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2019年11月14日更新
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株式譲渡と住民税

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

株式譲渡では、所得税と住民税が課税されます。この記事では、株式譲渡における住民税の計算方法、申告不要制度、総合課税、申告分離課税といった株式譲渡による住民税の納付方法の違い、株式譲渡時の所得課税方式の選択自由化、所得税と住民税で課税方式を分けるメリット、所得税と住民税で課税方式を分ける際の注意点を解説します。

目次
  1. 株式譲渡と住民税
  2. 株式譲渡における住民税
  3. 株式譲渡における住民税の計算方法
  4. 株式譲渡による住民税の納付方法
  5. 株式譲渡時の所得課税方式の選択自由化(平成29年度税制改正)
  6. 所得税と住民税で課税方式を分けるメリット
  7. 所得税と住民税で課税方式を分ける際の注意点
  8. まとめ

株式譲渡と住民税

株式投資では株式を譲渡することで利益を得ています。

購入した価格より高い価格で売却することで利潤を得られます。

投資のみならず、M&Aにおいても株式譲渡は活用されています。

M&A目的で株式譲渡を利用する場合、株式を現金に代えることで創業者は利益を得ます。

そんな株式譲渡では、所得税と住民税が課税されます。

今回、株式譲渡で課される住民税について解説します。

株式投資を行なっている方、M&Aを検討している中小企業経営者の方必見です。

まず初めに、株式譲渡と住民税に関して、基本的な知識をご紹介します。

株式譲渡における住民税

①株式譲渡とは

株式譲渡とは、その名の通り株式を第三者に渡す行為です。

主に株式譲渡は、投資もしくはM&A目的で実施されます。

特にM&Aに限定すると、中小企業に好まれ活用されている手法です。

株式の入手時点よりも高値で売却する事で、差額分の利益を獲得できます。

上場株式は両者の合意によって自由に売買できますが、非上場株式は原則会社側の同意が必要です。

中小企業のM&Aであれば、通常の株取引よりも多少手続きが複雑で面倒です。

株式譲渡を用いてM&Aを実行する際は、原則全ての株式を相手側に売却します。

全株式を売却する事で、相手側に経営権を完全に移転できるようになります。

また、株式会社では、保有する議決権株式数によって経営権の強さが決まります。

保有株式の過半数以上で普通決議、3分の2以上の特別決議ができます。

他方で、株式譲渡は専門家による支援と仲介を受ければ成功する確率が高まります。
その際はM&A総合研究所がおすすめです。
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②住民税とは

