2020年4月12日更新業種別M&A

技術者・エンジニア派遣会社のM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

技術者・エンジニア派遣業界は、業界全体が苦境に立っていることもあり、M&Aが活発に行われて業界再編が加速しています。加えて、最先端技術の登場やニーズの向上、外国人労働者の増加など、経営環境がさまざまな変化の影響を受けています。

目次
  1. 技術者・エンジニア派遣業界とは
  2. 技術者・エンジニア派遣会社のM&Aとは
  3. 技術者・エンジニア派遣業界のM&Aの現状と動向
  4. 技術者・エンジニア派遣会社のM&Aの費用と相場
  5. 技術者・エンジニア派遣会社の買収
  6. 技術者・エンジニア派遣会社の売却
  7. 技術者・エンジニア派遣会社のM&A事例
  8. まとめ
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技術者派遣会社のM&A・事業承継

技術者・エンジニア派遣業界とは

技術者・エンジニア派遣業界は、人材派遣業界の市場のうち、およそ4分の1を占めています。技術者・エンジニア派遣業は、その名のとおり技術者やエンジニアといった特定の技能に長けた人材を派遣する事業です。

人材不足が慢性化

昨今はAIやIoTなどの先進的なIT技術が発展している一方、それらの技術のノウハウを持つ人材が不足しており、IT業界は慢性的な人手不足に陥っています。

そのため、技術者・エンジニア派遣会社のような存在は、IT業界にとって非常に役立つ存在だといえるでしょう。しかし、技術者・エンジニア派遣業界の現状は決して良好ではありません。

確かに最先端技術のノウハウに長けた技術者・エンジニアの存在は希少ですが、現在のIT業界はその人材を海外に求めるオフショア開発などに投資を行っており、国内の人材を取り扱う技術者・エンジニア派遣会社への投資が減っています。

さらに、人材を求める会社が大規模な派遣を求めるようになり、オーダーされた人数に対応できない中小規模の技術者・エンジニア派遣会社が取引先を失うケースも出てきています。そのため、経営環境が悪化する技術者・エンジニア派遣会社は少なくありません。

競争が激化

おまけに技術者・エンジニア派遣業界は特別な免許や許認可が必要ないため、参入障壁が低くなっています。それもあって多くの中小規模の技術者・エンジニア派遣会社が業界内で乱立し、業界全体の逆風に反比例して競争が激化しています。

ただでさえ経営環境が悪化しているうえにシェアの奪い合いが発生しているため、競争力で劣る中小規模の技術者・エンジニア派遣会社はますます困窮した状態になっていくでしょう。

技術者・エンジニア派遣会社のM&Aとは

現状を打開すべく、M&Aを行う中小規模の技術者・エンジニア派遣会社が増加しています。単純に事業規模を拡大すれば取引先から選ばれる可能性が高まります。

さらに、M&Aを利用して海外進出を行えば、人件費の安い海外の人材を派遣できるようになります。技術者・エンジニア派遣業界は厳しい状況にありますが、M&Aを経営戦略に取り入れる会社が増加すれば徐々に変化していく可能性が生まれるでしょう。

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技術者・エンジニア派遣業界のM&Aの現状と動向

技術者・エンジニア派遣会社は参入障壁が低いのもあり、中小規模の技術者・エンジニア派遣会社が乱立している状態が続いています。

ただ、2008年のリーマンショック以降は経営状態を維持できなくなった中小規模の技術者・エンジニア派遣会社を中心にM&Aが活発化しました。

そのため、現在の技術者・エンジニア派遣業界は業界再編のタームに入っており、業界全体の勢力図の変化が加速しています。とりわけ大手の技術者・エンジニア派遣会社を中心に同業者同士のM&Aが積極的に実施され、その規模を拡大しています。

やがて、市場のシェアの大半を握る大手の技術者・エンジニア派遣会社と中小規模の技術者・エンジニア派遣会社の格差がどんどん大きくなっていくでしょう。

ただ、技術者・エンジニア派遣業界のM&A市場は人手不足の影響もあり、買収しようにも売り手が見つからないケースが少なくありません。そのため、M&Aをしようと思っても想定以上に時間がかかってしまうことがあります。

