2020年1月10日更新会社・事業を売る

合併公告とは?期間や事例、決算公告をご紹介

合併公告とは、複数の会社が一つになった時に行う公告のことを言います。合併公告は法律で義務付けられており、「官報への公告」「日刊新聞への公告」「電子公告」のいずれかの方法で実施します。公告には費用がかかりますが、怠れば法務省からの罰則対象なるため、必ず実施しましょう。

目次
  1. 法定公告とは?
  2. 合併公告とは?
  3. 合併公告の流れ
  4. 決算公告とは?
  5. 合併公告の事例
  6. まとめ
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法定公告とは?

法定公告とは、株式会社などが経営に関する重要な事柄を株主や債権者に周知させるために、官報や日刊新聞(主に日本経済新聞)などに情報を載せることです。

法定公告は、法令によって掲載することが義務付けられているため、正確な内容である必要があります。万が一、虚偽や不正な公告をした場合には、 公告としての効力が失われる場合があり、法的責任を問われる可能性もあります。

また、株式会社では、会社を設立する時に定款を作成します。定款とは、会社を設立する目的・組織・活動・構成員・業務執行などについての基本規約・基本規則を記録したもののことです。定款には、どのようなやり方で公告を行うか記載する必要があり、会社の経営にかかわる事柄で変化があった場合は、それに従って情報を載せます。

合併公告とは?

法定公告の中でも、年々増加傾向にある公告が「合併公告」です。合併公告とは、M&Aなどによって複数の会社が一つになった時に行う公告のことを言います。

合併には、会社の組織再編のために複数の会社が一つとなった時に行う「新設合併」と、すでに存在する会社に承継を行う「吸収合併」の2種類の合併があります。どちらで合併を行っても公告を行う必要があるため、注意しましょう。

公告の種類

法定公告では、合併、解散、決算、減資、新株式の発行、配当、株式分割などの公告を実施します。公告には以下の2種類があります。

  1. 合併公告・資本金の額の減少公告・準備金の額の減少公告・解散公告などのように、法令で官報掲載と定められているもの
  2. 決算公告・株券提出公告・基準日設定公告などのように、官報、日刊新聞紙、電子公告のいずれかに掲載するもの

⑵に関しては、いずれに掲載するかを会社の定款によって定めることになっています。

官報の掲載方法

公告は合併の契約を結んだ後に行います。基本的には国立印刷局が発行している官報に掲載します。官報の記載事例はいくつも種類があり、次のように分類されます。

  1. 新設合併
  2. 吸収合併
  3. 簡易吸収合併
  4. 簡易&略式吸収合併
さらに、以下の3つの型によっても分けることができます。
  1. 連名型
  2. 存続会社単独型
  3. 消滅会社単独型 

これらを組み合わせて選べば、記載型を選ぶことができます。新設合併の場合は、掲載例が1つしかないのでそれに当てはまるように原稿を作ります。

官報に必ず掲載しなければならない事柄は、以下の5点です。

  1. 合併公告である
  2. 最終貸借対照表
  3. 当該事業所の名称
  4. 当該事業所の所在地
  5. 会社代表者

合併公告を官報に掲載する際の費用は、1行22文字3,589円(税込)かかります。たとえば、吸収合併を連名標準型であると約81,000円かかる計算になります。また、同じ内容を電子公告で1ヶ月掲載してもらうとおよそ11万円の費用がかかります。

この計算結果だけを見れば、電子公告よりも官報に載せたほうが節約できるように感じられますが、官報の場合はそれぞれに郵送で案内を送る必要があります。そのため、郵送費の負担も考えると割高になる可能性があるのです。

また、合併公告を行う時は、合併の契約が締結された時に官報に申し込みを行います。申し込み方法には、インターネット、FAX、郵送、事務所へ来所などの方法があります。その後、取次所に原稿を作成してもらい、原稿の確認などを行って、修正がなければ校了し、官報への掲載となります。

電子公告とは?

