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事業承継と経営承継円滑化法

事業承継と経営承継円滑化法

目次

    事業承継と経営承継円滑化法

    事業承継は中小企業にとって経営の重要な課題となるものです。

    引退など様々な事情を抱えた経営者にとっていかにスムーズに事業承継を達成するかは一番頭を悩ませるポイントだと思います。

    そんな時に役に立つのが経営承継円滑化法です。

    経営承継円滑化法を活用すれば事業承継の煩雑な手間を省略できる可能性が高まります。

    今回は事業承継に役立てられる経営承継円滑化法についてお伝えしていきます。

    事業承継の現状

    昨今、中小企業を中心に事業承継の現状に変化が起こっています。

    これまでは親である経営者が引退するから子供である後継者が事業承継をする…といった流れが定番でしたが、最近では事業承継に変化が起き始めています。

    今の時代、子供が会社を引き継ぐのが当たり前ではなくなっており、後継者不在に陥ってしまうケースが増えています。

    また事業承継自体行わず、経営者の引退に伴って廃業してしまうケースも少なくありません。

    中には黒字経営にも関わらず会社が廃業してしまうこともあります。

    しかし中小企業の廃業はその会社にある貴重なノウハウや地域の雇用などが失われてしまうことに繋がります。

    そのため最近は国や自治体が主導して事業承継をバックアップする傾向があります。

    一方で事業承継のやり方自体にも変化が生じています。

    昨今では経営者が自分の子供にただ会社を引き継がせるだけでなく、会社内の従業員や社外の人間を後継者に据えたり、会社自体をM&Aによって他の会社と統合させるという形で事業承継を達成するというケースが増えています。

    ただ親から子に引き継がせることが一般的だった過去とは違い、今の事業承継は非常に多種多様であり、会社の実情によって柔軟に対応していかなければならないものだといえるでしょう。

    経営承継円滑化法の目的

    経営承継円滑化法は正式名称を「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」と呼び、その名の通り中小企業の事業承継をサポートすることを目的とした法律です。

    経営承継円滑化法は平成20年から施行されており、中小企業の事業承継に際して発生し得る負担を軽減するために多くの経営者によって活用されています。

    そもそも事業承継は簡単にできるものではなく、長期的な視点で取り組まなければならないものです。

    後継者の選定・育成だけでなく、相続のための準備や税務、各種手続きなど行わなければならないことが多くあります。

    とりわけ税務面を考えると経営者の負担は決して小さくありません。

    事業承継の際には会社の経営権を引き継がせるために、一定以上の(あるいは全ての)株式を後継者に取得させる必要があります。

    しかし経営権を得られるだけの株式はかなりの数になるものであり、同時にその価格も大きくなります。

    当然ながらそれだけ大きなお金が動くならば課税される税金の大きさも膨らみます。

    そうなれば経営者や後継者にかかる負担は大きくなるでしょう。

    その際に役立つのが経営承継円滑化法です。

    詳しくは後述しますが、経営承継円滑化法は経営者が事業承継を行う際の金銭的な負担の軽減や、相続や贈与といった形で事業承継を行う際に後継者に経営権がスムーズに承継されるようにするためのサポート、さらには後継者が会社を引き継いだ後の支援や親族外承継を実現させるための支援など、中小企業の事業承継を成功させる様々な取り組みがなされてします。

    この経営承継円滑化法を活用できれば、中小企業の事業承継は円滑に進むようになるでしょう。

    また、経営承継円滑化法は改正を経ることで一段と中小企業の力になれるような仕様に変化しており、多種多様化する事業承継の方法により柔軟に対応できるようになっています。

