2021年4月21日更新資金調達

ストックオプションでかかる税金

ストックオプションとは、あらかじめ定められた価格で会社の株式を取得する権利であり、適格税制か非適格税制かによって、課税される税金が異なるなど、きちんとした知識を持つことが大切です。この記事では、ストックオプションで必要となる税金について解説します。

目次
  1. ストックオプションでかかる税金
  2. ストックオプションに関する基礎知識
  3. ストックオプションの税制の種類
  4. ストックオプションの適格用件
  5. まとめ
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ストックオプションでかかる税金

ストックオプションでかかる税金

会社にとって最も重要となる利益は、経営者1人では生み出せません。経営者以外にも、企画や開発を行う従業員や実店舗での営業を行う従業員がいます。つまり、利益を生み出すためには、従業員や役員の存在が必要不可欠です。

意欲的に勤務にしてほしいと考えている経営者がほとんどです。従業員の士気や意欲を高めるための手段として、ストックオプション(新株予約権)がありますが、きちんとした知識を持つ必要があります。そこで、今回はストックオプションで必要となる税金について解説します。

ストックオプションに関する基礎知識

ストックオプションに関する基礎知識

ここでは、ストックオプションに関する基礎知識についてご紹介します。

①ストックオプションとは

ストックオプションとは、あらかじめ定められた価格で会社の株式を取得する権利です。これを従業員や役員に付与すると、将来株価が上昇した時点で株式を取得・売却すれば、株価が上昇した分の利益を得られるため、労働に対する士気の向上が期待できます。

つまり、直接的に現金を貰えるわけではないものの、将来的に現金となりうるものです。ストックオプションと新株予約権は正式には別物として考えられます。しかし、M&A用語では同じ意味の単語として使用されるケースもあります。

ストックオプションは将来を見据えた給与の形なので、従業員は数年後に自社の株式が値上がりするように労働に励みます。また、会社としても一定の対価を受けながら、会社の利益を上げられる画期的なシステムです。

特に開業後直ぐは、高額な給与を支払えない会社がほとんどです。しかし、優秀な人材には相応額の給与の支払いが必要です。そこで、ストックオプションを利用して、数年後に上昇した株価分の報酬を約束できます。

仕組み上、開業後の会社やベンチャー企業が使用する割合が高い手法です。会社にとってもストックオプションはキャッシュアウトとしてカウントされないため、報酬を与える手段としてはかなり有効的な方法です。

ストックオプションはM&Aにおいても大きな影響をもたらす場合があります。M&Aにおけるストックオプションの扱い方に苦慮した際は、M&A仲介会社などの専門家に相談するとよいでしょう。

M&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富な専門家が在籍しており、培ったノウハウを活かしてフルサポートいたします。

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②ストックオプションに関する権利の行使

ストックオプションを保有していても、いつでも自由に株式を売却できるわけではありません。権利を行使するには、一定の条件を満たしている必要があります。なぜ条件が設けられているかというと、インセンティブとしての効力を保つためです。

会社側は、従業員の士気を高めて利益を獲得したいと思っています。インセンティブが減ってしまうと、逆に従業員の意欲を削いでしまいます。同時にすぐにストックオプションが売却できてしまうと、従業員の確保も難しくなります。

特に、会社を立ち上げてからすぐの状態では、従業員に支払える給与はある程度限界があります。ストックオプションを持っていても、税金や仕組みについてよく分からないから売却して手放したいと考えても、思うようにはいきません。

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ストックオプションとは?行使時の会計処理や仕訳をわかりやすく解説
新株引受権

ストックオプションの税制の種類

ストックオプションの税制の種類

ストックオプションの税金の制度は、2種類に分かれています。税制適格ストックオプションと、税制非適格ストックオプションです。ストックオプションに限らず、税金の支払い方には適格と非適格があります。

この2種類のどちらに税制が該当するかによって、支払う税金が大きく異なります。税金を支払う対象となっている人は確認が必要です。非適格と聞くと、良くないものとして捉えられがちですが、そうではありません。

優劣は税金を支払う対象者によって異なります。どちらの税制による税金支払いが、自分にとって利益のある行為かを見極めなくてはいけません。

しかし、税制適格と税制非適格は以下で解説するような違いがあるため、ストックオプションに限っては、基本的に税制適格でなければ保有している意味がありません。

①税制適格ストックオプション

税制適格のストックオプションの場合、権利が行使されている段階では課税対象とはなりません。保有を開始してから数年後に株価が上昇し、それに伴い株式を売却した際に、譲渡所得として課税対象となります。

つまり、税制適格のストックオプションの場合には、保有および権利行使をした段階では税金の課税対象にはならない個人の財産と考えられます。ストックオプションの税金発生時期は、以下の3つに分類されます。

