2021年5月6日更新業種別M&A

病院・クリニック業界のM&A、売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

病院・クリニック業界では、買い手・売り手ごとにM&Aの目的は異なります。期待できるメリットを把握し、M&Aの成功を目指すことが大切です。病院・クリニック業界の現状とともに、M&A相場や費用、M&A成功や失敗の要因、事例など幅広く解説します。

目次
  1. 病院・クリニック業界とは
  2. 病院・クリニック業界の現状とM&A動向
  3. 病院・クリニック業界のM&Aの相場と費用
  4. 病院・クリニック業界の買収メリットとは?買う場合
  5. 病院・クリニック業界の売却メリットとは?売る場合
  6. 病院・クリニック業界でM&Aする際のポイント
  7. 病院・クリニック業界のM&Aの成功と失敗
  8. 病院・クリニック業界のM&A事例
  9. 病院・クリニック業界のM&A案件情報
  10. 病院・クリニック業界M&Aのまとめ
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病院・クリニック業界とは

病院・クリニック業界とは

はじめに病院・クリニック業界の定義を記します。

病院とは、医療法によると「医師または歯科医師が公衆または特定多数人のために医業や歯科医業を行う場所」のことであり、複数の診療科があることや20人以上患者が入院できる医療機関のことです。大学病院や市民病院といった総合病院が該当します。

一方でクリニックとは、病床が少ない(19以下)もしくは病床を持たない小規模な医療機関のことです。医院や診療所などと呼ばれる施設が該当します。

この両者の望ましい住み分けは、「身近な疾患はクリニック、重度な疾患などは病院」とされていますが、どちらも日本の医療制度を支える重要な存在です。

病院・クリニック業界の統計情報

現在の国内の病院・クリニックの動向を把握するために、厚生労働省の資料「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」から抜粋し、全国の最新(2019年10月時点)の医療施設数と前年度との比較を下表にまとめました。

種別 施設数 増減数 開設数 再開数 廃止数 休止数
病院 8,300 -72 60 6 125 13
クリニック 102,616 +511 7,768 218 6,982 493
歯科クリニック 68,500 -113 1,451 70 1,478 156
出典:厚生労働省「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況

表を見てわかるとおり、歯科診療所(クリニック)は非常に数が多いために、独立してカウントされています。そして、病院、クリニック、歯科クリニックを合計すると、2019年10月現在での日本の医療施設数は、179,416です。

表における「増減数」は、前年度と比較した数になります。その右横の「開設数・再開数・廃止数・休止数」は、増減数の内訳です。廃止・休止する病院・クリニックの数が多いことに、驚かれた方も多いのではないでしょうか。

病院・クリニック間における競争は年々激化している

昨今の病院・クリニック業界では、診療報酬の切り下げが問題視されています。従来のように、診療をしていれば収益をあげられるという状況が変化してしまいました。

したがって、病院・クリニック間における競争も年々、激化しています。「景気に左右されない」印象とは反対に、赤字経営に陥る病院やクリニックも多いのが現実です。

それに加えて、いかなる業界でも悩まされる後継者不足・人手不足などの問題も相まって、まさに生き残りをかけた競争が繰り広げられています。

そのため、病院・クリニック業界でも事業の多角化・シェア拡大・収益性向上などの取り組みが活発化しており、M&Aも経営戦略の一つとして広く活用されるようになりました。

【関連】病院経営における赤字割合の現状と対策

病院・クリニック業界の現状とM&A動向

病院・クリニック業界の現状とM&A動向

続いて、病院およびクリニック業界の現状やM&A動向について、以下の4項目に分けて詳しく解説します。

  1. 診療報酬の切り下げが続いている
  2. 医療従事者が慢性的に不足している
  3. 将来的に多額の設備投資の必要性も見込まれる
  4. さまざまな目的のもとM&Aが実施されている
それぞれの項目を順番に見ていきます。

①診療報酬の切り下げが続いている

現在の日本では高齢者の増加(65歳以上の人口が約28%)によって、社会保障費負担の増加・税収の伸び悩み・財政状況のひっ迫などを背景とした医療制度改革が推進されています。この改革によって診療報酬が切り下げられていますが、この流れは今後も続く見込みです。

診療報酬は病院・クリニックの収益の柱であり、診療報酬が引き下げられれば収益減に直結するため、経営上の大きな障壁であるのは、いうまでもありません。

②医療従事者が慢性的に不足している

医師や看護師は病院・クリニック経営において必要不可欠の経営資源であり、サービスの質を大きく左右する要素でもあります。多くの病院・クリニックではこれらの医療従事者が慢性的に不足しており、事業を継続するための人材確保が非常に困難です。

