2021年1月21日更新会社・事業を売る

事業リスクの種類とリスクマネジメント方法

事業を成功させる為には、適切かつ迅速なリスク対応が欠かせません。事業リスクの種類、事例、事業リスクに対するマネジメント、リスクマネジメントに必要な事業リスクの分析手法を解説します。

目次
  1. 事業リスクとは?
  2. 事業リスクの事例
  3. 事業のリスクマネジメント
  4. 事業におけるリスクマネジメントの手法
  5. まとめ
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事業リスクとは?

事業リスクとは、事業を運営する上で起こり得るリスクの総称です。事業を運営する上で、リスクは必ず存在します。しかし、事業拡大、海外展開、経営戦略を遂行するには、一定のリスクを背負わざるを得ません。

事業を運営する方は、リスクをゼロにするのではなく、適切なリスクマネジメントを講じましょう。この記事では、事業で起こり得るリスクの種類やリスク分析・マネジメントに関してご説明します。

事業リスクの種類と内容

企業が抱える事業リスクは、大きく分けて下記4つに分類できます。それぞれの事業リスクを事前に知ることで適切な対策を打ちやすくなります。ここからは、事業リスクを種類別に解説していきます。

①経営戦略リスク

そもそも経営戦略とは、企業が持続的に生き残るために定める計画を表します。経営戦略リスクとは、その経営戦略の実行に伴うリスクの総称です。具体的には、M&Aの実行や事業規模の拡大、設備投資、海外進出など、経営者が判断を下す事で生じ得るリスクです。

特に近年ではインターネットの普及が進み、企業の不祥事が広まりやすい時代となり、不適切な対応を取ってしまうと、経営計画が崩れてしまう恐れがあります。経営戦略を立てることにより、大規模でハイリターンを目指せる一方で、大きなリスクが存在することに留意しなくてはいけません。

もし、経営戦略の一環としてM&Aの実行を行う場合は、M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所は幅広い業種にわたってM&A仲介の実績を積んできました。

過去に携わった事例をもとに、M&Aのリスクについてご説明し、お客様のご理解を得たうえでM&Aをサポートいたします。

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②事業運営リスク

事業運営リスクとは、実際に事業を運営していく上で生じ得るリスクの総称です。代表的なリスクとして情報流出が挙げられます。メールやファックスなどの操作ミス、コンピューターウィルスによるサイバー攻撃、社員によるUSBメモリやスマートフォンの紛失など、リスクの要因はさまざまです。

仮に情報漏えいが起きた場合は、個人や企業へ謝罪が要求されるだけでなく、損害賠償や刑事責任が発生することもあります。情報漏えいのほかにも、事業を運営する以上は、リコールや製造物責任、苦情などのトラブルが生じるリスクも伴います。

事業運営リスクを回避する為に、5Sや品質管理・情報管理の徹底、顧客への迅速かつ丁寧な対応を心がける必要があります。経営者のみならず、現場の一人一人がリスクを認識し、日頃から注意を払うことが大切です。

③事故・災害リスク(事業継続リスク)

事業を運営する以上、どうしても避けられない事故や災害は存在します。具体的には、盗難や通勤災害をはじめ地震・火災・台風などです。

このように、経営者や従業員では対策できないリスクに対しては、リスクを回避するのではなく、リスクが顕在化した際の対応に重点を置きましょう

また、甚大な災害によるリスクは、事業継続リスクと呼ばれます。事業の継続が不可能になるリスクです。事業継続リスクに対しては、被害の最小化や極力早く事業を復旧するための仕組みが不可欠です。

事業継続リスクの対策として、事業継続計画(BCP)があります。事業の早期復旧のための方法や手段をまとめる計画です。中小企業庁のHPで策定に関するポイントが掲載されているので、参考にしてみてください。

甚大な災害はいつ起こるか分からないうえに、発生した際には事業運営に大きな損害を与えます。万が一の際に事業を中断しなくて済むように、あらかじめ事業継続計画を策定しておきましょう。

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④法務リスク

法務リスクとは、会社法や労働基準法などに関して生じるリスクです。脱税問題により信用を失う恐れのある財務リスクなどが該当します。

具体的には、財務諸表の虚偽記載が代表的です。会計ルールの変化に対応できず、意図せず違法な処理を行ってしまうケースがあります。仮に決算の粉飾をしたと周知されてしまえば、顧客から信頼を失いかねません。

そのほか、近年問題視されているパワーハラスメントやセクシャルハラスメントも法務リスクの一種であり、企業側には法令遵守の意識が求められます。リスクに対する対応としては、法務に詳しい専門家の起用や全社的な法令遵守の徹底が有効です。

