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事業撤退とは?判断基準や撤退方法

事業撤退とは?判断基準や撤退方法

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    事業撤退

    M&Aやアライアンスといった、事業成長に向けた前向きな経営戦略もあれば、事業撤退の様な経営戦略も存在します。

    経営の不確実性が高まる中、いつ事業撤退の可能性が発生してもいいように準備することが大事になります。

    会社全体に影響が及ばないためにも、事業撤退の決断を素早く下すことは大切です。

    この記事では、事業撤退の判断基準、方法、リスクを解説します。

    事業撤退の判断基準

    採算が取れない、または将来性が無い事業は、撤退という選択肢を検討しなくてはいけません。

    事業撤退が必要だと分かっていても、実際いつ事業撤退を決めるべきか分からない経営者は多いです。

    事業撤退の判断基準は様々ありますが、今回はその中から役立つ3つの判断基準をお伝えします。

    ⑴貢献利益

    貢献利益とは、各事業が会社全体の利益にどの程度貢献しているかを表す利益です。

    貢献利益は、売上高から変動費と個別固定費を差し引く事で算出できます。

    個別固定費とは、その事業で生じたと明確に判別できる固定費用です。

    貢献利益が黒字であれば、その事業は会社全体にとってプラスの効果をもたらしている為、撤退する必要はありません。

    たとえ営業利益が赤字でも貢献利益が黒字であれば、その事業自体には問題がないので、撤退は原則不要です。

    一方で貢献利益が赤字であれば、その事業は会社全体に対してマイナスの効果を及ぼしているので、撤退を検討しなくてはいけません。

    貢献利益が赤字であっても、必ずしも事業撤退が必要とは限りません。

    例えば事業で生じる費用を削減出来る見込みがあれば、撤退する前に経営改善を図ります。

    始めたばかりの事業の場合、今は赤字でも将来的に黒字となる可能性を秘めているので、貢献利益のみで撤退を判断することは困難です。

    後述する「SWOT分析」と組み合わせて撤退を検討する必要があります。

    ⑵SWOT分析

    SWOT分析とは、自社の内部環境である「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」と外部環境である「機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」の観点から、経営戦略を構築する方法です。

    SWOT分析を活用する事で、貢献利益では判断しにくい事業の撤退を検討できます。

    SWOT分析では下記の表を作成し、自社事業を当てはめて撤退可否を検討します。

      機会(Opportunity) 脅威(Threat)

    強み(Strength)
     
    強みを活かして機会を掴む 強みを活かした差別化により、脅威を乗り越える

    弱み(Weakness)
     
    機会を掴む為に弱みを強化する 防衛的な経営改善or撤退

     

    自社にとって弱みである事業分野であり、かつ脅威が迫っている場合には撤退もしくは防衛的な経営改善が必要です。

    例えばある事業に費やす資金や人材が不足しており(弱み)、かつ市場が縮小傾向(脅威)であれば、事業撤退がベストです。

    ⑶PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)

    PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは、「市場成長率」と「自社の市場シェア」の観点で、事業の組み合わせや成長戦略を検討する方法です。

    PPMを用いて事業撤退を検討する際は、各事業を下記の通り分類します。

    • 問題児→市場成長率:高、市場シェア:低
    • 花形→市場成長率:高、市場シェア:高
    • 金のなる木→市場成長率:低、市場シェア:高
    • 負け犬→市場成長率:低、市場シェア:低

    問題児は十分な市場シェアを獲得できていないものの、将来には収益源となり得る事業です。

    花形は成長市場で十分な市場シェアを確保できている事業であり、市場成長率が鈍化すれば収益源となる可能性を秘めています。

    金のなる木は成熟期にある市場で十分な市場シェアを誇る事業で、その企業の収益源です。

    負け犬とは市場シェアと市場シェア共に低い事業を指し、今後も利益獲得が見込めません。

    負け犬に分類される事業に関しては、撤退を検討することがセオリーです。

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    事業撤退の方法

    この項では、事業撤退を具体的に実行する方法を紹介します。

    ⑴事業譲渡

    事業譲渡とは、ある事業に関する権利や資産を包括的に譲渡(売却)する撤退方法です。

    設備等の資産のみならず、従業員の雇用契約も引き継ぐことが可能です。

    事業の売却利益を確保できる点で、魅力的な撤退方法ですが、撤退を検討する様な事業はそもそも買い手が見つかる可能性が低いです。

    買い手が見つかったとしても、十分な売却利益を獲得できる可能性は低いです。

    事業譲渡を実施すると原則競業避止義務を負う事となり、デメリットとなり得ます。

    競業避止義務とは、一定期間(原則20年)に渡り、同一市区町村および隣接市区町村内で譲渡した事業を運営しない義務です。

    つまり事業譲渡を行うと、撤退後に再び同じ事業を実施しようとしても行えなくなります。

    撤退後に事業を再開する可能性がある場合には、事業譲渡は不向きな撤退方法です。

    また事業譲渡はプロセスが煩雑になりがちであり、時間やコストがかかるものです。
    そのため、実際に行う際にはM&A総合研究所にご相談ください。
    通常のM&A取引では交渉から成立まで半年から1年程度かかる場合もありますが、M&A総合研究所は早いクロージングを目指し、平均して3ヶ月から6ヶ月でクロージングを行います。
    それを可能にしているのは、M&Aプラットフォームを利用した独自のAIシステムによって早期にマッチングを行っているからです。
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    事業譲渡における競業避止義務