また、日本は外国人労働者を受け入れるようになりつつあるため、外国人労働者が増加するにあたって、技術者・エンジニア派遣業界の勢力図は変わっていくでしょう。

技術者・エンジニア派遣会社のM&Aの費用と相場

技術者派遣会社のM&A・事業承継
技術者派遣会社のM&A・事業承継

技術者・エンジニア派遣会社に限らず、M&Aの取引価格は会社の規模に左右されるため、決まった金額の相場はありません

技術者・エンジニア派遣会社の場合、中小規模であれば数千万円から数十億円、大手であれば数百億円以上の取引価格です。

ただ、技術者・エンジニア派遣業界は中小規模の会社が依然多いため、数億円前後の費用がかかるという認識を持っておけばいいでしょう。

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M&Aの相場

技術者・エンジニア派遣会社の買収

ここでは、技術者・エンジニア派遣会社の買収目的について解説します。

①事業規模の拡大

技術者・エンジニア派遣会社において、事業規模の拡大は非常に重要です。取引先はまとまった人数の技術者・エンジニアを求めるようになっているため、常に大勢の技術者・エンジニアを派遣できる体制を保っておくことが重要です。

また、最先端技術のノウハウに長けている人材をいかに早く、多く確保できるかも技術者・エンジニア派遣業界での生き残りを左右します。

さらに、派遣する技術者・エンジニアの質を向上させるために、他社の研修や育成のノウハウを取り入れる技術者・エンジニア派遣会社も多くあります。

M&Aを実行すれば、買収した技術者・エンジニア派遣会社が持つ人材や顧客、取引先などを引き継げるため、スピーディーに事業規模の拡大を実現できます。

また、経営環境が悪化し、競争が激化している技術者・エンジニア派遣業界で生き残るには、会社としての体力をつけておいた方がいいでしょう。

②事業の多角化

近年は、M&Aによって事業の多角化を行う技術者・エンジニア派遣会社も増えています。技術者・エンジニア派遣のみならず、別の職種の人材派遣事業やIT機器のレンタル事業など、さまざまな事業を実践すれば収益源を多角化できます。

新事業をゼロから立ち上げると、ノウハウや施設、従業員の導入が必要になりますが、M&Aであれば時間やコストをかけずに新事業を展開できるようになります。

また、買収した会社の顧客や取引先なども引き継げるため、早い段階から利益を得られるようになるでしょう。

③海外の人材確保

さまざまな業界では海外の人材を確保するオフショア開発に投資を行っており、国内だけにこだわっていると競争で負ける可能性が出てきます。そのため、技術者・エンジニア派遣会社にとって海外の人材をいかに確保できるかも重要な課題です。

しかし、技術者・エンジニア派遣会社が単体で海外の人材を確保することは容易ではなく、時間もコストもかかります。それでも、M&Aによって海外の技術者・エンジニア派遣会社を買収すれば海外の人材を確保できます

また、日本語教育などの研修・育成のノウハウも手に入るため、外国人労働者の人材派遣業をさらに強化できます。

人件費が低い外国人の技術者・エンジニアを派遣すれば、技術者・エンジニア派遣業界での競争で優位に立てるでしょう。

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人材派遣・紹介会社のM&Aにおける売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

技術者・エンジニア派遣会社の売却

続いては、技術者・エンジニア派遣会社の売却目的について解説します。

①事業規模の拡大

買い手だけでなく売り手にも、M&Aによる事業規模の拡大は大きなメリットです。昨今、まとまった人数の技術者・エンジニアの派遣を望む取引先は、あらかじめ技術者・エンジニア派遣会社を選別するようになっています。

事業規模の都合で派遣できる技術者・エンジニアが限られている会社は、すぐに選択肢から除外されてしまう恐れがあります。つまり、事業規模が小さいと、それだけでビジネスチャンスを逃してしまう事態になりかねないわけです。

そのため、大手に買収されることで事業規模を拡大しようとする中小規模の技術者・エンジニア派遣会社は増加しています。また、経営状態が悪化している中小規模の技術者・エンジニア派遣会社は大手の資本の傘下に入り、経営基盤を強化することもできます。

②事業承継の実現

中小規模の技術者・エンジニア派遣会社であれば、事業承継問題を抱えているケースも少なくありません。技術者・エンジニア派遣会社に限らず、最近の中小企業は後継者不在の問題を抱えている会社が増加しています。

