2020年9月22日更新会社・事業を売る

会社売却の相場

会社や事業の売却相場を算出する方法には、純資産法・配当還元法・収益還元法・DCF法・批準法などがあります。また、会社や事業の売却相場は、人材や技術・ノウハウなどからも影響を受けます。会社や事業の売却相場を算出する方法や課される税金について紹介します。

目次
  1. 会社・事業売却の相場算出方法(簡便な方法)
  2. 企業価値を加味した会社・事業売却相場の算出方法
  3. 会社・事業売却の相場に影響を与えるもの
  4. 会社・事業売却で課される税金
  5. まとめ
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会社・事業売却の相場算出方法(簡便な方法)

会社・事業売却の相場算出方法(簡便な方法)

会社存続や事業拡大のために、会社や事業の売却は有効策ですが、そのときに重要なのは売却相場です。少しでも高い金額で売却を成功させたいところですが、実際の相場はどの程度なのかわからない経営者の方は多いでしょう。そこで、会社・事業売却の相場を紹介します。

まずは、会社・事業売却の簡便な相場算出方法について見ていきます。会社・事業売却の相場は、以下の計算式で大まかに計算可能です。

  •  純資産+営業権(単年度利益×3年分)=会社・事業売却の相場価格

ここからは具体的な例を使って解説します。たとえば、純資産が5,000万円・単年度利益が1億円とする会社や事業を想定します。そのときの会社・事業売却の価格は、以下のとおりです。

  •  5,000万円+1億×3年=3億5000万円

とはいえこの算出方法は、あくまでも簡略化した目安の相場です。実際の会社・事業売却では、企業価値を考慮しつつさらに複雑な計算が行われます。企業価値は、株式価格をベースとして計算する場合が大半であるもののさまざまな算出方法があるため、次章で詳しく紹介します。

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企業価値を加味した会社・事業売却相場の算出方法

企業価値を加味した会社・事業売却相場の算出方法

前述したとおり、実際に会社や事業を売却する場合には、企業価値を考慮して相場が算出されます。そこで、企業価値を加味して相場を算出する方法は、以下の5種類です。

  1. 純資産法
  2. 配当還元法・収益還元法
  3. DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)
  4. 類似会社比較法(マルチプル法)
  5. 過去事例比較法
これら5種類の算出方法について、順番に詳しく見ていきます。

(1)純資産法

純資産法は、会社の帳簿価額をもとに企業価値を算定する方法です。中小企業の会社・事業売却を中心に広く活用されています。負債等のマイナス要素を差し引く点で、前述した簡便な相場算出方法とは異なります。なお純資産法には、簿価純資産法と修正純資産法があります。

簿価純資産法は、企業価値の計算方法の中でも比較的簡単な算出方法ですが、将来の収益性が加味されていません。そのため、会社売却を実施する会社の将来性やキャッシュフローを無視した相場価格となります。

その一方で、修正純資産法では、帳簿上の資産と負債を時価で再評価し、純資産の金額を計算して株価を計算します。つまり、簿価純資産法では加味されなかった時価を反映させた算出方法です。とはいえ、修正純資産法であっても、貸借対照表に記載がない無形資産の評価は反映されません。

(2)配当還元法・収益還元法

配当還元法・収益還元法は、それぞれ株主への配当、あるいは会社の利回りをベースに、会社・事業売却の相場を算定する方法です。会社・事業を売却するときの買い手側や株主の期待値が加味されており、簡潔かつ合理的な方法といえます。

しかし配当還元法では、中小企業に多い経営陣と株主が同一人物であるケースの場合、適応できません。収益還元法は、赤字続きの会社では適応不可能です。このように使用できる条件が限られているため、注意が必要です。

(3)DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)

このDCF法とは、キャッシュフローや将来の収益性を加味しつつ、想定されるリスクを割り引くことで企業価値を算定する方法です。大企業の会社・事業売却を中心に、広く使用されています。

しかし将来の収益性については、あくまで予測の域を出ないものであり、計算する側の主観性が少なからず反映されます。とはいえ、前提条件さえ適切に設定できれば、正確に会社売却の相場を算出可能です。

(4)類似会社比較法(マルチプル法)

