2021年5月12日更新業種別M&A

空調設備工事会社におけるM&Aの売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説

空調設備工事業界でも、近年M&A事例が活発化しています。中小企業が多く、競争の激化も見られる空調設備工事業界では、競争力・サービス体制の強化、事業エリア・事業規模の拡大など、さまざまな目的のためにM&Aが活用されています。

目次
  1. 空調設備工事会社のM&Aの現状と動向
  2. 空調設備工事会社の業務内容
  3. 空調設備工事業界の規模
  4. 空調設備工事会社のM&Aの相場と費用
  5. 空調設備工事会社の買収とは?買う・買いたい場合
  6. 空調設備工事会社の売却とは?売る・売りたい場合
  7. 空調設備工事会社のM&Aの成功事例
  8. まとめ
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空調設備工事会社のM&Aの現状と動向

近年、さまざまな業界でM&Aの活発化が見られますが、空調設備工事業界も例外ではありません。M&Aは後継者不足問題の解決や事業規模の拡大といったメリットがありますが、空調設備工事業界でもこれらのメリットを目的としたM&A事例が多く見られます

また、空調設備工事業界は競争が激しい傾向が強いですが、こうした動向に対応するためにもM&Aは効果的です。例えば、同業者同士のM&Aによって相互の事業基盤を活かし、競争力強化や事業エリアの拡大を図るといった方法があります。

このような空調設備工事業界のM&Aについて業界の特徴や動向も踏まえ、ポイントをご紹介します。

①競争力強化のためのM&A

空調設備工事業界は中小企業が多い特徴があります。そのため、中小企業同士の競争も激化しやすくなります。こうした状況の中では、とにかく競争力の強化を図る必要があります。その際には、M&Aが一つの効果的な方法となります。

同業者同士がM&Aを行ったケースを考えてみましょう。この場合、お互いの企業が持つ顧客基盤や事業基盤を活用すれば、それぞれの会社のサービス体制が強化されます。

例えば、関東エリアに強みがある空調設備工事会社と、関西エリアに強みがある空調設備工事会社がM&Aによって提携すれば、お互いの事業基盤を活用することで事業エリアを拡大し、競争力の強化につなげることもできます

同業者同士のM&Aは、お互いの技術力やノウハウを活かすことも可能です。より良質なサービスを提供できれば、それだけ競争力も上がります。

②事業規模の拡大

競争力の強化とも関連して、M&Aにより事業規模の拡大をスムーズに進めることもできます。特に競争が激しい空調設備工事業界では、事業規模の拡大によって競争力を強化できます。また、事業規模の拡大は、利益の向上や知名度の向上などのスケールメリットを享受することもできます。

特に知名度の向上は、優秀な人材の確保にもつながりやすいです。規模が拡大すれば知名度も向上しやすく、それだけ人が集まる傾向があるからです。

優秀な人材が在籍する会社を買収することで人材を確保できますが、事業規模の拡大によって、さまざまなスケールメリットとともに人材が自然に集まってくる可能性もあるのです。空調設備工事会社はもちろん技術力が必要になるため、優秀な技術者が多いことに越したことはありません。

こうした事業規模の拡大を目的としたM&Aは、近年の空調設備工事業界でも比較的多く見られます

③関連事業・周辺事業の買収も積極的に行われる

空調設備工事事業には、電気設備や給排水設備などの関連事業・周辺事業が多い特徴があります。これらの関連事業の買収により、一括したサービスの提供も可能になります。例えば、企画から保守点検まで一体的にサポートするといったサービス体制を構築できます。

また、総合設備企業であれば、強化したい設備事業を買収することでサービス向上を図ることが可能です。 後ほどご紹介しますが、四電工による有元温調の買収はまさにこの例です。

④後継者不足問題の解決としてのM&A

空調設備工事会社は中小企業が多く、後継者不足問題などもしばしば発生しています。経営者が高齢になり、そろそろ引退を考える場合であれば、早急に後継者を見つけなくてはなりません。そこで、M&Aが効果的な手法となります。

例えば、信頼できる会社に自社を売却し経営を任せることができれば、自分の手を離れた後でも会社はしっかりと存続します。これは空調設備工事会社も例外ではありません。中小企業が多い空調設備工事会社だからこそ、特に後継者不足問題、事業承継問題の解決としてM&Aは大きな意味を持っています。

もし後継者がいなくてお悩みの場合や事業継承やM&Aを検討されている場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。

