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美容室の事業承継とは?課題や注意点を解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

美容室の経営は個人経営が多く、事業承継について消極的な印象を受けます。適当な後継者がいない場合は、M&Aを視野に入れて検討していくことが賢明な選択となるでしょう。

目次
  1. 美容室の事業承継とは
  2. 美容室の事業承継課題
  3. 美容室の事業承継の注意点
  4. 美容室の事業承継はM&A仲介会社に相談
  5. 美容室の事業承継事例
  6. まとめ

美容室の事業承継とは

美容室は、個人経営が圧倒的に多く88.7%の割合を示しています。株式会社・有限会社の法人格となっている美容室は全体の10.6%となっており、規模が小さい美容室が大半であることを示しています。美容室は、経営者が美容免許を取得して、施術をするパターンが多く、ひとりでお店を運営していることも珍しくありません。

事業承継が難しい経営体制

事業承継については、個人経営であるために親族内承継を検討することが多く、経営者の子供が後継者候補となることが多いでしょう。しかし、経営者の子供が後継者候補とならない場合は、「自分の代でお店を閉める」という傾向が強く、慈雨業承継を実行できない場合が多いようです。ひとりでお店を運営している割合についても、32%を占めており、2人が28%、3人が12%となっています。少人数でお店を運営しているために、事業承継には消極的な一面もあります。

経営者の年齢も60歳から69歳が32.4%の割合を示しており、50歳から59歳が26.1%、40歳から49歳、70在から79歳が15.1%と同率になっています。経営者の年齢を見ると、後継者へと事業承継の準備を始めても良い年齢に達していますが、実際には後継者がいないとしている割合が78.2%と高水準に達しており、後継者アリとしているのは16.5%となっているのが現状です。

個人経営の美容室で後継者がいないとしているのは82.5%となっており、個人経営であるがゆえに、後継者の問題についてあまり検討せず「自分に代で廃業してもいい」という考え方になる場合もあるでしょう。

事業承継の種類

事業承継には、親族内承継、親族外承継、社外への引継ぎの3つが主な方法です。

親族内承継は、経営者の子供や親族を後継者として事業承継をする方法です。経営者の子供や親族を後継者とするので、従業員や取引先などにも比較的受け入れられやすく、スムーズに事業承継ができます。親族外承継は、従業員や役員を後継者とする方法で事業承継をします。従業員や役員を後継者とするので、会社の経営方針や経営理念、業務内容などをすでに理解しているので、後継者教育を短縮できる場合があります。

社外への引継ぎは、会社を売却する方法で一般的にはM&Aが実施されます。M&Aを実施する時は、M&A仲介会社を選定して買収してくれる会社を探すことになります。買収してくれる会社が見つかれば、会社をそのまま存続することも可能になります。

美容室の事業承継課題

事業承継の課題は、美容室だけでなく全国の中小企業で「経営上の問題」と捉えているところが多く、今後の経営課題ともいえます。全国の中小企業を対象にした調査でも、2015年には経営者の年齢のピークが66歳になると算出されており、経営者の平均引退年齢の推移でも、直近から4年前では67.7歳、小規模事業者については70.5歳と70歳を超えています。日本は、長寿国となり平均寿命も80歳を超える時代となっていますが、中小企業の経営者の年齢も上昇しており、60歳を超えても第一線で事業を運営している現状が見てとれます。

事業承継についても懸念すべき事項があり、35年以上40年未満前では親族内承継が83.5%、息子・娘以外の親族に事業承継していた割合は9.2%となっており、圧倒的に親族内承継の割合が高かったのですが、直近から5年未満前では、息子・娘への事業承継は26.7%の割合とあっており、息子・娘以外の親族への事業承継は7.6%と低い水準となっています。親族以外への承継・従業員への事業承継が26.4%となっており、社外の第三者への引継ぎが39.3%の割合となっています。

この数値から、最近の事業承継は親族内承継よりも親族外承継、社外の第三者への承継が増えており、以前の「家業を継ぐ」という図式は少なくなってきています。

後継者不足

美容室の事業承継は、個人経営者が多いことから経営者の子供が「後継者になる」と申し出ない限り、進んでいないことが現実的にあるようです。個人経営であるために、お店の事業体制が経営者ひとりでお店を切り盛りしている場合もあり、従業員を抱えていないことから「自分の代で閉店する」と決めている経営者も多くいます。そのため、経営者の子供が「お店を継ぐ」と申し出ない場合は、経営者が引退すると同時に閉店する傾向があります。

美容室の後継者となるためには、後継者自身も美容師の免許を取得して、経営も学んでいく必要があります。後継者の有無を問うアンケートでは、「後継者なし」としているのが78.2%となっており、後継者がいないとしている美容室が多いことが分かります。株式会社や有限会社の場合は、美容室自体が法人となって多くの従業員を抱えているために、後継者候補を選定して美容室を存続させる傾向があります。

