2022年12月19日更新事業承継

事業承継と継承はどちらが正しい?違いや読み方、使い分けも解説

事業承継と事業継承は似ているようですが、意味や使われるシーンが異なります。この記事では、事業承継と事業継承の違い、どのような場面で使うのかをみていきましょう。そのほか、事業承継を成功させるポイントや注意点も解説しています。

目次
  1. 事業承継と継承はどちらが正しい?
  2. 事業承継・継承を構成する要素
  3. 事業承継・継承の種類と引き継ぎ先
  4. 事業承継・継承を行う際の手順・流れ
  5. 事業承継・継承が増えている理由
  6. 親族外承継が親族内承継を上回る傾向
  7. 事業承継・継承を成功させるポイント
  8. 事業承継・継承に最適なタイミングとは
  9. 事業承継・継承におすすめの相談先
  10. 事業承継・継承のまとめ
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事業承継と継承はどちらが正しい?

昨今、中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化が進む中、事業承継問題が取り上げられています。事業承継の時期を迎える中小企業・小規模事業者に対して、中小企業庁をはじめ、公的機関も事業承継を円滑に進めるための施策を次々と実行しています。

しかし、事業承継の言葉は、事業承継と継承といった表現のゆらぎが見られるケースがありますが、どちらが正しいのでしょうか。ここでは、それぞれの違いや使い分けなどを解説します。

事業承継と継承の違い

継承と承継の意味を辞書で調べると「継承は前代の人の財産・身分・仕事などを受け継ぐこと」とあり、「承継は前の代からのものを受け継ぐこと」とあります。

前代から引き継ぐ点では同一の意味を有していますが、以下のようなニュアンスの違いがあります。

  • 継承=具体的な会社としての立場や財産を引き受けるイメージ
  • 承継=先代の経営に対する考え方や経営理念などの漠然とした観念を引き受けるイメージ

また、継承と承継の文字順序に焦点を当てると、「継承は資格や財産を引き継いだうえで前代の考え方を読み解く」「承継は前代の考え方を読み解き、承認したうえで財産を引き継ぐ」といった違いを見いだすこともできます。

事業継承や事業承継といった場合、どちらの単語も会社としての事業を引き継ぐといった意味合いがありますが、「承継」と「継承」では、受け継ぐものの内容、受け継ぐタイミングが異なります。

事業承継と継承の使い分け

会社の経営理念や経営ビジョンを引き継ぎ、事業の発展を目指すといった場合に「事業承継」を使います。一方で「事業継承」を用いるのは、後継者が会社の経営権や財産を引き継ぐなど地位を引き継ぐ場合です。

法律用語や税制上の呼称には「事業承継」のほうが使われており、中小企業庁でもそれにならっています。ただし、2つの使い分けは曖昧(あいまい)な点も多いです。そのため、どちらを使用しても大きな問題ではないとされています。

事業承継・継承を構成する要素

事業承継・継承を構成する要素は、主に以下の4つがあります。事業承継・継承で引き継ぐ内容の代表的なものには、以下の4つがあります。この章では、それぞれの詳細をみていきましょう。

  1. 人(経営)
  2. 資産
  3. 知的財産
  4. 役職

①人(経営)

事業承継・継承では後継者へ株式譲渡によって経営権を移譲します。経営権がある状態とは株式を1/2超保有しており、会社の意思決定を円滑に行うのが可能である状態のことです。

逆に、株式保有比率が1/2を下回っている状態で会社の代表者になると、解任リスクを背負うことになるため、経営権を確保できているとはいえないでしょう。

なお、株式の2/3超を保有していれば特別決議の可決も可能になり、定款変更や会社の組織再編にかかる事項など、会社にとって重要な決議事項の決定も単独で行えるようになります。

【関連】経営権

②資産

事業承継・継承で引き継ぐ資産は以下のとおりです。そのうち、株式は経営権を確保するために引き継がなければいけない資産です。

また、金銭についても経営を維持するために必要なものであり、事業用資産は経営基盤を安定させるために引き継ぐべきものです。

【事業承継・継承で引き継ぐ資産】

株式 前述のとおり、経営権取得に必要な資産
事業用資産 事業の用に供している、棚卸資産などの動産や土地・建物などの不動産
金銭 事業に経常的に必要となる運転資金や借入金

