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2019年7月4日公開
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パン屋の事業売却とは?メリット・デメリットや注意点を解説!【事例あり】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

パン屋の事業売却については、そのままの設備を使うこともできるので、パン屋の経営に興味を示す会社があれば、買収される可能性があります。事業売却については、専門的な知識が必要になるのでM&A仲介会社のサポートを受けた方がスムーズにいく場合が多くあります。

目次
  1. パン屋業界の現状
  2. パン屋の事業売却におけるメリット・デメリット
  3. パン屋の事業売却における注意点
  4. パン屋の事業売却事例3選
  5. パン屋の事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談
  6. まとめ

パン屋業界の現状

ごはんよりもパンを好む人が増えており、スーパーマーケットの一角に手作りパンのお店が出店しているところを多く見かけます。また、高級食パンだけを扱うお店の人気が高まり、食パン1本に1000円に近い金額でも一度は食べてみたい、などの理由で長蛇の列ができているところもあります。

パン業界は、平成22年、23年をピークに業界規模が拡大しており、その後、平成24年、25年に落ち込みを見せましたが、平成26年には回復傾向にあり平成27年も前年より高き業界規模になっています。平成27から28年のパン業界の業界規模は1兆2749億円規模となっています。

パンの消費が米を上回る

日本人の主食と言えば「米」ですが、朝食はパン食であるなど食生活が変わってきています。農林水産庁の調査によると主食を占める割合は、昭和58年では57.2%が米類でしたが、平成15年には42.4%に落ち込んでいます。一方、パンの消費は21.2%から31.4%に大幅に上昇しており、平成23年の総務省の調査では、一般家庭におけるパンの消費額が「米」を上回ったとしています。

その背景には、若い年齢層を中心に米よりも気軽に食べられるパンを好む傾向があり、朝食はパンを食べることが浸透していることが挙げられます。また、共稼ぎ家庭の増加に伴って、子供だけで食事をする孤食・個食による影響も考えられます。平成23年から26年ごろまでの高値になっていた小麦の値段も近年では落ち着き、パン業界は業界規模を拡大しています。

国内の市場は縮小傾向

パン食が増え、業界の規模も増加している傾向がみえます。しかし、日本の人口減少などが今後の業界規模を縮小させる傾向になることが予測されます。また、以前は学校給食でパンが出ることが多かったのですが、近年ではパンよりも米飯を出す割合が高くなっており、これも国内の市場を縮小させている要因ともいえます。

国内最大の製パン会社である山崎製パンでは食パンのほかに、菓子パン、総菜パンなどの製造・販売をしているものの今後の国内消費は落ち込むことを予測しています。山崎製パン、フジパングループの海外売上高比率は、10%未満となっており海外への旬出は消極的なものになっています。国内の市場が縮小していく中で、海外への積極的な進出が今後のポイントとなりそうです。

しかし、日本国内では大手製パン会社のほかに個人で経営するパン屋の人気は依然高く、それに加えてコンビニエンスストアのプライベートブランドのパンも人気で、様々なパンがよく売れているようです。国内の市場は縮小傾向にあるようですが、パンの人気はまだしばらく続くものと考えられます。

パン屋の事業売却におけるメリット・デメリット

個人で経営するパン屋が多く、家族経営をしているのが実情のパン屋では、後継者不在などの問題や事業の赤字を理由に事業売却をする例があります。

事業売却とは、文字通り「事業を売却すること」を指しています。事業売却する場合は、事業の一部を売却する方法と事業の全部を売却する場合があります。また、複数の店舗を持つパン屋の場合は、一部の店舗を売却する場合も「事業売却」となります。

パン屋の事業譲渡では厨房の設備や内装をそのままにして売却する「居抜き形式」によって売買することも多く、これまで営業していたパン屋のオーナーが変わって別のオーナーがパン屋を営むケースが多くありました。しかし、近年では事業承継の問題などからM&Aによる事業売却が増え、オーナーだけが交代してこれまで通りお店を営むケースも増えてきています。

事業売却のメリット

事業売却において大きなメリットは、お店を潰さずに済むという点にあります。これまで運営してきたお店を潰すとなると、お店の常連客や取引先、従業員との関係がなくなってしまいます。しかし、事業売却をすればこれまで通り、お店の常連客や取引先、従業員との関係も継続することになり、お店を存続することが可能となります。

事業売却の多くは、M&Aを活用したものとなっています。M&Aを実施する場合は、パン屋の将来性や成長性を含めて事業評価を実施するため、現状で赤字や債務超過の状態のパン屋でも、事業評価が高ければM&Aを実施することが可能となります。事業売却で、将来性や成長性を見込んで規模の大きな会社が買収する可能性もあります。そうなれば、結果としてお店を潰さずに済むことになります。

