2021年4月23日更新会社・事業を売る

M&A戦略の目的とは?M&A戦略の事例や策定方法、注意点をご紹介

M&Aを成功させるには、戦略の構築が欠かせません。M&Aを実施する目的を明確にし、目的に合った戦略を実施することで、M&Aの成功確率を高めることが可能です。規模の拡大、機能の確保、再建・規律確保の目的でM&Aの戦略を構築しましょう。

目次
  1. M&A戦略とは
  2. M&Aの目的と戦略の重要性
  3. 事業拡大におけるM&A戦略
  4. 技術・機能確保を目的としたM&A戦略
  5. 再建・規律確保を目的としたM&A戦略
  6. M&A戦略策定における課題と問題点
  7. M&A戦略策定における注意点
  8. 中小企業のM&A戦略
  9. ベンチャー・スタートアップ企業のM&A戦略
  10. M&A戦略実施企業事例6選
  11. まとめ
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M&A戦略とは

M&A戦略とは

M&Aと聞くと、どのようなイメージを抱きますか?大企業同士の合併や敵対的な買収劇を想像するかもしれません。M&Aには、他にも大企業が非上場のベンチャー企業を買収する形、中小企業同士で合併する形のM&Aも存在します。

このようにM&Aにはさまざまな形があり、入念な戦略立案を基に実行されます。M&Aを実施するにあたり、戦略がどれだけブラッシュアップされるかでM&Aの成果が変わります。  

ただし、全てのM&Aで実行すべき戦略が同じであるわけではありません。実行すべきM&A戦略は、M&Aの目的によって異なります。M&Aを成功させるうえで、目的に沿った戦略立案は欠かせません。この記事では、M&Aの戦略について網羅的に解説します。

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M&Aの目的と戦略の重要性

M&Aの目的と戦略の重要性

⑴M&Aの目的

M&Aの目的には、さまざまな目的があります。具体的には、下記の目的が考えられます。

  1. 事業規模の拡大
  2. 機能の確保
  3. 再建・規律確保
  4. 新規事業への進出
  5. 海外市場の開拓

上記以外にも、企業によっては異なる目的の場合もあります。M&Aを実施する際には、まずはじめに目的を明確にしましょう。目的が明確化されたら、それに合わせてM&Aの戦略を立案します。

⑵M&A戦略の重要性

M&A戦略を立てる際に重要なのは、目的の明確化です。一見当たり前のように聞こえますが、M&A戦略を練るうえでは最も重要です。 M&Aを行う目的には、さまざまなものがあり、M&Aの目的によって、戦略や用いる手法が変わります。

まずは自社にとってM&Aのターゲットとなり得るイメージを作っておくことで、M&Aの戦略を立てやすいでしょう。しかし目的と合致しないM&A戦略や手法を実行すると、下記のようなデメリットが生じる恐れがあります。

  • 不要な資産や負債を抱える
  • 手続きが煩雑になる
  • 費用が余分にかかる
  • 想定していたメリットが得られない

上記リスクを回避するために、目的を明確化することで、実行すべきM&A戦略も自ずと見えてきます。加えてM&Aは、企業文化が異なる企業同士の統合です。したがって、従業員からの理解は不可欠です。従業員からの理解が得られていないと、M&Aの終了後に望み通りの成果を得られない可能性もあります。  

またM&Aの相手となる会社を探す手段も早い段階で決めておいたほうがいいでしょう。昨今日本のM&A市場は、売り手市場の流れとなっています。

売主側は、戦略的に価値を上げるためには、どこへ売りに出せばいいのかを事前に十分に検討することが必要です。

事業拡大におけるM&A戦略

事業拡大におけるM&A戦略

M&Aの目的と聞いて、まずイメージするのが「事業規模の拡大」でしょう。事業規模の拡大によって、人員の増加、設備の充実、顧客の拡大、間接費の削減などを実現できます。事業規模を拡大する際には、株式譲渡や合併などのM&A手法が用いられます。