③知的財産

事業承継・継承する知的資産には以下のものがあります。知的資産は会社の強みであり、即時に引き継ぐことが可能なものもあれば、計画的に引き継いでいくべきものもあります。

たとえば、取引先との関係や会社の信用などは、前経営者であったからこそ維持できた強みである場合もあり、後継者へ計画的に引き継ぐ必要があります。

【引き継ぐ知的資産】

  • 従業員の技術、技能
  • 取引先
  • 商標・特許などの知的財産権
  • 今まで蓄積してきた会社の信用
  • 顧客データ
  • 行政許認可、ノウハウ

④役職

会社の株主総会あるいは取締役会で代表者変更の議決を受け、法務局へ代表者の変更登記申請を行うことで、役職の承継を行います。

【関連】事業承継とは?方法や事業承継税制・補助金、M&Aでの活用について解説

事業承継・継承の種類と引き継ぎ先

事業承継・継承を行う場合、誰に事業を引き継ぐのかといった問題があります。主な事業承継先には、以下の3つがあります。

【主な事業承継先】

  1. 親族内承継
  2. 親族外承継
  3. M&Aを利用した事業承継

①親族内承継

親族内での事業承継では、息子・娘・配偶者などの親族が後継者になり、事業承継全体の半分以上を占めています。

親族内承継はメリットの多い方法ですが、デメリットも正しく把握しておくのが大切です。

メリット

親族内での事業承継メリットには、主に以下の2つがあります。

【親族内での事業承継メリット】

  • 子などの親族を後継者に据えることで、早い段階で後継者を決定して計画的な育成を図れる
  • 親族の後継であれば、心情的にステークホルダーの理解を得やすい

M&Aとは違い、子や親族に事業承継の意思があれば早期に後継者を確保できることは大きな強みです。後継者の教育に時間を使えるだけでなく、相続税対策も計画を立てて行うことも可能です。

また、親族への承継であれば経営方針に大きな変動も起こりにくいので、従業員などの理解も得やすく円滑な事業承継が可能です。

デメリット

親族内承継のデメリットには、以下の2つがあげられます。

【親族内承継のデメリット】

  • 相続人が複数いる場合は次期後継者争いが生じる可能性があり、後継者の決定が困難になるケースもある
  • そもそも親族内に有能な後継者が存在しない可能性がある

相続人が複数存在する場合、後継者選定が困難になるケースがあります。係争状態が継続すると、株式譲渡の際に遺留分を主張される可能性もあり、円滑の事業承継の妨げとなることもあります。

また、親族内に後継にふさわしい人材がいない場合は、従業員への承継やM&Aを検討する必要がでてきます。

留意点

  • 計画的な後継者教育
  • 親族内後継者の承継意思の確認
  • 後継者への株式譲渡
  • 他の相続人への気遣い、根回し

まず、子などの親族を後継者とする場合は、計画的な教育プランの立案および実行が必要です。特に、経験の観点から、自社での業務習熟の前に同業他社での勤務を経験させて視野を広げさせることも、今後の事業拡大のために有効といえるでしょう。

そもそも、子などの親族に事業承継する意思がなければ円滑な経営の譲渡ができません。最悪は事業の停止に追い込まれる可能性もあるので、長い時間をかけて意思疎通を図っていく必要もあります。

また、経営権を親族内の後継者に移譲する場合は、迅速な意思決定を行うために少なくとも自社株式の2/3以上は後継者へ譲渡する必要があります。

生前贈与・売買・相続時に遺書を作成するなどの手段がありますが、贈与税や譲渡所得税など税金面の課題もあるので、専門家に相談しながら計画的に進めるとよいでしょう。

もし後継者以外の相続人がいる場合、相続人への株式以外の資産分配などの配慮は怠らないようにしましょう。

遺書や生前贈与により株式譲渡した場合でも、他の相続人から遺留分の主張をされるなど、円滑な経営権の承継に支障を来す可能性もあります。

【関連】株式譲渡を親族内でする場合の注意点は?メリット・デメリットも解説

②親族外承継

親族外での事業承継とは、自社の役員や従業員などを後継者として事業を引き継ぐケースです。以下では、親族外での事業承継で想定されるメリットやデメリット、留意点を紹介します。

