2020年2月27日更新業種別M&A

ガラス・土石製品製造のM&A最新動向や事業承継事例8選を紹介

当記事では、ガラス・土石製品製造会社のM&A・事業承継について、そしてM&Aの最新動向やM&A・事業承継が行われている理由を解説しています。また、ガラス・土石製品製造会社の事業承継事例やM&Aを行う際の注意点も紹介しています。

目次
  1. ガラス・土石製品製造のM&A
  2. ガラス・土石製品製造業界のM&A最新動向
  3. ガラス・土石製品製造業界でM&Aが行われる理由
  4. ガラス・土石製品製造業界の売却・事業承継事例8選
  5. ガラス・土石製品製造業界のM&Aを行う際の注意点
  6. まとめ
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ガラス・土石製品製造のM&A

ガラス・土石製品製造

まずはガラス・土石製品製造の定義や、M&Aや事業承継の基本的な意味についてご説明していきます。

①ガラス・土石製品製造とは

ガラス・土石製品製造とは、珪砂やソーダ灰などを原材料とするガラスを使用した製品や、セメント・陶磁器・石膏を用いた製品などを製造する事業をさします。

ガラス・土石製品は建築材料に多く使用されるため、不動産・建設・土木関連業界の影響を受けやすく、それらの業界が好調であれば、ガラス・土石製品製造業も比例して業績が向上する傾向があります。しかし、近年は安価な輸入品が増えているため、国内の土石製品製造業、とりわけ陶磁器製造業はやや低調気味です。

また、ガラスやセラミックスには、自動車・医療・電機など様々な分野で応用される高度で特殊な技術もあり、ガラス・土石製品製造会社の中には、特定分野に特化した製品を製造している会社もあります。

②M&Aとは

M&Aとは、日本語で「合併と買収」を意味しており、売却・買収を通じて企業同士が経営統合を行う手法をさします。M&Aの歴史は古く、日本では戦前に財閥が主に用いていました。戦後に入ってからは、2000年代にライブドアや村上ファンドのような事例がきっかけとなり、再びM&Aが積極的に行われるようになりました。

現在では、M&Aは事業規模拡大のために用いられるだけでなく、事業承継や経営不振を脱する手段としても有効視されています。

③事業承継とは

事業承継とは、現在の経営者から後継者に経営権を引き継ぐことをいいます。事業承継は、後継者に誰を据えるかにより、親族内事業承継・親族外事業承継・M&Aによる事業承継に分けられます。

親族内事業承継は、子供や親族など経営者の身内を後継者とする方法です。かつての日本では親族内事業承継が主流でしたが、子供や親族に後継者がいない、引き継ぐ意思がないなどの理由により、近年は減少傾向にあります。

親族外事業承継では従業員や外部の人間を後継者としますが、株式取得のために資金を用意しなければならないなどの負担も大きく、こちらも減少傾向にあります。

M&Aによる事業承継は、第三者の企業に事業を引き継ぎます。資金面や後継者選びといった不安も解消できるため、近年はM&Aによる事業承継を選択する企業が増えています

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ガラス・土石製品製造業界のM&A最新動向

ガラス・土石製品製造業界のM&A最新動向

ここではガラス・土石製品製造業界のM&A最新動向についてみていきましょう。近年のガラス・土石製品製造業界のM&A動向には、下記の3つの特徴がみられます。

  1. 国内市場の伸び悩みからアジア市場を目指したM&Aが増加
  2. 優れた技術・製品を持つ企業への事業承継(子会社化)が増加
  3. 経営者の引退年齢による事業承継件数の増加

①国内市場の伸び悩みからアジア市場を目指したM&Aが増加

ガラス・土石製品製造業界において、国内市場での伸び悩みは大きな課題となっています。その要因には、人口減少による国内市場の縮小や、受注元となる建設会社などの影響を受けやすく景気や時期によって売上が不安定になることがあげられます。

そのため、ガラス・土石製品製造業のうち、セラミックなど海外展開しやすい事業では、アジア市場への進出を目的とするクロスボーダーM&Aを行う事例が増えています。海外で事業を展開できれば経済発展の著しいアジア市場に食い込むことができるため、ガラス・土石製品製造会社にとって有益な選択肢だといえます。

②優れた技術・製品を持つ企業への事業承継(子会社化)の増加

ガラス・土石製品製造業のうち、専門的技術や質の高い製品を持つ会社がM&Aにより大手の傘下に入るケースも増えています。ガラス・土石製品製造業に限らず、優れたノウハウや製品を持つ会社はそれだけ企業価値が高いと判断されやすく、たとえ経営不振でもM&Aで買収されることは珍しくありません。

