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経営者保証ガイドラインとは?ポイントや要件をわかりやすく解説

経営者保証ガイドラインとは?ポイントや要件をわかりやすく解説

目次

    経営者保証

    「経営者保証に関するガイドライン」という言葉を聞いたことがありますか?

    どんな業界・業種でも会社を経営する経営者であれば何かと悩みの種になるのが「資金」ですが、そんな時に役立つものが中小企業が公開している「経営者保証に関するガイドライン」です。

    ただ、経営者保証に関するガイドラインは平成26年から導入されたばかりであるため、あまり知らないという人が多いかと思います。

    今回はそんな経営者保証に関するガイドラインについてお伝えします。

    経営者保証ガイドラインとは?

    まずは経営者保証に関するガイドラインの概要について簡単にお伝えします。

    経営者保証に関するガイドラインとは平成26年に中小企業庁が試行しているものであり、わかりやすくいうと経営者の新しい融資が受けやすくなり、また経営者保証を解除することができるようになります。

    そもそも経営者保証とは個人保証の一種であり、経営者の返済を保証する日本独自の商慣習です。

    しかし経営の規律を正したり、資金調達の円滑化を助ける一方で経営者保証は万が一会社の経営状態が傾くと大きなリスクが発生するものです。

    そのためさらなる融資が必要となるような事業拡大や早期の事業再生を妨げ、中小企業の活力を奪ってしまうという負の一面がありました。

    そんな状況を鑑み、中小企業庁は金融庁と共に経営者保証に関するガイドラインを設定し、中小企業のさらなる活性化を図るようになりました。

    経営者保証に関するガイドラインを活用した事例は平成26年に施行されてから年々右肩上がりに増えており、現在では数十万件の中小企業が活用しています。

    以前から中小企業は規模が限られるため、資金繰りに苦慮している企業が多いものでした。加えて一度経営が傾くと経営者保証のために保証債務履行が発生し、更なる負担を強いられるため、融資を積極的に行った事業展開を行い、さらなる成長を図るという思い切った経営戦略がやりにくい状況にもなっていました。

    そんな状況において経営者保証に関するガイドラインは資金調達の際に発生するリスクを軽減してくれるでしょう。

    経営者保証に関するガイドラインはあくまで金融機関団体や中小機関団体共通の自主的なルールであり、法律や行政の制度ではないため法的拘束力こそありません。

    しかし金融機関や中小企業、経営者が自主的に遵守・尊重することが期待されているだけでなく、中小企業庁や金融庁、専門家がバックアップしているため安心して使えるものだといえます。

    経営者保証に関するガイドラインのポイント

    ここでは経営者保証に関するガイドラインのポイントについてお伝えします。

    経営者保証に関するガイドラインの効果として代表的なものを挙げるなら以下のようなものがあります。

    • 法人と個人が明確に分離されている場合などに、経営者の個人保証を求めないこと。
    • 多額の個人保証を行っていた場合でも早い段階で事業再生や廃業を決断したのなら、その際に一定の従来の自由財産99万円に加え、経営者の年齢などに応じて100万円~360万円を残し、「華美でない」自宅に住み続けられることなどを検討すること。
    • 保証債務履行が発生した際に返済しきれない債務残額は原則として免除すること。

    この効果から鑑みると、経営者保証に関するガイドラインのポイントは「経営者保証の解除」、「返済の際の生活の保護」、「債務の免除」だといえます。

    そもそも経営者保証は保証債務履行の際に自宅や貯金を取り上げられてしまうリスクを孕んでおり、それが経営者が新たな融資を控えてしまう原因だといえます。

    しかし経営者保証に関するガイドラインは後述する要件を満たすことができれば経営者保証それ自体を解除することができ、リスクを低減したうえで融資を受けられるようになります。