メリット

親族外での事業承継を行うメリットには、主に以下の点があげられます。

【親族外での事業承継を行うメリット】

  • 親族内で後継者を探すより、広い範囲で次期後継者候補を選択できる
  • 長年勤務している社員に事業承継する場合、大きな環境の変化もなく経営の承継が可能

親族内で後継者を探す場合、事業承継する意欲と次代の経営を担えるような経営センスが不可欠であり、かつ、親族内での承継は配偶者や子などに限定されてしまいます。

今後大幅な経営改革が必要な場合などは親族への承継は適さないケースもあるため、革新的な思考を持った従業員への承継やM&Aを利用した第三者への売却を検討していくことも一つの手段といえるでしょう。

デメリット

続いて、親族外での承継のデメリットをみていきましょう。

【親族外での承継のデメリット】

  • 従業員が承継する場合、承継に必要な資金調達の必要がある
  • 事業承継する従業員にも、連帯保証加入を求められるケースがある

会社が金融機関から借り入れをしている場合、代表者保証を徴求されているケースも少なくありません。今後の経営責任を担保する観点から、従業員が新たに代表者になった場合にも、新代表者の保証加入を求められる可能性があります。

そうなると、会社の抱えている借入金の返済リスクを背負うことになることから、代表となることにおよび腰になるケースもあります。取引金融機関に保証人不要の制度があるかを事前に確認してきましょう。

留意点

  • 従業員への株式譲渡
  • 従業員の経営者への意識の転換
  • 従業員の保証加入

まず、迅速な意思決定を行うため、従業員に事業承継する場合には、従業員に少なくとも2/3以上の株式を譲渡する必要があります。

その際、従業員は株式取得に必要な資金を用意しなければなりません。その際は専門家によく相談して、計画的な資金調達を検討しましょう。

また、従業員はあくまでも従業員です。後継者として据える場合には、早めにその旨を伝達し、従業員から経営者の意識への転換を促しましょう。

最後に、従業員が新たな代表者となる場合には、代表者個人の保証加入を求められることもあります。ただし、昨今では新たな保証人を徴求しない事業承継向けの資金や経営者保証ガイドラインなどにより保証加入を免除される可能性もあります。資金の借入先への早目の相談をおすすめします。

③M&Aを利用した事業承継

M&Aを利用した事業承継とは、社外の会社や個人に事業を譲渡する方法です。以下では、メリットやデメリット、留意点を紹介します。

メリット

M&Aを利用した事業承継のメリットには、以下の2点があります。

【M&Aを利用した事業承継のメリット】

  • 親族内や従業員に有能な人材がいない場合、外部から広く有能な人材をみつけるのが可能
  • M&Aによる株式譲渡により、経営者は売却益を得られる

M&Aの場合、経営者が株式譲渡により利益を得られる点が特徴でもあり、この利益を退職金の名目で受領するケースもあります。

デメリット

M&Aを利用した事業承継のデメリットには、以下の点があげられます。

【M&Aを利用した事業承継のデメリット】

  • 自社の買取先をみつけるのが困難なケースがある
  • 新たな経営者は外部の人間であるため、経営方針が従前より大幅に変更される可能性がある

M&Aの買取先を自力でみつけることは困難ですが、M&A仲介会社などの専門家に相談すると自社にあった買取先の選定や手続きに関するサポートを受けられます。

留意点

  • M&A仲介会社の活用による買取先の発掘
  • 自社の価値を向上させるための取り組み実施
  • M&A交渉時の秘密保守の徹底

まず、M&Aによる事業承継を行う場合、苦労するのは買取先を探すことです。独力で探すのには限界もあるため、M&Aに関するノウハウや専門家を有するM&A仲介会社を利用するのが有用な手段です。

また、M&Aによる事業承継を検討しているのであれば、将来的な事業承継に備え、自社の価値を引き上げる努力も必要です。現時点における自社の強みの磨き上げや弱みの克服を計画的に実施していくようにしましょう。

最後に、M&Aの場合は従業員などステークホルダーの混乱を避けるため、交渉を秘密裏に進める必要性があります。

事業承継・継承を行う際の手順・流れ

事業承継・継承を行う際、手順や流れを把握しましょう。計画を立てずに進めてしまった場合、社内の組織が混乱してしまう恐れもあります。 事業承継の手順や流れは以下のとおりです。

  1. 会社の状況把握と事業承継計画の立案
  2. 事業承継の後継者を選定する
  3. 事業承継の計画書を作成する
  4. 社内へ事業承継計画の公表と関係者への説明
  5. 後継者教育やM&A仲介会社の選定
  6. 事業承継の実施

