M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2022年1月15日更新都道府県別M&A
鹿児島県の事業承継とは?
鹿児島県は、事業の後継者の不在率が比較的低いにもかかわらず、事業承継の準備をしている会社が少ない傾向があります。会社の存続のためにはM&Aによる事業承継も有効策の1つです。今回の記事では、事業承継の基本知識や必要な手続きなどについて詳しく説明します。
鹿児島県における事業承継の状況
帝国データバンクが2017年に「事業承継に関する九州企業の意識調査」を行いました。その中で、事業承継に対する自社の考え方について回答を求めたところ、鹿児島県の企業の回答結果は以下のとおりでした。
- 経営上の問題の1つと認識している:62.9%
- わからない:14.5%
- 経営上の問題として認識していない:12.9%
- 最優先の経営上の問題と認識している:9.7%
- 計画はない:30.6%
- 計画はあるが、まだ進めていない:27.4%
- 計画があり、進めている:24.2%
- わからない:14.5%
- すでに事業承継を終えている:3.2%
上記のとおり、鹿児島県では、事業承継の優先度や実際の完了度はとても低い水準となっています。しかし、事業承継を経営上の問題と認識している企業は7割を超える数値となっており、何かしら重要性は認識していることがわかります。
後継者がいると回答した企業の場合、子供などの親族を後継者として挙げている会社が多く、九州地方では多く見られる傾向です。 後継者がいないとしている企業は、売上規模が比較的小規模で従業員数が少ない傾向にあります。
一方で、売上規模が大きく、従業員数が多くなるにしたがって、後継者がいないと回答する企業は少なくなる傾向があります。
また、計画を進めていない、または計画がない理由について、鹿児島県の企業の回答1位は「まだ事業を譲る予定がない」、2位が「自社には不要(必要性を感じない)」でした。
現経営者が引退すると同時に廃業や解散を検討していることも、事業承継の計画がないことの理由と思われます。 経営者の年齢についても、年々上昇している傾向は鹿児島県だけではなく全国的に見られる傾向です。
経営者の平均年齢も上昇傾向にあり、そのような中で事業承継についても会社の経営上の問題として捉えず、廃業や解散が選択肢に含まれていることは、今後の鹿児島県の中小企業の衰退を招く要因にもなりかねません。そのため、鹿児島県における事業承継の今後の動向は、県内の経済の発展に大きな影響を与えるともいえます。
事業承継の流れや進め方
事業承継を実行するまでには、以下の5つのステップがあります。
- 事業承継に向けた準備の必要性の認識:ステップ1
- 経営状況・経営課題などの「見える化」:ステップ2
- 事業承継に向けた会社の「磨き上げ」:ステップ3
- 事業承継計画の策定:ステップ4
- 事業承継の実行:ステップ5
①事業承継に向けた準備の必要性の認識:ステップ1
事業承継の準備は、経営者が認識して始めなければスタートすることができない場合が多くあります。しかし、中小企業の経営者は自身も業務に携わっている場合もあり、日々の業務に追われて、事業承継について後回しにしがちな傾向があります。
いずれ世代交代により後継者へと経営をバトンタッチするには適切な準備が必要不可欠で、経営権を譲り渡せばよいというものではありません。 まず、現経営者に事業承継の準備の必要性を認識してもらい、その準備を開始する必要があります。
事業承継の準備には、おおむね10年を要するとされています。 そのため、現経営者が60歳前後になったら、準備に取り掛かることをおすすめします。
現経営者が事業承継の準備を後回しにしているような場合には、取引のある金融機関や税理士などに働きかけてもらい、事業承継の準備をスタートさせることを促してもらうという方法があります。
②経営状況・経営課題などの「見える化」:ステップ2
事業承継をスムーズに実行するためにも、経営状況を把握する必要があります。事業承継後も事業を維持・成長させていくために、利益を確保できるシステムになっているか、本業の競争力を強化できているかなどの項目の内容を把握していきます。
事業の将来性の分析をはじめ、会社の経営体質を確認して、強みとなる部分と弱みとなる部分を明確にします。また、資産についても、個人資産と会社との貸借関係を明確にするとともに、会社の決算書や貸借対照表などの財務諸表も確認し、内容を把握しておきます。
これらの作業は、取引のある金融機関や税理士などの力も借りて、明確に整理しておくと良いでしょう。 財務状況を明確にすることによって金融機関や取引先とも信頼関係が良好になるため、資金調達や取引がスムーズにできるようになります。
③事業承継に向けた会社の「磨き上げ」:ステップ3
会社の経営状況や経営課題の把握をすると、他社にはない「強み」が見え、業務の流れに無駄がないか、効率的な組織体制になっているかなどの現状の問題点が明確にわかるようになります。
自社の強みとなっている部分をより充実させて、さらに良いものへと発展させることができます。
例えば、月次で会計処理を実施して従業員に公開すると、実績と目標が明確になり、従業員の意識の向上につながります。また、製品のロスが減って品質の向上を図ることができ、生産体制の強化を促します。
このように、会社の磨き上げには、強みとなっている部分を従業員とともに改善していくことが大切です。
そのほかにも、経費の削減や会社のブランドイメージの向上、優秀な人材、優良な顧客、金融機関や株主との有効な関係、許認可などの知的財産、運営上のノウハウや技術などの磨き上げを実施して、会社を総合的により良い体制づくりをしていくことが重要です。
④事業承継計画の策定:ステップ4
ステップ4は、事業承継計画の策定になります。 事業承継を社外に引継ぐ場合は、M&Aのマッチングなどを行います。事業承継計画では、ステップ2により把握した会社の経営状況・経営課題などの情報をもとに、中長期的な経営方針や目標を設定していきます。
事業承継にはおおむね10年の期間が必要とされていますが、その10年の間に会社を取り巻く環境も変化する場合があります。 その場合は立案した計画をブラッシュアップしながら進めていきます。
