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オーストラリアのM&Aとは?事例や成功のポイント、M&A件数を解説

オーストラリアのM&Aとは?事例や成功のポイント、M&A件数を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    オーストラリアのM&A

    オーストラリアのM&A市場の規模

    オーストラリアは、南半球に位置する島国で、大陸の広さは769万2000㎢と広大な土地を保有しており、総面積は世界で6位となっています。

    首都はキャンベラですが、主要都市であるシドニーの方が有名で人口も集中しています。

    国旗を見るとわかる通り、イギリスの植民地であった時代もあり、現在もイギリス連邦加盟国であるとともに、英連邦王国の一国でもあります。

    南東2000㎞先にニュージーランドがありますが、近接する国は海を隔ててインドネシアや東ティモールがあります。

    オーストラリアの一人当たりの国民所得は世界5位と高水準で、世界的に見て貧しい国ではありません。

    海外とのつながりを見ても、国連、G20、イギリス連邦、ANZUS、経済協力開発機構(OECD)、政界貿易機関、アジア太平洋経済協力、太平洋諸島フォーラムに加盟しており、2013年には、MIKTAにも参加しています。

    経済的な面からオーストラリアを見るとGDPの成長が著しく、25年連続でプラス成長しており、主要先進国の中でもトップクラスの実質GDPを推移しています。

    オーストラリアは、島国のため人口の増加には限界があるように感じられますが、移民政策が進んでおり、積極的に移民を受け入れる体制ができています。

    現在の人口は2424万人余りですが、今後も移民を受け入れる体制があるので、2050年には人口がおおよそ倍になることが予測されています。

    広大な面積を誇るオーストラリアは、資源も豊富に産出しており、天然資源の輸出なども活発に行われています。

    それに加えて、観光地として知名度が高く、海外からの観光客が多く訪れる国でもあります。

    そのため、飲食業やサービス業、観光業なども盛んに行われている国です。

    最近の世界銀行の「ビジネス環境ランキング」でも13位となり、ビジネスチャンスも多い国だと言えるでしょう。

    日本の企業から見ると、外食産業に日本のサービス産業が参入できる可能性が高い市場と言えます。

    加えて、資源国と言う特徴をとらえて日本の企業がエネルギー産業への参入も考えられます。

    そのほかには、オーストラリアはいろいろな国と自由貿易協定を結んでいるので、日本企業がオーストラリアに進出した場合、オーストラリア国内の需要だけでなく、世界の需要を満たすための事業拡大も可能になるでしょう。

    オーストラリアの経済状況も比較的安定しており、経常赤字も低いので日本企業がオーストラリアの企業とのM&Aを検討している場合もあります。

    実際に日本企業とのM&Aも行われており、2015年10月には日本生命保険相互会社がMLC株式会社の保険事業の買収を行っております、そのほかにも日立建機が鋳造及び鋳造製品の製造、販売を事業内容とするBradken株式会社を買収しています。

    資源の分野では、三井物産が石油ガス資源開発会社のAWE株式会社の買収を行っています。

    オーストラリア政府は、外資の必要性をわかっており、基本的には経済成長のために外資資本を受け入れる姿勢が見られます。

    大規模M&Aに対しては規制が伴う場合もありますが、規模の小さいM&Aに関しては原則的には報告義務を免除しています。

    このような面から考えると、オーストラリアの企業とのM&Aは比較的実行しやすいと言えるでしょう。

    今後の人口増加や経済成長を考えると、日本企業がオーストラリアに進出を検討している時にはM&Aを実施する方法が優先できると考えられます。

    オーストラリアでは、自分が経営する会社を売却することについても、比較的ドライな考え方を持っており、希望の条件であればあっさりと売却する傾向もあるようです。

    オーストラリア国内の企業同士のM&Aも盛んに行われており、日本と同様に中小企業同士のM&Aも増えているようです。

    オーストラリアの企業では、将来の成功を考える時に、M&Aやパートナーシップの組み合わせを重視しており、経営幹部の会議では自社の経営戦略よりもM&Aの実行に関するディスカッションが増えているようです。

    このようなことから、海外の企業とのM&Aの実施も視野に入っており、国内M&Aだけでなく海外企業とのM&Aの規模も拡大する可能性があります。

    オーストラリアのM&A件数・金額が伸び続ける理由

    オーストラリアのM&Aの件数は2018年では、世界で7番目に多く実施されています。

    日本の企業とのM&Aも増加傾向にあり、今後も増える見通しがあります。

    その理由には、近年日本は少子高齢化が進み、国全体の市場が縮小傾向になります。

    しかし、オーストラリアは現在の人口は日本よりも少ないですが、今後も人口の増加が予測されており、消費マーケットが広がる見込みがあります。

    そこに着目した日本の企業がオーストラリアの企業とM&Aを実施して、販路の拡大や事業拡大を期待した動きが活発になるでしょう。

    オーストラリア全体のM&Aの件数は、2017年7月から2018年8月では598件となり、金額は1022億豪ドルとなっています。

    この金額は、日本円にしておよそ8兆3768億円となり、過去最高となっています。

    トムソンロイターの調べでは、2018年1月から9月までの企業M&Aは、1133億米ドル、日本円で2兆4780億円としています。

    この数字は前年の同じ時期と比較すると62%の増加を示しており、今後も増加する見通しであることが予測できます。

    オーストラリアの産業別でM&Aの実績を見ると、エネルギー関連産業では、2017年9月の時点では127億米ドルでしたが、2018年9月の時点では415億米ドルと急成長しており、前年比は227%となっています。

