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バス会社におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

バス会社におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    バス会社のM&A

    バス会社のM&Aとは?

    バス会社には、一般乗合旅客自動車運送事業(乗合バス)と一般貸切り旅客自動車運送事業(貸切バス)の2つの事業があります。

    一般乗合旅客自動車運送事業とは、いわゆる路線バスや高速バスの運行を指しており、一般貸切り旅客自動車運送事業とは、ツアー観光や企業の送迎バスのことを指しています。

    バス会社の業界では、乗合バスの運行も貸切りバスに運行も免許制でしたが、2000年に貸切りバスの運営が、2002年に乗合バスの運営に対して法改正が行われ、規制が許可制になったために新規参入する事業所が増えました。

    そのような中で2016年度の公共交通機関(バス、タクシー、民鉄、JR)全体の営業収入はおよそ9兆5,067億円となり、その中の15.3%を占める1兆4,497億円がバスの営業収入となっています。

    内訳は、乗合バスが9,698億円、貸切りバスが4,799億円になります。

    日本は高度成長期以来、自家用車を持つ家も増えましたが、1967年前後は乗合バスの利用者が多く年間にしておよそ100億人が利用していました。

    しかし、2016年度の輸送人員はおよそ45億人となっています。

    利用客が減るにつれて営業収入は減っていましたが、1999年ごろからは徐々に回復しているようです。

    乗合バスについては、大手や中堅のバス会社が運行していることが多く、経営破綻にすぐに陥るような状況ではないにしても、バス会社全体のおよそ70%が赤字経営となっている実情があります。

    そのような中で、鉄道やタクシーなどの事業を行っている会社がM&Aを実施してバス会社を買収している動きもあります。

    また、貸切りバスについては、事故などの影響で運営の見直しや対策が必要とされています。

    運行の管理や規制強化、厳罰化、監査・チェックの強化などを実施する必要があるとされています。

    貸切りバスについては厳しい基準が設けられ、それを満たすことができないバス会社は廃業を余儀なくされている場合もあります。

    バス会社におけるM&Aは、大手バス会社が中小のバス会社を買収する形になっている傾向があります。

    また、自動車運送事業系のホールディングスが中小バス会社や経営が難しくなっているバス会社を買収する動きが見受けられます。

    そのほかにも、旅行業を本業とする会社も資本提携やM&Aを実施する見込みがあります。

    バス会社のM&Aの現状と動向

    バイス会社の現状は日本バス協会の発表を見ると、1968年(昭和43年)は100億人が利用しており、それをピークに減少傾向にあります。

    2011年(平成23年)には、およそ41億7,800人までに減少しています。

    その後も、41億万人余りの数値を推移していますが、最も利用者が多かった時をピークに現在ではおよそ40%まで減少しています。

    一方、高速バスの利用者は統計を始めた1999年(平成11年)およそ6,600万人が利用しており、その後も徐々に利用者数が増えて2013年(平成25年)には、1億1,000万人の利用があり、1999年と比較するとおよそ1.7倍に増えています。

    その背景には、多くバス会社が高速道路を利用して中長距離の運行を行っていることもありますが、何よりも新幹線や格安航空会社を利用するよりも運賃が安いことがあげられます。

    日中だけでなく、深夜の運行も多いので寝ている間に目的地に着くという利点もあります。

    それ以外にも、東京には「バスタ新宿」が開業し、訪日外国人向けの高速バス情報サイトの開設もあり、高速バスを利用する人が増えているようです。

    特に、外国人旅行客は1回の訪日で多くの観光地に行こうとする傾向があり、できるだけ旅費を抑えようとする傾向があります。

    このように、乗合バスについては自家用車の普及や人口の減少、地方の過疎化などを影響で利用客が減少傾向にありますが、高速バスについては利用客が増えているのが現状です。

    そのような中、高速バスでは関越道でのツアーバスや軽井沢スキーバス、東名道貸切りバスの事故などを受けて、高速バスの運行について現行の2人乗務で目的地まで行くのではなく、1人乗務で中継地点まで行き、到着した中継地点から別の乗務員が運行する案を検討しているようです。

