2021年5月23日更新事業承継

事業承継・M&Aエキスパート協会とは?試験や資格の特徴について解説

事業承継・M&Aエキスパート協会とは、中小・零細企業の事業承継・M&A支援に携わる人たちに対して、事業承継・M&Aに関する専門性を身につけてもらうために設立された組織です。本記事では、事業承継・M&Aエキスパート試験の受験方法や試験の特徴などをご紹介します。

目次
  1. 事業承継・M&Aエキスパート協会とは?
  2. 事業承継・M&Aエキスパート試験
  3. 事業承継・M&Aエキスパート協会が与える資格の特徴
  4. まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

事業承継・M&Aエキスパート協会とは?

事業承継・M&Aエキスパート協会とは?

事業承継・M&Aエキスパート協会とは、中小・零細企業の事業承継・M&A支援に携わる人が事業承継・M&Aに関する専門性を身につけ、事業承継・M&Aを通して中小・零細企業の維持・発展に貢献する人材を生み出す目的で設立された組織です。

事業承継・M&Aエキスパート協会は、株式会社日本M&Aセンターと一般社団法人金融財政事情研究会によって立ち上げられました。

日本M&Aセンターは国内大手仲介会社として、M&A・事業承継の豊富な支援実績があります。また、金融財政事情研究会も、金融機関向けの資格試験で豊富なノウハウを持っています。

事業承継・M&Aエキスパート協会では、事業承継・M&Aの専門性を持った人材を多数生み出すために、事業承継・M&Aエキスパート試験を実施しています。試験は2012年から始まり、有資格者となった人数は2020年9月で3万人を突破しています。

M&A支援には国家資格がないので、事業承継・M&Aエキスパート試験は事業承継・M&A支援の能力を示せる資格として有力な民間資格となってきています。

【関連】【入門編】事業承継の本おすすめ人気ランキングTOP15

事業承継・M&Aエキスパート試験

事業承継・M&Aエキスパート試験

事業承継・M&Aエキスパート試験には以下の3つがあり、内容と難易度が異なります。本章では、事業承継・M&Aエキスパート試験の内容を紹介します。

【事業承継・M&Aエキスパート試験】

  • M&Aシニアエキスパート 
  • 事業承継シニアエキスパート 
  • 事業承継・M&Aエキスパート 

事業承継・M&Aエキスパート試験のコース

事業承継・M&Aエキスパート試験は、事業承継・M&Aの基礎知識が身につけられる「事業承継・M&Aエキスパート」と、事業承継の実務ノウハウに関する「事業承継シニアエキスパート」、上級認定資格の「M&Aシニアエキスパート」に分かれています。

M&Aシニアエキスパート

M&Aシニアエキスパートは上級資格とされており、試験を受けるためには受講資格を満たしたうえでM&Aシニア養成スクール」を受け、スクールを修了後試験に合格する必要があります。

M&Aシニアエキスパート受講資格】
  • 事業承継・M&Aエキスパート試験に合格
  • 税理士・公認会計士弁護士・司法書士
  • 銀行・証券会社・生命保険会社・信用金庫・信用組合での法人営業経験が5年以上で現職
  • 会計事務所などで5年以上の実務経験がありかつ現職
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

事業承継シニアエキスパート 

事業承継シニアエキスパートでは、実務に関する専門的な技能を身につけることができます。

試験を受けるためには、受講資格を満たしたうえで養成スクールを受け、スクールを修了後試験に合格する必要があります。

事業承継シニアエキスパート受講資格】
  • 事業承継・M&Aエキスパート試験に合格
  • 税理士・公認会計士弁護士・司法書士
  • 銀行・証券会社・生命保険会社・信用金庫・信用組合での法人営業経験が1年以上で現職
  • 会計事務所などで1年以上の実務経験かつ現職
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