また、現経営者だけの考え方や意向を優先せず、後継者や親族などと一緒に、取引先や従業員、金融機関などの関係も考えながら策定します。また、会社の現状分析や今後の予測、会社の方向性や承継時期、目標の設定、課題の整理なども盛り込む必要があります。
策定した事業承継計画は、現経営者だけではなく後継者や関係者と共有することで、従業員や関係者から理解や協力を得られやすくなります。 なお、事業承継を社外に引継ぐ場合は、M&Aの仲介会社の選定や売却時の希望条件なども検討しておく必要があります。
⑤事業承継の実行:ステップ5
最後のステップ5は、事業承継の実行です。事業承継を社外に引き継ぐ場合は、M&Aを行います。事業承継の実行においては、税負担や法律などの複雑な専門知識が関わってくるため、弁護士や税理士、会計士などの助言を受けながら進めることをおすすめします。
M&Aは専門知識が必要となるため、M&A仲介会社などにアドバイスやサポートを受けると、スムーズに進められるでしょう。
M&A総合研究所には、専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しています。これまでにさまざまな業界や業種のM&Aに携わってきたノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。
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事業承継のパターンと方法
事業承継の方法は、主に以下の3つのパターンがあります。
- 親族内承継
- 親族外承継
- 社外への引継ぎ
次に、上記の各パターンについて説明します。
①親族内承継
親族内承継は、現経営者の親族が後継者となって事業承継する方法です。
一般的には、現経営者の子供が後継者になって事業を承継するパターンが多いです。現経営者の子供や親族を後継者とした場合は、従業員や社外の取引先、金融機関などからも心情的に受け入れられやすく、異論が出にくいという理由があります。
また、株式や資産の移転がしやすく、経営権の移譲もスムーズにできます。 しかし、全国の統計を見ると親族内承継をする会社は年々減っています。 以前であれば、親が会社を経営していれば、子供が後継者となるというのは珍しくないことでした。
近年では、ライフスタイルの多様化や職業の選択などによって、親が会社を経営していても後継者とならない選択をするケースが増えています。
②親族外承継
親族外承継は、現経営者の親族ではない人材が後継者となる方法です。一般的には、社内の役員や従業員を後継者とするパターンが多いですが、外部から招いた人材を後継者とする場合もあります。
会社の役員や従業員を後継者とした場合は、すでに事業内容や経営方針、理念を理解しているので後継者教育の期間が不要となり、経営者としての資質を教育するだけになります。
以前は、現経営者から経営権を移譲するときに株式の買い取りの資金が不足するなどの問題がありました。しかし、近年では持株会社の設立や種類株式の発行、従業員持株会によって株式の買い取りの資金調達が不要になっています。
また、勤続年数が長い人材が後継者となるので、一貫性のある事業承継ができます。親族外承継の場合は、現経営者の親族株主などに配慮して、家族からの理解も必要になります。 事業承継を実行する前にトラブルを回避する対応策を講じておかなければなりません。
③社外への引継ぎ
社外への引継ぎの場合、M&Aを行います。 M&Aは合併と買収という意味を持ちますが、社外への引継ぎにおける事業承継でM&Aを選択したときは、会社を売却することになります。 M&Aは経営者自身でもできますが、専門的な知識や多くの情報が必要になるため、会計士などの専門家や仲介会社、事業引継ぎセンターなどを活用することをおすすめします。
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M&Aを活用した事業承継
M&Aを活用した事業承継を行う場合、先述した会社の磨き上げをしておくことと、具体的な希望の条件を検討する必要があります。会社を買収する会社は、買収することによって得られるシナジー効果を期待しています。買収する側の会社が魅力を感じる条件にしておく必要があります。
そのためには、会社の経営状況を把握して、できる限り良い状態にまで改善しておくべきです。
先述のとおり、スムーズなM&Aのためには外部の専門家を活用したほうが良いですが、M&A仲介会社を選定するときは、手数料や受けられるサポートの内容などを比較してみると良いでしょう。
M&A仲介会社を利用する場合、M&Aの成立までの流れは以下のとおりです。
- M&A仲介会社と仲介契約や秘密保持契約などを締結
- 売り手側の企業評価を行い、買い手側とのマッチングを実施
- マッチング後、希望条件などについて買い手側との交渉やトップ面談を複数回実施
- 基本合意書の締結
- 買収監査(デューデリジェンス)の実施
- 買取監査で問題なければ最終契約を締結し、M&A完了
なお、M&Aは成約までにおよそ半年から1年かかり、場合によってはそれ以上の期間がかかる場合もあるため、M&Aを行う場合には余裕をもって必要な準備を行いましょう。
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まとめ
鹿児島県では、上記のとおり事業承継の必要を感じていない会社もまだまだ多く、今後10年先、20年先の中小企業のあり方が問われるでしょう。今回の記事をまとめると、以下のとおりです。
・鹿児島県の事業承継に対する考え方の傾向
→経営上の問題の1つと認識しているが、準備していない・計画してない企業は約5割
・事業承継の流れ・進め方
→①事業承継に向けた準備の必要性の認識、②経営状況・経営課題等の「見える化」、③事業承継に向けた会社の「磨き上げ」、④事業承継計画の策定、⑤事業承継の実行
・事業承継のパターン
→①親族内承継、②親族外承継、③社外への引継ぎ
・M&Aを活用した事業承継のポイント
→会計士などの専門家やM&A仲介会社を活用する
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