    このような事柄から、様々な角度で日本バス協会も検討を行っているようです。

    そのような中で、バス会社の現状は大変厳しい局面を迎えているといっても良いでしょう。

    先にも述べたように、バスを利用する人が年々減少しており、地方では人口の減少によって、路線を廃止する動きもあります。

    そのため、乗合バスについてはバス会社全体のおよそ70%が事業赤字を計上しており、今後も縮小する見込みがあります。

    バス会社にとって利用客が減少していくのは死活問題の一つでもありますが、もう一つ大きな問題と言えるのが、運転手の不足です。

    バス運転手の不足は、2002年に行われた規制緩和によって、中小のバス会社が増えたことにも一因があります。

    規制緩和によって、新規参入を行った事業者はおよそ5倍にも増え、業界内での競争が激しくなりました。

    その結果、バスの運転手の労働環境が変化し「大変な仕事」という認識が広まったのです。

    そのため、バス運転手を目指す若者が減り、後継者がいないために60歳を超えても運転手を続けており、6人に1人が60歳以上となっています。

    このような背景から、バス会社の労働環境の改善や給料のベースアップ、大型二種運転免許取得費用の支援制度などを取り入れているバス会社も増えてきています。

    バス会社の労働環境が整っても、週休二日の習慣が身に付いている若い世代にとっては休日も問題や労働形態などが今後の課題となりそうです。

    そのほかにも、バス会社は利用客を乗せるバスの維持にも経費が掛かります。

    路線バスの購入代金は1台およそ1,800万円から2,100万円となり、高速バスではおよそ3,000万円から4,500万円となっています。

    このようなバスを購入し、メンテナンスを行っていくには相当の費用が掛かります。

    中小のバス会社ではバスそのものの維持にも大きな費用が掛かり、存続していくのが難しい場合もあるでしょう。

    バス会社の多くは、高速バスツアーの事故などを受けて、規制が強化され貸切りバスをメインにしている事業では許可申請や監査が厳格に行われるようになりました。

    中小のバス会社では、それに対応することができず廃業に追い込まれる可能性もあります。

    また、バス車両のメーカーにもキャパシティーの制約があり、大型車両の納品に相当な期間がかかるという現状もあります。

    今後は、交代運転手の配置基準や許可申請、監査などに対応できない場合やバス車両の購入などが困難になった場合などの理由で売却を余儀なくされるバス会社も増える可能性があります。

    また、異業種からバス業界への参入を試みる会社にとってはM&Aを行うのが、効率的で有効な手段となりそうです。

    そのほかにも、経営者の高齢化やバス運転手などの不足によって、後継者の問題や事業承継の問題を解決するためにM&Aを望む可能性が高くなりそうです。

    バス会社のM&Aの相場と費用

    バス会社のM&Aには、大手の鉄道会社やホールディングスがM&Aを実施しているケースが多く見受けられます。

    日本のM&Aは、事業譲渡や株式譲渡が行われたことは公表されますが、具体的な金額の公表はないので、相場や費用を具体的な数字で表すのは難しいでしょう。

    しかし、バス業界では規模の拡大を狙ったM&Aが行われており、大手他社のFC化や買収が盛んに行われ、業界全体が再編の時を迎えているようです。

    規制緩和の時に中小規模のバス会社を設立した事業では、数十万円から数百万円の価格が相場となっており、バスを複数台所有している会社は数千万円から数億円が相場となっているようです。

    買収価格については、買い取る会社の規模によって異なりますが、所有しているバスの台数や従業員の人数、複数の営業所を持っているなどによって、費用が異なります。

    路線バスを運営しているバス会社は、その地域の主要バス会社が行っていることが多く、ほかのバス会社に買収されることは少ないようですが、反対に規模の小さいバス会社を買収して事業拡大を行っているバス会社は多くあります。

