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有利発行とは?意味や非上場会社/M&Aでの活用、税務を解説

有利発行とは?意味や非上場会社/M&Aでの活用、税務を解説

目次

    有利発行

    有利発行という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

    有利発行や第三者割当増資や新株発行の際に行われることであり、これらのプロセスをより良く進められるようになります。

    しかし有利発行は他の株主の利益を損なう恐れがあり、安易に利用できるものではありません。

    その仕組みをよく知らなければかえって不利益を被ってしまうリスクもあります。

    今回はそんな有利発行の意味や税務などについてお伝えしていきます。

    有利発行とは何か?その意味について

    まずは有利発行の意味についておさらいしていきます。

    有利発行とは第三者割当増資や新株発行(新株予約権/ストックオプション)の際に行われる行為であり、乖離幅10%を目安とした社会通念上妥当な価格以下で付与すること(無償で付与することも)を指します。

    いうなれば有利発行は第三者割当増資や新株発行を発行する際に株式の価格を株主以外の第三者にとって有利な価格にするというものです。

    「株式の安売り」と捉えて頂いた方がわかりやすいでしょう。

    有利発行は経営陣の判断で勝手に実行できるものではありません。

    有利発行は割安で株式を発行する行為であり、行うと株式の希薄化を招きます。

    そうなれば他の株主が損失を被るなど不利益が発生する恐れがあります。

    そのため有利発行を行う際には株主総会を開催し、有利発行を行う理由を説明したうえで特別決議を得る必要があります。

    もし特別決議を行わず、株主の意向を無視して有利発行を行った場合、株主の反発を受けるだけでなく、発行差し止めを請求されることがあります。

    実際に第三者割当増資や新株発行で有利発行を行う際には、株主の意向を尊重し、ちゃんと株主総会の特別決議を通じて承諾を得るようにしておきましょう。

    有利発行の税務

    ここでは有利発行の税務についてお伝えしていきます。

    一般的に増資を行う際には課税は生じないため、あまり税務を意識することはありませんが、第三者割当増資、とりわけ有利発行を用いて行う第三者割当増資の税務に関しては注意をしておかなければなりません。

    有利発行を行った既存の株主の株式価値が新しい株主へ移転した際、新しい株主か法人か個人か、またその個人の立ち位置によって以下のような税金が発生します。

    • 法人:有利発行によって発生した受贈益に対して法人税が発生。
    • 個人:有利発行によって発生した給与所得、退職所得、一時所得に対して所得税が発生。
    • 個人(親族):親族に有利発行を行った場合は贈与税が発生。

    この際、注意しておきたいのが有利発行による第三者割当増資や新株の割当の際に課税です。

    有利発行を用いて第三者割当増資や新株の割当を行う際、その増資の効果が有利発行を行った以前の状態の経済価値が発生すると考えた場合に、それと同じ額の税金が課せられることがあります。

    その点は留意しておいた方がいいでしょう。

    有利発行と第三者割当増資による新株発行

    ここでは有利発行と第三者割当増資による新株発行についてお伝えします。

    まずは第三者割当増資の意味についてお伝えします。

    第三者割当増資は資金調達の方法の一つであり、特定の第三者に向けて新株、あるいは会社が処分する自社株式を発行するという手法です。

    第三者割当増資の対象となる第三者は既存の株主の場合もあれば、既存の株主と関係がない第三者でも問題ありません。

    ただ、新株を発行する対象は取引先の法人や取引がある金融機関、自分の会社の役職員などといった縁故者であることが多いため、第三者割当増資は縁故募集とも呼ばれます。

    その際、取引先、取引金融機関、自社の役職員などの縁故者にこの権利を与えて発行することが多く、縁故募集ともいいます。第三者割当増資は、業務提携の相手先や、取引先との関係安定化を図るときや、経営悪化で株価が低く通常の増資ができないときなどに多く使われます。

    第三者割当増資は新株などを特定の対象に発行することで取引先や業務提携を行っている企業との連携を強化したり、経営が悪化してしまったために株価が低下した状態で増資を行う際に活用されます。