事業承継・M&Aエキスパート

事業承継・M&Aエキスパートでは、中小企業の事業承継・M&Aに関する基礎知識を身につけることができます。

事業承継・M&Aエキスパートの受験資格は特になく、養成スクールの受講も必要ありません。

事業承継・M&Aエキスパートに合格すると、M&Aシニア養成スクールと事業承継シニア養成スクールの受講資格が得られます。

【関連】TRANBI(トランビ)はM&A・事業承継プラットフォーム!実績や競合との比較あり

事業承継・M&Aエキスパート試験の流れ 

事業承継・M&Aエキスパート試験の流れはコースによって違います。事業承継・M&Aエキスパートコースの場合は養成スクールの受講がなく試験は通年行われています。

事業承継・M&Aエキスパートコースの正式な試験名は「金融業務2級事業承継・M&Aコース」です。事業承継・M&Aエキスパートコースの試験は、受験者が申し込んだ日時に指定したテストセンターで受けることができます。

テストセンターは各都道府県にあるので最寄りのテストセンターで受けることができ、他都道府県のテストセンターで受けることも可能です。テスト時間は120分で、四答択一式の問題が30問、事例問題が10題出題されます。

 
事業承継・M&Aエキスパート試験の出題範囲
  • 事業承継関連税制等
  • 事業承継関連法制等
  • M&A基礎知識・関連会計
  • M&A関連法制等
  • 総合問題
     
事業承継・M&Aコースは100点満点中70点以上で合格です。試験結果は受験後その場で確認することができ、合格していた場合は試験日の翌日以降Web上から認定証を発行できます。
 
M&Aシニアエキスパートコースと事業承継シニアエキスパートコースの場合は、受講資格を満たしたうえで養成スクールへの申し込みを行い、「M&Aシニア養成スクール」または「事業承継シニア養成スクール」を3日間受講します。

養成スクールを修了したら、養成スクール最終日の翌日に行われる認定試験を受けます。試験時間はどちらも120分で、四答択一式・記述式などで合計50題が出題されます。試験に合格すると、1ヶ月ほどで合格証が送付されます。
 
なお、現在は新型コロナウイルスの影響により、養成スクール・試験の変更や中止の可能性があります。養成スクール・試験のスケジュールについては事前に確認してください。

事業承継・M&Aエキスパート試験の難易度

事業承継・M&Aエキスパートコースの難易度はそれほど高くありません。試験内容はほとんどが事業承継・M&Aに関する基礎的な知識を問うものです。

そのため、事業承継・M&A業務に携わったことのない受験者がゼロから勉強を始めても、しっかりと参考書を理解できれば十分合格することが可能です。

M&Aシニアコースと事業承継シニアコースでは、事業承継・M&Aエキスパートコースよりも実務的な問題が出題されます。養成コースの内容をしっかりと身につけたうえで受験対策を行う必要があります。

【関連】事業承継ネットワークとは?事業概要、中小企業が利用するメリット【事例あり】

事業承継・M&Aエキスパート協会が与える資格の特徴

事業承継・M&Aエキスパート協会が与える資格の特徴

 事業承継・M&Aエキスパート協会の資格は、コースによって特徴が違います。本章では各コースの特徴を紹介します。

M&Aシニアエキスパートの特徴 

M&Aシニアエキスパートコースでは、事業承継・M&Aの現場で即役に立つ実務能力を身につけることができます。

M&Aシニアエキスパートコースのカリキュラムには以下の内容が含まれており、事業承継・M&Aの現場で働く人が知っておきたい内容を中心に身につけることができます。

M&Aシニアエキスパートコースに含まれるカリキュラム(一例)
  • 初期相談時のヒアリングポイント
  • 顧客との信頼関係を深めるインタビュー方法
  • トラブルケースの紹介
  • トラブルを防ぐための注意点
  • 中小企業の評価で注意する点

