2020年3月29日公開会社・事業を売る

シャープの事業売却とは?事例やM&Aにおける事業売却(事業譲渡)と株式譲渡の違いも解説

近年、事業売却はさまざまなM&A事例で見られますが、東芝がパソコン事業をシャープに売却した事例も代表的です。シャープは鴻海精密工業傘下で経営再建を進めている中、パソコン事業への再参入を実現することとなり、今後の動向が注目されています。

目次
  1. 事業売却(M&A)とは?
  2. シャープとは?
  3. シャープの事業売却(M&A)事例
  4. 事業売却は専門家に相談
  5. まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

Banner magazine

事業売却(M&A)とは?

近年、さまざまな業界で活発化しているM&Aですが、経営再建を進めているシャープにおいてもいくつかのM&A事例があります。特に東芝がシャープにパソコン事業を売却したケースなどは、シャープが再びパソコン事業へ参入した事例として注目を集めました。

M&Aの手法の一つである事業売却という言葉を見聞きする機会も多いかと思いますが、この記事ではシャープの事業売却事例(M&A)や動向についてご紹介します。

シャープの事業売却の事例を具体的に紹介する前に、まずはM&Aの種類や意味について改めて確認しておきましょう。

M&Aとは?

M&AとはMergers and Acquisitions(合併と買収)の略称で、2つ以上の企業が一つに統合される「合併」と、ある企業が他社を買い取って新会社となる「買収」を意味します。 一般的には会社分割や資本業務提携などもM&Aに含まれます。

また、M&Aには、株式取得(株式譲渡・新株引受・株式交換・株式移転)や事業譲渡(全部譲渡・一部譲渡)などさまざまな手法があります。

事業売却(事業譲渡)の意味

M&Aによる買収の手法の一つある事業譲渡は、事業売却ともいいます。事業売却(事業譲渡)とは、会社の事業の全部または一部を他の会社に売却(譲渡)することをいいます。

事業の全てを売却するケースのほか、一部を売却することも可能です。 そのため、一部の事業だけを売却し、残しておきたい事業は譲渡せずに引き続き経営権を保有することもできます。

事業売却(事業譲渡)と株式譲渡との違い

事業売却(事業譲渡)の仕組みは、株式譲渡との違いを考えるとわかりやすいです。

株式譲渡は、株主が保有する株式を第三者に譲渡することをいいます。移転するのはあくまで株式ですが、株式の取得割合によっては会社の経営権が移ることもあります。

株主には、基本的に株主総会の議決権がありますが、この株主総会では会社の経営に深く関係する決議が行われます。議決権の過半数があれば株主総会の普通決議を議決できるため、株式の過半数を有することは、事実上、会社の経営権を有することを意味します。

一方で、事業売却(事業譲渡)の場合、移転するのは事業の全部または一部です。株式譲渡のように株式が移転するわけではありません。 そのため、経営権の移転についても、株式譲渡の場合とは仕組みが異なります。

株式譲渡の場合、経営権は株式の取得割合によって決まるため、事業単位で決まるわけではありません。しかし、事業売却(事業譲渡)の場合は、譲渡した事業の経営権が移転することになるので、譲渡しなかった事業については引き続き経営を進めることが可能です。

子会社の株式を譲渡するケース

ある会社が子会社の株式を譲渡するケースで、「事業売却」と呼ばれることがあります。 子会社が特定の事業を行っている場合、子会社の株式を譲渡すれば、その特定の事業を売却する形になるからです。

詳しくは後述しますが、東芝がシャープにパソコン事業を売却したケースも、子会社の株式を譲渡する形で行われています。 このようなケースも、一般的には「事業売却」と呼ばれます。

※関連記事
M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!
事業譲渡・事業売却の戦略まとめ!成功・失敗ポイントは?【事例あり】

シャープとは?

