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東芝の事業売却一覧とは?メリット・デメリットをご紹介

東芝の事業売却一覧とは?メリット・デメリットをご紹介

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    東芝の事業売却

    事業売却とは?メリット・デメリット

    事業売却とは、会社の事業の全部または一部を他の会社に売却することです。会社の事業を第三者に売却(譲渡)することを意味し、事業譲渡とも言われます。

    事業売却(事業譲渡)は、会社の事業の全部または一部が移転することに特徴があります。株式譲渡のように、その会社の株式が移転するわけではありません。事業売却によって事業が移転しても、売却側の会社の株式は動かないことになります。

    一方で、事業売却においては、子会社の株式が譲渡されることはあります。わかりやすい例として、東芝の事業売却が挙げられます。詳しくは後述しますが、東芝の白物家電事業や半導体メモリ事業、パソコン事業といった事業の売却は、子会社の株式の譲渡によって行われています。このような事例も、一般的には事業売却と呼ばれます。

    事業売却のメリット

    事業売却により、売り手側は売却益を得ることになります。この売却益を経営再建に活用できます。

    また、事業売却は、特定の事業だけを売却することができます。

    残しておきたい事業は残し、引き続き経営を進めることが可能です。これは、経営の効率化につながります。例えば不採算事業を売却することで、収益の向上や効率的な経営を図るといったケースです。

    ある事業が好調でも、他の事業が不調の場合、好調な事業に影響を及ぼすおそれがあります。例えば、業績不振の事業に多くの資金が投入されれば、好調な事業に十分な資金を活用することができません。

    せっかく好調だった事業が業績不振に陥る原因となります。

    このようなケースで、不調な事業を他の会社に売却することで、買収側の会社に経営を任せることが可能です。そして、自社では、好調な事業に注力して経営を効率化することができます。

    また、債権者保護手続きも不要になります。債権者への通知・公告といった手続きを経ることなく、売却を進めることができます。

    事業売却のデメリット

    債権者保護手続きは不要ですが、株主総会の特別決議のほか、資産や負債などの個別の移転手続きも必要になります。手続きが複雑化すれば、時間と手間がかかってしまいます。特に負債の移転などは、その取り扱いが難しくなります。

    また、事業売却は事業の一部を売却することができますが、逆に言えば、買い手側は資産や負債を選んで買収できることになります。負債を抱えている事業の場合、買い手側も慎重になります。そのため、交渉が難航するおそれもあります。

    さらに、売却益に対しては税金がかかるため、税負担が重くなることもデメリットとして挙げられます。

    このようなデメリットも踏まえ、事業売却の手法を検討する必要があります。

    東芝の事業売却一覧

    東芝の主な事業売却について、詳しく整理してみましょう。子会社の株式の譲渡により、事業を売却した事例となります。それぞれの事例ごとに概要をご紹介します。

    ・東芝ライフスタイルの売却

    2016年6月、東芝は連結子会社である東芝ライフスタイルの株式の80.1%を、中国家電大手のマイディアグループに譲渡しました。売却額は約514億円で、持ち株比率はマイディア80.1%、東芝19.9%となります。

    東芝ライフスタイルは冷蔵庫、洗濯機、エアコン、掃除機といった白物家電の製造・販売と、液晶テレビなどの映像事業を行っています。このうち白物家電事業がマイディアグループに売却され、映像事業は東芝の子会社である東芝映像ソリューションに承継されました。

    東芝は、電気洗濯機などの家電製品を昭和初期にすでに開発しており、白物家電事業は長い歴史があります。

    1930年に日本初の電気洗濯機、電気冷蔵庫を開発、1931年には日本初の電気掃除機を発売しています。東芝ライフスタイルの売却は、伝統のある白物家電事業を売却する形となりました。

    ・東芝メディカルシステムズの売却

    2016年3月、東芝は連結子会社である東芝メディカルシステムズの全株式をキャノンに譲渡しました。2016年12月、クリアランス取得が完了し、キャノンが東芝メディカルシステムズを子会社化しました。

    キャノンにとっては過去最大の買収案件となり、買収額は6655億円です。また、東芝メディカルシステムズは、2018年1月4日にキャノンメディカルシステムズに社名変更されています。

    東芝メディカルシステムズの売却により、東芝は医療機器事業を売却することとなりました。

    東芝メディカルシステムズ(現キャノンメディカルシステムズ)の歴史は長く、特に画像診断装置分野で圧倒的なシェアを誇ります。

    ・東芝機械の売却

    2017年3月、東芝が保有する東芝機械の株式(発行済株式総数の20.1%)の一部(同18.1%)が、東芝機械に売却されました。売却額は153億円となっています。

    東芝は保有する東芝機械の株式の大半を売却したことになり、東芝機械は東芝の持ち分法適用会社から外れています。

    総合機械メーカーの東芝機械は、工作機械のほか、射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機、ナノ加工システム、産業用ロボットといった様々な製品の製造・販売を行っています。

    東芝グループとして長い歴史と実績がありますが、経営は独立しているという印象が強く見られました。東芝グループから外れたのち、今後の新社名・新ブランドへの変更に注目されています。

