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学習塾における事業売却とは?メリット・デメリットなどを解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

学習塾業界は少子化が進む現状に対して市場規模は伸びてはいるものの、シェア獲得のための競争が激化している業界です。そんな学習塾業界が生き残り、さらなる成長するうえで事業売却は有効的な手法だといえるでしょう。

目次
  1. 学習塾における事業売却とは
  2. 学習塾業界の現状
  3. 学習塾の事業売却におけるメリット・デメリット
  4. 学習塾の事業売却における注意点
  5. 学習塾のM&Aの事例
  6. 学習塾の事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談
  7. まとめ

学習塾における事業売却とは

M&Aは大企業はもちろん、中小企業や零細企業も用いる経営手法であり、業界・業種を問わず様々な会社が行っています。今では経営者にとってM&Aは非常に身近なものであり、いずれ用いることになるものだといっても過言ではありません。

ただ、実際にM&Aを行う際は業界・業種の傾向を知り、手法のメリット・デメリットを踏まえておく必要があります。今回は学習塾業界にスポットライトをあて、そこで行われる事業売却についてお伝えしていきます。

学習塾業界の現状

最初に学習塾業界の現状についてお伝えしていきます。

少子化でも市場規模は微増

一般的なイメージだと学習塾業界は少子化の影響で低迷している印象がありますが、実際はそうではなく、少子化が進む現在でも市場規模は微増しています。その理由は「教育への関心の高まり」が挙げられます。

少子化のため子供の数こそ減っていますが、ゆとり教育の見直しに端を発した学力低下への懸念や中学校受験や高校受験、大学受験への意識の向上などが影響し、教育熱心な保護者は増えています。そのため例え少子化でも学習塾業界へのニーズは減っておらず、むしろ高まっているといえます。

他方で、少子化で子供自体は減っているため、学習塾同士のシェア獲得の競争は激化しています。そして今後も少子化は進行し、人口減少はより顕著になってくるため、学習塾業界の市場はやがて縮小し、競争もより激化していくと考えられています。その際には学習塾業界の業界再編も進行するようになるため、いかに競争に勝ちつつ、業界の変化の中を生き残っていくかが学習塾の最大の課題だといえます。

集団指導と個別指導

学習塾の代表的な授業形態といえば集団指導と個別指導です。

そもそも学習塾は教師一人に対して複数の生徒が指導を受ける集団指導が一般的でしたが、昨今は生徒一人一人の成績や個性に合わせて授業を行う個別指導が人気であり、個別指導を売りにする学習塾も増加傾向にあります。個別指導は教師が生徒の成績を把握しながら丁寧に指導することが可能であるため、成績が悪い生徒や学習習慣のない生徒を抱える保護者に人気があります。

他方で、集団指導に全くニーズがないわけではありません。集団指導は難関合格を目指す生徒やその保護者から人気があり、今でもより質の高い授業を求める生徒や保護者は集団指導を行う学習塾を選ぶ傾向があります。このように集団指導と個別指導は単純に授業形態が異なるだけでなく、いずれの指導方法を選ぶかによって、取り込めるニーズが変わってきます。

多様化する授業形態

学習塾の授業形態は集団指導・個別指導に留まらず、多様化しています。インターネットを利用し、アーカイブから好きな授業を受講できるようなシステムを用いている学習塾もあれば、動画投稿サイトのようにスマートフォンやタブレットでどこでも授業を受講できるようにしている学習塾もあります。すでにこのような学習塾は集団指導・個別指導の枠組みではなく、個々の生徒が自由に勉強に取り組めるようなシステムを提供しています。学習塾の授業形態の多様化は今後も続くと考えられており、より斬新なサービスを提供できる学習塾がシェアの獲得において有利になるといえるでしょう。

他方で、学習塾における新たなサービスの提供はIT技術と密接に関わっており、AIやeラーニングなどといった最先端技術を導入する必要が出てきます。しかし最先端技術は開発はもちろん、それを扱うノウハウを身に付けることも難しいものです。そのため、最先端技術をいかに導入し、使いこなすかが重要な課題になるといえます。

