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2019年3月10日更新

LOI(レターオブインテント)とは?内容や法的拘束力などを解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

LOIは最終契約を締結する前の、M&Aにおける非常に重要なプロセスの一つです。LOI締結を検討する段階では、ある程度当事者のさじ加減で自由に内容を決定できる分、M&Aのスキーム全体や、その後の交渉の進め方などを踏まえて決定する必要があります。その点を踏まえ、交渉に臨むようにしましょう。

目次

    LOI(レターオブインテント)

    LOI(レターオブインタント)という言葉をご存知でしょうか?

    LOIとはM&Aで作成される書類の一種であり、クロージングに至る前に必ず締結しておかなければならないものです。

    そのため、LOIについての知識は、M&Aを考えている経営者にとって必ず押さえておくべきものだといえます。

    今回はLOIがどういうものかについてお伝えするだけでなく、法的拘束力などについても解説していきます。

    LOI(レターオブインテント)とは?その意味について

    まずはLOI(レターオブインタント)の意味についてお伝えしていきます。

    LOIは日本語でいうところの「基本同意書」であり、「Letter of Intent」の略称です。

    LOIには、M&Aの交渉を進めていくうえにおいて、クロージングの前にすでに定められた事項が記載されます。

    記載される事項については後述しますが、基本的には「売り手となる会社にデューデリジェンスを行う権利」や「独占交渉権」などといったものが、LOIには記載されます。

    ただ、LOIの内容はM&A案件ごとに異なっており、今後の交渉による変更を前提にしたものから、実質的な最終合意になっているもの、ただ協議を行うことを示すレベルのものまで、幅広くあります。

    つまりLOIには決まった型がなく、基本的な記載事項さえ押さえておけば、特別守らなければならない決まりはありません。

    ただ、LOIは今後の交渉、ひいてはM&Aのスキームの方向性を決定づけるものといっても過言ではありません。

    そのため法的拘束力を持たせ、実質的な最終契約として扱うこともあります。

    また、LOI、とりわけ基本合意書は有効期限を設けることが一般的です。

    あくまでLOIはM&Aを進めていくうえで必要な契約であり、無制限に効力を発揮し続けるものではないからです。

    ちなみに、LOIを「意向表明書」として扱うこともあります。

    意向表明書はM&Aに対する意思表示や、大まかな条件について記載するものです。

    これを締結することにより、M&Aの当事者である買い手と売り手の認識を合致させ、その後の交渉でズレが出てこないように、あらかじめ備えておくことができます。

    意向表明書は基本合意書と比べると重要度は低く、M&A案件の中には基本的な事項の合致や意思の疎通が確認できれば、意向表明書を省略するケースもあります。

    ただ、意向表明書→基本合意書の順番でしっかり意思確認や基本的な条件を確認しておくことにより、M&Aを行う相手をしっかり見極める余裕を作ることができます。

    その点を踏まえると、意向表明書を作成するプロセスはなるべく作っておいた方がいいでしょう。

    LOI(レターオブインテント)とMOUの違いとは?

    LOIと似たようなものに、「MOU」というものがあります。

    こちらは「Memorandum of Understanding」の略称であり、意味は「覚書」、つまりは「基本合意書」です。

    いうなればMOUはLOIの別の言い方であり、基本的な意味合いは変わりません。

    しかし、少しややこしいですが、LOIを基本合意書、あるいは意向表明書として扱う場合と、MOUを基本合意書として扱う場合があり、それはあまり統一されていません。

    ただ、LOIを基本合意書として扱うケースが多いため、LOI=基本合意書と覚えておいた方がいいでしょう。

    LOI(レターオブインテント)を締結する目的は?

    そもそも、なぜLOIを締結する必要があるのでしょうか?