    また第三者割当増資は未上場の会社で多く使われるケースが多いです。

    上場している会社であれば公募増資という形で新株発行を行えますが、市場に株式を公開させていない未上場会社の場合は第三者割当増資の方が有効的な手段だといえます。

    また詳細は後述しますが、第三者割当増資はM&Aで用いられることがあります。

    企業買収の際、買収の対象の会社の運転資金が不足しているようであれば第三者割当増資を行って資金を増やし、そのうえで同時に買収を行うという方法です。

    この方法であれば第三者割当増資によって会社の財務基盤を強化できるうえに有利発行を行えば株式を取得するコストを減らすこともできます。

    第三者割当増資によって財務基盤を強化することができれば、その会社は経営を安定化させられるだけでなく、新たな事業を実行するだけの余力を持つことが可能になります。

    何よりM&Aを通じて得られるシナジー効果が最大限発揮しやすくなるでしょう。

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    非上場会社の株価算定方法と有利発行

    ここでは非上場会社の株価算定方法と有利発行についてお伝えします。

    有利発行が行われることが多い第三者割当増資は未上場の会社で多用されるものです。

    しかし未上場会社で第三者割当増資を行う際にネックになりやすいのが株価です。

    未上場会社は市場に株式を公開していないため、市場価格を参照して株価を算定することができません。

    そのため株価の算定から始める必要があります。

    株価の算定は素人では簡単にできるものではなく、会社を多角的に分析したうえで行う必要があります(俗にいうバリエーションというものです)。

    また株価の算定には大きく分けて3つの方法があり、それぞれを会社の実情に合わせて使用していきます。

    3つの株価の算定方法はそれぞれ以下の通りです。

    ①マーケットアプローチ

    マーケットアプローチは実際にあった類似会社の取引の取引や一定期間の株価を参照して自分の会社の株価を算定するという方法です。

    マーケットアプローチに該当するものとしては市場株価法や類似会社比較法(マルチプル法)、類似取引比較法などといったものがあります。

    いずれも自分の会社に類似した会社の取引や株価を参照していくものであり、いうなれば自分の会社に近しいデータで検討していくものです。

    そのためマーケットアプローチは客観性の高い株価を算定していくことができます。

    一方でマーケットアプローチは良くも悪くも自分の会社と類似している会社や取引があることが前提となります。

    そもそも財務状況や業種などを踏まえて自分の会社と類似した会社を見つけることは簡単ではなく、全くサンプルが見つけられない可能性は少なくありません。

    もしサンプルとなる会社が見つからなければマーケットアプローチは成立しなくなってしまいます。

    また市場株価法のように市場の株価を参照する際にも注意が必要です。

    市場での株価は短期的に変動することがあり、それがいつ発生することがあるか予測することは難しいものです。

    また株価の変動は業績の向上・低下が原因であるとは限らず、国際情勢や景気の変化に左右されることも珍しくありません。

    そのため参照すべき適切な株価になっていない可能性もあります。

    さらにマーケットアプローチの中にはM&Aに使えない手法もあるなど、使えるシチュエーションが限られていることにも注意が必要です。

    ②インカムアプローチ

    インカムアプローチは株価算定方法の中でも最も多用されるものです。

    インカムアプローチはDCF法やAPV法、ECF法、収益還元法、配当還元法といったものがあります。

    最大の特徴は対象の会社の将来的な収益性やキャッシュフローに注目し、それをベースにして株価算定を行う点です。

    つまり対象の会社がどれだけ成長できるかを加味したうえで株価算定を行うことができます。

    DCF法やAPV法、ECF法といったものは株価算定でよく使用されるものであり、対象の会社が設備投資や事業投資などを行った場合の将来性や成長性を株価に反映させることができます。

    しかしインカムアプローチにも難点はあります。

    インカムアプローチは将来的な収益性やキャッシュフローを評価しつつ、発生し得るリスクを差し引くことで対象の会社を評価し、株価を算定していきます。

    ただ株価算定の際に用いられるものはいずれも未来の事柄であり、不確実性があることは否定できません。

    未来のことを主観的に判断したうえで算定しているわけです。

    そのためインカムアプローチは株価算定を行う会社の恣意性に左右されることが多く、下手すれば会社の実情からかけ離れた結果が出てしまう恐れもあります。

    このような事態を避けるにはインカムアプローチをなるべく第三者の手で行うことがおすすめです。

    ③コストアプローチ

    コストアプローチは対象となる会社の総資産に注目することによって株価算定を行うという方法です。

    コストアプローチに該当する手法として簿価純資産法や時価純資産法、修正簿価純資産法といったものが挙げられます。

    いずれも対象の会社の総資産を簿価(帳簿上の価額)、時価のいずれかで評価し、それをベースにして株価算定をしていくというものです。

    コストアプローチはいってしまえば純資産を調査し、簿価が時価で評価すれば完結するため、専門家の特別な協力も不要です。

    短時間で株価算定が終了するため、余計な手間やコストをかけずにできることがコストアプローチの最大の長所だといえるでしょう。

    しかしコストアプローチはあまり株価算定に用いられることが少ない方法です。

    コストアプローチは対象の会社にある現状の総資産のみを用いて評価するため、その会社の将来性や成長性を加味することはできません。

    その会社が将来的に事業を継続していることを前提に置いていないからです。

    コストアプローチは会社が清算・解散するような、会社が存続しないシチュエーションで使用されることが多いです。

    株価算定でも使われることはありますが、コストアプローチ単体だけで算定するケースはほとんどありません。

    有利発行とM&A

    ここでは有利発行とM&Aについてお伝えしていきます。

    M&Aでは第三者割当増資が組み合わされることがありますが、その際に有利発行が行われることもあります。

    有利発行を行えば新株の発行や自分の会社の株式の発行で発生するコストを減らして第三者割当増資を行うことが可能になります。

    第三者割当増資をM&Aに組み合わせる場合、有利発行を行えばよりスムーズにプロセスを進められるようになるでしょう。

    しかし第三者割当増資を行う際にはいくつかの注意点を考慮する必要があります。

    まず第三者割当増資をM&Aに組み合わせる場合、株式を100%取得して対象の会社を完全子会社化することができなくなります。

    あくまで株式の過半数を取得して経営権を獲得する程度が限度になります。

    また、冒頭でもお伝えしたことですが、有利発行を行った第三者割当増資は株式の希薄化を招き、他の株主の不利益を生み出してしまう恐れがあります。

    何より有利発行を行って発行した新株を獲得した新しい株主と既存の株主の間に不公平感を生み出してしまうことにもつながります。

    有利発行を行う際には、どのような株価に設定するかには十分注意しておきましょう。

    株式会社は株主の権利や利益を保護しなければならず、それらを侵害するような設定で有利発行を行うとかえって株主の反発を招くことにつながります。

    税務の面も含め、有利発行を行う際には株主への影響になるべく配慮した方がいいでしょう。

    まとめ

    有利発行は第三者割当増資などを円滑に進めるうえで有効的な手段だといえます。

    M&Aを行う際に第三者割当増資を行うケースであれば、有利発行を行うことでより確実に経営統合を成立させ、シナジー効果が得られる可能性を高めてくれるでしょう。

    しかし有利発行は株主の不利益を招くリスクを孕んでおり、経営陣の都合を優先して行うと逆効果になってしまう恐れがあります。

    有利発行を行う際には株主への影響を最大限考慮して行うようにするべきでしょう。

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