事業売却では、同じ業界同士でのケースが多くみられ、パン屋の場合も別のパン屋や飲食店が買収を行うことが多くあります。これによって、後継者不在でお店の経営を諦めていた経営者も事業を買収してくれた会社の経営者がお店のオーナーとなるので、後継者不在の問題を解決することができます。

近年、事業承継において後継者不在の問題は、中小企業が抱える経営上の問題として取り上げられることが多く、パン屋の経営においてもパン職人をしているパン屋の経営者の後継者がいないことで廃業を選択しているケースが多くみられます。しかし、事業売却をして新たな経営者を迎えることができれば、後継者不在の問題は解決することになるのです。

事業売却するということは、運営しているお店の事業を買い取ってくれる会社や個人がいるということになります。すると、事業を売却した対価を得ることができ、現店主がお店の運営をリタイアした後に収益を得ることができることもメリットの一つです。

事業売却のデメリット

事業売却を決断しても、買収してくれる会社や個人が見つからなければ事業売却は成立しません。営んでいるパン屋を事業売却する時には、希望の条件もあるでしょう。この条件をクリアできる買収先を見つけるのが難しい場合があるのです。

すぐに事業売却をしたいと考えていても、買収してくれる会社や個人がなかなか見つからずに、希望の条件を譲歩した形になるケースもあります。譲れない条件は明確にしておき、譲歩できる条件も検討しなければなりません。事業売却をする場合の期間は、3ヶ月から半年程度と考えることもできますが、譲歩できない条件がある場合は、さらに長い期間がかかる可能性があります。そのことを念頭において、事業売却について検討するようにしましょう。

事業売却をすると、それまでの経営者は一定の期間、お店の運営などに携わることができなくなります。買収先の会社や個人との交渉次第で、期間が異なりますが、一般的には2年から3年は企業・役員・従業員・株主などのレベルでのかかわりができなくなります。これは、競争避止義務によるもので、完全にお店を手放して引退するのであればこれに当てはまることはありません。

事業売却するとその対価を受け取ることになります。課税対象の資産となる場合は法人税が発生して、支払いの義務を負うことになります。事業売却を実行するタイミングは、前店主が引退を考えるタイミングが多く、できれば多くの収益を得たいと考える場合が多くあります。事業売却で得た収益には、およそ20%から40%の税金がかかることが考えられます。

パン屋の事業売却における注意点

事業売却をするには、買収してくれる会社や個人が存在しなければ成立しません。事業売却しようとしているお店の状態によって、買収してくれる会社や個人は買収を決断します。そのため、お店に将来性や成長性やあり魅力があるものになっていなければ、なかなか買収してくれる会社や個人は現れないのです。

お店の周辺の魅力をアピールする

事業売却しようとしているお店の将来性や成長性などの魅力の中に、お店の周辺の立地や街の状態などが関係している場合もあります。駅前の人通りの多いところにお店があれば、集客が見込めて売上高も良い状態を保てる可能性があります。

このような立地条件は、パン屋のようなお店には欠かせない条件でもあり、周辺に住宅街があるという場合やオフィス街がある場合などは、事業評価を高くするポイントにもなります。事業評価が高ければ、お店を買収しようという会社や個人も現れやすく、事業売却がスムーズに進む可能性が高くなります。また、住宅街の一角に構えるお店の場合は、固定客が付きやすく安定した収入が見込めるなどのアピールができます。

独自商品をアピールする

個人経営やいわゆる街のパン屋さんであれば、人気の商品がいくつかある場合が多くあります。独自のレシピで人気の高い商品がいくつかある場合は、買収しようとする会社や個人が現れやすくなります。

街のパン屋の場合は、あまり立地条件が良くないのに人気のあるパン屋もあります。その理由には、独自のレシピのパンがあり人気があるためにお客さんがわざわざ買いに来るというパターンもあります。独自のレシピのパンがあるということは、ほかのパン屋とは差別化がされていることになります。こだわりの製法で作っている食パンが人気のお店であれば、1本1000円以上の値段をつけても、買いに来るお客さんはいます。このように、独自のレシピで作られたパンが人気のお店であれば、事業売却をしようとした時に強みとなってアピールすることができます。

パン屋の事業売却事例3選

事業譲渡は、個人経営のお店であれば経営者の一存で決められる場合もありますが、株式会社などの法人格になっている場合は、事業譲渡の準備をはじめ、取締役会での決議などが必要になります。個人経営の事業譲渡については、公開されることが少なく紹介できる事例が少ないですが、その中から事業譲渡に成功した事例を紹介します。

