技術者・エンジニア派遣会社のM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

技術者・エンジニア派遣業界は、業界全体が苦境に立っているのもあり、M&Aが活発に行われ、業界再編が加速しています。 加えて、最先端の技術の登場やニーズの向上、外国人労働者の増加など経営環境の様々な変化の影響を受けています。

業種別M&A

2020年4月8日更新

目次
  1. 技術者・エンジニア派遣業界とは
  2. 技術者・エンジニア派遣会社のM&Aとは
  3. 技術者・エンジニア派遣業界のM&Aの現状と動向
  4. 技術者・エンジニア派遣会社のM&Aの費用と相場
  5. 技術者・エンジニア派遣会社の買収とは?買う・買いたい場合
  6. 技術者・エンジニア派遣会社の売却とは?売る・売りたい場合
  7. 技術者・エンジニア派遣会社のM&A事例
  8. まとめ

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技術者派遣会社のM&A・事業承継

技術者・エンジニア派遣業界とは

技術者・エンジニア派遣業界は、人材派遣業界の市場のうち、およそ4分の1を占めています。技術者・エンジニア派遣業は、その名の通り技術者やエンジニアといった特定の技能に長けた人材を派遣する事業です。

昨今はAIやIoTなどといった先進的なIT技術が発展している一方、それらの技術のノウハウを持つ人材が不足しており、IT業界は慢性的な人手不足に陥っています。

そのため、技術者・エンジニア派遣会社のような存在は、IT業界にとって非常に役立つ存在だといえるでしょう。しかし、技術者・エンジニア派遣業界の現状は決して良好ではありません。

確かに最先端の技術のノウハウに長けた技術者・エンジニアの存在は希少ですが、現在のIT業界はその人材を海外に求めるオフショア開発などに投資を行っており、国内の人材を取り扱う技術者・エンジニア派遣会社への投資が減っています。

さらに、人材を求める会社が大規模なまとまった人数での派遣を求めるようになっており、オーダーされた人数に対応できない中小規模の技術者・エンジニア派遣会社が取引先を失うケースも出てきています。

そのため経営環境が悪化する技術者・エンジニア派遣会社は少なくありません。おまけに技術者・エンジニア派遣業界は特別な免許や許認可が必要ないため、参入障壁が低くなっています。

それもあって多くの中小規模の技術者・エンジニア派遣会社が業界内で乱立している状態であり、業界全体の逆風に反比例して競争が激化しています。

ただでさえ経営環境が悪化しているうえにシェアの奪い合いが発生しているため、競争力で劣る中小規模の技術者・エンジニア派遣会社はますます困窮した状態になっていくでしょう。

技術者・エンジニア派遣会社のM&Aとは

ただ、現状を打開すべく、M&Aを行う中小規模の技術者・エンジニア派遣会社が増加しています。単純に事業規模を拡大すれば、それだけ取引先から選ばれる技術者・エンジニア派遣会社になることができます。

さらに、M&Aを利用して海外進出を行えば、人件費の安い海外の人材を派遣できるようになります。技術者・エンジニア派遣業界は厳しい状況にありますが、M&Aを経営戦略に取り入れる会社がさらに増加すれば、徐々に変化していく可能性が生まれるでしょう。

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M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!

技術者・エンジニア派遣業界のM&Aの現状と動向

前述したように、技術者・エンジニア派遣会社は参入障壁が低いのもあり、中小規模の技術者・エンジニア派遣会社が乱立している状態が続いています

ただ、2008年のリーマンショック以降は経営状態を維持できなくなった中小規模の技術者・エンジニア派遣会社を中心にM&Aが活発に行われるようになりました。

そのため、現在の技術者・エンジニア派遣業界は業界再編のタームに入っており、業界全体の勢力図の変化が加速しています。とりわけ大手の技術者・エンジニア派遣会社を中心に同業者同士のM&Aは積極的に行われており、その規模を拡大しています