また実行すべきM&A戦略は、「自社の既存事業とのシナジー効果の発揮」です。そのためには、「他社分析」と「自社の強みの把握」を行うのが有効です。ではM&Aの際に、具体的に遂行すべき戦略を解説します。

⑴他社分析

効果的なM&Aを実施するには、他社や業界の分析を徹底的に実行する必要があります。手に入れられるリソースや、獲得できるシナジー効果をある程度明確にしましょう。他社分析の際には、下記3点に注意しましょう。

①資産や債務

株式譲渡や合併では、相手企業の不要な資産や負債などまで取り込んでしまいます。M&A戦略を立案する際には、簿外資産や不要な資産の存在を確認しましょう。あらかじめリスクなどを把握することで、現実的なM&A戦略を立てられます。

②非公式株式の現金化

売り手側は、M&Aによって得られる対価についても確認しましょう。現金が対価の場合には、問題ありませんが、対価を株式として受け取る場合には注意が必要です。株式が非公開になっている場合、現金化には煩雑な手間がかかります。

株式を現金化したい場合には、公開企業とM&Aを実施しましょう。もしくは対価を現金でもらえるように、M&Aを戦略的に実施するのも大切です。

③M&Aのシナジー効果

M&Aを実行すると、異なる価値観や文化を持った企業同士が一つになります。そして、会社の業績を伸ばすためにシナジー効果を期待します。シナジー効果とは、日本語で相乗効果といいます。2社以上の会社が一緒になることで成果が残せたときに、シナジー効果があったといえるでしょう。

M&A戦略を立てる際には、この点を意識しなくてはいけません。またM&Aの後に、従業員の間で摩擦が生じる場合がある可能性があります。そうなった場合、予想していたM&Aのシナジー効果が得られない恐れもあります。戦略的にM&Aを成功させるうえで、従業員の理解は不可欠です。

⑵自社の強み把握

M&Aによってシナジー効果を得るためには、自社の強みを念入りにチェックしておくのも重要です。

自社のゴールやリソース、実現させたい将来像を確立させることで、効率的な戦略を遂行できます。自社の強みを理解したうえで戦略を立案すれば、M&Aにより最大限シナジー効果を享受できます。

事業拡大におけるM&A戦略を考えた際に、M&Aの経験が少ないとこれらの事柄に気を配ることは難しいでしょう。そのようなときはM&A仲介会社のサポートを受けることがおすすめです。

技術・機能確保を目的としたM&A戦略

技術・機能確保を目的としたM&A戦略

機能の確保とは、生産や調達、アフターケア、企画など、自社が欲しい機能を得ることです。最近では技術確保を目的に、戦略的なM&Aを実践するケースが増加しています。もともと日本企業は生産から流通、販売までを自社で実行する風潮がありました。しかし、全てのラインを確保するには、相当な労力と費用が必要です。

全てを自社のみで実行するのは、効率的な経営戦略とはいえません。醸成した技術・テクノロジーを持つ事業や会社を、M&Aで取り込むのは効率的です。時間を節約したうえで、経営戦略を実現可能となります。

機能確保が目的の場合には、事業譲渡と呼ばれるM&A手法を用いるのが一般的です。次項からは、具体的なM&A戦略と、戦略立案に際しての注意点をご紹介します。

⑴具体的なM&A戦略

機能確保が目的の場合、下記のM&A戦略が有効です。

  • 特定の地域へ進出するための足掛かりを作り、その地域の企業をM&Aで取り込む 
  • 新規事業への多角化を図り、その事業で成果を出している企業をM&Aで買収する

⑵M&Aの注意点

機能確保が目的の場合、事業譲渡を用いてM&Aを実行しますが、注意点があります。まず1点目は、税務面です。事業譲渡によるM&Aでは、法人税や消費税が課されます。株式譲渡と比べて、課される税負担は重くなる傾向があります。M&A戦略を立案する際には、節税対策なども意識しなくてはいけません。