M&Aによって大手の傘下に入ることにより、売却企業は資本や経営規模を活用して事業の拡大が見込め、買収先は事業を多角化するうえで必要となる技術やノウハウを効率よく得ることができます。

③経営者の引退年齢による事業承継件数の増加

近年では、国内の中小企業の多くで経営者が引退を迎える年齢になっており、事業承継目的でM&Aを行うケースが増えています。ガラス・土石製品製造業界も例外ではなく、特に中小規模の会社を中心に経営者の高齢化が顕著になっており、M&Aによる事業承継の件数は増加傾向にあります。

そもそもガラス・土石製品製造業界では慢性的な人手不足が問題視されており、身内や従業員に後継者となるべき人物がいないという企業も少なくありません。しかし、M&Aで第三者に事業承継を行うことで従業員を解雇しなくてすみ、廃業コストも不要になります。

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ガラス・土石製品製造業界でM&Aが行われる理由

M&Aが行われる理由

ガラス・土石製品製造業界でM&Aが行われる理由は、主に以下の5つです。

  1. 後継者問題を解決できる
  2. 海外市場へのM&Aが単独では難しい
  3. 従業員の雇用先が確保できる
  4. 個人保証・担保などを解消できる
  5. 創業者利益を獲得できる

①後継者問題を解決できる

親族内(外)事業承継には、信頼できる人材に会社を託せるというメリットはありますが、育成期間や株式取得費の用意などのデメリットもあります。しかし、M&Aによる事業承継であれば第三者の企業に引き継ぐため、後継者の育成期間や資金の用意なども不要になります。

また、信頼できる会社に引き継ぐことができれば、自社のさらなる成長にも期待できます。

②海外市場への進出が単独では難しい

単独では海外市場への進出が難しい場合、M&Aにより現地の企業を買収し進出への足掛かりとすることもできます。ガラス・土石製品製造会社に限らず、海外進出は容易にできることでなく、現地での準備・コーディネーターの手配・販路の確保・従業員の採用など、かなりの時間とコストが必要になります。

また、海外進出についてのノウハウや経験がなければ、失敗する可能性も高くなります。しかし、M&Aで現地の会社を買収すれば、設備・従業員・販路などをそのまま引き継げるため、現地市場への進出がスムーズに進みます。そのため、クロスボーダーM&Aによる海外進出は、一般的な手法として定着しつつあります。

③従業員の雇用先が確保できる

経営不振や後継者不在により事業の継続ができない場合、廃業を選択するケースもありますが、その際に経営者を悩ませるのは従業員を解雇しなければならないことです。また、築き上げた技術やノウハウも失われることになります。

しかし、M&Aによって第三者に事業承継することができれば、従業員の雇用も引き継ぐことができ、ノウハウも受け継がれます。また、買収先企業のほうが経営基盤が大きいことが多いため、従業員の労働条件改善にも期待できます。

④個人保証・担保などを解消できる

中小企業の場合は銀行などの金融機関から融資を受けるにあたり、経営者が個人保証や担保を提供しているケースがほとんどです。個人保証や担保は経営悪化の原因になります。また、親族内(外)事業承継を考える際は後継者への引き継ぎの問題となり、難しいケースも多いです。

しかし、M&Aによって自社を売却すれば、経営者の個人保証や担保も買い手の企業に引き継がれます個人保証や担保の解消を目的としてM&Aを行うケースも比較的よくみられます。

⑤創業者利益を獲得できる

売り手の場合、創業者利益を獲得するためにM&Aを行うケースもあります。M&Aは端的に表現すると会社の売買であるため、売却すれば経営者は売却益を得ることができます。どの程度の売却益が得られるかは、売却する会社の規模や強み、またM&Aの交渉によっても変わりますが、まとまった現金を得ることができます。

売却益は、新事業の立ち上げや引退後の生活資金など、さまざまな形で活用できるため、売り手にとっては非常に有益だといえるでしょう。

もしM&Aを検討されている場合や後継者がいなくてお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A仲介会社であるM&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを活かしてM&Aをサポートいたします。

M&A取引は交渉から成立まで半年から1年程度かかりますが、M&A総合研究所は早いクロージングを目指し、平均3ヶ月でクロージングを行います。初回の無料相談後も一切費用が発生しない完全成功報酬制で、M&A業務をお引き受けします。

