M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年9月24日更新会社・事業を売る
M&Aも視野に!事業承継を成功させる後継者選びと準備のポイント
事業承継は、企業の存続と成長に不可欠です。後継者選びは、事業の未来を左右する重要な経営判断となります。本記事では、円滑な事業承継に向けた後継者選びのポイントと準備、M&A活用の可能性について解説します。
目次
事業承継の基礎知識と後継者選びの重要性
事業承継とは、経営者の交代に伴い、会社の経営権や事業を次の世代に引き継ぐプロセスです。企業が経営を長年にわたって継続させていくためには、事業承継を行わなければなりません。昨今では中小企業の経営者の高齢化が進んでいるうえに後継者の確保ができず、深刻な問題となっています。
後継者とは
後継者とは、現在の経営者が引退した後に会社を後継する跡継ぎのことです。後継者が事業承継する際には、現代表者が保有している株式を譲渡や贈与で引き受ける形で、会社の経営権を握ります。しかし、後継者が事業承継するのは簡単ではありません。
誰を後継者とするのか、どのような手段で事業承継するかなどを早めに検討しなければいけません。実行力だけではなく、多額の資金も必要とされます。お金と時間を費やして、後継者を育てる必要があるためです。
事業承継の構成要素とは
企業の持続的な成長と発展には、円滑な事業承継が不可欠です。後継者は、先代経営者から事業を引き継ぎ、将来の経営を担う重要な役割を担います。事業承継は、経営権の移譲だけでなく、事業用資産、知的財産、企業文化など、多岐にわたる要素が含まれます。
事業承継を円滑にできない理由
近年、倒産を余儀なくされる中小企業が増加しています。東京商工リサーチによると、2021年に国内で休廃業・解散した企業は4万4,377件(前年比で10.7%減)で、企業倒産は6,030件でした。
休廃業・解散と企業倒産の合計件数は、5万407件です。休廃業企業の代表者の年齢(判明分)を見ると、70代が最も多く42.6%を占めています。その後は60代の23.3%、80代以上の20.0%と続き、60代以上が86.0%を占めました。この大きな要因に、後継者不足問題があります。後継者不足問題の背景には、主に以下の要因が挙げられます。
- 会社の将来性が望めない
- 適当な後継者がいない
- 自身の子供には自由に職業を選択してほしいと考えている
- 経営者が引退のタイミングが図れない
事業承継でお悩みの場合は、M&A仲介会社などの専門家に相談するのがおすすめです。M&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを生かしてM&Aをサポートいたします。
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事業承継における後継者問題の現状と課題
中小企業庁が2025年に実施した調査によると、後継者不在の企業は増加傾向にあります。特に小規模企業において、後継者難は深刻な問題となっており、廃業を選択する企業も少なくありません。この状況は、地域経済の活性化や雇用の維持という観点からも、早急な対策が求められています。
円滑な事業承継のための準備と進め方
会社と経営者の観点から、事業承継の準備を実行する必要があります。経営者はそのほかの経営課題があるなかで、将来を見据えた事業承継の準備に取り組むことは簡単ではありません。
事業承継の準備の大半は、経営者自身が取り組まねばならず、中小企業の経営者にかかる負担は非常に大きいです。しかし、準備不足のまま事業承継をしてしまうと、新たな経営者が難しい事業運営を迫られ、廃業に追い込まれる可能性もあります。
経営者は円滑に事業承継を実施するためにも準備を先送りせず、専門家や公的機関などの助力も求めながら取り組んでいかなければなりません。
事業承継成功のために会社ができる準備
まずは、事業承継成功のために会社ができる準備を解説します。
- 社内体制の整備:事業承継に向けたプロジェクトチームを結成し、経営状況の透明化、財務状況の健全化、社内規定の整備などを進めます。従業員への情報共有と理解促進も重要です。