    また経営者保証がある状態で融資をしており、経営が傾いている状態に陥った企業の場合はこちらも後述する要件を満たしてさえいれば返済が免除されます。

    さらに当面の生活費(前述した自由財産99万円+年齢に応じて100万円~360万円)を残し、さらに自宅を残してくれるため、最低限の生活を確保できるようになるため、迅速な経営再建や清算が行いやすくなります。

    このように経営者保証に関するガイドラインは「新規融資・保証契約の見直し」と「債務整理」の両面で活用できるものです。

    中小企業の経営者は資金繰りが苦しいうえに、大企業の経営者と違って一定の財産を確保することも簡単ではありません。

    そのため中小企業の経営者は経営環境や景気の変動によって会社経営のみならず実生活にも大きな損害を受けてしまうリスクが高くなっています。

    中小企業は日本経済の屋台骨といっても過言ではなく、中小企業が苦境に立たされることは日本社会にとって大きな損失になり得るといえます。

    そのため最近では国や自治体が中小企業を積極的にバックアップするようになっています。

    経営者保証に関するガイドラインもその一環として施行されているものであるため、中小企業の経営者の方は積極的に活用することがおすすめです。

    経営者保障に関するガイドラインの対象と適用要件

    ここでは経営者保証に関するガイドラインの対象と適用要件についてお伝えしていきます。

    経営者保証に関するガイドラインの対象と適用要件は「新規融資・保障契約」を行うか「債務整理」行うかによって異なっています。

    「新規融資・保証契約」と「債務整理」の対象と適用要件はそれぞれ以下のようになっています。

    ①新規融資・保証契約の見直しの対象と適用要件

    新規融資・保証契約の見直しの対象と適用要件は4つあり、それぞれ以下のようなものがあります。

    • 主債務者が中小企業であること。
    • 保証人が個人であることに加え、主債務者である中小企業の経営者などであること。
    • 主債務者である中小企業と保証人であるその経営者などが、弁済に誠実であるうえに債権者の請求があれば、それに応じて負債の状況がわかる財産状況などを適切に開示していること。
    • 主債務者と保証人が反社会的勢力ではない、あるいはそのおそれがないこと

    基本的に上記4つの要件を満たし、適切な対象となっていれば経営者保証に関するガイドラインを活用することができるようになります。

    中小企業・小規模事業者の定義は以下のようになっています。

    【中小企業者の定義】

    業種

    定義

    製造業その他

    資本金の額、あるいは出資の総額が3億円以下の会社。

    または常時使用している従業員の数が300人以下の会社および個人。

    卸売業

    資本金の額、あるいは出資の総額が1億円以下の会社。

    または常時使用している従業員の数が100人以下の会社および個人。

    小売業

    資本金の額、あるいは出資の総額が5千万円以下の会社。

    または常時使用している従業員の数が50人以下の会社および個人。


    サービス業

    資本金の額、あるいは出資の総額が5千万円以下の会社。

    または常時使用している従業員の数が100人以下の会社および個人。


    ただし、一部の事業に関しては定義が違っているため、よくわからなければな中小企業庁に確認をしてもらった方がいいでしょう。

    また大企業の子会社のような中小企業だと「みなし大企業」とされ、中小企業の定義から外れてしまうことがあるので注意してください。

    【小規模事業者の定義】

    業種

    定義

    製造業など

    従業員20人以下

    商業・サービス業

    従業員 5人以下


    また、新規融資・保証契約のために経営者保証に関するガイドラインを活用する場合、一定水準の経営状況が求められることになります。

    その経営状況の水準は以下のようなものがあります。

    • 法人と経営者の明確な区分・分離に努めている

    法人と個人の分離融資を受けることを考えているなら、会社と経営者の間の資金のやりとり(役員報酬や配当など)が社会通念上適切な範囲を超えないようにしている体制を構築する必要があります。