    さきほどもお伝えしたように、LOIはM&Aのその後の交渉の方針を決定づける重要なものです。

    ただ、LOIを締結する目的自体はM&Aの当事者である買い手と売り手で、それぞれ異なっています。

    売り手の場合、LOIを締結する最大の目的は「今後のM&Aの交渉に備えた基本的条件の設定」です。

    M&Aでは、売り手となる会社のリスクを精査する「デューデリジェンス」と呼ばれる作業が必ずあります。

    これは買い手がM&Aを行ううえで確認すべきリスクを洗い出す重要な作業であり、デューデリジェンスの成果によっては、M&Aそれ自体が頓挫してしまうこともあります。

    しかし、デューデリジェンスは貸借対照表や決算報告などといった様々な資料を確認するものであるため、時には売り手が抱える機密情報を閲覧することもあります。

    そのため、売り手にとっては機密情報を公開することになり、漏洩のリスクを抱えてしまうことになります。

    だからLOIを作成し、売り手はリスクを抱えたうえで交渉を行うにあたって必要な条件を設けるわけです。

    これに対し、買い手はLOIを作成することにより、後述する「独占交渉権」を設定することを主目的にしています。

    買い手からすれば、売り手の会社が様々な買い手候補を天秤にかけて交渉を受けることは、決して望ましいことではありません。

    M&Aはそれなりにコストも時間もかかるものであり、買い手が欲しいと判断した売り手とのM&Aは必ず成功させたいと考えるものです。

    そのため、買い手は確実にM&Aの交渉を進めるために、LOIで独占交渉権を確立させることを重視します。

    このように、LOIを作成する目的は買い手と売り手で対立しています。

    この点を踏まえると、LOIは買い手と売り手、それぞれの相反する姿勢をすり合わせるためのプロセスともいえるかもしれません。

    LOI(レターオブインテント)で記載する事項とは?

    LOIで記載する事項はM&A案件によって異なりますが、代表的なものとしては「デューデリジェンスを行う権利」と「独占交渉権」、「守秘義務」、「買取価格」です。

    ここではLOIに記載されるそれぞれの事項についてお伝えしていきます。

    ①デューデリジェンスを行う権利

    「デューデリジェンスを行う権利」に関しては、デューデリジェンスの実行を明記すると共に、そのやり方や時期などが記されるものです。

    デューデリジェンスは複数の種類があり、調査する内容によって税務、財務、法務、人事など様々なものがあります。

    LOIでは買い手がどの種類のデューデリジェンスを行うかについて明記する必要があります。

    ②独占交渉権

    「独占交渉権」は買い手と売り手それぞれの思惑が交差する重要な事項となります。

    そもそも独占交渉権とは、交渉やデューデリジェンスなどといったM&Aのプロセスを行っていく過程で、競合する他の買い手が現れ、横取りしていくことを防ぐために設けられる事項です。

    いうなれば、売り手となる会社との交渉を独占し、競合他社を寄せ付けないために独占交渉権は設けられます。

    ただ、さきほどもお伝えしたように、LOIを締結する段階で買い手と売り手の目的は対立しています。

    買い手は売り手が魅力的であれば、M&Aを実現させるべく、本格的に交渉に乗り出していきたいと考えるものですが、売り手は条件がいい買い手が他にいるなら、そこと交渉したいと考えるものです。