- 企業価値の評価:事業の強みと弱みを分析し、客観的な企業価値を把握します。財務諸表の分析だけでなく、無形資産も含めた総合的な評価が必要です。
社内の整備
事業承継が本格的に決定したら、社内環境を整備する必要があります。本来、後継者にいつでも事業承継を実施できる環境にしておかなければなりません。具体的には、会社の債務や財産、株主名簿などの整理を実施します。
簿外債務があると会社の評価額が減少するおそれがありますが、買収先には隠さずに公表しなければなりません。もしも隠していたとしてもデューデリジェンスの段階で明らかになり、「簿外債務を放置している会社」として評価が急落するおそれがあります。
定期的に会社の整備を実施しておくようにすると、事業承継が必要になったときに進めやすくなります。具体的に事業承継に対する目標を社内全体で共有するのも重要です。事業承継は経営者と後継者だけの問題ではなく、会社全体としての課題です。
会社価値の再確認
事業承継が円滑に進まない理由の1つに、会社の将来性が望めない点があります。つまり、自分が経営している会社を継ぎたいと考える人が現れない状態です。この場合、自社の中で会社の価値を再確認し、跡継ぎを募るときに強みや魅力を伝える必要があります。
事業承継成功のために経営者ができる準備
続いて、事業承継成功のために経営者ができる準備を解説します。
- 経営者の役割の明確化:事業承継後も経営に参画する場合、役割と責任範囲を明確に定義しておくことが重要です。後継者との適切な役割分担が必要です。
- 事業承継計画の策定:後継者の育成計画、株式の移譲方法、事業承継のスケジュールなどを具体的に盛り込んだ事業承継計画を策定します。
引退時期の決定
経営者も人間ですから、永久に経営できません。いつかは引退して会社を廃業するか他者に事業承継する必要があります。特に従業員を抱えている会社の経営者となれば、会社を放置する行為も許されません。
経営者は事業承継するために、引退時期をできるだけ早めに決断しなくてはいけません。事業承継は時間がかかるうえに、後継者の選定にはさらに多くの時間が必要です。逆算して考えると、引退時期は60代前後に設定するのがベターといえます。
引退の10年近く前から後継者育成に力を入れると、円滑に事業承継できます。
後継者の条件
引退時期設定の後は、当然ながら後継者を選出する必要があります。その際、経営者はどのような後継者に事業承継したいのかを考えなくてはいけません。加えて、事業承継後の目標利益などを具体的な数値で割り出し、そこから後継者の条件を決定します。
後継者候補の評価と選定プロセス
後継者を選ぶ際は、将来の経営者として資質のある人を選ぶことが重要です。ここでは後継者の選び方のポイントを説明します。
- 候補者の選定基準:経営理念への共感、リーダーシップ、経営能力、コミュニケーション能力など、後継者に求める資質や能力を明確に定義します。
- 候補者への説明と合意形成:選定された候補者には、事業承継のビジョンや計画を丁寧に説明し、合意形成を図ることが重要です。
- 育成プログラムの実施:後継者候補には、経営ノウハウの習得、リーダーシップ研修、現場経験の積ませなど、計画的な育成プログラムを提供します。
後継者選びは幅広く検討する
事業承継の準備が終了したら、本格的に後継者を探す段階に入ります。もちろんすでに後継者がいる場合には、引き継ぎの実務的な準備を実行します。しかし、後継者候補がいない会社は、まずは選定から始めましょう。
現経営者から事業や経営資源を引き継ぐ場合は、合意形成が必要です。親族へ譲り渡す場合であっても、事業承継の将来に向けた話し合いは、通常とは別に行わなければなりません。そのためには、当事者である現経営者が主体となって後継者と対話を進めていくことが重要です。
もしも1対1での対話が難しければ、第三者を交えて進めるのも選択肢の1つです。役員や従業員が譲り渡す場合でも、培ってきた人間関係があるので、当事者だけでなく周囲も巻き込んでいくことも選択肢の1つです。
第三者への事業や経営資源の引継ぎに関しては、M&Aを専門とする仲介会社やM&Aに向けたマッチングサービスなどが充実しているため有効活用することをおすすめします。
後継者に必要な資質や能力があるか