この課題を解決するため、昨今は学習塾が異業種とM&Aを行うケースが増えています。最先端のIT技術に特化している会社と経営統合を行うことにより、求めている技術やノウハウを確実に手に入れ、それらを使いこなせる人材を取り込めるようになるからです。今後も学習塾と異業種とのM&Aによる経営統合は増加していくことになるでしょう。

講師の確保

学習塾を経営するにあたって重要な課題となるのが講師の確保です。

学習塾は正社員でもある専任の講師が授業を行うタイプがある一方で、非正規雇用としてアルバイトの学生を多用する学習塾が大半です。そのため、いかにアルバイトの学生を確保できるかが重要になります。しかしアルバイトの学生は定着率が低く、一定期間しか在籍しないものであるため、安定的に講師を揃えることは決して簡単ではありません。もしアルバイトの学生の確保に失敗し、講師の数が不足してしまうような事態に陥れば授業ができなくなり、生徒を受け入れられなくなります。そうなれば学習塾の経営自体が難しくなるでしょう。

また、アルバイトの学生ばかりに頼ると授業のクオリティが下がったり、生徒や保護者との間に予期せぬトラブルが発生するようになるなど、懸念事項も少なからず生まれます。そのため、アルバイトの学生ばかりに頼らず、学習塾が能力の高い講師をちゃんと用意できるかどうかも重視すべきポイントだといえるでしょう。

学習塾の事業売却におけるメリット・デメリット

学習塾の事業売却にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

学習塾の事業売却のメリット

学習塾の事業売却のメリットは買い手・売り手によって異なります。

買い手のメリット

学習塾の事業売却における買い手のメリットは大きく分けて3つあります。

スケールメリットの享受
日本全国に事業展開にしていく学習塾であれば、進出したいエリアの学習塾を買収し、事業エリアを拡大することでスケールメリットを得られるようになります。そもそも学習塾は生徒数を増やし、その月謝で収益を増やしていく事業であるため、事業エリアを拡大して生徒数を増価させればそのまま増益につながります。さきほどお伝えしたように少子化でシェアが減少している学習塾にとって、事業売却のようなM&Aはまとまった数の生徒を一気に獲得できる効率的な手法だといえるでしょう。

人材の確保
事業売却をしている学習塾を買収すれば、人材の確保も実現できることも買い手が得られるメリットだといえます。事業売却を行っている学習塾に優れた講師がいたり、一定数以上の講師が在籍しているのであれば、そのまま獲得することで不足しがちな講師の数を簡単に補うことができるようになります。

新たなサービスや最先端技術の獲得
事業売却をしている学習塾が独自性の高い新たなサービスを提供していたり、新たなサービスの開発に必要な最先端技術を持つ会社が事業売却を行っていれば、それらを買収するだけでサービスや最先端技術を取り込むことができるようになります。そうすれば新たに開発する手間やコストが省けますし、ノウハウを持ち合わせている人材も手に入れることができるようになるでしょう。

売り手のメリット

売り手の事業売却のメリットは以下のようなものがあります。

経営再建
経営不振に陥っている学習塾であれば、事業売却は経営再建を果たす好機になり得るでしょう。講師の数が足りず、生徒数も減少している学習塾は再建することがなかなか難しいですが、大手の学習塾の傘下に入れば経営基盤を強化できるだけ、新たな経営戦略を実行できるだけの体力を回復させることができます。また、買い手となった学習塾の授業のノウハウやテキストを用いることができるようになれば、授業の質も上げることができるようになります。

事業承継
後継者不在で存続が危ぶまれている学習塾であるなら、事業売却は事業承継を行ううえでも役立ちます。事業売却のようなM&Aなら、第三者に経営を委託することで事業承継を実現できるようになります。

学習塾は多くの生徒を受け入れる施設であると同時に、地域のコミュニティとしても機能し得るものです。そのため、学習塾の廃業は生徒のみならず地域にとっても大きな損失になってしまう可能性があります。そんな学習塾を存続させるうえで事業売却は有効的な手段になるでしょう。また引退する経営者にとっても事業売却は老後の生活資金を獲得できる機会にもなります。