2点目は、統合面です。技術・テクノロジー確保のためにM&Aを実施する場合、全く異なる価値観を持つ従業員を受け継ぐ場合が大半です。そのため、M&A後に環境や自社の従業員に適応できない可能性があります。

その結果、せっかくの技術やテクノロジーが生かせない場合もあります。M&Aを実行する際には、従業員の統合にも気を配りましょう

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再建・規律確保を目的としたM&A戦略

再建・規律確保を目的としたM&A戦略

業績が停滞している自社を再建したい、規律確保を徹底する目的でM&Aを実施するケースもあります。 この場合、主に売り手側の意図で実施される場合が多いです。例えば「業績が悪化している部門を切り離したい」「他社に買収される形で会社を延命させたい」ケースです。

M&A戦略面で重要なのは、「希望条件で売却できる可能性の向上」です。ここでは、そのためにできる戦略を3つご紹介します。

⑴企業価値の把握

まずは、自社の価値を分析したうえで、把握するのが大前提です。M&Aで多い失敗は、自社の価値を見誤ることです。自社の適正価値がわからないために、M&Aの交渉がうまくいかない事例は多くあります。規模の拡大目的のM&Aと同様に、まずは自社の価値を綿密に分析・把握しておく必要があります。

企業価値の評価方法は、上場企業の場合は株価がすでに市場に公表されているため、1株当たりの株価と株式数で時価総額が企業価値となります。上場していない非上場企業の株価は基準とされる株価がないため、評価が難しくなります。

非上場企業の場合は、その算出方法がさまざまであり、現在の経営状況やその企業が持っている事業の特性、成長ステージなど総合的に判断することになります。

⑵企業価値の磨き上げ

M&A戦略の際、自社の価値を高めるのも非常に大事です。M&Aでは、売り手企業の将来性や無形資産も評価されます。将来性や無形資産の価値は、のれん代としてM&Aの買収金額に上乗せされます。よって、M&A戦略を構築する際には、同時に企業価値の磨き上げにも取り組みましょう。

具体的には、自社の強みとなるノウハウや技術力を高めるのが効果的です。強みをさらに強化すれば、高い価格でM&Aを遂行できる可能性があります。売り手側にとって、「磨き上げ」は最も重要なM&A戦略です。

⑶買い手探し

M&Aで自社の買い手を探すそうと決めたとしても、どのような企業が買収してくれるのかのイメージができないことも多いでしょう。買い手企業を探す方法は大きく2つあります。

身近な知り合いや取引先で探す方法、あるいはM&Aの仲介会社、金融機関など外部の機關を利用する方法です。いずれにしても適切な方法で買い手企業を探し、アプローチできなければせっかくの機会を失ってしまう可能性があります。

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M&A戦略策定における課題と問題点

M&A戦略策定における課題と問題点

M&A戦略を策定する際には、以下に挙げられるような課題や問題点とぶつかることが少なくありません。

⑴手法の選択とスキームの設計

まず、M&Aを行ううえで当事者となる会社の内情に合った手法の選択、スキームの設計をしっかりと決めましょう。M&Aスキームとは、M&Aの基本的な構想、計画を示すものであり、どのような流れでM&Aを行うかの設計をすることです。

M&Aの手法は多種多様であり、それぞれプロセスや効果、メリットとデメリットが異なっています。どのM&Aの手法を選択するかによって、M&Aのスキームも変わります。M&Aのスキームに影響されるM&A手法の種類は、主に5つあります。

  1. 株式譲渡
  2. 株式交換
  3. 株式移転
  4. 合併
  5. 会社分割
このように戦略の策定は自分の会社に見合った手法の選択とスキームの設計を行うともいえます。専門家とも相談しながら、入念に検討して決めるようにしましょう。

⑵リスクの存在

買い手であれば売り手の会社の、売り手の会社であれば自身の会社が抱えているリスクがM&A戦略の策定の妨げになることがあります。M&Aにおいて、簿外債務や訴訟、不要な資産などは経営統合の妨げや無用なトラブルの原因になります。