事業売却の特徴、株式譲渡との違いなど、ポイントをご紹介してきました。続いては、シャープの事業売却事例(M&A)について整理するにあたり、シャープの歩みや事業内容などを整理しておきましょう。

シャープは創業から100年以上の長い歴史があり、世界的にも高い実績と評価を誇る日本企業です。現在は主に電気通信機器、電気機器、電子応用機器全般、電子部品の製造・販売を手がけています。

スマートホーム、スマートビジネスソリューション、IoTエレクトロデバイス、アドバンスディスプレイシステムのセグメントで事業を展開していましたが、近年は赤字の状況が続いていました。

そして、2016年に台湾の鴻海精密工業グループによって買収される結果となり、大きな話題を集めました。現在は鴻海精密工業グループの傘下で経営再建を進め、業績の回復も進んでいる状況となっています。

その後、M&A事例としては2018年に東芝のパソコン事業をシャープが買収したことも大きな話題を集めました。一度は撤退したパソコン事業への再参入という形となり、今後の事業展開も注目されています。

事業の撤退や参入が行われつつも、創業から100年以上事業を続けてきた伝統をもとに、今後のさらなる活躍が期待されています。

シャープの事業売却(M&A)事例

シャープの事業売却(M&A)の事例について、具体的に詳しく見ていきましょう。

鴻海精密工業グループによる買収

2016年8月、台湾の鴻海精密工業グループによるシャープの買収が発表されました。鴻海精密工業グループから合計3,888億円の出資が行われ、シャープは本格的に経営再建を進める形となりました。

この買収は、国内電機メーカー大手が外国企業に買収されたという意味でも、大きく注目された事例です。 シャープは創業100年を超え、長い歴史と実績を誇る企業ですが、近年はテレビ事業の業績不振などもあり、赤字が続いている状況でした。

そうした中、本格的な経営再建を進めるため、鴻海精密工業グループによる買収が行われることとなりました。特に電子機器などの受託製造で世界最大手となる鴻海精密工業グループに買収されたことは、シャープにとっても経営再建につながる大きな転換点となりました。

実際、鴻海精密工業グループの傘下となって以降、シャープの業績は見事にV字回復を実現しています。

東芝がパソコン事業をシャープに売却

東芝は2018年6月、連結子会社である東芝クライアントソリューションの発行済株式の80.1%をシャープに譲渡することを発表しました。売却額は40億500万円とされ、同年10月に株式譲渡が行われ、東芝クライアントソリューションはシャープグループの傘下となっています。

東芝クライアントソリューションは、「ダイナブック」をはじめとして東芝のパソコン関連事業を担っていました。この東芝クライアントソリューションがシャープグループの傘下となったことで、東芝はシャープへパソコン事業を売却した形となっています。

東芝のパソコン事業の概要

東芝のパソコン事業は、その長い歴史の中で確かな実績を残してきました。世界初のノートパソコンとなった「ダイナブック」を1989年に開発するなど、東芝はノートパソコンのリーディングカンパニーとして世界的な地位を獲得していました。

一方で近年の東芝は、経営再建を進める中で不採算事業の切り離しも進めており、そうした中でパソコン事業も売却する形となりました。しかし、シャープに売却された後も、ダイナブックのブランドは維持されています。

また、2019年1月には、東芝クライアントソリューションからDynabookに社名が変更されています。「ダイナブック」の名称はブランド名だけでなく会社名にもなったわけです。

さらに、東芝のパソコン事業を買収したことでシャープは8年ぶりにパソコン事業へ再参入することとなりました。鴻海精密工業グループの傘下で経営再建を進めるシャープが、再参入したパソコン分野でどのような事業展開を進めるのか注目されています。

シャープがヘルスケア事業を売却

2019年には鴻海精密工業グループが傘下の「シャープライフサイエンス」をエア・ウォーターに売却したことが明らかになりました。これによって、シャープは事実上、ヘルスケア事業から撤退することとなっています。

シャープは2016年に鴻海精密工業グループに買収されたあと、2017年にシャープライフサイエンスとして子会社化する形でヘルスケア事業を立ち上げていました。しかし、2年ほどで事業売却する結果となりました。