やがては市場のシェアの大半を握る大手の技術者・エンジニア派遣会社とその他の中小規模の技術者・エンジニア派遣会社の格差がどんどん大きくなっていくでしょう。

ただ、技術者・エンジニア派遣業界のM&A市場は人手不足の影響もあり、売り手市場であり、買収しようにも売り手が見つからないケースが少なくありません。そのため、M&Aをしようと思っても想定以上に時間がかかってしまうことがあります。

また日本は外国人労働者をどんどん受け入れるようになりつつあるため、外国人労働者が増加するにあたって、また技術者・エンジニア派遣業界の勢力図は変わっていくでしょう。

技術者・エンジニア派遣会社のM&Aの費用と相場

技術者派遣会社のM&A・事業承継
技術者派遣会社のM&A・事業承継

技術者・エンジニア派遣会社に限らず、M&Aの取引価格は会社の規模に左右されるため、決まった金額の相場はありません

技術者・エンジニア派遣会社の場合、中小規模であれば数千万円から数十億円、大手の会社であれば数百億円以上の取引価格になるため、それだけの費用が発生することは念頭に置くのが賢明です。

ただ、技術者・エンジニア派遣業界は中小規模の会社が依然多いため、それらのような会社とのM&Aであれば数億円前後の費用がかかるという認識は持っておけばいいでしょう。

技術者・エンジニア派遣会社の買収とは?買う・買いたい場合

事業規模の拡大

技術者・エンジニア派遣会社において、事業規模の拡大は非常に重要です。 さきほどお伝えしたように、取引先はまとまった人数を技術者・エンジニアを求めるようになっているため、常に大勢の技術者・エンジニアを派遣できる体制を保っておくことが重要です。 加えて最先端の技術のノウハウに長けている人材をいかに早く、多く確保できるかも技術者・エンジニア派遣業界での生き残りを左右します。 さらに派遣する技術者・エンジニアの質を向上させるために、他の会社の研修や育成のノウハウを取り入れる技術者・エンジニア派遣会社も多くあります。 M&Aであれば買収した技術者・エンジニア派遣会社が持つ人材や顧客、取引先などを引き継げるため、スピーディーに事業規模の拡大を実現できるようになります。 また、経営環境が悪化し、競争が激化している技術者・エンジニア派遣業界で生き残るには、会社としての体力をつけておいた方がいいでしょう。

事業の多角化

近年はM&Aによって事業の多角化を行う技術者・エンジニア派遣会社も増えています。 技術者・エンジニア派遣のみならず、別の職種の人材派遣事業やIT機器のレンタル事業など様々な事業を実践できるようになれば収益源を多角化できるようになります。 新事業をゼロから立ち上げるとなると、ノウハウや施設、従業員の導入が必要になりますが、M&Aであれば時間やコストをかけずに新事業を展開できるようになります。 また、買収した会社の顧客や取引先なども引き継げるため、早い段階から利益を得られるようになるでしょう。

海外の人材の確保

様々な業界では海外の人材を確保するオフショア開発に投資を行っており、国内だけにこだわっていると競争で負ける可能性が出てきます。 そのため、技術者・エンジニア派遣会社にとって海外の人材をいかに確保できるかも重要な課題となってきます。 しかし技術者・エンジニア派遣会社が単体で海外の人材を確保することは容易ではなく、時間もコストもかかります。 それでもM&Aを行い、海外の技術者・エンジニア派遣会社を買収すれば、海外の人材を確保できるようになります。 また、日本語教育などといった研修・育成のノウハウも手に入るため、外国人労働者の人材派遣業をさらに強化できるようになります。 人件費が低い外国人の技術者・エンジニアを派遣できるようになれば、技術者・エンジニア派遣業界での競争で優位に立てるようになるでしょう。