事業リスクの事例

経営者はさまざまなリスクを抱えながら事業運営を行っています。リスクは事業を営んでいる以上必ず抱えるものであり、リスクが顕在化しやすい場面があります。この項では、事業リスクが生じる事例をご紹介します。

⑴事業規模の拡大

最もリスクが発生しやすいのは事業規模の拡大です。自社で拡大するにせよ、M&Aで拡大するにせよ、事業の拡大には多額の先行投資が必要です。成功し投資を回収できればいいですが、事業規模の拡大で必ず期待通りの成果を得られるとは限りません。

事業規模の拡大によりリスクが顕在化し、先行投資が失敗した事例は数多く存在します。既存資本が活用できる範囲で拡大すれば、リスクヘッジとなります。

また、昨今はM&Aを利用して事業規模の拡大を行う会社が増えていますが、場合によっては債務を抱えてしまうケースもあるので注意するべきでしょう。最小限のリスクでM&Aを実行したいのなら、M&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所では、M&Aの豊富な知識と経験を持つプロが国内最安値水準でM&Aをフルサポートいたします。相談も無料なので、気軽にお問い合わせください。

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⑵海外事業展開

販路開拓を理由に、海外で事業展開を図る動きは大企業のみならず中小企業でも増加しています。しかし、海外展開にもリスクがあり、失敗する事例は多い傾向です。海外進出で発生するリスクは主に三種類あります。

まずはカントリーリスクです。エリアの情勢が変わることで企業が被るリスクを表します。具体的には、政権交代や反政府暴動、反日感情などのさまざまな要因によって生じます。

次はセキュリティーリスクです。企業や従業員の身に危険が生じるリスクを指します。たとえば、テロや誘拐、感染症などの危険性があります。特に自然災害が発生した場合は事業の継続が困難になる恐れがあるので対策は不可欠です。

最後はオペレーショナルリスクです。主に日常業務で発生するリスクを表し、輸出入規制や操業規制などが該当します。ストライキやデモなどの労務リスクもオペレーショナルリスクの一つです。

そのほか、現地企業との競争に勝てない、現地法律・慣習に適応できないことなども海外進出におけるリスクとして挙げられます。海外事業を始める際は、現地の慣習を徹底的に調べ、現地での競争に勝てる計画を立てることも不可欠です。

⑶事業の撤退

採算が取れずに事業撤退を図る事例は多いですが、事業の撤退にもリスクは存在します。事業撤退には、市場や顧客からの信頼を失うリスクがあります。

採算が取れなくとも、商品・サービスを利用している顧客は存在します。自社都合で撤退してしまうと、顧客は商品・サービスを利用できなくなり、不満を抱えることになりかねません。

結果、ほかの事業を始めたとしても、自社の他製品を購入しないことに繋がるリスクも考えられます。事業撤退のリスクは見落とされがちですが、思わぬ損失を被る事例は多いので注意が必要です。

その点、事業撤退の判断を間違えないために損益管理が大切になります。その際は、会社全体としてだけでなく、部門別や商品別に細分化して損益管理をするのがより好ましいです。継続して損益結果を把握することで、事業に将来性があるかどうか判断しやすくなります。

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事業のリスクマネジメント

さまざまな事業リスクの存在を知ると、どのように対策すべきか困惑してしまいがちです。ここからは、リスクマネジメントの重要性とともに、それぞれのリスクに対応できるよう事業リスクの分析方法についてご説明します。

⑴リスクマネジメントの重要性

リスクマネジメントとは、事業遂行によって生じるリスクを適切に管理することです。近年の市場変化に伴い、多角化や事業規模の拡大をスピーディーに実行する企業が増加してきました。

事業展開を迅速に実行することで、企業がリスクと接する機会が増えてきたので、従来にも増してリスクマネジメントが重要になっています。長時間労働やハラスメントなどが社会全体で問題視されるようになり、特に法務リスクの徹底的なマネジメントが求められます。

⑵リスクマネジメントに必要な事業リスクの分析

事業を成功に導くためには、事前に想定できるリスクを分析しておくことがベストです。しかし、やみくもにリスク対策を講じても、致命的なリスクを見落としてしまうケースもあります。それをふまえて事業リスクの分析方法も解説します。