特に看護師については「7対1看護配置」制度の影響により、各病院・クリニック間で看護師採用の競争が激化したことで、大幅な人手不足の状況が継続しています。7対1看護配置とは、患者7人に対して看護師1人が配置される制度であり、条件を満たせれば高く設定された診療報酬を受けることが可能です。

その一方で「10対1」や「13対1」というように看護師1人が対応する患者数が多くなるほど、診療報酬が低くなります。看護師の大量確保が収益単価を上げる意味でも非常に有効であるため、各病院・クリニック間で採用競争が激化しているのです。

さらに、労務管理が厳格化されたことも、この採用競争に拍車をかけています。そして、診療報酬の切り下げも相まって厳しくなった経営環境のなかで、病院・クリニック業界においては廃業に追い込まれる医療法人が増加傾向にあります。

③将来的に多額の設備投資の必要性も見込まれる

国が進める地域保活ケアシステムに関する施策や耐震対策などの影響を受けて、将来的に多額の設備投資が必要となる病院・クリニックは多い見込みです。こうした設備投資のための借入増も、病院・クリニックを経営するうえで大きな負担となり得ます。

④さまざまな目的のもとM&Aが実施されている

日本の人口構成や政府施策を考慮すると、市場環境が大きく好転する要素が少ないことから、病院およびクリニックでは、生存をかけて重要な経営判断を迫られています。M&Aも経営判断の一つとして実施されており、事業存続・資金調達・事業承継を目的とするM&Aが増加傾向にあるのです。

そもそも医師は個人でクリニックを開業できる専門職であるため、若い医師を引き受けるために比較的小規模なクリニックを買収するM&Aも、今後は増加すると予測されています。

【関連】医療業界のM&A

病院・クリニック業界のM&Aの相場と費用

病院・クリニック業界のM&Aの相場と費用

M&Aは相手方が存在する取引であり、事業・財政・経営の状況などさまざまな要因で譲渡価額は変動します。病院・クリニック業界のM&Aで多い譲渡価額の算定方法は、以下の3つです。

  1. 修正純資産法
  2. 類似会社比較法
  3. DCF法
それぞれの算定方法を順番に見ていきます。

①修正純資産法

修正純資産法は、対象となる医療法人の純資産額と営業権を考慮して価額を算定する方法です。

医療法人の純資産の時価に将来の見込みを加えたうえで計算しますが、実務上では、医療法人の固定資産の時価から負債を引いた後に営業権の価値を加味して算定します。

資産と損益の両要素を考慮して算定することから、多くのM&Aで採用されている方法です。

②類似会社比較法

類似会社比較法では、実施された他の医療法人のM&A事例を参考に価額を算定します。病院・クリニックを売買した過去事例の情報を入手したうえで、これを参考にしつつ売買価額を決定する方法です。

具体的には、類似する要素を持つ参考事例を集めて、検討する事例と売上高・利益・資産・負債の状況などを比較しながら価額を決定していきます。つまり、売却する病院・クリニック自体の価値よりも、市場の価値や需要に基づいて企業価値を算定する点が特徴的です。

③DCF(Discounted Cash Flow)法

DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)は、将来的に獲得が見込まれるキャッシュに基づいて価額を算定する方法です。売却される医療法人の事業計画をベースに評価するため、今後の見通しをいかに数値化するかによって評価価値が大きく変化する点に特徴があります。

将来的に生じるであろう価値にも着目するため、売却側から見るとメリットの多い算定方法です。

【関連】病院・クリニックの売却額とは?売却方法や価額の上げ方を解説!

病院・クリニックの具体的な譲渡価額を調べる方法

上記で紹介した算定方法を、病院・クリニックの経営者がいきなり駆使するには無理があります。そこで、病院・クリニックの具体的な譲渡価格を算定するには、M&A仲介会社などの専門家を活用するのがおすすめです。

中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所では、豊富な支援実績を持つM&Aアドバイザーが、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)M&Aに関して、無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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病院・クリニック業界の買収メリットとは?買う場合

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病院・クリニック業界の買収メリットとは?買う場合

病院・クリニック業界のM&Aで買い手が獲得できるメリットは、以下のとおりです。

  1. 医療従事者を確保できる
  2. 医療事業をスムーズに開始できる
  3. 機能の多角化・専門性の推進が図れる
  4. 病床規制に対応できる
  5. 経費の削減が期待できる
それぞれのメリットを順番に見ていきます。