    当然ながら今後も経営承継円滑化法が改正され、より良化する可能性は高いため、今後も経営承継円滑化法は注目していくべきものだといえるでしょう。

    経営承継円滑化法と事業承継税制

    経営承継円滑化法には「事業承継税制」、「民法の特例」、「金融支援」の3つの主軸があり、それぞれが事業承継を支えるものになっています。

    いずれも中小企業の事業承継に役立つものであり、事業承継の様々な場面で活用することができます。

    ここでは3つの主軸それぞれについて詳しくお伝えしていきます。

    ①事業承継税制

    事業承継税制は事業承継の際に役立つ税制であり、主に事業承継の際に発生する相続税や贈与税の負担軽減に役立ちます。

    通常、事業承継において重要なことは後継者に経営権を持たせるために必要な株式をいかに取得させるかです。

    この際、後継者の株式の取得は主に相続、贈与、譲渡といった3つの手法で行われます。

    ただ、経営権を獲得できるだけの株式を取得させるとなると、相応のお金を用意しておくべきものです。

    譲渡のように後継者が直接取得する場合はある程度の資金力がないと取得は難しいですし、相続や贈与の形で取得させる場合でも相続税・贈与税を看過することはできません。

    しかしまとまった株式に対して発生した相続税や贈与税はそれなりの金額になるため、後継者の負担は大きくなってしまうでしょう。

    そんな時に役立つのが事業承継税制です。

    事業承継税制の最大のメリットは事業承継で株式を取得した際に発生する相続税・贈与税に100%の納税猶予を設けることで実質的に相続税・贈与税の負担がなくなる点にあります。

    これは平成30年度の改正によって設定されたものであり、後継者にとっては事業承継の際にかかる税金をさらに軽減させることができます。

    平成30年度の改正で対象者が1人の経営者と1人の後継者だったものから、複数の株主に加えて最大3人の後継者が対象に含まれるようになるなど、親族外承継のケースも想定した対象設定がされるようになりました。

    しかし、事業承継税制の支援は無条件ではなく、各都道府県知事から認定を受けた中小企業であることに加え、経営に関する様々な条件を守らなければならなくなります。

    ただ、平成30年度の改正ではこの条件も緩和されるようになりました。

    元々事業承継税制の支援の条件の一つに5年間その会社の雇用を8割以上維持し続けることが含まれていました。

    もしそれが実現できなかった場合は納税猶予が解除されてしまうことになります。

    しかし平成30年度の改正以後はその条件が緩和され、8割以上の雇用維持が実現できなかったとしても、納税猶予は継続されるようになりました。

    ただし、雇用維持ができなかったことへの理由報告に加え、経営悪化などが原因だった場合は認定支援機関の指導を受けなければなりません。

    納税猶予が解除されてしまうような形になっていた改正前と比べるとかなり緩和されたといえるでしょう。

    このように事業承継税制が以前より使いやすい制度に変化しており、事業承継においてかなり役に立つものだといえるでしょう。

    ②民法の特例

    経営承継円滑化法における民法の特例は主に「生前贈与株式等を遺留分の対象から除外」、「生前贈与株式等の評価額をあらかじめ固定」という2つの特例の適用を受けることができるというものです。

    これは事業承継への遺留分の影響を考慮して設定されている支援です。

    もし事業承継の際に株式を後継者へ相続させる手法を取った場合、経営者にとって難しいのは自身が亡くなった後の相続を全てコントロールすることはできないという点です。

    相続は相続人1人だけに株式を含めた財産を引き継がせるだけでなく、他の親族にも承継され得るべきものです。

    そのため遺産分割協議の過程で相続人に取得させたい分の株式が集まらず、別の親族に株式が流れてしまう可能性もあります。

    当然経営者が遺言書で財産の配分を指定しておくことである程度コントロールはできますが、それでも別の相続人が遺留分を侵害されていると判断した場合は遺留分減殺請求を行うことが可能であるため、結局経営者がコントロールできない範囲で遺産が分配されてしまう可能性が高くなります。