財務・会計、事業・業界などに関する経営能力は必須条件になるため、後継者選びやその後の育成に欠かせません。
小規模事業者では経営者自身の実務能力が必要となり、中規模企業では役員や従業員を統率し経営を方向付ける決断力などがより重要視されます。企業の規模によっても、後継者の特性がやや異なる点を考慮することも後継者選びのポイントです。
社内外の関係者に事業承継に対する理解を得る
円滑な事業承継を進めていくには、社内だけでなく社外の関係者からも理解を得ることが大切です。中小企業にとって周囲に理解されないまま後継者に事業を引き継いでしまうと、将来、後継者の経営主導に支障をきたすことになりかねません。
小規模事業者では、社内外の関係者から承継への理解を得るために効果的な取り組みとして、後継者が社内で活躍することが必要です。中規模企業では、後継者を支える組織体制を構築することが重要です。
事業規模が大きくなると経営者だけで企業を運営することは難しくなるため、後継者を支える経営幹部の養成や組織体制づくりが重要なポイントだといえます。取引先など社外の関係者から事業承継への理解を得ていきましょう。
後継者不足を解決するためのM&A
M&Aによる事業承継を検討する際には、専門家であるM&Aアドバイザーのサポートを受けることが重要です。アドバイザーは、M&Aのプロセス全体をサポートし、最適な相手企業の選定、契約交渉、事業統合などを支援します。
希望金額
M&Aを利用した事業承継では、基本的に会社を売買します。会社としては、できるだけ高額で買い取って欲しいと考えます。しかし、買い手側は事業承継後の経営に当然ながらお金が必要です。
そのため、できるだけ低い金額でM&Aを実施したいと考えており、売却金額と買収金額が一致している取引であれば円滑に進みます。
希望条件
売買したい金額の他にも条件を提示した方が、より希望に沿った取引が可能です。会社の所在地や事業承継後の従業員雇用などもM&Aの条件に設定できます。しかし、提示条件がすべて叶う事業承継が実現できるケースは稀です。
多くのケースでは、売り手と買い手共に妥協することが多いです。その分、譲れない条件を提示すると事業承継後も経営が安定しやすくなります。そのほかにも、後継者の人間性を確認してから事業承継を検討するなど、条件は会社によってさまざまです。
親族内に後継者がいるケースではM&Aの手順を実行する必要はありませんが、相続税や贈与税もかかるので注意が必要です。M&Aでは会社を存続できるうえに、経営者はお金を貰って引退できます。
しかし、一方でM&Aの成功率は低く、希望どおりに会社が維持されるとは限りません。M&Aの際には、M&A仲介会社・アドバイザリーに実務をサポートしてもらいましょう。
事業承継におけるM&Aの活用
M&Aとは
M&Aとは、Mergers and Acquisitionsの略で、企業の合併・買収を意味します。企業が成長戦略の一環として行う場合もありますが、事業承継の手段としても有効な方法です。
M&Aによる事業承継のメリット
- 後継者不足の解消:親族や社内に後継者がいない場合でも、M&Aによって事業を存続させることができます。
- 企業価値の向上:M&Aによって、新たな経営資源やノウハウを獲得し、企業価値を高めることができます。
- 事業の多角化:異なる事業領域の企業とM&Aを行うことで、事業の多角化を実現し、リスク分散を図ることができます。
M&Aによる事業承継のデメリット
- コストがかかる:M&Aには、仲介手数料やデューデリジェンス費用など、多額のコストがかかる場合があります。
- 文化の違いによる摩擦:異なる企業文化を持つ企業同士の統合は、従業員間の摩擦や混乱を引き起こす可能性があります。
- 従業員の雇用問題:M&Aによって、従業員の雇用が不安定になる場合があります。
事業承継を成功させるための後継者選びまとめ
事業承継は、企業の未来を左右する重要な経営課題です。後継者選びは時間をかけて慎重に進める必要があります。社内体制の整備、後継者育成、M&Aの活用など、様々な選択肢を検討し、自社に最適な事業承継プランを策定しましょう。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。