高齢化した経営者が引退すれば、たとえ業績が黒字でも廃業せざるを得なくなる状況に陥っています。そんな状況を改善する手段となり得るのがM&Aです。

M&Aであれば買収されることで経営権を第三者に委託できるため、後継者不在の会社でも経営が存続できる可能性が引き上がります。そうすれば事業を存続できるのはもちろん、従業員の雇用を守れます。

また、売却益も手に入るため、ハッピーリタイアメントを考えている経営者であれば、老後の資金を確保できるようにもなるでしょう。

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技術者・エンジニア派遣会社のM&A事例

ここまでは技術者・エンジニア派遣業界におけるM&Aの現状や動向などについて解説しました。次は技術者・エンジニア派遣会社のM&A事例を3つ紹介します。

①夢真ホールディングス×ネプラス

建築関係の技術者派遣を行っている夢真ホールディングスは、2018年に技術者・エンジニア派遣会社のネプラスを買収しています。

ネプラスはIT関連の技術者・エンジニアの派遣事業やIT機器のレンタル事業などを行っており、同社を買収することで夢真ホールディングスは派遣職種や事業の多角化を実現しています。

この事例は、技術者・エンジニア派遣会社がM&Aを通じて事業の多角化を行おうとしていることを示す好例だといえるでしょう。

また、夢真ホールディングスは同年にフィリピンのIT関連の技術者・エンジニア派遣会社であるCenturion Capital Pacific Limitedを買収し、外国人労働者の人材派遣業の強化も図っています。

②スリープログループ×ヒューマンウェア

ITを中心に技術者・エンジニア派遣業を展開しているスリープログループは、2016年に同業者であるヒューマンウェアを買収しています。

スリープログループは、IoTや自動車の自動運転技術のような最先端技術への対応や慢性的に不足している技術者・エンジニアの確保を行うために、このM&Aを実行しています。

このように、同業者同士がM&Aを行うことにより、不足している技術者・エンジニアを確保する技術者・エンジニア派遣会社は増加しています。

また、関東圏を中心に事業を展開しているスリープログループは近畿圏で事業を展開しているヒューマンウェアを買収することにより、顧客の拡大にも成功しています。このように、他の地域会社を買収するM&Aを行えば、事業を展開している地域を拡大できるようにもなります。

③トラスト・テック×カナモトエンジニアリング

技術者・エンジニア派遣会社のトラスト・テックは、2015年にカナモトエンジニアリングを買収しています。

同業者であるカナモトエンジニアリングを買収することにより、トラスト・テックは互いのノウハウを共有することで派遣する人材の質や、顧客へのサービス向上を実現しています。

これも技術者・エンジニア派遣業界での競争に勝つことを目的としたM&Aだといえます。

まとめ

技術者・エンジニア派遣業界は、業界全体が苦境に立っているのもあり、M&Aが活発に行われており、業界再編が加速しています。

加えて技術者・エンジニア派遣業界は最先端技術の登場やニーズの向上、外国人労働者の増加など、経営環境がさまざまな変化の影響を受けています。M&Aや経営環境の変化により、技術者・エンジニア派遣業界の勢力図が大きく変わる可能性は高いでしょう。

今回の記事をまとめると以下のようになります。

・技術者・エンジニア派遣業界とは
→人材派遣業界の市場のうち、およそ4分の1を占めており、業界全体の逆風に反比例して競争が激化

・技術者・エンジニア派遣会社のM&A
→厳しい状況にあるが、M&Aを経営戦略に取り入れる会社がさらに増加すれば、徐々に変化していく可能性あり

・技術者・エンジニア派遣会社のM&Aの現状と動向
→参入障壁が低いことから、中小規模の技術者・エンジニア派遣会社が乱立している状態

・技術者・エンジニア派遣会社のM&Aの相場と費用
→中小規模であれば数千万円から数十億円、大手の会社であれば数百億円以上の取引価格

・技術者・エンジニア派遣会社の買収
→事業規模の拡大、事業の多角化、海外の人材確保

・技術者・エンジニア派遣会社の売却
→事業規模の拡大、事業承継の実現

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