    この事態は中小企業にとって防ぐべき事態だといえます。

    株式は経営権を司るものであり、いってしまえば株式比重が高いほど経営権が確立し、安定化するものです。

    とりわけ中小企業のような規模の会社であれば、経営者は株式を100%保有していること理想であり、事業承継でも後継者に100%の株式が集まるようにするものです。

    しかし相続の過程で株式が分散し、別の親族の手に渡るようなことになれば、経営に介入できる別の人物を作ることになり、後継者の経営権を安定化させることができません。

    また経営者や後継者にとって不都合な人物に株式が渡るようなことがあれば経営に悪影響が発生するだけでなく、最悪事業承継自体成立しなくなる可能性があります。

    そしてこのような事態を避けるために有効的なのが民法の特例である「生前贈与株式等を遺留分の対象から除外」、「生前贈与株式等の評価額をあらかじめ固定」です。

    これらはあらかじめ株式を遺留分対象から除外することにより、後継者の株式承継を阻害されないようにすることができます。

    加えて株式の分散を未然に防止することにもつながります。

    ただ、民法の特例を使うには遺留分権利者(推定相続人)全員の合意を得ておく必要があります。

    この合意が得られなければ民法の特例を使えないため注意してください。

    ③金融支援

    経営承継円滑化法の主軸最後の1つが金融支援です。

    この金融支援は経営者の死亡によって後継者が会社を引き継ぐ際にかかる資金を支援するためのものです。

    経営者の突然の死亡によって後継者および会社の金銭的負担が急増することは珍しくありません。

    発生した相続税などの支払いもあれば、他の相続人に株式が分散してしまった場合に改めて株式を買い戻すようなことも考えられます。

    経営承継円滑化法における金融支援はそれらのようなケースの支援を目的としており、中小企業信用保険法や株式会社日本政策金融公庫法、沖縄振興開発金融公庫法の特例を活用できます。

    昨今の事業承継の多様化を鑑み、金融支援も様々な形態の事業承継に対応できるようになっているため、中小企業の経営者も様々な形で活用できるでしょう。

    経営承継円滑化法以外の事業承継支援

    経営承継円滑法以外にも事業承継の支援はあります。

    経営承継円滑法は事業承継の問題に対処できるように経営者や後継者を資金面や制度面でサポートし、会社の継続を実現するためのものでしたが、他にも「後継者不在」という状況に対応するための事業承継ファンドや、事業引継ぎ支援センターなどといった施設も中小企業の事業承継に役立ちます。

    冒頭でも触れたように中小企業の事業承継は国や事態が支援するような課題であり、また事業承継自体が多種多様な手法が行われている現状に合わせ、事業承継への支援自体もより多様化しています。

    また経営承継円滑法もそうであるように、時代や社会の変化に合わせて支援の内容や制度を改正しているものもあるため、今後の情勢の変化や事業承継の新しい手法の登場に合わせてさらなる改良が為される可能性は充分にあります。

    中小企業の事業承継に関する問題は簡単に解決できるものではなく、少子高齢化が今後も深刻化していく以上、事業承継が困難になる中小企業は今後も増えていくと思われます。

    そう言った中で経営承継円滑法がよりよく改正されたり、新しい支援が打ち出されることも考えられるでしょう。

    まとめ

    今回の記事をまとめると以下のようになります。

    • 事業承継に際して様々な問題を抱えている経営者は多い。
    • 経営承継円滑化法は事業承継税制、民法の特例、金融支援の3つの主軸がある。
    • 事業承継税制は相続税、贈与税の100%納税猶予を実現する。
    • 民法の特例は遺留分から株式を除外できるなど様々な特例の適用を受けられる。
    • 金融支援は事業承継に際して資金的な援助を行うというもの。

    経営承継円滑化法は事業承継を行う経営者にとって嬉しい支援制度であり、ぜひとも活用しておきたいところです。

    適用を受けることができれば経営者や後継者、そして会社の負担を大きく減らせるようになるでしょう。

    ただ、経営承継円滑化法は所定の条件を満たしていたり、しかるべき手続きをしておかなければならないものがあります。

    また審査も必要なケースもあるため、注意が必要です。

    実際に経営承継円滑化法の支援を受ける際は、条件や手続きに関する正確な情報を事前に得ておくようにしておきましょう。

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