①医療従事者を確保できる

現在、医師・看護師の採用競争が激化しており、スムーズな採用活動の実施は困難な状況です。M&Aによって売り手の病院・クリニックと統合すれば、売り手に在籍する医師・看護師をそのまま引き継げます。特に看護師数を増加させれば、診療報酬上のメリットも生まれる可能性が高いはずです。

②医療事業をスムーズに開始できる

M&Aによる買収では医療従事者だけでなく、医療施設もそのまま引き継げます。医療業界の事業は専門性が高く、事業の開始には相当の準備が必要です。そこで、M&Aを活用すれば、完成した状態の病院・クリニックや医療環境を入手できるため、事業の開始を円滑化できるメリットが期待できます。

③機能の多角化・専門性の推進が図れる

M&Aによる買収では、これまで未対応であった診療領域などを確保でき、機能の多角化が図れます。病院・クリニック同士の統合では専門性も推進でき、市場における存在感の強化も期待可能です。これらの効果は企業規模の拡大にもつながるため、経営上、大きなメリットを享受できます。

④病床規制に対応できる

病床規制がある環境下では、M&Aを実施することで認可病床数を増加できます。病床数は患者の受け入れ可能人数のことであり、医療サービスの実力を左右する要素です。既存の医療施設で増床を図るよりも、M&Aでは比較的容易に病床を増やせるメリットがあります。

病院・クリニック業界は許可制の規制業界です。したがって、病床規制以外にもさまざまな規制が存在します。M&Aの実施によって、こうした規制をクリアする仕組みを実現していくことが大切です。

⑤経費の削減が期待できる

M&Aによる分院などで拠点を増やせれば、購買面・外部への委託費用面で取引先との交渉力を強めることが可能です。取引交渉で値引き幅を広げられれば、経費の削減にもつながります。複数の拠点で共通する経費を一元化できれば利益率の上昇も望めるため、より効率的な経営が目指せるのです。

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病院・クリニック業界の売却メリットとは?売る場合

病院・クリニック業界の売却メリットとは?売る場合

病院・クリニック業界のM&Aで売り手が獲得できるメリットは、以下のとおりです。

  1. 後継者問題を解決できる
  2. 経営の安定化が期待できる
  3. 従業員の雇用を確保できる
  4. 設備投資による経営の効率化が図れる
  5. 創業者利益を獲得できる
それぞれのメリットを順番に見ていきます。

①後継者問題を解決できる

経営者が高齢化するなか、後継者が不在であるために病院・クリニックの存続が困難になっているケースが目立っています。後継者問題を抱える病院・クリニックがM&Aを実施すれば、事業承継が実現し病院・クリニックは存続させられるのです。

地域医療の観点から見ても、医療機関の存続は大きな意味を持ちます。

②経営の安定化が期待できる

M&Aによって大企業や大手グループの傘下に入れば、大規模な経営資本を活用することで経営を安定化させるメリットが期待できます。また、大企業の看板を利用することで、社会的な信用度の向上も見込めるでしょう。

同地域内でM&Aを実施すれば、地域の医療機関が持つ機能を向上させつつ、地域の医療体制の発展に貢献することも望めます。

③従業員の雇用を確保できる

事業存続が困難になっているケースにおいて、M&Aには従業員の雇用を確保するメリットも期待できます。仮に病院・クリニックを廃業してしまえば、在籍する医師・看護師・事務スタッフなどの従業員の雇用を継続することが不可能となってしまうからです。

④設備投資による経営の効率化が図れる

病院・クリニック事業の一部を売却するケースでは、売却で獲得した資金を設備投資に回すことで、経営の効率化が図れます。事業存続に必要不可欠である考え方「選択と集中」を実現する方法の一つとしても、M&Aは大いに有効です。

⑤創業者利益を獲得できる

M&Aにより売却することで、病院・クリニックの創業者は利益を獲得できます。このときに獲得した利益は、引退後の生活資金や他の事業への投資など自由に充てることが可能です。

【関連】病院・クリニックの事業承継とは?課題や注意点などポイントを解説!