    ・東芝プラットフォームソリューションの売却

    2018年2月、東芝は子会社である東芝プラットフォームソリューションの発行済株式の全てを、アスパラントグループが運営するファンドが設立したTOPSホールディングスに譲渡しました。

    東芝プラットフォームソリューションは東芝の連結対象から外れ、2018年7月にはソードに社名変更されています。

    ソードは、エンベデッドソリューション事業(組込みPC、周辺機器の開発・設計など)で高いシェアを誇っています。1985年に東芝と資本提携をしていますが、1980年に日本初のノープログラミング言語「SORD-PIPS」を発表するなど、東芝との資本提携前からコンピュータ産業で確かな実績を残しています。

    東芝プラットフォームソリューション(現ソード)の売却により、東芝は実績のあるエンベデッドソリューション事業を売却する形となりました。

    ・東芝映像ソリューションの売却

    2017年11月、東芝は連結子会社である東芝映像ソリューションの発行済株式の95%を、中国家電大手のハイセンスグループに譲渡することを決定しました。

    諸手続きを経て2018年2月に譲渡が完了し、東芝映像ソリューションは東芝の連結対象から外れています。

    2016年の東芝ライフスタイルの売却時に、映像事業は東芝映像ソリューションに承継されていました。この東芝映像ソリューションの売却により、東芝は映像事業を売却したことになります。

    ・東芝メモリの売却

    2018年6月、東芝は連結子会社である東芝メモリの全株式を、米Bain Capitalを中心とした企業コンソーシアムが設立したPangeaに譲渡しました。東芝メモリは東芝の連結対象から外れ、持分法適用会社となっています。

    東芝メモリの売却は、東芝にとって稼ぎ頭でもあった半導体メモリ事業の売却として話題になりました。今後、東芝は社会インフラ事業などに注力し、その動向が注目されています。

    ・東芝クライアントソリューションの売却

    2018年6月、東芝は連結子会社である東芝クライアントソリューションの発行済株式の80.1%をシャープに譲渡しました。

    東芝クライアントソリューションは東芝の連結対象から外れ、売却額は40億500万円となっています。

    この事例は、東芝のパソコン事業の売却として注目されました。また、シャープにとっては、8年ぶりのパソコン事業への再参入となりました。

    東芝の事業売却の成功事例と失敗事例

    東芝の主な事業売却は、いずれも最近の事例となります。

    2016年から複数の事業が売却される形となり、現時点で成功事例と失敗事例を明確に分けることは難しいと言えます。

    売却された事業が好調に進めば、その事業としては成功事例となります。

    ただし、東芝にとっては主要事業を手放したことになり、売却益をどのように活用するかにかかっています。

    売却された事業は、新体制のもとで比較的好調なスタートが見られました。例えば東芝ライフスタイルは、中国のマイディアグループ傘下に移行したのち、黒字化を達成しています。

    一方で、東芝にとっては主要事業を手放したことになります。東芝ライフスタイルの売却のように、長い歴史を誇る事業を売却した事例も見られます。また、東芝メモリの売却は、今後の東芝がどのような事業を稼ぎ頭とするのか、大きく注目される事例となりました。

    東芝の事業売却は、経営再建のための不採算事業の切り離しという側面があります。これからが再スタートになるという段階のため、東芝にとっての成功事例かどうか、今後の動向から見極める必要があるでしょう。

    東芝の株価の推移

    東芝の2017年度(2018年3月期)の有価証券報告書によると、事業年度別の最高・最低株価の推移は次のようになります。

    最高株価は、2014年3月期が565円、2015年3月期が548.5円、2016年3月期が517.2円、2017年3月期が475.2円、2018年3月期が347円となります。

    また、最低株価は、2014年3月期が375円、2015年3月期が376円、2016年3月期が155円、2017年3月期が178円、2018年3月期が193円となります。

    最高株価の推移を見ると、5年間で下落傾向が続いていることがわかります。最低株価は2016年3月期で下落したのちに上昇に転じていますが、5年間の中で見ると、やはり下落が目立ちます。

    東芝のパソコン事業の今後

    東芝クライアントソリューションの売却により、東芝はパソコン事業をシャープに売却することになりました。

    東芝のパソコン事業は、長い歴史と高い実績を誇ります。東芝は世界初のノートパソコンとなる「ダイナブック」を1989年に開発していますが、シャープへの売却後も、ダイナブックのブランドは維持されています。

    また、シャープは、台湾の鴻海精密工業の傘下に入ってから本格的に経営再建が進んでいます。そして、東芝クライアントソリューションの買収は、シャープにとって8年ぶりのパソコン事業への再参入となります。

    経営再建を進めるシャープがパソコン事業をどのように展開するのか、今後の動向に注目されます。

    まとめ

    事業売却は、会社の事業の全部または一部を売却することを意味し、特定の事業だけを売却することもできます。

    子会社の株式の譲渡によって事業を売却するケースもあり、東芝の事業売却はその代表例です。

    東芝は、近年様々な事業の売却が目立ちます。経営再建のための不採算事業の切り離しという側面があり、白物家電事業や半導体メモリ事業、パソコン事業といった有名な事業も売却されています。

    事業売却は、経営の効率化を図るためにも効果的な手法です。複数の事業売却を経て、東芝は社会インフラ事業などに注力し、新たな成長戦略に基づく再スタートが期待されています。

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