しかし、経営者が1人で運営しているか、経営者と1、2人の従業員で運営されているお店の場合は、後継者がいないことを重要な問題とすることが少なく、経営者が引退する時にお店も閉店させる傾向があります。経営者の子供が「お店を継ぐ」と言った場合に、後継者として美容師の免許を取得させ、経営者としての教育をする、という形になるのでしょう。

経営者の高齢化

美容室の経営者の年齢を見ると60歳から69歳までが32.4%、50歳から59歳が26.1%となっており、慢性的な高齢化が進んでいるといえます。この年齢になれば、ほかの業種の中小企業でも事業承継の準備が開始される年齢と言えます。美容室の場合も現経営者が60歳を超えた頃には、事業承継の準備を始める必要があり、事業承継計画の策定をすべきなのです。

しかし、美容室は個人経営が多く、現経営者が高齢になり引退するのと同時にお店を閉店させる、という考え方が多い傾向にあります。美容師は、免許を取得して経営者がお店を続ける限りは現役として施術を続けることができるため、80歳を超えた経営者も3.9%います。このような中で、美容室の経営者の高齢化も進んでおり、事業承継自体を経営上の問題としていない可能性もあります。

美容室の事業承継の注意点

事業承継は、会社の大きな転換期となる可能性もあり、事業承継の方法によっては注意しなければならない事柄もあります。美容室を50年、100年と継続させていくには事業承継が欠かせないことでもあり、事業承継によって、お店の運営方法を変えていく必要がある場合もあります。

美容室の場合は、設備への支出も多くシャンプー台やパーマやカラーの促進器などを事業承継とともに新しく一新させるなど、費用も掛かる可能性があります。美容室の経営は、最新の流行などを取り入れる必要もあり、流行りの髪型や毛染めの仕方などの技術の習得も重要になります。

また、事業承継によって髪の毛に対する施術だけでなく、ネイルサロンやエステを併設させたり、介護事業に進出したりする可能性もあります。これまでは、個人経営の美容室だった場合でも事業承継によって法人となり、事業を拡大させる場合もあります。

情報漏洩に注意

どのような形で事業承継する場合でも、事業承継の内容は確定するまで情報が漏れないように注意しなければなりません。特に、従業員を抱える美容室では、事業承継によって事業内容が変わってリストラされてしまうのではないか?などのような憶測を与えることになります。

事業承継を実施しても、従業員の雇用は守られることが多いですが、社外への引継ぎでM&Aを実行する場合には、美容室を売却して経営者が交代することになります。そのため、経営者の考え方によっては従業員に対して、お店の移動やリストラなどの対象になるのではないか?という不安を与えることになります。

先にも述べたように、事業承継によって経営者が交代することでお店の運営の仕方が変わってしまう可能性もあります。それによって、これまで働いていた従業員は働きにくさを感じるかもしれません。年齢を重ねた経営者は、事業承継について早めに従業員に話をした方が良いと考える傾向がありますが、事業承継については内容が確定してから公表する方が良いのです。

美容室との取引先に対しても、事業承継の内容が確定するまでは情報が漏れないように注意しなければなりません。M&Aを実施することが取引先に情報が漏れると「業績が悪いからなのではないか?」などの憶測を与えることになります。事業承継をする時には、従業員や取引先などに不安や憶測を与えないように情報が漏れないように注意する必要があります。

後継者の教育には時間がかかる

美容室の後継者となる場合は、まずは美容師としての免許を取得させる必要があります。その後、インターン(修行)を重ねて、スタイリストとなるまでにはある一定の期間がかかるでしょう。ほかの業種と異なり、美容師の免許をまずは取得しなければ、後継者となるのは難しいでしょう。

しかし、後継者となった人材にお店の運営だけを任せるのであれば、美容師の免許は必要ないと考えることもできます。お店の運営だけを任せて、施術は美容師の免許を持っている人に任せるというのは、現実的でないかもしれません。美容室の場合は、個人経営が多く経営者がスタイリストとしてお客様を相手に施術をすることが多いのです。そのため、美容室の後継者となる場合には、美容師の免許を取得してスタイリストになりまで修行を重ねる必要があります。

ほかの業種の中小企業でも、会社の業務内容を覚えて会社の理念や方針などを学ぶので、概ね10年の期間が必要だとされています。美容室の場合も、後継者の教育をする場合は概ね10年の期間が必要になるでしょう。お客様に施術をすることを考えると10年以上の期間がかかる場合もあります。後継者を美容師として一人前にする必要があり、経営者としての資質も高める必要があるのです。この2つを教育していかなければ、美容室の後継者となるのは難しいでしょう。