上記が事業承継・継承を行う際の手順となります。親族内承継やM&Aなどの手続きによっては方法が少し違ってくる場合もありますが、基本的な手続きや流れは変わりません。

事業承継・継承が増えている理由

近年、事業承継・継承は増加傾向にありますが、その理由には主に以下の6つが考えられます。

【事業承継が増えている理由】

  1. 経営者・役員が高齢化しているため
  2. 後継者問題に悩む経営者が多いため
  3. 人口減少により人材が不足しているため
  4. 競合が大手になり精神的に疲れているため
  5. 新たに事業を起こしたいと考えているため
  6. その他の理由があるため

①経営者・役員が高齢化しているため

経済産業省の「中小M&Aの意義(令和3年)」によると、1995年から2018年の23年間で主要な経営者の年齢層は47歳から69歳と高齢化しているのが示されています。

経営者や役員が高齢化していることから、事業承継を検討している事業者の母数がそもそも多くなっています。こうした中、政府も事業承継の取り組みの後押しをするなど活発化しており、後継者不在率も緩やかに改善していますが、依然としてその水準は高いままです。

②後継者問題に悩む経営者が多いため

事業承継を検討する際、まず、後継者候補に挙がるのが自分の子です。ただし、現代では少子化や不景気により後継者が不在の企業が多くあります。

また、帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2020年)」の調査によると、全国で65.1%にあたる約17万社の企業は後継者がいない状態で、3年連続で低下している結果となりました。身近に後継者にふさわしい人材を確保できないため、M&Aによる社外人材への事業承継が増加傾向にあります。

そのため、中小企業庁は回避策の一つとして、中小企業の経営資源の引き継ぎを後押しする目的でスタートした「事業承継補助金」の運用など、 事業承継の積極的な支援を進めています。

【関連】個人事業主が事業承継するための手続きの流れを徹底解説!気になる税金や後継者探しの方法とは

③人口減少により人材が不足しているため

厚生労働省の「令和2年版厚生労働白書」によると、国内の2017年の労働人口は6,530万人で、成長実現・労働参加進展シナリオのケースを想定しても2040年には6,024万人まで減少すると予想されています。

日本の将来的な人口構造の変化を踏まえると、労働人口の長期的な減少は不可避と考えられています。したがって、人口減少により事業承継する人材の確保が困難となっており、より効率的に有能な人材へ事業承継を行うため、M&Aによる事業承継が増加傾向にあります。

④競合が大手になり精神的に疲れているため

自社の商圏に大手企業が進出してくることにより、厳しい競合状態となり、経営者が精神的に疲労する場面も少なくありません。

そのような場合に、今後の経営継続を断念し、後継者に事業承継する場面もあります。

⑤新たに事業を起こしたいと考えているため

調査によると、経営者が高齢になるほど経営の悪化を招くといった統計結果がでています。

経営者が高齢により経営悪化を招いている場合、次の世代に事業承継し、承継を契機に新事業を始めることで経営の立て直しを図ろうとする動きもみられ、M&Aなどの事業承継が増加している一因とも考えられます。

⑥その他の理由があるため

事業承継が増加しているのは、上記以外の理由も考えられます。たとえば、さまざまな分野に強みをもつM&A仲介会社が増加して事業承継の幅が広がったことや、経営承継円滑化法によって事業承継支援施策がとられ、事業承継しやすい環境が整備されたことなどがあります。

親族外承継が親族内承継を上回る傾向

近年はあらゆる業界・業態の企業で後継者不足の問題が顕在化しています。後継者問題を解決するには、なるべく早いタイミングから検討をはじめなければなりません。そのため、同族経営からの脱却を図る動きもみられるなど、親族外に事業を引き継ぐケースが増加しています。

帝国データバンクの「全国企業「後継者不在率」動向調査(2021年)」によると、60歳以上の経営者のうち5割が将来的な廃業を予定しているとされており、このうち後継者難を理由とする廃業は約3割です。

2021年における事業承継の先代経営者との関係性は、は「同族承継」により引き継いだ割合が 38.3%でした。しかし、2017年から親族内承継割合は緩やかに縮小傾向です。代わって目立ってきているのが、血縁関係によらない親族外承継である「内部昇格」で 31.7%との結果でした。

これはM&Aの認知度と関心度が高まっているとともに、事業承継の一つの手法としてM&Aの活用が進んでいるものとみられます。今後も親族外承継は増加し、親族内承継を上回る傾向となるでしょう。