M&Aにおけるリスクは法務、税務、財務などさまざまな種類のものが存在しており、いずれも見過ごすことのできるものではありません。買い手・売り手のいずれにせよ、リスクの洗い出しや対策はM&A戦略の策定の段階から行ったほうがいいでしょう。

⑶情報の守秘

M&A戦略において情報の守秘は、非常に重要なことです。そもそもM&Aを行うという情報は当事者となる会社、とりわけ売り手となる会社に大きな動揺を与えることがあります。従業員や関係する取引先など、M&Aを行うという情報はさまざまな立場の人たちに影響を与えます。

最悪の場合、競合他社が先手を打ってより有利な条件を提示してM&Aを仕掛けてくることもあり得ます。そのため、M&A戦略を策定していることも含め、しかるべきときまでM&Aに関する情報は一切を守秘しておくべきでしょう

また、M&Aを行うという情報を開示するタイミングについても、戦略の過程で決めておくようにしましょう。

M&A戦略策定における注意点

M&A戦略策定における注意点

M&A戦略における注意点は、「M&Aが最適な戦略なのか」という点です。そもそもM&Aは経営戦略の一つにすぎず、企業が抱える問題を解決するうえでM&A以外の経営戦略が適切なケースもあります。M&Aは成功率が3割~5割程度といわれており、決して簡単な戦略ではありません。

成功するための手間やコスト、時間もかかることを踏まえると、M&Aを行うべき目的や意義を明確にしてから戦略を策定すべきでしょう。当然、M&A以外の経営戦略が有効的と判断された場合はすぐに切り替え、別の経営戦略に着手したほうがいいでしょう。

M&A総合研究所は専門的な知識を持ったアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを活かしM&Aをサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討される際には気軽にご相談ください。

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中小企業のM&A戦略

中小企業のM&A戦略

中小企業が経営戦略の一環として、M&Aを活用する意義を考えましょう。M&Aの重要性を知らなければ、戦略的にM&Aを実行できません。経営戦略の一環としてM&Aを活用する場合、いくつかのメリットを享受できます。

⑴時間削減

自社のリソースのみを利用してM&Aを実行する場合、経営戦略の実現には相応の時間を要します。例えば、「事業規模の拡大」という経営戦略を実現する場合を想定しましょう。事業規模を拡大するには、M&Aを活用するケースが多いです。

工場を新しく建て、販路拡大のために営業人員を増やす施策が考えられます。しかし、経営戦略の効果が発揮されるまでには、かなりの時間がかかります。工場の新設には、早くとも半年はかかり、販路拡大に関しても、効果が発揮されるまでは時間を要します。

従来日本企業は、独自で上記経営戦略を実現していました。近年は、こうした地道な戦略実行が通用しにくくなっています。高齢化による国内市場の縮小により、企業間の競争が激化しているのが一因です。

競争が激化しているため、悠長に戦略を計画、実行していては他社に先を越されてしまいます。また、製品寿命(流行り)の短命化が進んでいるのも、一つの要因です。数年かけて事業規模を拡大しても、すでにその市場は衰退している恐れがあります。

以上の理由から、現代はスピーディーな経営戦略の実行が必要とされています。スピーディーな経営戦略を実現する手段として、M&Aは最適です。M&Aは、しばしば「お金で時間を買う」行為といわれます。M&Aを戦略的に活用すれば、欲しい経営資源をすぐに手に入れられます。

⑵リスク回避

製品寿命の短命化や国内市場の縮小に伴い、低リスクで事業をスケールさせる経営戦略も求められるようになりました。自社のリソースのみで戦略を実現する場合、時間のみならずリスク面でもデメリットがあります。

事業規模を数年かけて拡大した結果、市場が衰退していた場合、それまでかけた時間や費用、労力がすべて水の泡となります。事実上、経営戦略の失敗を意味します。しかしM&Aを活用すれば、低リスクで検証することが可能です。