事業承継シニアエキスパートの特徴 

事業承継シニアエキスパートコースでは、事業承継の現場で即役に立つ実務能力をケーススタディーとともに身につけることができます。

例えば、以下のようなケーススタディーを学ぶことができ、
知識だけではない実践力を養うことが可能です。

事業承継シニアエキスパートのケーススタディー(一例)】
  • 自社株対策の事業承継事例
  • 不動産オーナーの事業承継事例
  • 医療法人のケースや廃業・清算のケース

事業承継・M&Aエキスパートの特徴 

事業承継・M&Aエキスパートコースでは、事業承継・M&Aに関する知識を幅広く網羅することができます。

事業承継・M&Aエキスパートコースの受験者は金融機関の従業員や士業専門家が多いですが、事業承継・M&Aに携わっていない人でも身につけておいて損はない内容となっています。

M&Aシニアエキスパートコースと事業承継シニアエキスパートコースのように実務能力を身につけることはできませんが、基礎を効率よく身につけることが可能です。

なお、経営者がM&Aを行うために資格取得を目指すケースもありますが、M&Aには高度な専門知識が必要となるため、専門家によるサポートを受けるのがベストです。

M&A総合研究所には、豊富な経験を持つM&Aアドバイザーが多数在籍しております。案件ごとに担当アドバイザーがつき、ご相談からクロージングまでを丁寧にサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談も随時受け付けておりますので、M&Aをご検討の際はM&A総合研究所までお気軽にご相談ください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

まとめ

まとめ

事業承継・M&Aエキスパート協会とは、中小・零細企業の事業承継・M&A支援に携わる人が事業承継・M&Aに関する専門性を身につけ、事業承継・M&Aを通して中小・零細企業の維持・発展に貢献する人材を生み出す目的で設立された組織です。
 
事業承継・M&Aエキスパート試験は3種類あり、内容と難易度がそれぞれ異なります。事業承継・M&Aエキスパートコースには受験資格がなく、M&Aアドバイザーを目指す人だけでなく経営者にとっても学んでおいて損はない内容になっています

事業承継・M&Aエキスパート試験のコース
  1. M&Aシニアエキスパート 
  2. 事業承継シニアエキスパート 
  3. 事業承継・M&Aエキスパート
【事業承継・M&Aエキスパート協会が与える資格の特徴】
  1. M&Aシニアエキスパート・・・事業承継・M&Aの現場で役に立つ実務能力を身につけられる
  2. 事業承継シニアエキスパート・・・事業承継の現場で役に立つ実務能力を身につけられる
  3. 事業承継・M&Aエキスパート・・・事業承継・M&Aの基本的な知識を幅広く身につけられる

M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談は成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 譲渡企業様完全成功報酬!
  2. 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
  3. 上場の信頼感と豊富な実績
  4. 譲受企業専門部署による強いマッチング力
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

あなたにおすすめの記事

M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!

M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!

近年はM&Aが経営戦略として注目されており、実施件数も年々増加しています。M&Aの特徴はそれぞれ異なるため、自社の目的にあった手法を選択することが重要です。この記事では、M&am...

買収とは?用語の意味やメリット・デメリット、M&A手法、買収防衛策も解説

買収とは?用語の意味やメリット・デメリット、M&A手法、買収防衛策も解説

買収には、友好的買収と敵対的買収とがあります。また、買収に用いられるM&Aスキーム(手法)は実にさまざまです。本記事では、買収の意味や行われる目的、メリット・デメリット、買収のプロセスや...

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

M&Aや投資の意思決定するうえでは、今後得られる利益の現時点での価値を表す指標「現在価値」についての理解が必要です。今の記事では、現在価値とはどのようなものか、計算方法や割引率、キャッシ...

株価算定方法とは?非上場企業の活用場面、必要費用、手続きの流れを解説

株価算定方法とは?非上場企業の活用場面、必要費用、手続きの流れを解説

株価算定方法は多くの種類があり、それぞれ活用する場面や特徴が異なります。この記事では、マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチといった株価算定方法の種類、株価算定のプロセス、株...