    素材関連産業でも、2017年9月の時点では、79億米ドルだったものが2018年9月の時点で176億米ドルと伸びており、増加率は123%となっています。

    不動産関連産業も94億米ドルから148億米ドルと増加しており、57%の増加率になっています。

    工業関連産業についても、2017年9月の時点では73億米ドルで2018年9月には124億米ドルとなり、69%の増加率となっており、ヘルスケア関連産業でも44億米ドルから52億米ドルに増加しており、18%の増加率になっています。

    買収金額は公表されていないものもありますが、オーストラリアの企業との大型M&Aとして挙げられるのは、香港のインフラ建設会社大手の長江基建(CKI)がオーストラリアのパイプライン大手APAグループの買収や、イギリスの大手石油メーカーのBPがイギリス・オーストラリア系鉱山会社のBHPビリトンを105億ドルで買収を行っています。

    また、オーストラリアの有料道路運営会社トランスアーバンが同じオーストラリアのニューサウスウェールズ州政府が開発を進める高速道路「ウエストコネックス」の運営権51%、92億6000万豪ドル(日本円でおよそ7394億円)で買収しています。

    このように大型のM&Aの実績もあり、2017年から2018年はM&Aの取引金額が過去最高の金額となりました。

    日本企業とのM&Aは、平均して年間20件前後で、3年周期に大型のM&Aが実施されています。

    注目を集めたのは、日本郵政とToll Holdingsの買収や日本生命保険相互会社とMLC株式会社の買収などがあります。

    これらのほかは概ね中型のM&Aが多く、買収金額が300億円以下の取引が中心となっています。

    オーストラリアのM&A全体の比率としても、75%強が中型のM&Aで300億円以下の取引となっています。

    M&Aの件数については、消費マーケットや地理的収益源の多様化を求めるものが多く、中規模や小規模の取引も行われた結果と言えるでしょう。

    オーストラリアのM&A取引が伸び続けている理由には、経済成長が26年連続で伸びていることやビジネス環境ランキングに上位にランクインしていることなども理由になるでしょう。

    また、成人一人当たりの資産も高水準となっており、国の上位中間層の比率も高いため、消費者が多いことも理由の一つです。

    さらに、今後の人口増加への期待も高く、人口が増えれば消費者も増えて需要が高くなる可能性があります。

    政府のGDP率も41%となっており、途上国の高い成長率よりも劣る面もありますが、先進国の平均を上回っていることもM&Aの件数や金額が伸び続けている理由と言えるでしょう。

    オーストラリアでM&Aをするメリット

    オーストラリアでのM&Aのメリットは、日本側から見えればとても親日家が多く、日本への信頼度も高いことで交渉が進めやすいことが挙げられます。

    日本とオーストラリアは、第二次世界大戦が周旋したわずか12年後に日豪通称協定が結ばれており、2015年には日豪EPAの締結もしています。

    このような中で経済的な連携協定が結ばれており、大きな経済パートナーとして考えられています。

    直接投資についても、現在は日本が第2位となっており、友好的な経済関係が保たれています。

    国としても、政治や経済が安定しており、地政学的なリスクも低いので日本企業も進出しやすさがあります。

    また、国の財政も比較的健全で、ほかの国への進出や投資は懸念材料があっても、オーストラリアの場合は、進出や投資について不安材料が少ないということもメリットと考えてよいでしょう。

    海外や日本の企業がオーストラリアの企業とM&Aを実行する場合もメリットは、安定した経済状況やグローバル化の恩恵を受けやすい点があります。

    そのほかにも、資源国なので好景気の状態が続き、安定した経営ができます。

    また、オーストラリアの国内市場は広くないですが、オーストラリアに進出したことによって、東南アジアの市場まで広げられる可能性もあります。

    そのほかには、先進国で民主主義の国であることから、法整備も整っており、運用も公正に行われます。

    オーストラリアの国民性によって、M&Aの交渉がしやすい面もあります。

    日本人経営者の場合は、できれば家業を親族に継がせたいという気持ちがあったり、会社を売却するのは身売りをするようで嫌だなどの感情を抱いたりしますが、オーストラリアの国民性は、意外とドライな考え方を持っており、条件さえよければ業績が良い状態でも、M&Aに応じる場合があります。