    いうなれば資産の分離と経営・家計の分離がしっかりできているかどうかということです。

    • 財務基盤の強化に努めている

    融資を受けたいのであれば、財務基盤の強化に努めていることも重要です。

    経営者保証に関するガイドラインは融資を受けやすくし、また返済のリスクを低減してくれますが、それでも返済能力は一定以上有していなければ活用することはできません。

    そのため財務状況や業績の改善を行い、ある程度の信頼性は確保しておく必要があります。

    • 財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示といった経営の透明性を確保している

    自分の会社の財務状況を常時正確に把握しており、金融機関などからの情報開示要請に応じて、必要な情報を開示できるかどうかも重要な水準です。

    この場合金融機関から開示を要請される情報は資産・負債の状況や事業計画、業績の見通しなどといったものがあり、これをちゃんと開示できるかどうかで透明性の有無が問われます。

    ②債務整理の対象と適用要件

    債務整理の対象と適用要件は以下のようなものになっています。

    • 主債務者が法的な整理手続か中立かつ公正な第三者の関与している指摘整理手続の申し立てを経営者保証に関するガイドラインと同時に行っており、手続きが継続している、あるは終結していること。
    • 債務や保証債務の破産手続き行った際に得られる配当よりも多く回収することが見込まれるなど、債権者に経済合理性が期待できること。
    • 保証人に破産法が定めているような免責不許可事由がなく、またそれが発生するおそれがないこと。

    これらの要件に加え、債務整理の場合、債権者にとって一定の経済合理性があるうえに保証人が早期に経営再建や清算を行っている場合はさきほどお伝えした生活費や自宅を経営者の手元に残すことができるようになります。

    加えて一定の経済合理性がある場合、経営者は引き続き会社の経営に関わることができます。

    経営者保証に関するガイドラインの申し込み

    ここでは経営者保証に関するガイドラインの申し込みについてお伝えします。

    経営者保証に関するガイドラインの申し込みができる機関は複数あります。

    経営者保証に関するガイドラインの申し込みができる機関は以下の通りです。

    • 商工会
    • 商工会議所
    • 中小機構地域本部

    上記の機関であればいずれの地域にあるものでも申し込みができるため、専用の窓口を通じて申し込みを行ってください。

    また、後述する専門家派遣制度を使いたい際も同じ機関の相談窓口から申し込むことが可能になっています。

    経営者保証に関するガイドラインの専門家派遣制度

    経営者保証に関するガイドラインを活用する場合、専門家派遣制度というものを使用することもできます。

    これは弁護士や公認会計士、税理士などといった経営や法律のプロフェッショナルを派遣してもらい、経営債権や経営計画の見直しなどといった様々な作業をサポートしてもらえるというものです。

    この専門家派遣制度は嬉しいことに国の補助がついているため、年3回までだったら無料で使用することができます。

    個人で専門家に依頼すると報酬が発生することを考えるとかなりお得な制度だといえるでしょう。

    専門家派遣制度は新規融資・保証契約の見直しの場合でも債務整理の場合でも使用することが可能であり、それぞれ以下のようなサポートを行ってくれます(ここに記載されていること以外のものもやってくれることもあります)。

    【新規融資・保証契約の見直し】

    • 経営者保証に関するガイドラインに記載された経営状況の水準かどうかの検証
    • 経営者保証に関するガイドラインの内容に即した経営状況を実現・継続できる体制の構築などのためのアドバイスや支援
    • 経営状況についての経営者保証に関するガイドラインへの適応状況の検証結果のまとめ

    【債務整理時】

    • 保証人の資産調査
    • 保証人が行った資産の表明保証の適正性に関する確認書の作成と報告
    • 弁済計画案の作成支援

    まとめ

    経営者保証に関するガイドラインは債務に重なって身動きが取れなくなることが多い中小企業の経営者にとってはとても魅力的なものだといえます。

    申し込みも専門家派遣も全て無料で実施しているため、資金が限られていても使いやすいのもポイントです。

    もし経営状況に不安がある場合はぜひ申し込んでみてください。

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