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事業承継計画の作成方法とメリット

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

事業承継を成功させる上で、綿密な計画を立てることは重要です。事業承継計画の作成メリット、事業承継計画書とスケジュール、事業承継計画の目的、事業承継計画と後継者、事業承継計画の準備方法、事業承継ガイドラインに沿った事業承継計画の作成時期とタイミング、事業承継計画の内容と基本事項について解説します。 この記事では、事業承継計画について詳しく解説します。

目次

    事業承継計画

    多くの中小企業では、経営者の高齢化が顕著になっており、後継者不足の企業が多く見受けられます。

    以上の理由で、事業承継できずに廃業してしまう企業が後を絶ちません。

    せっかく作り上げ、経営してきた会社を、自身の代で消滅させたくない。

    そう考える経営者の方は多いのではないでしょうか?

    よって経営者の方は、事業承継の成就に注力し、準備を進めましょう。

    事業承継の成功において、綿密な計画策定は重要です。

    計画を作成する事で、事業承継を円滑に実行できます。

    そこで今回は、事業承継計画について詳しく解説します。

    中小企業の経営者の方、特に必見です。

    事業承継計画の作成メリット

    まず初めに、事業承継計画の作成によって得られるメリットをご紹介します。

    事業承継計画を作成すれば、主に4つのメリットを獲得可能です。

    (1)事業承継計画書とスケジュール

    事業承継計画には、事業承継の詳細なスケジュールや実行すべき事項を記載します。

    事業承継計画書を見れば、一目で事業承継ですべき事や進捗状況を把握できます。

    何も計画を立てずに闇雲に進めると、途中で事業承継が頓挫する恐れがあります。

    しかし計画を立てれば、計画的かつ円滑に事業承継を進行できます。

    (2)事業承継計画の目的

    後述しますが、事業承継計画を作成する目的は、現時点での会社や事業の現状を確認することにあります。

    事業の将来性や財務状況、様々な項目を再確認します。

    その為、計画策定の過程で、自社の状況を冷静に見つめ直せます。

    環境変化の激しい現代において、同じ成功パターンが二度通用するとは限りません。

    市場で生き残る為には、経営戦略を環境に合わせて変化させる必要があります。

    事業承継計画の作成時は、その上で千載一遇のチャンスです。

    (3)事業承継計画と後継者

    事業承継計画には、後継者に関する事項や将来的な事業の展望も記載します。

    よって後継者と一緒に、事業承継計画を策定する必要があります。

    現経営者と後継者とでは、経営ビジョンや戦略が異なるケースがあります。

    事業承継計画を策定すれば、あらかじめその違いを認識し、すり合わせられます。

    その結果、後々両者の間で生じ得るトラブルの回避に繋がります。

    (4)事業承継計画による円滑な事業承継

    円滑な事業承継には、金融機関や従業員等、外部関係者の理解が必須となります。

    事業承継は、独力で成功出来るものではありません。

    綿密な計画を提示する事で、関係者からの理解や協力を得やすくなります。

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    事業承継とは?方法や事業承継税制・補助金、M&Aでの活用について解説