類似会社比較法では、事業内容等が似ている上場会社の株価を参考にしつつ企業価値を算定します。株価や決算情報などをもとに算出するため、客観性が高い相場を割り出すことができます。また、類似した事例や会社を参照するため、現実味のある相場となります。

このようにわかりやすい相場算出方法なので、DCF法と並んでよく活用されています。類似している事例が必ず存在するとは限らず、算出不可能となってしまうケースもあります。

(5)過去事例比較法

過去事例比較法とは、過去の株式取引価額をもとに株式評価をして企業価値を算定する方法です。過去に株式売買などを実施しているならば、客観性のある評価を算出できます。しかし、過去の評価日から売買までの期間や、取引株数の規模などの要因も洗い出しつつ評価しなおすことが大切です。

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会社・事業売却の相場に影響を与えるもの

会社・事業売却の相場に影響を与えるもの

会社・事業売却の相場は、前述した算出方法で計算可能です。しかし、それ以外にも売却価格の相場に影響する要素があります。その要素を理解しておけば、相場算出の正確性が高まるだけでなく、より高い価格での会社・事業売却を目指すことができます。

純資産や収益以外で相場に影響する要因は、以下の5つです。

  1. 人材
  2. 技術・ノウハウ・販路
  3. 取引先・顧客リスト
  4. 市場のシェア
  5. 企業体質・経営理念
それぞれの特徴を順番に見ていきます。

(1)人材

人材は、会社を成り立たせるものであり重要な要素です。営業会社など単純に人手が必要な業態では、人手があればあるほど収益性が上がる可能性があります。つまり人材が多い会社は、人材を求める買い手から、会社・事業売却において高い相場価格を付けられる可能性が高いです。

当然ですが人材は、その人が持つ技能とセットで捉えられます。建築やインテリアなど、専門的技能を持つ人材がいる会社は、企業価値が上がりやすいです。薬剤師・医者・エンジニアなど、資格が必要な業務に就いている人がいる場合にも、売却のときに評価が高まります。

一般的に、専門性が高い人材は採用するのが難しいです。そのため、これらの人材を求めている会社からすれば、喉から手がでるほど魅力的です。会社売却の相場が多少プラスされることが期待できます。

その一方で会社・事業売却の前後は、人材が流出しやすいタイミングでもあるので注意が必要です。働く環境の変化を嫌い、辞めていくケースが少なくありません。流出した人材を買い手が求めていた場合、会社売却の取引に悪影響を与える可能性も十分に考えられます。

人材が会社・事業売却の相場に影響を与えるということを、心得ておく必要があります。そのうえで会社・事業売却の取引が実施される前に、従業員にしっかりと説明をして了承を得ておくことが良いでしょう。なお、事業売却の相場を高めたいなら、人材もあわせて売却することが大切です。

(2)技術・ノウハウ・販路

会社・事業売却を実施する会社が持っている技術やノウハウも、相場に影響を与える要因です。人材と重なる部分もありますが、その会社が磨いてきた技術や培ってきたノウハウは、希少であればあるほど企業価値を引き上げます。

買い手の会社が新事業を展開したがっていたり、新たな設備を欲しがっている場合には、相場が上がる可能性が高いです。あわせて販路も、会社売却を有利にする要素となります。

たとえば、ある会社が別の地域に進出したいと考えたとき、会社売却を実施する会社の販路を利用すれば、コストを抑えて規模を拡大することが期待できます。このように買い手が会社売却を通じてシナジー効果を生み出したいと考えている場合、会社が持つ技術やノウハウに注目するのです。

(3)取引先・顧客リスト

会社・事業売却を実施する会社が持つ取引先や顧客リストも、相場に少なからず影響を与えることがあります。そもそも買い手側は、取引先・顧客リストの獲得を狙って会社買収を実施することも多いです。

そのため有している取引先・顧客リストが相手企業にとって魅力的である場合、高い相場価格を付けられる可能性が高まります。とりわけ大企業やなかなか取引できない会社と取引している場合、相手側が魅力的に感じやすいです。