    ⑵資産売却

    単純に事業に用いていた資産を売却する撤退方法も一つの手です。

    M&A手法である事業譲渡と比べるとスピーディーに撤退出来ますが、売却により得られる利益は事業譲渡と比べると少ない傾向があります。

    使い古された設備である場合、かえって回収の際に費用がかかる可能性もあります。

    利益や費用を度外視してでも、迅速に撤退したい場合には有効な方法です。

    ⑶解散

    単一事業のみ営む会社であれば、会社を解散する事で撤退するケースもあります。

    解散とは、法人格を消滅させる形で撤退する方法です。

    解散によって事業撤退する為には、法律上の諸手続きを経る必要があります。

    株主総会や清算人登記、財産整理、確定申告、完全に撤退するまでに多大な時間やコストがかかります。

    解散による事業撤退は、他に方法が無い場合の最終手段です。

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    事業撤退に伴うリスク

    不採算事業から撤退する事は重要ですが、事業撤退にはリスクが伴います。

    この記事では、事業撤退に伴うリスクを2つお伝えします。

    ⑴他製品・サービスへの悪影響

    赤字事業や成長性の無い事業であっても、撤退しない方が良いケースもあります。

    ある事業とシナジー効果を及ぼし合う事業であれば、慎重に撤退を検討しなくてはいけません。

    例えば、A事業とB事業の間にシナジーが発生していると仮定します。

    貢献利益が赤字である事を理由にA事業から撤退すると、シナジー効果が無くなりB事業の収益性が悪化するリスクがあります。

    事業撤退の際には、関連性の高い事業とのシナジーを考慮しましょう。

    ⑵顧客・市場からの信頼喪失

    事業撤退を実行した結果、顧客や市場からの信頼を喪失するリスクがあります。

    例え赤字であったり将来性の無い事業であっても、その事業(商品)を利用する顧客は存在します。

    自分たちの都合で撤退すると、顧客に不満が生じてしまい、最悪の場合他の事業やサービスの利用を拒否されるリスクが考えられます。

    事業撤退する際には、その事業(商品)を利用する顧客に対する配慮を欠かさずに実施しましょう。

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    事業撤退で生じる費用

    事業撤退の際には、多種多様な費用がかかります。

    この項では、事業撤退で生じる主な費用を3つ紹介します。

    ⑴固定資産売却損

    ある事業から撤退する際、不要となる資産を売却します。

    資産を売却するので手元に現金は入るものの、帳簿上は費用が発生する可能性があります。

    売却時点の帳簿価格よりも売却金額が低い場合、固定資産売却損と呼ばれる費用を計上するルールとなっています。

    手元には現金が増加するので、直接的な損害がある訳ではありません。

    ⑵解体・撤去費用

    事業撤退時点で資産を売却できない場合、業者等に解体・撤去してもらう必要があり、費用がかかります。

    どの程度の費用がかかるかはケースバイケースですが、多額の費用が発生する傾向があります。

    解体・撤去費用の影響で、撤退後の資金繰りが悪化するリスクがあるので注意しましょう。

    ⑶リース・賃貸借解約金(違約金)

    事業用資産をリースや賃貸借している場合には、事業撤退により解約金もしくは違約金が発生するリスクがあります。

    リース契約や賃貸借契約は一定期間ごとに契約するので、途中解約する場合には解約金や違約金が発生します。

    意外と見落としがちな費用ですので、事業撤退の際には注意してください。

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    まとめ

    人口減少やプロダクトライフサイクルの短命化の影響により、近年は事業撤退を余儀なくされるケースが増加しています。

    貢献利益やSWOT分析、PPMを判断基準として、事業撤退を決断するケースが一般的です。

    上記の判断基準は有用であるものの、事業撤退の際はリスクを考慮し、判断しなくてはいけません。

    事業撤退により、シナジー効果や顧客からの信頼が喪失するリスクがあります。

    事業譲渡や解散、様々な方法を利用できますが、各方法にはメリット・デメリットがあります。

    事業撤退の際には、リスクやメリットを踏まえ、慎重に判断を下す必要があります。

    要点をまとめると下記になります。

    • 事業撤退とは

    →不採算事業や将来性のない事業を辞めること

    • 事業撤退の判断基準

    →貢献利益、SWOT分析、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)

    • 事業撤退の方法

    →事業譲渡、資産売却、解散

    • 事業撤退に伴うリスク

    →他製品・サービスへの悪影響、顧客・市場からの信頼喪失

    • 事業撤退で生じる費用

    →固定資産売却損、解体・撤去費用、リース・賃貸借解約金(違約金)

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