    事業承継計画の準備方法

    事業承継計画は、思い立ってすぐ策定できるものではありません。

    事前に準備しなければ、事業承継の計画は策定できません。

    計画作成前にすべき準備は、主に三つあります。

    (1)事業承継の準備

    一番初めに取り掛かるべきは、自社の現状把握です。

    現状が分からなければ、事業承継計画は作成できません。

    具体的には、自社の経営資源や事業の収益性、経営者個人の資産に関して把握します。

    また、「誰に事業承継するか」もこの時点で決めておく必要があります。

    後継者の対象によって、必要な対策や期間が異なります。

    特に子供を後継者とする場合、後継者教育に時間をかけなくてはいけません。

    事業承継を始める上で、現状把握は第一歩となります。

    (2)M&A、事業承継を念頭にした会社の磨き上げ

    次にすべきは、「会社の磨き上げ」です。

    会社の磨き上げとは、後継者が引き継ぎたいと思う様な会社作りに努める事です。

    利益は全く無いのに負債は多い企業では、誰も事業承継を引き受けません。

    後継者の事を考えるならば、会社の磨き上げは必須です。

    具体的には、無形資産(ブランド力や独自の技術等)の価値を高めたり、無駄な在庫や負債を減らすのが効果的です。

    会社の磨き上げには、早くても数年単位の時間を要します。

    事業承継計画を策定してから始めては、手遅れになる恐れがあります。

    会社の磨き上げには、極力早い時期から取り組みましょう。

    なおM&Aによる事業承継では、会社の磨き上げが特に重要となります。

    会社の磨き上げを実施しないと、買い手がいつまでも現れない恐れがあります。

    M&Aを活用する際は、特にこの点を意識しましょう。

    (3)株式や資産の資本政策の決定

    資本政策とは、株式や資産を「誰に・どの程度」引き継ぐか決定する事です。

    事業承継以後も問題なく事業を運営する為には、株式を後継者に集中させる必要があります。

    しかし対策をしなければ、相続時にトラブルとなる恐れがあります。

    その結果、事業運営に欠かせない株式が分散してしまいます。

    そのリスクを避ける為にも、資本政策は予めしっかり考えておくのがベストです。

    事業承継の際には、最低でも3分の2以上の株式を後継者に集中させなくてはいけません。

    持ち株比率が3分の2に及ばないと、後継者の経営権が弱くなります。

    確実に株式を引き継ぐ為に、経営承継法の特例活用や遺言書の利用を検討しましょう。

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    事業承継計画の作成時期とタイミング

    事業承継計画は、適切なタイミングで作成するのが重要です。

    具体的には、年齢的なタイミングと期間的なタイミングの二つの観点から、最適なタイミングを検討できます。

    (1)事業承継ガイドラインに沿う

    中小企業庁では、円滑な事業承継の指針となる「事業承継ガイドライン」を策定しています。

    事業承継ガイドラインでは、現経営者が60歳になった時点が、計画策定の最適なタイミングとしています。

    何故なら、60歳以降は経営者の生存率が著しく低下するからです。

    事業承継計画は、経営者が健康なうちに作成するのがベストです。

    計画作成後、10年間のスパンで事業承継の手続きを進めるのが一般的です。

    (2)自社株の株価算定後

    事業承継計画を作成する上で、自社株の株価算定は必須です。

    よって計画策定のタイミングとしては、株価算定の実施直後が適しています。

    以上が、事業承継計画の作成タイミングとなります。

    実際に計画策定を行う際は、タイミングを意識しましょう。

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    事業承継計画の内容

    最後に、事業承継計画に記載する、具体的な内容をご紹介します。

    事業承継計画に盛り込む内容は、4つの項目に大別できます。

    (1)事業承継に関する基本事項

    事業承継を行う上で、最も基本的な事項を記します。

    具体的には、下記内容を計画に盛り込みます。

    • 経営者の氏名や年齢
    • 後継者の氏名や年齢、続柄
    • 事業承継の時期
    • 事業承継の方法

    (2)事業承継の進行方法

    事業承継に欠かせない三つの実施事項を、「いつまで・どの様に」進めるかを記載します。

    事業承継の成功を占う重要な部分です。

    計画策定の際には、慎重に考慮しなくてはいけません。

    ここで言う三つの実施事項とは、下記になります。

    • 後継者教育
    • 自社株式や会社財産の譲渡
    • 関係者からの理解と協力の獲得

    (3)計画策定

    毎年ごとに、実行すべき内容を記載します。

    この際、「会社」「経営者」「後継者」に分けた上で、計画を策定するのが重要です。

    一般的な事業承継では、10年間の計画を策定します。

    1. 会社

    自社が事業承継の進行過程で、何を達成すべきかを盛り込みます。

    具体的には、利益目標や事業の展開等を記載します。

    事業の展開に関しては、後継者が会社を引き継いだ後の事も考えた上で、記載しましょう。

    後継者と意向をすり合わせた上で、内容を決定するのが望ましいです。

    2. 経営者

    こちらには、現経営者が達成すべき内容を記載します。

    具体的には、経営者の退職後の持ち株比率や、関係者への公表時期等が該当します。

    3. 後継者

    こちらは、後継者教育のスケジュールを主に記載します。

    また後継者の持ち株比率や、事業承継実行までの役職等も決定します。

    後継者教育は、事業承継の成功にとって欠かせないプロセスです。

    いつまでに何を実施するのか、しっかりと記載しましょう。

    (4)事業承継は成功

    事業承継で引き継ぐのは、株式や資産等目に見えるものだけではありません。

    ノウハウや技術力等、目に見えない資産も引き継ぎます。

    勿論、引き継ぐ資産には経営理念も含まれます。

    経営理念とは、会社が「どのように事業を行うか」を抽象的にしたものです。

    現経営者の意向を反映させる為には、経営理念についても明記する必要があります。

    また、事業承継後の将来的な展望も、計画に盛り込みます。

    事業承継の終了が、ゴールとなる訳ではありません。

    事業承継後、経営を維持もしくは拡大して初めて、事業承継は成功となります。

    よって事業承継後の展望も、計画の中に盛り込む必要があります。

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    事業承継対策のポイント

    まとめ

    今回は、事業承継計画について解説しました。

    スムーズに事業承継を遂行する為には、綿密な計画策定が不可欠です。

    事業承継計画の策定によって、様々なメリットを得られます。

    ただし計画を実際に作るには、事前の準備が欠かせません。

    また計画した事項を全て完了するには、非常に長い月日を要します。

    よって事業承継計画は、早い段階から作成する必要があります。

    計画策定に当たっては、中小企業庁が作成した「事業承継ガイドライン」を参照することをオススメします。

    ガイドラインには、事業承継に役立つ知識が豊富に記載されています。

    また事業承継では、専門家の助力も欠かせません。

    多くの関係者の助力があって初めて、事業承継は成功します。

    要点をまとめると下記になります。

    • 事業承継計画の作成メリット

    事業承継に関する現状把握、会社や事業の現状を冷静に見直す、現代表者と後継者間の認識のすり合わせ、外部関係者の理解獲得

    • 事業承継計画の準備方法

    自社の現状把握、会社の磨き上げ、資本政策の決定

    • 事業承継計画の作成時期とタイミング

    現経営者が60歳になった年度、自社株評価を実施した直後

    • 事業承継計画の内容

    事業承継に関する基本事項、事業承継の進行方法、毎年の詳細計画、経営理念や事業の将来的な見通し

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