美容室の事業承継を成功させたいのであれば、美容師としての技術と経営者としての資質を教育していく必要があるので、後継者教育には時間がかかることを念頭においておく必要があります。

美容室の事業承継はM&A仲介会社に相談

美容室の事業承継は、経営者自身で解決できることもありますが、事業承継の方法によっては、様々な手続きが必要になり専門家のアドバイスやサポートが必要になる場合があります。事業承継の問題については、プライベートな部分にも及ぶ場合があり、誰にも相談できない、どこに相談すればいいのか分からない、などの悩みを抱えている経営者も多くいます。そのような場合に、M&A仲介会社に相談する方法があります。

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まずは事前相談

M&A仲介会社には、弁護士、会計士、税理士などの士業の資格を保有しているスタッフが在籍していることが多くあります。事業承継については、財務や税務などの問題を含んでいる場合もあるので、会計士や税理士の意見を聞いてみるのもとても参考になります。

M&A仲介会社は、M&Aの仲介をしているだけでなく事業承継についての相談にも応じてくれるところが多く、事業承継の先にM&Aがあるという考え方をもっているところが多くあります。事業承継は、経営者の交代をすれば完了と言うわけではなく、資産や負債などの承継や建物や土地の引継ぎなども関係しています。そのため、専門的な知識を必要とする場合もあり、M&A仲介会社に在籍している会計士や税理士のアドバイスやサポートを受けると、解決する場合があります。

適当な後継者がいない場合は、M&Aを視野に入れて検討する必要がありますが、そのような場合でもM&A仲介会社の事前相談に行くことで問題が解決する場合が多いでしょう。美容室の場合は、個人経営で規模が小さいところが多いので、「自分の代で廃業しよう」と考えることが多いですが、集客力があり今後の売上も見込める場合はM&Aを検討しても良いでしょう。

このようなことを含めて、M&A仲介会社に事前相談することでM&Aが必要なのか、できるのか、などのアドバイスを受けることができます。多くのM&A仲介会社は、事前相談を無料で受け付けているので、規模の小さい美容室でも相談に応じてもらえます。

美容室に特化したM&A仲介会社もある

事業承継の問題を抱えている経営者は多く、適当な後継者が見つからない場合はM&Aも視野に入れて検討すべきです。集客力があり、常連も多い場合で売上高もある場合は、特にM&Aによる存続を検討した方が良いでしょう。M&A仲介会社は、中小企業のM&Aを対象としているところが多く存在しており、東証一部上場を果たしており全国に営業所を構える大手M&A仲介会社もありますし、地元密着型で地域性や利便性を強みとしているM&A仲介会社もあります。

また、美容室に特化したM&A仲介会社もあり、美容室やネイルサロン、エステなどのM&Aを得意としているM&A仲介会社もあります。美容室に特化したM&A仲介会社は、個人経営の美容室の案件を多く保有しており、M&Aのマッチングもスムーズにいく可能性があります。同業同士のM&Aは多くみられ、事業の拡大を目的としている場合があります。

個人経営が多い美容室の場合は、美容室やヘアサロンを得意としているM&A仲介会社がおススメです。M&Aありきではなく、事業承継の相談にも応じてくれるでしょう。

美容室の事業承継事例

美容室の事業承継は、個人経営が多いために事例が公開されることが少ない業種でもあります。多くの事例は公開されていませんが、実際の事例を紹介します。

経営不振を理由に事業譲渡

売り手側の美容室は、10店舗を経営する会社で、そのうちの5店舗を事業譲渡しようと検討していました。その理由は、経営不振による経営のスリム化と従業員の生活の確保です。買い手側の会社は、化粧品卸会社で、買収する理由として小売販売のルートの確保による多角化としています。

譲渡金額は2000万円で、売り手側の美容室は、従業員の継続雇用を要求し、買い手側の化粧品卸会社は了承したことで、事業譲渡が成立しています。買い手側の会社は、事業譲渡した5店舗に自社の化粧品を卸す販売ルートを得ることで、今後の多角化を期待するものとなっています。買い手側の会社は、5店舗の事業譲渡をしたことによって、新しい販路を広げることができ、一から販路を拡大するよりも安い価格で販路を拡大することができたそうです。

まとめ

美容室の経営は個人経営が多く、事業承継について消極的な印象を受けます。現経営者に子供が「お店を継ぐ」とならない場合は、閉店を余儀なくされているような状態でしょう。

その中で、経営者の年齢事態も上昇しており、今後の美容室の事業承継は重要な問題となってくるでしょう。美容師になる人員も減少傾向にあり、後継者となる人材を探すのが難しい状態だといえます。適当な後継者がいない場合は、M&Aを視野に入れて検討していくことが賢明な選択となるでしょう。
 

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