ベーカリー事業部門を売却

事業売却しようと考えていたA社は、国内に5店舗のベーカリー点を出店していましたが、経営資金を集中させるため、ベーカリー事業部門を事業譲渡によって売却を検討しました。買収してくれる会社を探したところ、様々な業態で全国にいくつもの店舗を持っている外食企業がありました。この外食企業も新たな業態を模索していたところ、ベーカリー事業を自社で持っていないことから、A社のバーカリー部門の買収に踏み切ることにしたようです。これによって、外食企業はA社のベーカリー事業部門を事業譲渡によって買収しています。

大手企業同士の事業譲渡

事業売却をしたのは大手製菓メーカーの東ハトで、買収したのは山崎製パンになります。東ハトは、ゴルフ場経営で大きな負債を抱えることになり、2003年に民事再生法の申請をして、事実上の倒産をしています。しかし、2006年に山崎製パンが東ハトを買収してM&Aを実施しています。山崎製パンは、日本国内でのシェアが日本一ですが、東ハトを買収したことによって製菓事業を傘下とすることができたのです。

東ハトが販売するお菓子は人気が高く、倒産のニュースは東ハトの人気のお菓子が販売されなくなるのでは、という懸念もありましたが、山崎製パンの傘下になることで製造・販売を存続することが可能になったのです。

街のパン屋の事業譲渡

事業売却をしたのは、東京都23区内にある1店舗だけ運営しているいわゆる街のパン屋です。買収をした会社は非公開となっていますが、街のパン屋の経営者は「後継者問題の解決」や「他事業展開の強化」を目的として事業譲渡を検討していました。

お店の強みは、「駅前であること」「店舗での売上・利益が高いこと」などがあり、立地も条件がよく、周辺に競合店がないために、年間の売上は役41百万円、年間の利益は役3.6百万円を達成していました。これらの強みを活かして希望売却額の15百万円で事業譲渡をすることに成功しています。

パン屋の事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談

事業売却を検討する理由には、後継者の問題や業績不振など様々なものがあります。経営者自身が事業売却を検討していても、買収先が見つからなければ、事業売却は成立しません。個人経営のようなパン屋が事業売却を検討して実行しようとしても、難しい点が多いのでM&A仲介会社の専門家に相談することをおすすめします。

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まずは事前相談

M&A仲介会社は、M&A仲介を主な事業としています。事業売却についても、事業譲渡としてM&Aを範囲に含まれるので、対応してもらえます。事業売却を経営者が自分の力で実行しようと思っても、専門的な知識が必要になるので難しい点も多く、プロセスや手続きも専門的な知識が必要になります。事業売却を検討しているのであれば、まずはM&A仲介会社の事前相談に行くことをお勧めします。

M&A仲介会社には、弁護士や会計士、税理士などの士業の資格を保有しているスタッフが在籍していることも多く、専門的な知識をもってアドバイスやサポートをしてくれます。事前相談は、無料で実施しているところが多いので、事業売却について相談したい場合はM&A仲介会社に問い合わせをしてみると良いでしょう。

大手と地域密着型

M&A仲介会社には、東証一部上場を果たしており全国に複数の支店や営業所を持つ仲介会社もありますし、地域密着型の地元の仲介会社もあります。

大手M&A仲介会社の場合は、圧倒的にM&A成約実績が多く、いろいろなパターンのM&A仲介をしているので、経験が豊富で知識も十分にあるスタッフが対応してくれます。地域密着型のM&A仲介会社に場合は、その地域性を活かしたM&A仲介を実施していることが多く、地元のM&A仲介会社にM&Aを依頼している会社も多くあります。

個人のパン屋を営んでいると、規模が小さいお店だから大手のM&A仲介会社は相手にしてくれないと、考える経営者にいますが、大手のM&A仲介会社でも十分にアドバイスやサポートしてくれます。地元密着型のM&A仲介会社の場合も、リーズナブルな価格で事業売却の手助けを実施しているところも多くあります。

まとめ

パン屋の事業売却については、そのままの設備を使うこともできるので、パン屋の経営に興味を示す会社があれば、買収される可能性があります。個人経営のパン屋の場合は、パン職人をしながらお店の経営をしているオーナーも多く、後継者がいないなどの理由で、事業売却を考えるケースもあるでしょう。事業売却については、専門的な知識が必要になるのでM&A仲介会社のサポートを受けた方がスムーズにいく場合が多くあります。

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