公告は基本的に官報に掲載しますが、それぞれの会社のWebサイトで公告している会社もあります。この方法を「電子公告」と言います。電子公告では、他者が内容を編集できないようにPDFファイルでの公開で行います。

最近では、インターネットの普及とペーパーレス化などが進んでおり、官報や日刊新聞ではなくWebサイトから最新の情報を取得する人も多くなってきました。電子公告を利用すれば、個人に知らせなくてもよいというメリットがあり、株主や債権者に郵送する手間が省けます。

しかし、電子公告を利用する時には、事前に電子公告調査機関に調査を依頼したり、法務省に報告したりする必要があるので事前の準備が必須です。また、郵送での催告に慣れている人やインターネットを利用することに慣れていない人は、電子公告が行われていることを知らない可能性があります。

たとえ知っていても、インターネットが利用できる環境にない場合があります。そのため、株主や債権者のすべてに情報が届いているのか確認できないというデメリットもあるのです。

公告は株式会社に法律で義務付けられている事柄なので、それを怠ると罰則の対象になります。罰則を受けないためにも、合併の際は専門家に相談しましょう。少しでも悩んだり、迷ったりした時は、どうぞM&A総合研究所に一度ご相談ください。M&AアドバイザーとM&A専門の会計士と弁護士が親身にサポートいたします。

M&Aを実施する際には、その都度、M&A仲介会社、アドバイザリーに実務をサポートしてもらうのがベストです。

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法定公告の問題点

法定公告の問題点は、公告の実施に費用がかかり、法定公告を怠る場合があることです。そのため、経営上の重要な決定事項を、株主や債権者に周知できていない場合があります。

また、近年では、法定公告を自社のWebサイトで実施している会社が出てきました。ペーパーレスへの移行が進んでいるため、官報への掲載ではなく会社のWebサイトへの掲載を優先している会社もあります。

Webサイトでの掲載に関しては、2002年4月から「決算」が認められるようになり、2005年2月からは「新株発行」などの事柄の一部がWebサイトでの公告も認められるようになりました。

そのため、インターネット環境が整っていない場所では、公告を知ることができません。インターネットを利用している会社は年々増加しているので、株主や債権者もインターネットが利用できる環境を整えておく必要があるでしょう。

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新設合併

合併公告の流れ

「吸収合併」か「新設合併」かによって、手続きの流れが少しずつ異なります。ここでは、合併公告の流れを解説します。合併公告は以下の流れで進行します。

  1. 合併実施の決定と締結
  2. 合併公告・通知
  3. 承認決議
  4. 効力発生前に必要な書類の準備と配置
  5. 合併の効力発生
  6. 効力発生後に必要な書類の準備と配置
  7. 合併の登記申請

⑴合併実施の決定と締結

合併を実施する決議を実施後、合併契約書に調印します。この契約書に掲載する事項には「法定記載事項」と「任意的記載事項」があります。

⑵合併公告・通知

株主や債権者に対して、官報、日刊新聞紙、電子公告、個別の通知のいずれかの方法で「合併をする」という通知を行います。

M&Aなどによって、合併公告から効力発生までの期間は早くても約2ヶ月程度かかると考えられます。会社を合併する際は、交渉が始まってから平均して半年から1年程度かかります。しかし、中小企業では早くて3ヶ月から半年程度で実施する事例も多くあります。そのため、合併公告の実施に関しては、合併の意思確認ができて契約を結んだ時点で準備を開始しましょう。

また、合併公告は「株式会社」に義務付けられています。そのため、大手企業だけでなく中堅企業でも実施する必要があります。大手企業の場合は、発表から契約が結ばれるまでに1年以上かかる場合もあります。会社の規模などによって、合併公告を行う時期が変動するため注意が必要です。

合併公告の手続き自体にかかる期間は、官報や日刊新聞に情報の掲載を依頼した場合で、申し込みからおよそ1週間程度で掲載されます。官報へ情報を載せる時は、インターネットやFAX、電話、メールで情報掲載の依頼を行います。