例えば、新規市場への進出が目的だとしましょう。「すでに市場で成功している企業の買収」を、M&A戦略として実行します。その企業を取り込むことで、リスクを回避することが可能です。むしろ、有利な立場で新規事業を始められます。

また売り手側もM&Aによって、低リスクの戦略実行を実現できます。例えば、自社内に採算が取れていない事業があったとします。その事業を売却してすることで、事業継続によって生じうる、資金繰り悪化のリスクを回避できます。

以上の通りM&Aは、効率的な経営戦略を実現するうえで、必要不可欠なツールです。

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ベンチャー・スタートアップ企業のM&A戦略

ベンチャー・スタートアップ企業のM&A戦略

ベンチャー・スタートアップ企業におけるM&A戦略において、方針とされやすいものは「財務基盤の強化」です。ベンチャー・スタートアップ企業は、潜在的な成長性や事業やアイディアの斬新さが強みです。

しかし規模が小さく、実績にも乏しいため社会的信用性が低いことから融資などが受けにくく、ベンチャー・スタートアップ企業は財務基盤が不安定になりがちです。そのため、状況を打開するためにM&A戦略を策定することが多くなっています。

しかし成長性はあっても、リスクが多いベンチャー・スタートアップ企業とのM&Aを躊躇する会社は少なくありません。実際にベンチャー・スタートアップ企業がM&A戦略を策定する際には、ベンチャーキャピタルなどの協力を得ることが多いです。

M&A戦略実施企業事例6選

M&A戦略実施企業事例6選

最後に、企業別にM&Aの戦略実例をご紹介します。

⑴リクルートのM&A戦略

リクルートは、企業側と消費者を結びつける「No.1のマッチングサービス」の提供を目標としています。リクルートは、海外企業進出を目的としたM&Aに、力を入れています。2009年以降は、欧米やアジア圏の人材派遣事業や、飲食店の予約サイトを運営する企業とのM&Aを進めています。

人材派遣業界に限定すると、リクルートは国内企業の中でも、圧倒的に海外企業とのM&Aを実施してきました。海外進出目的のM&Aでは、どのような戦略を遂行しているのでしょうか?リクルートの最も大きな特徴は、経営者自らが現地企業とのM&A交渉に臨む点です。

クロスボーダーM&Aの成功においては、現地企業との価値観のすり合わせが重要です。価値観が相違していると、想定していた結果を得られない可能性があります。リクルートでは、経営者自らがM&A交渉に臨み、ビジョンや経営戦略の共有を図ります。

その結果、数多くのクロスボーダーM&Aを成功に収めています。リクルートのM&A戦略は、クロスボーダーM&Aのお手本といえます。

⑵ソフトバンクのM&A戦略

ソフトバンクは、M&A戦略の最もお手本となる企業です。ソフトバンクの成長戦略は、M&Aによって成し遂げられたといっても過言ではありません。当初ソフトバンクは、ソフトウェア関連の事業を行っていました。しかし、ボーダフォンや日本テレコムとのM&Aを皮切りに、通信事業への参入を進めました。

その結果、時代の流れに乗って、国内では異例のスピードで業績を拡大させました。前述した通り、M&Aの目的には主に5つあります。ソフトバンクは、M&Aによってその全てを達成したといえます。M&Aには多大なリスクがあります。

ハイリスクを覚悟したうえで、M&Aによる成長を図った結果、成功したといえます。全ての戦略をM&Aによって達成するのは、非常に困難かつハイリスクです。成し遂げられたのは、経営者の才能といっても過言ではありません。

⑶電通のM&A戦略

リクルートと同様に電通も、海外進出目的でM&Aを進める企業です。2012年には年間3件のみだったクロスボーダーM&Aが、3年後には21件に増加しています。今後も電通は、M&Aによって海外進出を図ると見込まれます。現在電通は、データマーケティング分野で、グローバル企業化を遂行しています。