2017年3月期決算で早くも損益を黒字化し、復活に向けて順調に歩を進めているようにも見えるシャープですが、まだ先行きには不透明な部分も多く、今後の動向が注目されます。

事業売却は専門家に相談

事業売却においては、どの事業を売却するべきか、どのタイミングで売却すればよいかなど、専門的な判断が求められます。業界の動向や売却先の企業の動向も踏まえ、適切な判断が必要になります。

これらの点を自社だけで判断することは、一般的には困難です。そのため、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家に相談し、最適な戦略のもとで事業売却を進めることが大切です。

事業売却をお考えであれば、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所は、専門の会計士が在籍しているM&A仲介会社です。M&A総合研究所に相談いただければ、経験豊富な専門家が金額の算出や条件交渉などを行い、好条件での制約に向けてサポートいたします。

M&A総合研究所では完全成功報酬を採用しており、成約までは一切の費用が発生しません。また、通常のM&A取引は交渉から成立まで半年から1年程度かかることが多いですが、M&A総合研究所はできるだけ早期のクロージングを目指し、平均3ヶ月でクロージングを実現させています。

相談はもちろん無料で承っておりますので、事業売却(M&A)をお考えであれば、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※完全成功報酬制】M&A仲介サービスはこちら

※関連記事
事業譲渡・事業売却のコンサル・アドバイザーの料金・サービスを解説
事業譲渡・事業売却のよくある相談内容まとめ【相談先一覧あり】

まとめ

M&Aには株式譲渡や事業譲渡をはじめ、さまざまな手法があります。このうち、事業譲渡は事業売却とも呼ばれ、会社の事業の全部または一部を他の会社に売却(譲渡)することをさします。

事業売却は近年多くのM&A事例で見られますが、シャープに関係するものとしては、東芝がパソコン事業をシャープに売却した事例が代表的です。鴻海精密工業グループ傘下で経営再建を進めている中、パソコン事業への再参入を実現することとなったため、動向が注目されています。

近年のM&Aの活性化に伴い、今後はこのような事業売却の事例も増える可能性があります。双方にメリットのあるM&Aが実現し、各業界の動向にもいい影響を与えることが期待されています。

この記事の内容をまとめると以下のようになります。

・事業売却とは?
→M&Aの手法の一つで、事業譲渡とも呼ばれる

・事業売却と株式譲渡の違いは?
→株式譲渡は株式の取得割合によって全体の経営権が決まるが、事業売却では一部の事業のみを譲渡することも可能

・シャープとは?
→創業から100年以上の歴史を誇り、世界的にも高い実績と評価を誇る日本企業

・シャープの事業売却事例は?
→①2016年8月、台湾の鴻海精密工業グループがシャープの買収を発表、②2018年6月、東芝が連結子会社である東芝クライアントソリューションの発行済株式の80.1%をシャープに譲渡することを発表、③2019年、鴻海精密工業グループが傘下の「シャープライフサイエンス」をエア・ウォーターに売却

M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談は完全成功報酬制(成約まで完全無料)のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
  3. 最短3ヶ月という圧倒的なスピード成約
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

Banner magazine

あなたにおすすめの記事

M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!【図解あり】

M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!【図解あり】

M&Aとは、「合併と買収」という意味を表す言葉です。昨今、M&Aは経営戦略として人気を集めており、実施件数は年々増加しています。経営課題解決のために、前向きにM&Aを考えてみてください。M&A仲...

買収とは?意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策を解説します

買収とは?意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策を解説します

買収には、友好的買収と敵対的買収があります。また、買収には「株式を買収する場合」「事業を買収する場合」の2種類があります。メリット・デメリットをしっかり把握し、知識を得て実施・検討しましょう。

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

M&Aや投資の意思決定をするうえで、現在価値の理解は欠かせません。現在価値とは今後得られる利益の現時点での価値を表す指標であり、将来の利益を期待して行う取引・契約・投資で重要な概念です。今回は、...