    企業形態も中小企業が多く、交渉次第ではビジネスの売買も盛んに行われています。

    M&Aによる企業の買収は、現地でゼロから設立する必要がなく、現地の設備や従業員をそのまま子会社化することで、事業をスタートさせることが可能になります。

    これによって、就業ビザの取得の問題も解決する可能性もあります。

    オーストラリアのM&Aが遅れている理由

    オーストラリア国内の企業同士のM&Aは、これまでも行われてきましたが、2016年11月に行われたアメリカ大統領選挙の付近では、M&A取引が横ばいとなっていました。

    その理由には、アメリカ大統領が誰になるかによって、価格変動が起こることや政治が不安定になることを懸念して、バリュエーションが不透明であることが原因とされています。

    オーストラリア国内では、経済状態は悪いものではなかったのにもかかわらず、アメリカ大統領が決まるまでは、M&Aの取引を控える動きがありました。

    そのため、M&Aがあまり行われず企業マインドが冷え込んだことが影響しています。

    しかし、そのような中でも小規模でスマートなM&Aは実施されており、海外や日本の企業とのM&Aは控えられましたが、国内の中小企業同士のM&Aは実行されていたようです。

    アメリカ大統領選挙が終わり、大統領が決定すると企業環境や国政が大きな変化すると予測されていましたが、投資家や企業の利害関係者は成長性と収益性への期待は高まり、会社の中ではM&Aの収益性について話し合う機会が多くなっているようです。

    また、M&Aを実施して企業の成長戦略として取り入れていかなければ、競合他社に太刀打ちできないと考える経営陣も多くなっているようです。

    そのような中にも、オーストラリアの企業では株式の新規上場を目指す動きが強く、M&Aを行って事業の拡大や販路の拡大を検討する意思は少ないように感じられます。

    その反面、オーストラリアの企業の経営陣は、キャッシュ・フローの不足が企業の成長の最大の足かせともしており、世界のトレンドや販売サイクルの変化、業界統合、予測不可能なオンライン購買パターン、eコマースへの移行、消費者のし好の変化に対応できていないと感じているようです。

    このようなことから、オーストラリアのM&Aは、世界的に見ると一歩遅れているように感じられます。

    また、規模の大きな企業が少なく、クロスボーダーM&Aを実施するには、規模が小さい企業が多いということも原因でしょう。

    海外や日本の企業とのM&Aは少なくても、国内で中規模や小規模のM&Aは実施されているようです。

    オーストラリアでM&Aを成功させるには

    オーストラリアでM&Aを成功させるには、現地での調査をしっかりと行うことが大切になります。

    特に、日本人は勤勉でまじめなところが顕著ですが、オーストラリアの国民性は勤勉でまじめなところを欠くところがあります。

    交渉に関しても、煩雑な交渉が予測でき、しっかりとしたM&Aの交渉ができない場合もあります。

    これは、日本人の交渉下手なところにも問題があります。

    オーストラリア人は、口が上手いところもあるので交渉のペースが相手に取られてしまう可能性もあります。

    こちらの主張がしっかりとできなければ、相手に思うように進められてしまい、納得のいかないM&Aとなってしまう可能性もあるのです。

    M&Aを実施しようとしている会社のバリュエーションをしっかりと行い、評価価値を見極めることが大切です。

    そうしなければ、実際の評価価値よりも高い金額で買収することになってしまう可能性があります。

    オーストラリアは、先進国で民主主義に国なので、法整備はしっかりとしていますが、内周をしようとしている会社が法律を守っているとは限りません。

    悪意のない会計上の不備や借金などがないか、資料が正しいものなのか見極める必要があります。

    そのためにも、海外とのM&Aに特化したM&A仲介会社などに依頼して、的確に交渉を進められるようにしなければなりません。

    そのほかには、M&Aを実施してオーストラリアの企業を買収した時は従業員と良好な関係を築くように心がける必要があります。

    オーストラリアの企業は、労働組合が強く雇用がしっかりと守られています。

    人員削減などで、現地の従業員を解雇する必要がある場合は、現地の労働基準法や契約をしっかり守らなければ、訴訟へと発展する場合もあります。

    国民性として、自己主張も強いので上手くコントロールしてM&Aを成功させるようにしましょう。

    まとめ

    オーストラリアは、国土が広く天然資源に恵まれた国でもありますが、人口のほとんどは首都のメルボルンや主要都市のシドニー、パースなどに集中しています。

    アジア諸国にも近く、オーストラリアに進出できれば、東南アジア諸国へのアクセスも可能となるでしょう。

    今後も経済成長や人口の増加などが見込まれるオーストラリアの企業とのM&Aは、日本の少子高齢化による消費の落ち込みや需要の縮小などを考えると、事業拡大や販路の拡大、人材確保などを考えると、優良な国だといえます。

    特に、中型M&Aも可能なので海外進出を考える企業にとっては、積極的に検討したい相手国と言えるでしょう。

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