病院・クリニック業界でM&Aする際のポイント

病院・クリニック業界でM&Aする際のポイント

病院・クリニック業界でM&Aを実施する際には、以下に挙げるポイントに着目しておきましょう。

  1. 開設などの手続きの確認
  2. 許認可の引き継ぎに注意する
  3. 医師・看護師を流出させない
  4. 適切なM&Aスキームを選ぶ
  5. M&Aの専門家に相談する

①開設などの手続きの確認

たとえば、病院の開設主体は、国、自治体などの公的部門と、医療法人、社会福祉法人、公益法人、個人などの民間部門と大別され、それぞれにおいて手続き方法は異なります。許可制事業である病院・クリニックでは、一つひとつの手続きが重要ですから、よく確認しておきましょう。

②許認可の引き継ぎに注意する

M&A実施によって病院・クリニックの経営者が変わるのであれば、許認可の引き継ぎは必ず行わなければなりません。この許可要件で注意したいのは、各自治体独自の事務処理を行うことから、必ずしも統一されたフォーマットやプロセスが敷かれているわけではない点です。

スムーズに病院・クリニックの許認可を得るためにも、自治体の担当窓口とよくコミュニケーションを取って交渉・折衝を行い、支障が出ないようにしましょう。

③医師・看護師を流出させない

病院・クリニックを買収する側にとって、医師・看護師をまとめて獲得できることもM&Aの一つの目的です。しかし、経営者主体が変わることに不安や異論を持ち、医師・看護師が退職してしまうケースがあります。

これは単に人材の流出にとどまらず、退職した医師や看護師を慕っていた患者の離脱にもつながる由々しき問題です。したがって、医師・看護師の流出は極力、避けねばなりません。

M&A実施の際は、早い段階から各医師・看護師とコミュニケーションを持ち、待遇改善を図るなどして人材がM&A後も退職しないための対策を取りましょう。

④適切なM&Aスキームを選ぶ

病院・クリニックは一般企業とは異なりますから、M&Aスキームも特殊です。まず、株式交換・株式移転・会社分割のような組織再編手法は存在せず、また、株式も存在しないため、株式譲渡も行えません。

したがって、実施できるM&Aスキームは、事業譲渡合併です。また、病院・クリニックのM&A固有のスキームとして、医療法人理事の交代、または理事などの出資持分譲渡があります。

病院・クリニックのM&Aの場合、以上の選択肢のなかから最適なM&Aスキームを選ぶことは、とても重要です。

⑤M&Aの専門家に相談する

病院・クリニックのM&Aで最適なスキームを選ぶ最良の方法は、M&A仲介会社などの専門家に相談することです。ただし、重要なのは、病院・クリニックのM&A実績を持つ専門家でなければなりません。それは、一般企業のM&Aとは異なる点が、病院・クリニックの場合には多々あるからです。

M&A総合研究所では、さまざまな業種・規模の豊富な支援実績を持つM&Aアドバイザーが、丁寧にフルサポートいたします。

通常、M&A取引には半年から1年程度の期間がかかりますが、M&A総合研究所ではスピーディーなサポートを実践しており、最短3ヵ月での成約実績を有しております。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)随時、無料相談を受けつけておりますので、病院・クリニックのM&Aを検討される際には、お気軽にお問い合わせください。

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病院・クリニック業界のM&Aの成功と失敗

病院・クリニック業界のM&Aの成功と失敗

これまで、買い手と売り手ごとに獲得できる病院・クリニックのM&Aメリットを見てきましたが、M&Aは失敗してしまう可能性もあるため、あらかじめ成功要因を把握しておくことが大切です。ここでは、病院・クリニック業界のM&Aの成功要因と失敗要因を確認します。

病院・クリニック業界のM&Aの成功要因

これまで見てきたメリットを十分に獲得できているM&Aは、成功ケースといえます。たとえば、医師不足により病院・クリニック事業の一部を譲渡したことで、選択と集中による経営資源の効率的な活用を実現できたケースは、「M&Aに成功した」といえるのです。

さらに、買い手側においても、M&Aの実施により、想定していた事業を買収でき、事業領域の拡大という目的を達成したのならば、売り手・買い手の双方にとって成功事例といえます。

以上のことから、双方がメリットを享受できるM&A相手を見つけることが、M&Aの成功要因です。

病院・クリニック業界のM&Aの失敗要因

M&Aにおける失敗として深刻なのは、従業員の離職です。先述したM&Aのポイントでも述べたとおり、医師や看護師などの医療従事者は、病院・クリニックの事業運営に与える影響が非常に大きいため、従業員の離職は最も避けねばなりません

