門機関です。売り手と買い手の双方に対し、取引先の選定から交渉のサポート、スケジュール管理、企業価値の評価、契約書の作成など、さまざまなサービスを提供し、条件の調整を通じて取引をスムーズに進行させる役割を担っています。
特に、広範なネットワークを活かして最適な取引先を探し出し、M&Aの成功率を高める点が大きな強みです。また、M&Aに不慣れな企業には実務的なアドバイスを提供し、取引全体が円滑に進むよう支援します。
ただし、仲介会社の利用には着手金や中間報酬といったコストがかかる場合もあるため、費用面の確認が重要です。コストを抑えたい場合には、成功報酬型の仲介会社を選ぶと良いでしょう。
学習塾の事業承継まとめ
学習塾は学習支援だけでなく、地域のコミュニティとしての一面を併せ持っているため、廃業してしまうと地域や顧客への影響が大きい事業です。そのため、学習塾の事業承継を成功させることは、経営者にとって非常に重要な課題だと言えるでしょう。
ただし、いずれの方法で事業承継を実施する場合であっても、生徒や保護者の心証、講師への影響は配慮しておく必要があるでしょう。
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