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クロスボーダーM&Aを成功させるには

ガラス・土石製品製造業界の売却・事業承継事例8選

売却・事業承継事例

ここでは、ガラス・土石製品製造会社の売却・事業承継が行われた事例を8つご紹介します。

①AGCがセントラル硝子と国内建築用ガラス事業を統合

2019年、AGC株式会社はセントラル硝子株式会社と、国内建築用ガラス事業の事業統合に関する基本合意書を締結し、2020年末の統合完了を目指すことを発表しました。

国内建築用ガラス事業は、合理化や流通形態の変革を継続的に行っているにも関わらず、厳しい事業環境が続いており、国内では少子化などの要因で今後も需要減退が見込まれます。両社が互いに自社の強みを強化・補完し合い同事業の統合を行うことで、経営や資本の効率化と収益性の向上、企業基盤の充実を企図しています。

②美濃窯業が花王より高機能セラミック事業を譲受

美濃窯業

2017年、美濃窯業株式会社は、花王株式会社より高機能セラミックスに関する製造・販売事業を譲受しています。以前より美濃窯業はニューセラミックス・耐火物に関連する事業を手掛けていましたが、花王の事業を譲受することにより、エレクトロニクス・ニューセラミックス分野での事業を拡大していく意向です。

③日本特殊陶業と日本エム・ディ・エムが資本業務提携

日本特殊陶業

2016年、日本特殊陶業株式会社は、医療機器製造開発及び輸入を手掛ける株式会社日本エム・ディ・エムとの資本業務提携を行いました。日本特殊陶業は、自動車エンジンや医療分野でのニューセラミックス事業を手掛けており、日本エム・ディ・エムは、整形外科・脳外科に関する製品開発・輸入を主な事業としています。

本提携により両社は、互いの経営資源を有効活用して事業拡大と業務効率化を図り、企業価値の向上を目指すとしています。

④太平洋セメントがMartin Mariettaのセメント事業関連の資産取得

太平洋セメント

2015年、太平洋セメント株式会社は連結子会社であるCalPortland Companyを通じて、アメリカのMartin Marietta Materials, Inc.およびカリフォルニアのセメント事業用資産を買収しました。太平洋セメントは、中長期計画において海外セメント事業強化と、海外物流ネットワークを活用したトレーディング事業を推し進めています。

太平洋セメントは、セメントや生コンなどの製造と販売を手掛けるMartin Marietta Materialsを買収することにより、カリフォルニア・アリゾナ・ネバダのセメント需要に対応できる供給体制を構築し、コスト削減と生産効率の向上を図るとしています。

⑤ヤマウが大栄開発を買収

ヤマウ

2015年、株式会社ヤマウは、長崎県を拠点として地質調査・測量・土木工事などを行う、大栄開発株式会社の全株式を取得し子会社化しました。

ヤマウは、九州を中心にコンクリート製品の製造や販売を手掛けており、大栄開発を子会社化することでシナジー効果が得られるとしており、さらなる事業拡大および企業価値向上を目指すとしています。

⑥石塚硝子が鳴海製陶を買収

石塚硝子

2014年、石塚硝子株式会社は同じ東海地方を事業エリアとする鳴海製陶株式会社の全株式を取得し、子会社化しました。株式取得額は約43億円と公表されています。鳴海製陶のブランド「NARUMI」は「ナルミボーンチャイナ」を主力としており、品質の高さと認知度は日本のみならず海外からも高い評価を得ています。

石塚硝子は鳴海製陶を買収することにより、ブランドの融合によって販売力を強化するとともに、互いの持つ研究開発・製造技術のノウハウを活用し、シナジー効果を最大化するとしています。

⑦セントラル硝子がGAPIとGAESAを買収

セントラル硝子

2014年、セントラル硝子株式会社は、アメリカのガラス製品製造販売会社であるガーディアン・インダストリーズグループの子会社にあたるオートモーティブ・プロダクツ(GAPI)と、ガーディアン・オートモーティブ-E(GAESA)の全株式を取得しました。

セントラル硝子は、顧客のグローバル化に対応すべく、海外の自動車ガラス事業に積極的投資をしていましたが、今回の買収により対象2社の生産力に自社の研究開発力を融合させ、競争力の高い製品の開発および海外での事業拡大を進めていく方針です。

⑧日本電気硝子によるニプロの株式取得

日本電気硝子

2012年、日本電気硝子株式会社は、企業用医療機器・ガラス製品の製造および販売を手掛けるニプロ株式会社の発行株式約10.09%を取得しました。

日本硝子は医療用ガラス事業の強化・拡大を目指しており、両社の関係維持と向上を図るとともに、将来的に成長が見込める海外新興国市場で積極的に事業を展開していく方針です。