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

法人税を節税するために、赤字経営をわざと行う会社も存在します。しかし、会社は赤字だからといって、必ず倒産する訳ではありません。逆に黒字でも倒産するリスクがあります。赤字経営のメリット・デメリット...

関連する記事

会社分割すると従業員の契約はどうなる?労働契約承継法や保護制度を徹底解説!

会社分割すると従業員の契約はどうなる?労働契約承継法や保護制度を徹底解説!

多くの企業が会社分割を検討しておりますが、トラブルに発展しないように従業員への対応に配慮する必要があります。今回は会社分割を検討している企業に向けて、会社分割における従業員の契約や手続きの流れな...

M&AにおけるITデューデリジェンス(ITDD)を解説!目的や調査項目は?

M&AにおけるITデューデリジェンス(ITDD)を解説!目的や調査項目は?

ITデューデリジェンス(ITDD)はM&Aにおいて欠かせず、明確な目的を踏まえた対応が求められます。今回はM&Aを検討している企業に向けて、ITデューデリジェンス(ITDD)につ...

人事デューデリジェンス(人事DD)とは?目的から調査項目まで徹底解説!

人事デューデリジェンス(人事DD)とは?目的から調査項目まで徹底解説!

M&Aを実施する際に人事デューデリジェンス(人事DD)は重要です。丁寧に手続きを進めないとM&Aで高い効果は得られません。今回はM&Aを検討している企業に向けて、人事デュ...

二段階買収の手続き方法を徹底チェック!目的やメリット・注意点は?

二段階買収の手続き方法を徹底チェック!目的やメリット・注意点は?

二段階買収(Two-Tier Takeover Strategy)は、買収側が売却側の少数株主から株式を買い集める際に有益な手法です。当記事では、実施目的や手法、メリットやデメリット、過去事例や...

事業承継の相談先はどこがいい?選び方から注意点まで徹底チェック!

事業承継の相談先はどこがいい?選び方から注意点まで徹底チェック!

近年は中小企業の経営者の高齢化に伴い、積極的に事業承継を行って生き残りを図る企業が増えています。 事業承継には複雑な手続きが多いため、信頼できる相談先の選択が重要です。そこで本記事では事業...

M&A後の退職金や給与はどうなる?節税方法や注意点まで徹底チェック!

M&A後の退職金や給与はどうなる?節税方法や注意点まで徹底チェック!

M&Aで退職金を活用すると、節税効果が得られます。当記事では、退職金を利用したM&Aの節税方法やメリット、注意点を交えながら、退職金の扱い方や税務について解説します。従業員や役員...

M&Aにおける人事DDの目的や調査範囲を徹底チェック!費用・注意点は?

M&Aにおける人事DDの目的や調査範囲を徹底チェック!費用・注意点は?

人事DD(デューデリジェンス)は、買収側がM&Aの実施後に受ける損失を最小限に抑えるために必要な調査です。当記事では、調査が行われる目的や調査範囲、かかる費用や注意点を踏まえながら、人事...

100日プランとは?PMIの概要・重要性・策定のポイントまで徹底解説!

100日プランとは?PMIの概要・重要性・策定のポイントまで徹底解説!

M&Aを実施する際にはPMIの工程が重要となり、100日プランはPMIの成功に大きな役割を果たします。今回はM&Aを検討している企業に向けて、100日プランの概要・重要性・策定の...

管工事会社の事業承継の動向や事例を徹底解説!メリットや費用相場・注意点は?

管工事会社の事業承継の動向や事例を徹底解説!メリットや費用相場・注意点は?

管工事会社業界は将来的な需要増加が見込める半面、人材不足や後継者不在といった問題が深刻です。当記事では、過去の事例を取り上げながら、管工事会社(管工事業界)の事業承継について解説します。事業承継...

M&Aコラム
人気の記事
最新の記事

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

ご相談はこちら
(秘密厳守)