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空調設備工事会社の業務内容

空調設備工事会社は一般住宅や会社、工場などを対象に、冷暖房などの空調設備工事を行う会社のことをいいます。空調設備工事会社が行う工事は、元請け工事と下請け工事に分類できます。また、空調設備工事は給排水設備や電気設備などとも関係します。

そのため、電気設備などの関連事業を行っている空調設備工事会社も比較的多く見られます。空調設備工事業界の中でも、冷暖房の設備工事のほか、建物設計・施工、電気・ガス工事、建物の保守点検といった事業を行う会社も見られます。関連事業が多い分、関連事業への進出や展開も比較的行いやすいです。

空調設備工事業界の規模

国土交通省の調査によると、空調設備工事業界の規模は約1兆3,000億円(平成29年度/民間工事のみ)とされています。空調設備工事業界の全体的な特徴としては、中小企業が比較的多いという点が挙げられます。国土交通省の調査でも、資本金200万~5,000万円未満の中小企業が全体の8割程度という結果が出ています。

中小企業は後継者不足などの問題を抱えているケースも多く、空調設備工事業界でも後継者の不足はしばしば問題となっています。

空調設備工事会社のM&Aの相場と費用

空調工事のM&A・事業承継
空調工事のM&A・事業承継

空調設備工事会社は中小企業が多いですが、空調設備工事業界のM&Aの当事者は中小企業だけではありません。M&Aによっては、企業規模や対象事業の規模が大きく異なる場合もあります。そのため、現段階ではM&Aの相場と費用を一概に判断することは困難といえます。

ただし、M&Aを実行する以上、相場と費用を全く考慮しないわけにはいきません。ある程度の目安をつけておかなければ、想定外の費用が発生することもあるからです。そのため、似た事例は徹底的に分析して、買収金額や費用についてある程度把握しておく必要があります。

具体的には、M&Aの目的、M&Aの当事者となる会社の規模、対象事業の規模、会社の業績、従業員の数、M&Aのスキームなどをチェックし、自社と似たものがあればこまめにチェックすることが重要です。

また、相場と費用をより正確に把握するには、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家に相談するのがベストです。空調設備工事会社のM&Aの成約実績が豊富な業者であれば、相場や費用に関する情報も得やすくなります。

M&Aを検討されている場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、クロージングまで丁寧にサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)M&Aに関して、無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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空調設備工事会社の買収とは?買う・買いたい場合

空調設備工事会社の買収事例には、同業者による買収や関連事業を行う会社による買収などがあります。これらのケースは、事業規模や事業エリアの拡大、競争力の強化といった目的のために行われます。

同業者同士のM&Aであれば、自社が対応していないエリアに強みのある空調設備工事会社を買収することで、自社の空調設備工事事業を強化するケースが考えられます。また、ある空調設備工事会社が自社にはない技術を持っている場合や優秀な人材が多く在籍している場合なども、その会社を買収することで自社の事業強化につなげることが可能です。

さらに、今後の競争激化も予想される中、競争力やサービス体制の強化などを目的として、関連事業も含めたM&Aが増加する可能性もあります。関連事業を展開する会社にとっても、空調設備工事会社の買収を検討することには大きなメリットがあるのです。

空調設備工事会社の売却とは?売る・売りたい場合

M&Aによる会社の売却は、後継者不足問題の解決や経営基盤の安定化、創業者利益の獲得、個人保証・担保の解消、従業員の雇用の維持といったメリットがあります。空調設備工事会社の売却でも、こうしたメリットを享受できます。

競争が激化しやすい空調設備工事業界のため、特に中小・中堅の空調設備工事会社同士のM&Aが増加する可能性もあります。こうしたM&Aを成功させるには、買い手にとって魅力的なサービスをアピールする必要があります。

競争力の強化などにつながると判断されれば、さまざまな空調設備工事会社が名乗り出る可能性もあります。また、売却は自社にとってもメリットのあるものでなければなりません。経済効果の高いM&Aを実現するためにも、最適な対象企業を探す必要があります。

空調設備工事会社のM&Aの成功事例

ここでは、空調設備工事会社のM&Aの成功事例についてお伝えします。譲渡先や運営歴もご紹介していきますので、M&Aの検討にお役立てください。

①四電工による有元温調の買収

2018年2月に四国電力系の四電工は、空調・管関連工事に強い有元温調(神戸市)を子会社化しました。これによって、四電工は四国外の事業エリアの拡大を実現し、総合設備企業としての基盤強化につなげています。