ガラス・土石製品製造業界のM&Aを行う際の注意点

M&Aを行う注意点

ガラス・土石製品製造会社がM&Aを行う際、注意点は下記の5つになります。

  1. 売却・買収需要のタイミングを把握
  2. M&Aの目的や計画を明確に決定
  3. 経営・会計・簿外債務などの確認
  4. 情報の漏洩・従業員の離職
  5. ガラス・土石製品製造業界に詳しいM&Aの専門家に相談

①売却・買収需要のタイミングを把握

M&Aを行う際は、売却・買収需要のタイミングを把握しておくことが重要です。ガラス・土石製品製造業界に限らず、一般的に業界再編が進行している状況ではM&Aは活発に行われます。しかし、ある程度再編が落ち着くとM&Aの件数も減少していきます。

M&Aが活発に行われているタイミングであれば、自社の希望条件に合った相手先を見つけやすくなるだけでなく、高値で取引できる可能性も上がります

②M&Aの目的や計画を明確に決定

M&Aを行う際は、まず目的や計画を明確に決めておきましょう。目的を明確にすることで最適なスキームを選択できます。また、計画を立てて進めれば無駄なコストや時間を省くこともできます。相手先との交渉も、目的が明確でなければ優先すべき条件を見誤ったりしてスムーズに進まなくなる可能性もあります。

また、M&A仲介会社などにサポートを依頼する場合は、自社の目的や計画を明確にして伝えることで、より適切なサポートやアドバイスを受けることができます。

③経営・会計・簿外債務などの確認

M&Aにおいて買い手側が注意すべきことは、売り手側が抱える経営・会計上のリスクや簿外債務です。簿外債務などがM&A後に発覚すれば、トラブルの原因になったり訴訟に発展したりすることもあります。そのような事態を避けるため、M&Aを行う際はデューディリジェンスをしっかりと行うことが重要です。

デューディリジェンスには会計・法務・税務・ITなどの種類がありますが、いずれも専門知識が必要になるため、会計士や弁護士などの専門家に依頼するようにしましょう。

④情報の漏洩・従業員の離職

M&Aを進めるにあたり、情報漏洩や従業員の離職には十分な注意が必要です。M&Aでは、売り手・買い手それぞれの企業が自社に関する秘密事項を互いに公開します。

重要な事項が外部に漏れてしまえば企業価値に影響する可能性もあり、M&A自体が破談になることもあるため、M&Aを進める際は必ず秘密保持契約を締結しなければなりません。また、M&Aが完了する前に従業員へ情報が伝わってしまうと、不安や混乱を招いてしまい離職する従業員も少なからず出てきます。

ガラス・土石製品製造業のように、専門的な技術に依拠する事業の場合、従業員の離職は大きな影響を及ぼす可能性もあるため、事業の中核を担う従業員には早い段階でM&Aについて伝えるなど、離職を防ぐ手立てを講じるようにしましょう。

⑤ガラス・土石製品製造業界に詳しいM&Aの専門家に相談

ガラス・土石製品製造会社のM&Aを成功させるためには、業界動向を把握したうえで計画的に進めなければなりません。M&Aや業界に関する知識に加え交渉力も必要になるため、M&A専門家のサポートは不可欠といえるでしょう。

業界の事情や動きに詳しい専門家のサポートを受けることにより、M&Aを効率的に進めることができ、自社の希望条件で成立する可能性も高くなります。

M&Aは様々な専門知識を必要とするため、もしM&Aをお考えの場合は専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、多くのM&Aを成約に導いた実績があるM&A総合研究所にぜひご相談ください。

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※関連記事
【2020年最新】事業承継ができるM&A仲介会社一覧!

まとめ

まとめ

ガラス・土石製品製造会社にとって、新たなノウハウ・製品の獲得や海外市場への進出などを実現するうえで、M&Aは有効的な経営手法です。M&Aを成功させるためには、業界の最新動向を把握したうえで自社に合ったスキームを選択して戦略的に進めることが大切です。

ガラス・土石製品製造会社のM&A最新動向は?
→アジア市場への進出を目指したM&Aが増加
 優れた製品・技術を取得するためのM&Aの増加
 事業承継を目的としたM&Aも増加

M&Aが行われる理由は?
→後継者問題の解決ができる
 海外進出をスムーズにできる
 従業員の雇用先を確保できる
 個人保証や担保を解消できる
 創業者利益(売却益)を得られる

ガラス・土石製品製造業界のM&Aを行う際の注意点は?
→売却・買収需要のタイミングを把握
 M&Aの目的や計画を明確に決定
 経営・会計・簿外債務などの確認
 情報の漏洩・従業員の離職
 ガラス・土石製品製造業界に詳しいM&Aの専門家に相談

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