学習塾の事業売却のデメリット

学習塾の事業売却におけるデメリットは手続きの煩雑さです。事業売却は事業譲渡という手法を使って行いますが、これは手続きに手間がかかることが難点です。事業譲渡は契約の範囲内で買い手が承継できるものを選択できる手法ですが、その分買い手と売り手の協議が必要になります。また事業譲渡は雇用契約や取引先との契約などが白紙になってしまうため、これらも締結し直す必要があります。

この際に注意したいのが従業員の流出です。そもそもM&Aは反対する従業員が離職してしまうリスクを孕んでいるものですが、事業譲渡は雇用契約が一度白紙になってしまうため、従業員が離職する可能性が出てきます。もし事業売却に反対する従業員が一気に退職するような事態になれば、せっかくの事業売却が無意味なものになったり、事業の重要な情報が流出してしまうでしょう。実際、従業員の大量離職でM&Aが破談してしまったケースもあり、この点は充分注意しておいた方がいいでしょう。

学習塾の事業売却における注意点

事業売却を行う際、売り手となる学習塾は自社に潜在するリスクには注意しておくようにしましょう。

事業売却に限らず、M&Aにおいて買い手は売り手が持つリスクを嫌うものです。買い手は負債や訴訟の有無はもちろん、従業員の質や業務上の問題など、様々な観点からリスクを精査していきます。この際顕著なリスクが発覚した場合、売却額が低下してしまうだけでなく、事業売却自体やめてしまう恐れもあります。そのため、事業売却を成功させたいなら、自社のリスクを精査し、必要があれば改善するようにしておくことがおすすめです。

また、学習塾の場合、生徒の合格率や講師への評判などといった実績も注目されます。自分の学習塾にアピールできる強みがどれだけあるかも把握しておくことも重要だといえるでしょう。

学習塾のM&Aの事例

ここでは実際にあった学習塾のM&Aの事例についてお伝えします。

明光ネットワークジャパン×ケイ・エム・ジーコーポレーション

2018年に明光義塾を運営する明光ネットワークジャパンはケイ・エム・ジーコーポレーションを買収しました。ケイ・エム・ジーコーポレーションは関西圏で明光義塾を展開するフランチャイジーであり、これを買収することによって明光ネットワークジャパンはグループ内での競争力を向上させ、グループ全体の持続的な成長を図っています。

学習塾の事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談

学習塾が事業売却を行うのであれば、M&A仲介会社のような専門家に相談するようにしましょう。

事業売却に限らず、M&Aは様々なプロセスをこなすだけでなく、税務や財務、法務などといった専門的な知識が必要となる場面もあります。そのため、経営者だけが事業売却を行うことは難しいでしょう。しかしM&A仲介会社のような専門家のサポートを得られれば、事業売却のプロセスが円滑に進むようになるでしょう。またM&Aの知識も経験も豊富な専門家のフォローを受けられれば、事業売却の成功率も引き上がるでしょう。

そもそもM&Aは1年半以上も時間がかかる可能性がある一方で、成功率が3~5割程度だといわれており、必ずしも簡単なものでありません。そのため、M&A仲介会社のような専門家の協力を得ることは事業売却を成功させるうえで必要不可欠だといえます。

最近のM&A仲介会社はリーズナブルな価格で引き受けてくれるだけでなく、中小企業や零細企業のような取引価格が小さいM&Aでも積極的にサポートを引き受けてくれるようになっています。加えて特定の業界・業種のM&Aに特化していたり、様々な業界のM&Aを手掛けてきたM&A仲介会社もあるため、学習塾業界に精通している専門家の協力を得られる可能性があります。そのような業者のサポートを得られれば、M&Aの成功率も引き上がるでしょう。

まとめ

学習塾業界は少子化が進む現状に対して市場規模は伸びてはいるものの、シェア獲得のための競争が激化している業界です。加えて最先端技術を授業に取り入れる学習塾も増えており、新たなサービスを提供できるかどうかも業界で生き残る生命線だといえます。そんな学習塾業界が生き残り、さらなる成長するうえで事業売却は有効的な手法だといえるでしょう。

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