特に人材不足の病院・クリニック業界では転職も容易です。M&Aスキームの選定や買収資金の調達も重要ですが、医師・看護師が1人も欠けることなくM&Aが成約することを、常に念頭に置きながら手配を進めましょう。

【関連】病院・医療法人のM&Aの7つのポイント!買収積極企業は?【持分あり/なし】

病院・クリニック業界のM&A事例

病院・クリニック業界のM&A事例

近年、実施された病院・クリニック業界のM&A事例を3件、掲示します。

  1. 警和会によるM&A(事業譲渡)
  2. 愛仁会によるM&A(事業譲渡)
  3. 東芝によるM&A(事業譲渡)

①警和会によるM&A(事業譲渡)

医療法人 警和会 第二大阪警察病院

医療法人 警和会 第二大阪警察病院

出典:https://www.oph-2.jp/

2019(平成31)年4月、医療法人警和会と西日本電信電話(NTT西日本)との間でM&Aが実施されました。その内容は、西日本電信電話が運営してきたNTT西日本大阪病院を、警和会に事業譲渡し、運営移管したのです。なお、譲渡価額は公表されていません。

大阪警察病院を運営している警和会としては、地域医療へのさらなる貢献のために、事業規模の拡大と近い将来に計画している病院の建て替えをスムーズに行うため、ほぼ隣接する場所に位置するNTT西日本大阪病院との連携を望みました。

事業譲渡の成立後、NTT西日本大阪病院は、組織としては大阪警察病院に合併となり経営統合されました。また、建て替えを行うまでの間は、便宜上、第二大阪警察病院という呼称で運営されていきます。

②愛仁会によるM&A(事業譲渡)

社会医療法人 愛仁会

社会医療法人 愛仁会

出典:http://www.aijinkai.or.jp/index.html

2018年4月、大阪府の社会医療法人である愛仁会は、みらかホールディングスの連結子会社であるエスアールエルに対して、愛仁会が杏和総合医学研究所において手掛ける臨床検査事業を譲渡しました。なお、譲渡価格は公表されていません。

事業を譲り受けたエスアールエル(みらかホールディングス)では、検体検査分野における愛仁会との協力体制の強化が図られています。それに加えて、一般開業医向けの検査サービスを新しく開始することで、阪神地域における事業拡大も目的です。

③東芝によるM&A(事業譲渡)

東芝

東芝

出典:https://www.toshiba.co.jp/

2018年3月、電機メーカーの大手企業である東芝は、カマチグループに所属する神奈川県の医療法人社団緑野会に対して、東芝が運営する東芝病院が手掛ける全事業の譲渡を完了させました。譲渡価額は285億円です。

譲渡側の東芝では、緑野会が持つ医療全般の幅広い専門知識・実績・経営資源を活用することによって、医療サービスを地域需要に適合させ地域医療への貢献を目指しています。

【関連】病院/医療法人の事業譲渡・売却事例12選!おすすめ相談先は?

病院・クリニック業界のM&A案件情報

病院・クリニック業界のM&A案件情報

参考情報として、M&A総合研究所が担当している病院・クリニック業界のM&A案件情報を掲示します。案件内容は、病院・クリニックの売却希望案件です。

①住宅街に隣接する歯科クリニック(歯科医師複数在籍)

エリア 千葉県
売上高 5,000万円〜1億円
営業利益 1,000万円〜5,000万円
譲渡希望価額 1,000〜5,000万円
譲渡理由 院長が高齢のため

②歯科クリニック(2000年開業)

エリア 東京都
売上高 1,000〜5,000万円
営業利益 非公開
譲渡希望価額 5,000万円〜1億円
譲渡理由 後継者不足による事業承継

【関連】歯科業界におけるM&Aの売却/買収事例とは?業界の動向とM&Aの成功ポイントを解説

病院・クリニック業界M&Aのまとめ

病院・クリニック業界M&Aのまとめ

一見すると病院・クリニック業界は景気に左右されないという印象ですが、赤字によって厳しい経営を余儀なくされている病院・クリニックも多いのが実情です。それと同時に、後継者不足や人材確保が困難である問題も深刻化しています。

そこで、近年では、病院・クリニック業界においても、事業の多角化・市場規模の拡大・収益性の向上を図る取り組みが活発化し、経営戦略の一つとしてM&Aが広く活用されています。

ただし、忘れてはならないのは、病院・クリニックのM&Aには特殊性も多いため、病院・クリニック業界に精通しているM&A仲介会社を起用しましょう。

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