事業承継・継承を成功させるポイント

この章では、事業承継・継承を成功させるためのポイントを3つ紹介します。

【事業承継・継承を成功させるポイント】

  1. 情報漏えいに気をつけて準備を行う
  2. 前任者から後任者への引き継ぎをきちんと行う
  3. 専門家に相談する

①情報漏えいに気をつけて準備を行う

情報漏えいを防ぐことは、事業承継時、特に第三者に承継する場面では一番大切なことです。たとえば、情報が漏れると以下のような事態が生じます。

  • 取引先との取引に支障を来すおそれがある
  • 従業員の不安を招いてしまうおそれがある
  • 上記の結果自社の強みが失われ、M&Aも進められなくなる

情報漏えいを防ぐためには、まず情報を知る人間を最低限にする必要があります。また、M&Aの交渉が長引くと情報漏えいリスクが高まるため、可能な限り早期に売却に持ち込む努力が必要です。

【関連】事業承継を戦略的に行う方法!成功ポイントや事例を解説

②前任者から後任者への引き継ぎをきちんと行う

事業承継では税金の負担を減らす方法に目がいきがちですが、承継後の円滑な経営のため、前任者から後任者へきちんと引き継ぎを行うことも大切です。

特に親族内承継の場合において、前任者のノウハウや経営知識を引き継ぐことや後任者に対する従業員や取引先の理解を得ることは、経営を継続していくうえで非常に大切です。

後継者を早期に決定し、同業他社や自社で経験と積ませ、経営主のノウハウを受け継ぎ、役職も段階的に引き上げることで、徐々に従業員や取引先の信頼を獲得していくとよいでしょう。

③専門家に相談をする

事業承継には税務や法務、経営・労務など多面的な考察が必要です。また、M&Aにより事業承継する場合には自社の条件にあった買取先企業をみつける必要があります。円滑な事業承継を行うため、M&A仲介会社へ相談するのが有効な手段です。

【M&A仲介会社に相談するメリット】

  • 仲介会社にはM&Aアドバイザー・弁護士・公認会計士が在籍しているケースも多くあり、専門家の支援を受けられる
  • 事業承継のスケジュール策定・契約書作成・交渉代行などを依頼でき、自身は経営に集中できる
  • 仲介会社のコネクションや情報により、最適な事業売却先の提案を受けられる

【関連】経営理念とは?経営理念を作る目的や作り方などをご紹介!

事業承継・継承に最適なタイミングとは

事業承継・継承のタイミングは、現経営者から後継者へ経営をいつバトンタッチするか決めることから始まります。

まずは、経営者と後継者で承継のタイミングを話し合います。その際、後継者がある程度仕事を覚える期間も考慮する必要があります。

後継者育成にかかる期間や後継者を支援する有能な幹部の存在、また、現経営者の健康状態などを勘案しつつ、承継の最適なタイミングを決定していきます。

また、後継者の育成期間中に後継にふさわしくないと判明した場合、新たな後継者候補を探し再度育成期間を設ける必要があることから、承継時期はできるだけ余裕を持って設定したほうがよいでしょう。

【関連】家業や親の会社の引き継ぎとは?会社を継ぐタイミングやメリット・デメリットをご紹介

事業承継・継承におすすめの相談先

事業承継・継承には、税務や法務、経営・労務など多面的な面からの考察が必要です。メリットを最大化したうえで事業承継・継承を行うためには、M&A仲介会社などの専門家へ早い段階で相談するのをおすすめします。

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また、料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。ご相談は無料でお受けしていますので、事業承継をご検討の際は、まずはお気軽にご相談ください。

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事業承継・継承のまとめ

今回は事業承継・継承の違いや引き継ぎ先、成功のポイントを紹介しました。まず、事業継承と承継の違いは以下のとおりです。

・事業継承=具体的な会社としての立場や財産を引き継ぐこと
・事業承継=前代の経営に対する考え方や経営理念などの漠然としたものを引き継ぐこと

また、事業承継の方法は引き継ぎ先によって以下の3つに分けられます。
・親族内承継
・親族外承継
・M&Aを利用した事業承継

最後に事業承継・継承を成功させるポイントを振り返ります。
・情報漏えいに気をつけて準備を行う
・前任者から後任者への引き継ぎをきちんと行う
・専門家に相談する

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