官報は、国立印刷局が発刊を行っており、全国に取次所があるのでそこへ依頼すれば、掲載することができます。官報へ公告を載せた後は、株主や債権者などそれぞれ個別に通知を行います。

一方、自社のWebサイトに情報を掲載する場合は、法務局への報告などの手続きがあるので事前に準備する期間を設けましょう。インターネットを利用している時は、それぞれ個別に通知を送る必要はありません。

⑶承認決議

合併の際は、合併の効力が発生する前日までに株主総会の承認が必要です。株主総会の開催前には招集通知を送る必要があり、非公開会社は1週間前、公開会社は2週間前には通知します。また、吸収合併の場合は、合併公告もしくは通知を行う際に、株主総会の開催も通知することが可能です。

⑷効力発生前に必要な書類の準備と配置

合併の際は、効力が発生する前に合併に関する書類を会社に準備して配置しておく必要があります。期間は6ヶ月です。早めに準備しておきましょう。

⑸合併の効力発生

新設合併の場合は、登記を行った日から合併効力が発生するので、法務局が休みの土日祝日に登記することはできません。吸収合併の場合は、登記した時でなくても効力が発生するので土日祝日でも効力が発生します。

会社が合併する時にはそのまま残る会社となくなってしまう会社が存在するので、それぞれに効力が発生する日から2週間以内に手続きを行いましょう。

⑹効力発生後に必要な書類の準備と配置

合併会社は効力が発生された後も、合併に関する書類を本店の所在地に置いておく必要があります。期間は合併前同様、6ヶ月間です。

⑺合併の登記申請

効力の発生日から2週間以内に、合併会社の変更登記と解散登記を同時に実施します。その際には、合併契約書、株主総会議事録などの書類が必要です。

以上のように、合併公告の際はさまざまな法的手続きが必要です。また、合併の際には、これらの手続き以外にも膨大な時間と手間を必要とします。たとえば、M&A総合研究所では、専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーのサポートを受けながら、合併をよりスムーズに進められます。

ぜひ一度、M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所は、合併に関する悩みを一緒に解決いたします。経験が豊富なアドバイザーがフルサポートいたしますので、安心してご相談いただけます。

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決算公告とは?

決算公告とは、会社の設立時に取り決めた定款に従って決算の内容を公告することを言います。決算公告の実施は会社法で規定が設けられており、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表の公告は株式会社の義務です。

しかし、決算公告が義務付けられていることを知らない会社はいまだ存在し、公告を実施していない会社も一部あります。このような場合は、法務省によって罰則を受けることになります。合併公告の時には、「決算公告(最終貸借対照表)」の開示が必須であるため、注意が必要です。

決算広告は、多くの場合に官報に掲載されますが、日刊新聞(主に日本経済新聞)に公告する場合もあります。また、2001年の法改正によって自社のWebサイトへの掲載も可能になったので、インターネットを利用している会社も増えています。

株式会社の決算公告は、定時株主総会が終わった後に貸借対照表の公告を行いますが、大企業に分類される会社は損益計算書の公告も行います。また、金融商品取引法によって有価証券報告書の提出義務がある株式上場企業などは、有価証券報告書によって詳細が公告されるので、決算公告をしないとされています。

合併公告の際には決算公告が必要

合併公告の時には、「決算公告(最終貸借対照表)」の開示が必須です。決算公告は、大会社(資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社)とそれ以外の会社で公開内容が異なります。さらに、非公開会社と公開会社であるかによっても公開するものが変わっています。

大会社に分類されない会社で非公開となっている会社では、貸借対照表のみの公開となっており、資産の部、負債および純資産の部がわかるものを公開します。株式資本と評価交換算差額などは、貸借対照表に必ず記載しましょう。

大会社でない公開会社となっている場合も、同じ内容で貸借対照表を公開します。また、固定資産に当たる内容は詳細に記載しなければなりませんので、注意が必要です。有形固定資産、無形固定資産、投資など資産については詳しく記入しましょう。