    規模の小さなバス会社は、貸切りバスやツアーバスの運営を主に行っているところが多く、買収する理由には、バス運転手の確保が主な目的になる場合もあります。

    また、地方の交通網を網羅した路線バスの運行を行っている会社でも、経営そのものが赤字になることも多く、再建を目指して買収を試みるケースもあります。

    もともとは、鉄道や大手バス会社であった会社も旅行業や不動産、旅館・ホテルなどを子会社化してホールディングスとして経営を促進してしるグループ会社もあります。

    バス会社の買収とは?買う・買いたい場合

    バス会社を買収する目的には、一つ目はバス運転手の確保やバスや設備の一括取得、ノウハウの獲得などがあります。

    また、地域の路線バスを運行している場合には事業所の拡大なども視野に入れている場合があります。

    バス会社の設立には、バスの購入、バス運転手の確保、バスを整備する施設などが必要になります。

    バス会社を買うことによって、ゼロから準備をしなければならないことがすべて整った状態のバス会社を買うことですぐに、戦力として活用することができるのです。

    一般の路線バスに相当するバスを1台買うためにはおよそ2,000万円の費用が掛かります。

    それがバス会社を買うことで、バスを一括で手に入れることができ、そのあとは自社のデザインにバスの改装を行うだけで済むのです。

    また、運行範囲を広げられるのもバス会社を買う大きなメリットになります。

    これまで関東圏の範囲でしか運行していなかった場合、中部や関西、東北地方まで運行範囲を広げられる可能性があります。

    バス会社を買うということは、そのバス会社の整備施設やバス運転手の確保にもつながります。

    定期的なバスの整備も欠かすことができず、人の命を乗せて走るものですから、安全にも気を配る必要があります。

    そのため、国土交通省でもバス事業について様々な法律や関係法令などが定められています。

    それらをクリアするための設備や条件が整っているバス会社を買うことは事業を拡大できる機会となるでしょう。

    バス会社の売却とは?売る・売りたい場合

    バス会社を売却する場合は、株式譲渡や授業譲渡などの方法で行われるでしょう。

    規制緩和の時に中小の規模で設立したバス会社は、会社を設立したものの運営に行き詰まることも多く、会社を売却してほかの事業を行いたいと考える経営者も多くいます。

    路線バスの運行は、すでに地域のバス会社が行っていることが多いのです。

    すると、規制緩和した当時に設立した中小のバス会社は旅行会社などに働きかけて、観光ツアーの貸切りバスや地域の企業の送迎バスの運行などを行っているのが実情でしょう。

    しかし、バスの購入やバス運転手の確保、整備設備などに費用が掛かるため実質赤字のバス会社も多くあります。

    また、地域の中堅バス会社で路線バスを運行させていても、利用者が減り赤字運営を行っているバス会社も多くあります。

    そのため、バス会社は会社そのものを売却したいと考えたり、中堅バス会社ではバス事業の売却を考えたりするケースもあります。

    バス会社の売却は、大手バス会社の傘下になることですでにいる従業員の雇用も守ることもできますし、バスの処分などを考えずに済みます。

    赤字運営が続き、再編が必要だと考えるバス会社は多くあります。

    地方の中堅バス会社であっても、バス運転手の確保が難しくなっていたり、利用者の減少が問題となったりしているケースは珍しくありません。

    事業再編を目的としたM&Aが行われることが多くあると考えられます。

    バス会社のM&Aの成功・失敗例

    最近、バス業界で話題となっている「みちのりホールディングス」は、2009年に経営共創基盤(IGPI)のグループ会社で、東北や関東のバス会社や鉄道会社の買収を次々と行っている持株会社です。

    砂金では、茨城県の北部を基盤とする日立電鉄交通サービスの株式を日立製作所から100%取得し、日立電鉄交通サービスを子会社化しています。

    日立電鉄交通サービスの経営は何も問題がなく、経営不振などではありませんでした。

    しかし、みちのりホールディングスは、茨城県の県北エリアに営業ネットワークを広げるために日立電鉄交通サービスの買収を行い、傘下としました。

    このほかにも、みちのりホールディングスは関東自動車、東野交通、茨城交通なども買収しており、東京から栃木県益子町までの広域をバス網の展開を行っています。

    みちのりホールディングスが初めて買収を行ったのは、「福島交通」になります。

    福島交通は、福島県のほぼ全域を網羅しているバス会社ですが、鉄道事業は1971年に飯坂東線の電車を廃止にした後は、飯坂線を残すのみとなり、主力となっているのはバス事業となっています。

    しかし、バブル好景気の際に無理な多角経営を行い、1980年代以降赤字バス路線が増え、多くの債務を抱えることになりました。

    のちの1986年に子会社の福島交通不動産と合併を行うも多額の債務を承継したために、1999年に自己破産を申請しています。

    会社の本体である福島交通も地域の過疎化やバス事業の規制緩和におる競争の激化によって収益が悪化し、中途退職者の退職金債務が数億円に膨らむなどして、2008年に会社更生法の適用の申請を行っています。

    その後、2009年1月31日に会社更生計画の認可を受け、経営共創基盤が出資するみちのりホールディングから7億円の出資を受けて、100%子会社となって経営の立て直しが行われました。

    それまでも、福島交通は福島空港からのリムジンバスや高速バスなどの運営を行っていましたが、経営自体は不振となっていたようです。

    この例では、みちのりホールディングスが出資をしたことで100%の子会社となり会社更生手続きも完了し、会社を立て直すことができた例になります。

    みちのりホールディングスはバス会社ではありませんが、複数の地域のバス会社を買収し、高速バスや路線バスの運行などを充実させることを目的として、バス会社の買収を多く行っています。

    それぞれに買収したバス会社のノウハウをそれぞれの会社で共有することでよりよいサービスを実行しています。

    バス会社におけるM&Aは、現在注目される経営戦略となっていますが、業界で注目されるような大きな失敗例は少なく、倒産に至ったバス会社でも隣接したバス会社や鉄道会社などの子会社となって、経営を存続させているバス会社が多くあります。

    そのため、路線バスの突然運行がストップするということは少なく、何らかの措置が取られている場合が多いようです。

    岡山県笠岡市の井笠鉄道株式会社も、2012年10月31日限りで事業がストップし、会社自体も破産手続きとなり、解散に至りましたが、臨時で中国バスが2012年11月1日から暫定的に運行を行い、その後、中国バスが出資を行い、井笠バスカンパニーを子会社として設立を行い、現在もバスの運行を行っています。

    このケースはM&Aは行われず実際に破産、解散が行われましたが、臨時の暫定的な措置が行われることが多いようです。

    まとめ

    バス会社のM&Aに関して、動向や相場、成功・失敗事例について解説しました。
    買い手、売り手によってM&Aを選択する目的は異なるため、メリット・デメリットをしっかり判断した上でM&Aを選択しましょう。
    大きな意思決定であるM&Aは注意点も多いため専門家を活用しましょう。


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