住民税とは、年度初めの時点(1月1日)で自身の住んでいる地域に納付する税金です。

市町村民税と道府県民税を総称して、住民税と呼んでいます。

住民税は消費税や所得税と違い、地域社会の為に直接活用する税金を指します。

住民税は個人のみならず、法人も課税対象となります。

基本的に住民税は、前年度の所得金額に応じて課税される所得割と、所得額とは無関係に定額課税される均等割から構成されています。

株式譲渡に対する住民税は、「株式等譲渡所得割」として個別に税金が課されます。

住民税の課税方法は納税対象者によっても分類されます。

納税者自らが自治体に納税する方法は、普通徴収と呼ばれ、主に個人事業主は、普通徴収により住民税を納付します。

サラリーマンのように、給与が支払われる人に対しては、特別徴収が適用されます。

特別徴収は、会社が毎月の給料から住民税を差し引いて、社員の代わりに納税する方法です。

※関連記事

株式譲渡とは?メリット・デメリット、M&A後の社員や税務を解説

株式譲渡における住民税の計算方法

原則株式譲渡の所得は、譲渡所得として申告分離課税により課税されます。

譲渡所得とは、株式売却によって獲得した金額から、取得費用(株式の購入金額、会社の設立費用)や譲渡費用を差し引いた金額です。

申告分離課税とは、給与所得等他の所得とは分離した上で、個別に税額を計算する方式です。

株式譲渡では譲渡所得に対して、15.315%の所得税と5%の住民税が課税されます。

どれ程譲渡所得を獲得しようとも、通常の所得税や住民税には影響を与えない点がポイントです。

つまり株式譲渡における住民税の金額は、下記の通り計算できます。

  • 住民税=譲渡所得(売却金額−各種費用)×5%

理解を深める為に、具体例を示します。

例)売却金額:1,000万円、費用総額:200万円

  • 住民税=(1,000万円−200万円)×5%=40万円

上記に加えて、株式譲渡では以下の通り所得税も課税されます。

  • 所得税=(1,000万円−200万円)×15.315%=122万5,200円

つまり株式譲渡で課される税金の合計額は、下記になります。

  • 株式譲渡の税金=40万円+122万5,200円=162万5,200円

株式譲渡による住民税の納付方法

住民税の納付方法には、主に下記三種類あります。

  1. 申告不要制度
  2. 総合課税
  3. 申告分離課税

株式譲渡の状況によって、納付方法が異なります。

下記3つが、株式譲渡における税金の納付方法です。

株式の種類や取引方法によって、課税方式が異なるので確認しましょう。

①申告不要制度

申告不要制度では、株式譲渡の確定申告を経ずに住民税が課税されます。

特定口座(源泉徴収あり)を用いて、上場株式の譲渡を実行した際には、基本的には申告不要制度を用います。

株式譲渡で得た利益が年間20万円以上の場合には、原則確定申告が必要です。

証券会社を利用する場合、自動的に源泉徴収される特定口座を開設できます。

この口座を利用すれば、自動的に住民税分の金額が差し引かれます。

証券会社が住民税を支払ってくれる為、確定申告が不要となります。

②総合課税

総合課税とは、他の所得と合算した上で、住民税を計算・納付する方式です。

後述しますが株式譲渡では、住民税の納付時に総合課税を選択できます。

総合課税を選んでもメリットが無いため選択されるケースはほぼありません。

③申告分離課税

特定口座(源泉徴収あり)を用いない場合には、申告分離課税によって住民税を支払います。

つまり一般口座や源泉徴収されない特定口座を利用する際に、申告分離課税を適用します。

M&A目的で非上場株式の譲渡を実施した際にも、申告分離課税となります。

※関連記事

株式譲渡時の税金

株式譲渡時の所得課税方式の選択自由化(平成29年度税制改正)

ここでは、平成29年度の税制改正を踏まえ、住民税と所得税の課税方式選択に関して解説します。

この制度を知っておくことで、税金面での負担軽減につながる可能性があります。

原則株式譲渡では、所得税と住民税で課税方式は統一されます。

平成29年度の税制改正によって、上場株式を特定口座(源泉徴収あり)を用いて譲渡した際に、所得税と住民税で異なる課税方式を選択出来る様になりました。

つまり所得税は申告分離課税を選ぶ一方で、住民税は申告不要制度を選択できます。

上場株式のみの適用となる為、M&A目的で非上場株式を譲渡した際は、同じ課税方式で所得税と住民税が課されます。

この辺は少々ややこしいので、M&Aの専門家に相談しながら確認しましょう。
その際にはM&A総合研究所にご相談ください。
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所得税と住民税で課税方式を分けるメリット

では、わざわざ所得税と住民税で課税方式を分けるメリットは何でしょうか?

一番大きなメリットは節税です。

例えば、所得税は申告分離課税、住民税は申告不要制度を選択したとします。

申告分離制度を選択すれば、損益通算や譲渡損失の繰越控除制度を利用できます。

株式譲渡の際に申告不要制度を選択することで、住民税を抑えることができ、課税方式を統一する場合より節税出来る可能性が高まります。

実際に節税出来るかどうかはケースバイケースですので、課税方式を選択する際は節税できるかをよく検討しましょう。

所得税と住民税で課税方式を分ける際の注意点

この項では、所得税と住民税で課税方式を分ける際の注意点をご説明します。

株式譲渡で得られる利益が減少させないまめにも理解しましょう。

①保険料の増額に注意

大半の地方自治体では、国民健康保険料や後期高齢者医療制度保険料の計算基準に、住民税の所得金額としての申告金額を用いています。

住民税の課税方式に総合課税もしくは申告分離課税を選択すると保険料が増額します。

節税金額の方が保険料の増額分よりも多い場合は問題ありませんが、保険料増額分が多いと結果的に損失となるため注意が必要です。

株式譲渡を実施する際は、「節税金額」と「保険料増額分」を比較する事が重要です。

②申告期限に注意

株式譲渡にて課税方式を選択する為には、住民税額の決定通知書と納税通知書が送付される日までに、市民税・県民税申告書を提出する必要があります。

原則株式譲渡では、確定申告書の提出により住民税の申告もされたものとみなされます。

一見すると、市民税・県民税申告書を個別に提出する必要は無い様に見えますが、確定申告書のみの提出では、自動的に所得税と同様の課税方式となります。

例えば非上場株式を譲渡した場合、確定申告書のみの提出では、住民税の課税方式は自動的に申告分離課税となります。

株式譲渡において、別々の課税方式を選びたい場合、住民税の申告は個別に実行しましょう。

自治体の多くは税務知識に疎い場合が多く、株式譲渡の確定申告とは別に住民税の申告をした場合、その意図を汲み取れない可能性もあります。

確実に意図を汲み取ってもらう為、備考欄に選択する課税方式を記載する事をオススメします。

※関連記事

株式譲渡と確定申告

まとめ

今回は、株式譲渡における住民税についてご紹介しました。

株式譲渡では、所得税と住民税が課税されます。

株式譲渡の取引状況や譲渡する株式の種類によって、住民税を納付する方法が異なります。

上場株式の譲渡であれば、所得税と住民税で異なる課税方式を選択することが可能です。

異なる課税方式を選択する事で、株式譲渡で手元に残る利益を増やせる可能性があります。

実際に利益を多く残せるかは、株式譲渡のケースによって異なります。

株式譲渡を行う時は、よく検討した上で課税方式を選択しましょう。

要点をまとめると下記になります。

  • 株式譲渡とは

→投資やM&A等の目的で、株式を第三者に譲渡する行為

  • 住民税とは

→年度初めの時点(1月1日)で自身の住んでいる地域に納付する税金

  • 株式譲渡で課される住民税の計算方法

→住民税=譲渡所得(売却金額−各種費用)×5%

  • 住民税の納付方法

→申告不要制度、総合課税、申告分離課税の三種類

  • 株式譲渡の納税

→所得税と住民税で異なる課税方式を選択できる

  • 所得税と住民税で課税方式を分けるメリット

→節税対策に繋がる

  • 所得税と住民税で課税方式を分ける際の留意点

→保険料が増額する場合がある、申告期限に注意

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