四電工は四国電力のグループ会社となり、配電、送電、土木、計装などの電気設備工事を主な事業内容としています。空調・管や情報通信工事なども手掛けていますが、事業としては電気設備工事の方が目立っていました。

また、四国以外の拠点もありましたが、事業エリアとしては四国が中心となっていました。こうした状況の中、兵庫県神戸市の有元温調の子会社化により、四電工は事業エリアの拡大を実現しました。また、空調・管関連工事に強みがある有元温調のノウハウを活かすことで、電気設備以外の事業領域の強化にもつなげています。

四電工は、2020年東京オリンピック後の建設市場の縮小を踏まえ、環境・海外などの新たな収入源の育成を図っています。2020年度を目標年度する中期経営指針では、将来に備えて100億円規模のM&A向け投資枠を設けました。

そして、四電工初のM&Aとなった事例が、今回の有元温調の買収となります。また、有元温調としても、強みのある空調・管関連工事分野の強化のほか、四電工のネットワークを活かした事業拡大などのメリットが見込めます。

②協和エクシオグループとWinner Engineeringの事例

2019年10月に、協和エクシオのグループ会社でアジア地域の事業運営を統括するEXEO GLOBAL Pte. Ltd.が、シンガポールで空調設備工事を扱っているWinner Engineering Pte. Ltd.の全発行済株式を取得しました。

協和エクシオグループは、グループ総力を集めたトータルソリューションで、新しい成長ステージに向かうことへとつなげています。日本だけでなく海外でも、情報通信インフラの構築を始めとする通信インフラ事業に取り組み、さらに都市インフラ、システムソリューション事業の拡大も推進しています。

Winner Engineeringは、新築ビルや既存ビル用のACMV装置の設置、製造、保守などを提供するサービスに力を注いでいる設備工事会社です。

協和エクシオは、Winner Engineeringと協和エクシオグループのLAE、DeCloutグループでICTソリューション事業を手掛けるBEAQON Pte. Ltd.と提携することで、データセンターの設備工事がワンストップで提供可能な構造を築くためにこのM&Aを行いました。

③日立製作所と日立コンシューマ・マーケティング・日立アプライアンスの事例

2018年10月に日立製作所は、日立コンシューマ・マーケティングと日立アプライアンスを合併して新会社を2019年4月1日付けで発足することを発表しました。日立コンシューマ・マーケティングは、家電・空調・設備機器の販売・エンジニアリングや保守サービスを行う会社です。

また、日立アプライアンスは、冷蔵庫や洗濯機といったキッチン・家電製品、LED照明や住宅設備機器などを通じたソリューションを提供しています。両社の合併は、近年の社会構造やライフスタイルの多様化といった変化に合わせ、より適したソリューションを提供するための新会社を発足するという意味があります。

そして、2019年3月1日、日立コンシューマ・マーケティングと日立アプライアンスを合併した新会社の社名は「日立グローバルライフソリューションズ株式会社」と発表されました。

日立グループは、この日立グローバルライフソリューションズについて、日立グループが注力する「ヒューマン・ライフ」分野におけるデジタル時代の家電・空調事業をリードする新会社として、2019年4月1日に発足しています。

このように、時代の変化やニーズに対応するため、子会社同士を合併させる事例もあるのです。この事例では、家電事業と空調事業を合わせる形でより良質なソリューションの提供などを目指す点に特徴があります。

家電事業も空調事業も日々の生活に深く関係する分野です。こうした関連事業を合わせたソリューションサービスの在り方が、空調設備工事業界にどのような影響を与えるのか今後の動向にも注目されます。

まとめ

空調設備工事業界でも、近年M&A事例が活発化しています。中小企業が多く、競争の激化も見られる空調設備工事業界では、競争力の強化、事業エリアの拡大、事業規模の拡大、サービス体制の強化など、さまざまな目的のためにM&Aが活用されています。

また、関連事業も深く関係する空調設備工事業界では、関連事業を行う会社とのM&A事例も見られます。こうしたM&Aも、空調設備工事会社がサービス体制などを強化するうえで意義のある事例となります。

自社のM&Aを成功に導くためにも、各事例のM&Aの目的、スキーム、会社・事業規模などを検討し、さまざまな視点から事前に分析しておくことが大切です。

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