本来電通は、広告代理業を主軸にしている企業です。しかし近年は、マーケティングのデジタル化が進行しており、対応が急務とされています。電通はデジタル化に対応する手段として、M&Aによる戦略遂行を進めています。

電通が遂行しているのは、「海外市場の開拓」と「新規事業への進出」を同時に目指す戦略といえるでしょう。

⑷楽天のM&A戦略

楽天もM&Aを巧みに利用してきた企業の一つです。楽天は、「楽天経済圏」の構築を目的とした経営戦略を遂行しています。楽天経済圏とは、楽天市場を中心に、旅行やメディア、銀行、証券などのあらゆるサービスを、楽天がワンストップで提供する構想です。

つまり、インターネット上のあらゆるサービスを、楽天が独占するのを目指す戦略です。ご存じの通り、「楽天経済圏」の構築は今のところ、大成功といえるでしょう。その大成功に寄与したのが、M&Aの戦略的な活用です。

楽天は他社に先駆けて、楽天経済圏の構築に必要なサービスを、M&Aによって自社に取り込んできました。その結果、参入障壁の高い市場の確立に成功しました。M&Aのメリットである、「時間の削減」を最大限に生かした経営戦略といえます。

国内企業とのM&Aに限定すると、楽天は最もM&A戦略に長けているといえます。前述した例でいうと、「事業規模の拡大」と「新規市場への進出」を、M&Aによって同時に実現しました。近年楽天は、海外市場への進出を目的にM&Aを活かした戦略を実践しています。

国内M&Aでは敵なしの楽天が、海外進出を成功させられるかは注目です。

⑸JTのM&A戦略

日本たばこ産業ことJTはたびたび海外の企業とM&Aを行うことにより、世界規模の一大メーカーになりました。JTが行った代表的なM&Aとして挙げられるのは1999年のRJRIの買収、2007年のGallaherの買収が挙げられます。

RJRIの買収ではJTはたばこ販売本数を増大させ、さらに販路の拡大にも成功しました。これによりJTは知名度やブランド力を世界規模にまで向上させ、海外進出を大成功させています。

また、Gallaherの買収では単に販路の拡大を行うだけでなく、評価体制の統一や従業員のモチベーション管理、言語の統一化など多国籍企業の内情を整理することで、経営統合を円滑にすすめました。買収自体もわずか100日で成功しているなど、JTがM&A戦略を熟知し、うまく使いこなしていることがわかります。

⑹ガーデングループのM&A戦略

カラオケチェーンや外食チェーンを展開しているガーデングループは再生型のM&Aを得意としており、経営不振に陥った外食チェーンなどを次々に買収し、わずか5年で再生させています。

ガーデングループはM&Aを用いたスピード感のある経営戦略を展開するだけでなく、買収した企業を再生させるノウハウを確立し、それを徹底的に生かすなど、確実に結果を出しています。

そのようなガーデングループのM&A戦略はスピーディーな一面ばかりが注目されますが、買収対象となる会社を再生するノウハウを有しているからこそできることといえるでしょう。

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M&A成功事例とは?大手・中小企業、スタートアップやベンチャー企業のM&A成功事例を解説

まとめ

まとめ

今回はM&Aの戦略について紹介しました。迅速な経営戦略が求められる現在、M&Aの活用はとても賢い選択肢です。M&Aを利用すれば、「お金で時間を買う」ことが可能です。本来ならば時間がかかるところを、はるかに短時間で戦略を実行できます。

現代の経営者にとって、M&Aの活用は無視できない選択肢です。M&Aの戦略を考える際、まずはM&Aを行う目的を明確にする必要があります。M&Aの目的が不明瞭であると、実行すべきM&A戦略がわかりません。また目的によって、実施すべき戦略や用いるべきM&A手法は異なります。

まず初めに、M&Aの目的を明確化しましょう。目的が明確になったら、自社の目的に合わせてM&A戦略を実行します。M&A戦略の立案は、思い立ってすぐにできるものではなく、今後を左右する重大な局面なので、入念に戦略を構築するのが大事です。

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