したがって、会社・事業売却までの時間に余裕があるのなら、できるだけ取引先や顧客リストを増やしておくことも有効策といえます。

(4)市場のシェア

売却する会社や事業が特定分野において高い市場シェアを誇っているならば、相場に影響を与える要因となります。市場のシェアに関しては、大規模であることが望ましいです。とはいえ、たとえニッチな分野であってもシェアを占めていれば、相手側が魅力に感じる可能性が高いです。

(5)企業体質・経営理念

売却する会社や事業の体質や理念によっては、売却相場に良い影響を与えることがあります。買い手側は、会社や事業を買収するとき、企業風土の相性を気にします。なぜなら、企業風土の相性が悪い会社や事業を買収すると、スムーズに統合できないおそれがあるためです。

企業風土の相性が悪いと、場合によっては人材が流出するだけでなく、その後の企業運営に悪影響が出てしまうことも考えられます。上記の理由から、企業風土の相性が良いことも、会社買収・事業選びの1つの条件となるのです。

以上、5つの要素は会社売却の相場に少なからず影響を与えます。 ただしこれらの資産を具体的に算定することは、決して簡単ではありません。なぜなら財務に関する専門的知識が必要となるためです。会社・事業売却時の資産算定についてお困りのことがあれば、M&A総合研究所にご相談ください。

もしもM&A総合研究所にご相談いただければ、自社の会社・事業売却が成功するよう、経験豊富な専門家が金額の算出や条件交渉など、少しでも高く売るためのサポートをいたします。なお、一般的なM&Aによる売却取引は、交渉から成立まで半年から1年程度かかります。

しかしM&A総合研究所では、早いクロージングを目指しており、平均3ヶ月でクロージングを実現できます。完全成功報酬制を採用しているほか、相談料は無料となっていますので、会社・事業売却やM&Aについてお悩みであれば、お気軽にご相談ください。

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会社・事業売却で課される税金

会社・事業売却で課される税金

さて、ここまで読んできて、売却するときの相場について理解を深められたでしょうか。とはいえ、売却時には相場価格をそのまま獲得できるわけではありません。なぜなら、売却時に税金が発生するためです。会社売却と事業売却で課される税金はそれぞれ異なるので、ここからは順番に紹介します。

(1)会社売却で課される税金

はじめに会社売却で課される税金について紹介します。会社売却では、所得税と住民税という2種類の税金が課されることになります。会社を売却したときの利益は元経営者が得るため、譲渡所得について所得税と住民税が課されるのです。

会社を売却すると、具体的には所得税が15%。住民税が5%課されます。あわせて20%程度課されるということを覚えておくと良いです。

(2)事業売却で課される税金

次に事業売却で課される税金について紹介します。事業売却では、法人税と消費税という2種類の税金が課されことになります。事業を売却したときの利益は売却側が受け取るので、売却した利益について、まず法人税が課されるのです。

事業を売却すると、具体的には、法人税がおよそ40%(法人事業税と法人住民税の合計)程度課されます。なお、消費税については、売却したときに利益が出ていなくても支払わなければなりません。売却利益ではなく、売却額について課されると認識しておくべきです。

具体的には、消費税は10%課されます(2019年12月現在)。消費税については、買収先に相当額を請求する形を取ります。

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会社売却における税金

事業売却でかかる税金

まとめ

まとめ

会社・事業売却は、売る側と買う側双方にとって非常に重要な取引です。売る側は少しでも高い相場で、買う側は少しでも安い相場で取引を実施したいと考えます。売り手側は、会社売却の前に自社の実情や価値を細かく把握し、マイナス要因となるものは少しでも早い段階で摘み取りましょう。

そうすれば、会社売却の相場が理想的な価格となる可能性が高まります。会社売却は、経営者や株主に大きな利益が入ってくる可能性がある取引でもあります。したがって、慎重かつ入念に実施しましょう。要点をまとめると下記になります。

  • 会社・事業売却の相場算定方法(簡便法)=純資産+営業権(単年度利益×3年分)
  • 企業価値を加味した相場算出方法 =純資産法・配当(収益)還元法・DCF法・類似会社比較法・過去事例比較法
  • 会社・事業売却の相場に影響するもの=人材や技術・ノウハウなどの資産
  • 会社売却で課される税金=所得税・住民税
  • 事業売却で課される税金=法人税・消費税

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