①事業リスクの洗い出し

まず、想定できる事業リスクを可能な限り全て洗い出します。自社内の情報のみならず外部からも幅広く情報収集し、大小関係なくあらゆる事業リスクを洗い出しましょう

事業リスクを洗い出す方法は主に3つあります。まずはヒアリング法です。それぞれの役割や担当に基づいて過去に発生したリスクをヒアリングします。直接ヒアリングする機会が取れない場合はアンケート法が有効です。具体的なリスクを用紙に記入してもらいます。

複数の部門を交えてリスクを洗い出したい場合はワークショップ法がおすすめです。各部門から参加したメンバーで意見交換しながらリスクを共有します。いずれの方法においても、どれだけの事業リスクを洗い出せたかにより、リスク分析の精度が変わります。

②事業リスクの選別

全ての事業リスクを洗い出した後は、その事業リスクを重要度と緊急度に応じて優先順位をつけていきます。ここで言う重要なものとは、企業の収益性や信用性に影響を与える事業リスクを指します。

全ての事業リスクをマネジメントできるわけではないため、ある程度影響力の高い部分に絞って、リスクマネジメントする必要があります。消費者や事業継続に影響を与える恐れのあるリスクは、特に重点的に管理することが大切です。

③事業リスクの定量化

次に、選別した事業リスクを定量化(数値化)します。事業リスクの発生確率とリスクの影響度の二つの観点から、事業リスクを定量化することが一般的です。

たとえば、Aのリスクを「発生確率3ポイント×影響度5ポイント=15ポイント」、Bのリスクを「発生確率4ポイント×影響度4ポイント=16ポイント」のように数値で表せば、リスクを分析しやすくなります

そのほか、定量化する際の方法としてモンテカルロ・シミュレーションもあります。予測値の設定が難しい指標などにおいて、ランダムな数を用いて何度も計算し、近似解を求める方法です。市場リスク計測や投資評価に用いられることが多い傾向です。

最後に定量化した事業リスクに順位を付けた上で、重点的なリスクマネジメントを実行します。

事業におけるリスクマネジメントの手法

事業リスクの分析が完了したら実際にリスクマネジメントを行っていきます。リスクマネジメントの手法には、大きく分けて下記二種類あります。

⑴保険の利用

リスクが顕在化すると、企業側に多額の損失が発生し、事業継続が困難となる恐れがあります。どれだけ対策しても100%事業リスクを回避できるわけではないので、万が一のケースにそなえられる保険はとても重要です。

たとえば、火事や天災などに対する損害保険や、経営者の死亡に備える生命保険に加入しておけば、損害が発生しても事業を継続できます。また、労災保険や損害賠償責任保険なども資金面のリスク回避に有効です。

そのほかにも、業種ごとに対応した保険や訴訟費用を補償する保険など、それぞれのニーズに応える内容も見られます。ただし、保険の利用には保険料が発生するため、そのほかのリスク回避手段を検討しきることが前提となります。

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⑵マニュアルの整備

リスク対応のマニュアルとして、事前対策と事後対策の双方を揃えましょう。事前対策マニュアルには、事業リスクを発生させないための品質管理・顧客対応などを盛り込みます。

事後対策には、事業リスクが顕在化した際に、被害を最小限に抑制するための施策を記載します。事前・事後のマニュアルを整備することで、「事業リスクの回避」と「事業リスクの対応」の双方を徹底できます。

ただし、マニュアルを作成しても、実践的な内容でなければリスク回避に直結しません。そのためには、利用者を明確にしたうえで作成し、誰しもが読みやすい文章で構成する必要があります。

そのほか、マニュアルを実施する段階でパニックに陥らないように、事前にデモンストレーションを行っておくことも大切です。

まとめ

今回は、事業のリスクに関して説明しました。事業を運営するには、大小さまざまなリスクが付いてきます。事業のリスクに対しては、事前・事後の回避対応が両方欠かせません。

事前リスクを洗い出すことで、事業リスクが顕在化した際は、迅速な対応を施す必要があります。事業を成功させるために、まずは自社が保有するリスクを把握することから始めましょう。要点をまとめると下記になります。

  • 事業のリスクとは

→事業を運営する上で起こり得るさまざまなリスクの総称

  • 事業リスクの種類

→経営戦略リスク、事業運営リスク、事故・災害リスク、法務リスク

  • 事業リスクが起こり得る事例

→事業の拡大、海外事業の展開、事業の撤退

  • リスクマネジメントに必要な事業リスクの分析
  1. 事業リスクの洗い出し
  2. 事業リスクの選別
  3. 事業リスクの定量化
  • 事業におけるリスクマネジメントの手法

→保険の利用、マニュアルの整備

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