大会社に分類される会社は、公開会社、非公開会社、いずれであっても貸借対照表と損益計算書の公開をします。損益計算書は、記載されているすべてを公開します。

合併公告の事例

ここでは、今までに実際に行われた合併公告の事例を2つご紹介します。

⑴株式会社ニトリホールディングス×株式会社デコホーム

もともとデコホームは、ニトリホールディングスが出資比率70%で設立した会社で、家具やインテリア用品の商品を輸入代行していた子会社です。しかし、2018年8月21日デコホームの株式をニトリホールディングスが追加取得して100%子会社になりました。ニトリホールディングスは、北海道札幌市に本社を構え、全国に家具やインテリア用品のほか、家電製品を扱っています。

ニトリホールディングスの主な国内企業は、以下の通りです。

  1. ホームファッションのチェーンストアを運営している「株式会社ニトリ」
  2. 物流会社の「株式会社ホームロジスティクス」
  3. 家具を製造している「株式会社ニトリファニチャー」
  4. 広告宣伝を行っている「株式会社ニトリパブリック」
  5. ニトリグループの保守業務会社・保険代理店を行っている「株式会社ニトリファシリティ」

これらはすべてニトリホールディングスの傘下にあります。今回のデコホームを子会社にすることによって、ニトリは輸入代行部門の事業拡大を行い、さらなる成長につながると言えるでしょう。

また、デコホームはこの合併によって解散しています。この時の合併公告は電子公告であったため、官報や日刊新聞には合併公告がされていません。加えて、電子公告はPDFファイルによって行われたので、株主や債権者それぞれに催告は行っていません。

⑵東洋刃物株式会社×熱研工業株式会社

熱研工業は神奈川県川崎市に本店を構え、もともと東洋刃物の100%連結子会社でしたが、2018年10月1日に簡易吸収合併が実施されました。一方、東洋刃物は、宮城県富谷市に本社があり、大正14年設立の歴史ある工業用機械刃物製造販売会社です。

熱研工業は、工業用刃物製品の製造・加工を行っていましたが、2018年2月13日に火災にあい、一時操業を停止していました。その際、復旧にかかる時間や財務状況を考えて、東洋刃物が吸収合併するという結果にに至りました。

この吸収合併は同業種であることから、今後は相乗効果が期待できます。合併公告は電子公告で、PDFファイルによって行われたため、株主や債権者それぞれに催告は行っていません。

まとめ

合併公告の実施は法律で義務付けられているため、「官報への公告」「日刊新聞への公告」「電子公告」のいずれかの方法で行う必要があります。これを怠れば、法務省からの罰則対象になるので、費用が掛かっても実施する必要があるのです。

株式会社は、株主のほか、債権者、関係各社などに対して、経営に与える影響が大きい決定事項を周知する義務があります。近年の法改正によって、電子公告も認められるようになったため、官報や日刊新聞に掲載を依頼する時の費用は節約できるようになりました。今後も電子公告による公告が増加していくと考えられます。

最後に、記事の要点は以下の通りです。

【法定公告とは?】

  • 株式会社などが経営に関する重要な事柄を株主や債権者に周知させるために、官報や日刊新聞などに情報を載せること

【合併公告とは?】

  • M&Aなどによって複数の会社が一つになった時に行う公告のこと

【公告の種類】

  1. 法令で官報掲載と定められているもの
  2. 官報、日刊新聞紙、電子公告のいずれかに掲載するもの

【合併公告の流れ】

  1. 合併実施の決定と締結
  2. 合併公告・通知
  3. 承認決議
  4. 効力発生前に必要な書類の準備と配置
  5. 合併の効力発生
  6. 効力発生後に必要な書類の準備と配置
  7. 合併の登記申請

【決算公告とは?】

  • 会社の設立時に取り決めた定款に従って決算の内容を公告すること
  • 合併公告の時には、「決算公告(最終貸借対照表)」の開示が必須

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