  • 権利の付与
  • 権利の行使(=株式の取得)
  • 株式売却

適格税制ストックオプションでは、権利の付与と権利の行使のタイミングでは税金が発生しません。つまり、ストックオプションにより取得した株式を売却しない限りは税金がかかりません

また、株式の売却時には、譲渡所得として税金がかかりますが、税率は20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)で統一されています。よって、譲渡所得にかかる税金がいくらになるかは、ストックオプションの数や株価によって異なります。

②非適格税制ストックオプション

税制適格ストックオプションと税制非適格ストックオプションの違いは、税金が課税される時期が増える点です。適格税制ストックオプションでは、権利の付与と権利の行使のタイミングでは税金が課税されません。

しかし、非適格税制ストックオプションでは、権利の行使時にも税金が必要になります。権利の行使時には、ストックオプションを与えられた時の価格と現在の価格を比較して得られる金額を「給与所得」と考えます。

よって、税制適格に比べると税金の種類が増えただけではなく、課税の利率も大幅に上昇します。また、権利の行使と株式売却は別の工程となるため、当然税金もそれぞれ課税されます。

権利の行使時には、所得税と住民税の2種類の税金が必要です。所得税は最大で45%もかかる可能性もあり、加えて10%の住民税がかかるので55%と半分以上が税金として引かれてしまいます。

それでも残額が得られるなら税制非適格でも構わないと考えるかもしれません。しかし、45%の残額は、個人に振り込まれるのではなく会社に入ります。その結果、個人の財産としては何も得られません。

※関連記事
ストックオプション税制

ストックオプションの適格用件

ストックオプションの適格用件

前述の通り、ストックオプションに関しては、適格税制である方が従業員はメリットを受けやすいといえます。ここでは、取得者、発行と行使、その他の3種類に分類して、ストックオプションの適格要件を解説します。

①ストックオプションの取得者に関する要件

まずは、ストックオプションの取得者に関する要件についてご紹介します。

対象者

当然ですが、ストックオプションを受けるために、その会社または関連会社で働いている従業員や役員である必要があります。全く関係のない会社の従業員や役員が保有しているストックオプションは、税制適格の対象とはなりません。

株式の保有数

ストックオプションの他にも、会社が発行している株式を3分の1以上保有している場合には、適格要件に当てはまりません。つまり、すでに発行済み株式を3分の1以上保有していると、税制非適格として多く税金を支払う仕組みです。

②ストックオプションの発行と行使に関する要件

次に、ストックオプションの発行と行使に関する要件について紹介します。

期間

税制適格のストックオプションにするためには、ストックオプションの権利行使期間が、付与決議日から2年から10年の間である必要があります。

価格

権利行使価格が発行時の株価よりも低い場合は、適格要件に当てはまりません
現在の株価が10,000円の場合に、権利行使価格が12,000円であれば問題ありませんが、8,000円の場合は税制非適格となります。これは、ストックオプションの意義が、「株価の上昇のために努める」というものなので、発行時の株価よりも高く設定されていないと意味がないためです。

権利の行使の金額

権利行使の金額には上限が設けられています。行使価格ベースで年間1,200万円を超えてしまうと、税制非適格となります。500万円分のストックオプションを行使したのち、同一年内にさらに800万円分行使し、1,200万円を超えた場合、最初に行使した500万円分についても税制適格とはならないので注意です。

譲渡に関する制限

当然ですが名義人以外の保有は認められていません他者への譲渡も禁止されています。相続などで後継者に引き継ぐ際には、相続税などが必要になる可能性があります。

③ストックオプションのその他の要件

その他に、会社法に違反しないように株式を売却する売却時には必要書類を税務署に提出するなどの要件が必要になります。

※関連記事
ストックオプションのメリット

まとめ

まとめ

税制が適格でないストックオプションは、多額の税金を支払う必要が生じる可能性があります。基本的に適格要件は前述のとおりですが、行使の条件などは会社によって様々なので、ご自身の目で確認しましょう。

現に会社に言われるがままにストックオプションを保有しているものの、取り扱いについて詳しくない方も多いです。必要に応じて、専門家へ相談するのをオススメします。ストックオプションの税金に関する正しい知識を持っておきましょう。

今回の記事の要点をまとめると下記になります。

・ストックオプションとは
→予め決められた価格で会社の株式を取得する権利

・税制適格ストックオプションとは
→株式売却時のみ税金が課税される

・非適格税制ストックオプションとは
→権利行使時と株式売却時に税金が課税される

・ストックオプションの適格要件
→対象者、株式保有数、保有期間、権利行使金額、譲渡制限などに関する要件がある

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