株価算定方法を解説します

株価算定方法を解説します

株価算定方法は、多種多様でそれぞれ活用する場面や特徴が異なります。マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチといった株価算定方法の種類、株価算定のプロセスについて詳細に解説します...

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

法人税を節税するために、赤字経営をわざと行う会社も存在します。会社は赤字だからといって、倒産する訳ではありません。逆に黒字でも倒産するリスクがあります。赤字経営のメリット・デメリットを踏まえ経営...

関連する記事

アナジー効果とは?回避してシナジーに変える方法を解説

アナジー効果とは?回避してシナジーに変える方法を解説

アナジー効果とは、M&Aによる統合効果が十分に得られなかった状態や、統合前よりも経営状況が悪化した状態のことを指し、シナジー効果とは逆の意味になります。本記事では、アナジー効果の意味や、アナジー...

類似企業比較法を計算例付きで解説!メリット、必要なデータ

類似企業比較法を計算例付きで解説!メリット、必要なデータ

類似企業比較法とは、対象会社と類似している上場企業を複数社選定し、類似会社のデータから倍率計算を行う方法です。本記事では、類似企業比較法を計算例付きで解説します。また、類似企業比較法のメリットや...

地位承継とは?読み方と事業譲渡で知っておくべき契約上の地位の承継

地位承継とは?読み方と事業譲渡で知っておくべき契約上の地位の承継

事業譲渡でM&Aを行う時や不動産の引き継ぎなどの際は、地位承継を行う必要があります。本記事では、地位承継とは何か、地位承継と地位継承ではどちらが正しい読み方なのかなど、事業譲渡の地位承継で知って...

株式保有特定会社と株価評価の方法まとめ!メリット・デメリット、株特外しも解説!

株式保有特定会社と株価評価の方法まとめ!メリット・デメリット、株特外しも解説!

株価評価時に株式保有特定会社の判定を受けると、評価方法が限定されて税制面で不利になる場合があります。その際、選択肢を増やす手段として株特外しという方法を利用することも可能です。本記事では、株式保...

配当還元法で非上場株式の企業価値評価【計算式あり】

配当還元法で非上場株式の企業価値評価【計算式あり】

配当還元法は、株式価値や企業価値評価手法の一つです。インカムアプローチの一種であり、非上場企業の少数株主の株式価値を算定するのに適しています。本記事では配当還元法について、実績配当還元法や標準配...

ノンネームとは?役割、作り方を解説

ノンネームとは?役割、作り方を解説

ノンネームとは、譲渡対象の企業名を伏せたまま概要を要約したものです。ノンネームは、売却を検討している企業を特定させないため、業種や企業規模、譲渡理由などのポイントに絞って記載します。本記事では、...

人材派遣・人材紹介の事業譲渡・株式譲渡のメリットとは?【事例あり】

人材派遣・人材紹介の事業譲渡・株式譲渡のメリットとは?【事例あり】

人材派遣とは自社と雇用契約を結んだ従業員を企業へ派遣して仕事に従事させることをいい、人材紹介会社はその仲介役を担っています。当記事では人材派遣・人材紹介における事業譲渡・株式譲渡のメリットやポイ...

年買法を徹底解説!中小企業のM&A向けの企業価値評価方法

年買法を徹底解説!中小企業のM&A向けの企業価値評価方法

年買法(年倍法)は、時価純資産と営業利益を用いた簡便な企業価値評価手法であり、主に中小企業のM&Aで用いられます。本記事では、年買法(年倍法)とはどのような手法なのか、また計算方法の妥当性や問題...

EV/EBITDA倍率とは?目安の倍率8倍は高い、安いどっち?

EV/EBITDA倍率とは?目安の倍率8倍は高い、安いどっち?

EV/EBITDA(イーブイ/イービッダー)倍率とは、売り手企業への投資額を何年で回収できるかを示す指標です。本記事では、EV/EBITDA倍率の意味やEV/EBITDA倍率を用いた企業価値算定...

記事検索
M&Aコラム
人気の記事
最新の記事
セミナー・イベント

【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

Banner magazine
ご相談はこちら
(秘密厳守)