    そのため、独占交渉権は期限付きで設定されることが多く、その期限をどれだけの長さで設定するかがポイントになります。

    買い手の立場に立てば、少しでも長く期限を設定して交渉を独占する時間を延ばしたいと考えるものです。

    しかし、売り手はより良い条件でM&Aを行ってくれる買い手が出てきた際に、すぐ交渉に応じることができるように、少しでも短く独占交渉権の期間を設定したいと考えます。

    つまり、独占交渉権の期限をどのように設定するかという場面で、買い手と売り手それぞれの交渉力が試されるというわけです。

    ③守秘義務

    守秘義務とは、M&Aにおいて外部に漏らさないようにする機密について明記する事項です。

    M&Aでは秘密保持契約を締結するプロセスもありますが、LOIの段階でも、秘匿すべき機密があった場合は、守秘義務を明記する必要があります。

    そもそもM&Aは機密や、情報の管理が非常に重要になる戦略でもあります。

    さきほどお伝えしたように、デューデリジェンスの過程で機密が漏洩するリスクがありますし、何よりM&Aを行おうとしていること自体を秘匿しておく必要があります。

    M&Aは組織再編の一環でもあり、内容によっては当事者である会社の形態が変わったり、合併のような手法を用いた場合は会社自体が消滅してしまうこともあります。

    そのためM&Aを行う場合は、交渉のテーブルに着くチームと経営陣以外の従業員や、取引先にも、そのことを伏せておく必要があります。

    もしM&Aの情報が漏洩するようなことになれば、従業員や取引先を動揺させてしまうことになりますし、その動揺が反発になれば、M&A自体が上手く進まなくなります。

    また、買い手の競合他社がM&Aの情報を掴むことになれば、買収に乗り出してくることもあり得るでしょう。

    そのため、守秘義務は独占交渉権と並んで、LOIにおける最も重要な事項の一つだといえます。

    ④買取価格

    買取価格は文字通り、売り手となる会社を買収する際の価格のことを指します。

    M&AではLOIの段階で、ある程度売り手となる会社の価格を決定しておき、LOIに明記しておくことが一般的です。

    ただ、LOIの段階はデューデリジェンスの前であり、売り手となる会社の具体的なリスクを精査していない状態です。

    そのため、デューデリジェンスを行ってから様々なリスクが判明すると、それが買取価格に影響することは充分に考えられます。

    この点を踏まえ、LOIでは買取価格を暫定的に決定し、デューデリジェンスを行った後から様子を見て変更することも珍しくありません。

    LOI(レターオブインテント)の法的拘束力

    LOIの法的拘束力はどれだけあるのでしょうか?

    さきほどもお伝えしたように、LOIはM&A案件の内容によって変わるため、後から交渉の内容に合わせて、記載した事項を書き換えられるようにしておくケースも多くあります。

    ただ、LOIに記載する事項の内、独占交渉権や守秘義務のような事項は法的拘束力を持たせることが多いです。

    独占交渉権も、守秘義務も、それぞれがM&Aの推移を決めるだけでなく、買い手と売り手それぞれの会社の内部に影響するような事項であるため、法的拘束力を持たせておかなければなりません。

    これは裏を返すと、独占交渉権や守秘義務を破るような行為をした場合に、訴訟が発生するリスクがあることを示しています。

    そのため、法的拘束力を持たせた事項を明記したのであれば、買い手も売り手もLOIに従って、その後のM&Aの交渉を進めていくことになります。

    他方で、買取価格のような、その後の交渉やデューデリジェンスによって内容が変わり得るものに関しては、法的拘束力を持たせないことが一般的です。

    法的拘束力を持たせてしまうと、後から変更することが難しくなるからです。

    これらの点を踏まえると、LOIは「事項の種類によって法的拘束力が発生するもの」あと覚えておけばいいでしょう。

    上場会社におけるLOI(レターオブインテント)の開示義務


    上場会社がM&Aを行う場合、締結したLOIの開示義務が発生する可能性があります。

    上場会社がM&AにおいてLOIを締結することは、金融商品取引所規則に基づく適時開示義務の対象になる可能性があるからです。

    さきほどもお伝えしたように、LOIは内容によっては最終契約に近いものになるケースもあるため、その場合は金融商品取引所規則における「取引実行に関する決定」と解釈される可能性が高くなります。

    もしLOIに一定の法的拘束力があり、取引が実行される可能性が高いのであれば、「取引実行に関する決定」として扱われると考えた方がいいでしょう。

    「取引実行に関する決定」として扱われるかどうかは、LOIによく記載される事項である独占交渉権、秘密保持義務、デューデリジェンスを行う権利などだけでは判断されません。

    これらのような事項があると「取引実行に関する決定」として扱われそうなイメージがありますが、取引条件について規定するものではなければ、開示義務は生じません。

    これらの事項があるうえで、法的拘束力があり、なおかつ取引条件について厳密な規定がある場合は、開示義務が生じるようになります。

    上場会社では、最終契約締結まで時間がかかると判断された場合、LOIの段階でM&Aを行う旨を株主に公表するというケースが多いです。

    この際に気を付けてほしいのは、開示義務が生じるかどうかに関わらず、LOIの締結が検討されている段階において、その中の情報はインサイダー取引規制における「重要事実」として扱われるケースがほとんどです。

    開示されているからといって、その情報を元に株式の取引を行うと、インサイダー取引に該当する恐れがあるので注意しておきましょう。

    まとめ

    LOIは最終契約を締結する前の、M&Aにおける非常に重要なプロセスの一つです。

    LOI締結を検討する段階では、ある程度当事者のさじ加減で自由に内容を決定できる分、M&Aのスキーム全体や、その後の交渉の進め方などを踏まえて決定する必要があります。

    その点を踏まえ、交渉に臨むようにしましょう。

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