技術者・エンジニア派遣会社の売却とは?売る・売りたい場合

事業規模の拡大

買い手だけでなく、売り手にとってもM&Aによる事業規模の拡大は大きなメリットです。 昨今、まとまった人数の技術者・エンジニアの派遣を望む取引先はあらかじめ技術者・エンジニア派遣会社を選別するようになっており、事業規模の都合で派遣できる技術者・エンジニアが限られているような会社はすぐに選択肢から除外されてしまう恐れがあります。 いってしまえば事業規模が小さいと、それだけでビジネスチャンスを逃してしまう事態になりかねないわけです。 そのため、大手に買収されることで事業規模を拡大しようとする中小規模の技術者・エンジニア派遣会社は増加しています。 また、経営状態が悪化している中小規模の技術者・エンジニア派遣会社は売却されることで大手の資本の傘下に入り、経営基盤を強化することもできます。

事業承継の実現

中小規模の技術者・エンジニア派遣会社であれば、事業承継問題を抱えているケースも少なくありません。 技術者・エンジニア派遣会社に限らず、最近の日本の中小企業は後継者不在の問題を抱えている会社が増加しており、高齢化した経営者が引退すればたとえ業績が黒字でも廃業せざるを得なくなる状況に陥っています。 しかし、そんな状況を改善する手段となるのがM&Aです。 M&Aであれば買収されることで経営権を第三者に委託できるようになるため、後継者不在の会社でも経営が存続できる可能性が引き上がります。 そうすれば事業を存続できるのはもちろん、従業員の雇用を守ることもできるようになります。 また、売却益も手に入るため、ハッピーリタイアメントを考えている経営者であれば、老後の資金を確保できるようにもなるでしょう。

技術者・エンジニア派遣会社のM&A事例

夢真ホールディングス×ネプラス

建築関係の技術者の派遣を行っている夢真ホールディングスは2018年に技術者・エンジニア派遣会社のネプラスを買収しています。 ネプラスはIT関連の技術者・エンジニアの派遣事業やIT機器のレンタル事業などを行っており、同社を買収することで夢真ホールディングスは派遣職種や事業の多角化を実現しています。 この事例は技術者・エンジニア派遣会社がM&Aを通じて事業の多角化を行おうとしていることを示す好例だといえるでしょう。 また、夢真ホールディングスは同年にフィリピンのIT関連の技術者・エンジニア派遣会社であるCenturion Capital Pacific Limitedを買収し、外国人労働者の人材派遣業の強化も図っています。

スリープログループ×ヒューマンウェア

ITを中心に技術者・エンジニア派遣業を添加しているスリープログループは2016年に同業者であるヒューマンウェアを買収しています。 スリープログループはIoTや自動車の自動運転技術のような最先端技術への対応や慢性的に不足している技術者・エンジニアの確保を行うために、このM&Aを実行しています。 このように同業者同士がM&Aを行うことにより、不足している技術者・エンジニアを確保するM&Aを実行する技術者・エンジニア派遣会社は増加しています。 また、関東圏を中心に事業を展開しているスリープログループは近畿圏で事業を展開しているヒューマンウェアを買収することにより、顧客の拡大にも成功しています。 このように、他の地域の会社を買収するM&Aを行えば、事業を展開している地域を拡大できるようにもなります。

トラスト・テック×カナモトエンジニアリング

技術者・エンジニア派遣会社のトラスト・テックは2015年にカナモトエンジニアリングを買収しています。 同業者であるカナモトエンジニアリングを買収することにより、トラスト・テックは互いのノウハウを共有することで派遣する人材の質や、顧客へのサービス向上を実現しています。 これも技術者・エンジニア派遣業界での競争に勝つことを目的とした事業規模の拡大を実現するためのM&Aだといえます。

まとめ

技術者・エンジニア派遣業界は業界全体が苦境に立っているのもあって、M&Aが活発に行われており、業界再編が加速しています。 加えて技術者・エンジニア派遣業界は最先端の技術の登場やニーズの向上、外国人労働者の増加など経営環境の様々な変化の影響を受けています。 M&Aや経営環境の変化により、技術者・エンジニア派遣業界の勢力図が大きく変わる可能性は高いでしょう。

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