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2020年1月11日更新
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企業価値とは?企業価値向上施策、計算方法をわかりやすく解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&Aや事業投資の際、企業価値という用語を耳にするかと思います。企業価値は事業を運営する上で知っておくべき概念です。この記事では、企業価値について最低限知っておくべき事柄をお伝えします。

目次
  1. 企業価値とは?
  2. 企業価値と時価総額の違い
  3. 企業価値と事業価値の違い
  4. EVと企業価値の違い
  5. 企業価値の評価方法
  6. 企業価値を高める方法
  7. まとめ

企業価値とは?

まず初めに、企業価値とは何なのかお伝えします。企業価値とは企業全体の価値を指しており、M&Aや事業・設備投資の際に実行可否を決める判断材料として用いられます。企業外部から見ると、企業価値は「株主にとっての価値(株式価値)」と「債権者にとっての価値(負債価値)」の合計になります。

  • 企業価値(貸方側)=株式価値+負債価値

上記は貸借対照表の貸方側から見た企業価値ですが、借方側から見ると「事業用資産の価値(事業価値)」と「非事業用資産の価値(非事業価値)」の合計額となります。

  • 企業価値(借方側)=事業価値+非事業価値

基本的に、企業外部の関係者(債権者や株主)は前者の式で、企業内部の人物(経営陣など)は後者の式で企業価値を考えます。また、資産の中には明確な価値が無いものもあり、評価主体により価値が変動するため、それぞれが求めた企業価値は異なる場合が多いです。

M&Aや事業投資の際は、公平性を担保する為にDCF法や純資産価額法という評価方法を用いて、企業価値を算出します。ただし、この計算をは経営者だけで行うのは難しいため、ぜひM&A専門家にご相談ください。

M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つプロがM&Aをフルサポートいたします。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。また、費用に関しても国内最安値水準ですのでご安心ください。

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企業価値と時価総額の違い

企業価値と時価総額はしばしば混同されますが、両者は異なる概念です。企業価値が株主に帰属する株式価値と債権者に帰属する負債価値の合計である一方、時価総額は株主に帰属する株主価値のみを表します。時価総額と株式価値は同じ概念なのです。

  • 時価総額=株式価値
  • 企業価値=時価総額(株式価値)+負債価値

よって、自己資本比率が100%の会社であれば、理論上は企業価値と時価総額が同額となります。理論上とわざわざ言ったのは、実際にはそうでは無いケースが多いからです。

時価総額は株価と株式数を掛け合わせる事で算出できますが、株価は政治情勢や有力投資家の発言等企業の価値以外の要因でも変動します。例えば妥当な株価が1,000円であったとしても、政治情勢等の外部要因により短期的に株価が800円になる場合があります。

  • 時価総額=株価×発行済株式総数

以上から分かるように、市場株価を基準にする時価総額と企業価値はイコールではありません。市場の変動性に左右される時価総額に加えて、M&Aや事業投資では将来性も考慮した上で企業価値を算出します。

【関連】企業価値と株式価値の違い
【関連】株価算定方法を解説します

企業価値と事業価値の違い

企業価値と事業価値も、似ているようで異なる概念です。企業価値は企業全体の価値を表しますが、事業価値は企業が行う事業が持つ価値を表します。

企業価値には事業の持つ価値だけでなく、事業に関係のない余剰資金や遊休資産の価値も含まれます。つまり、企業価値の一部を構成しているのが事業価値です。

  • 企業価値=事業価値+非事業価値

M&Aや事業投資の際には、事業価値と企業価値を同一の意味として用いる場合も多いですが、厳密には上記の違いがあります。企業価値の大部分は事業価値が占めている(資産ばかり保有して事業を行わない会社は基本的にありません)ので、M&Aでは事業価値=企業価値として認識しても差し支えない場合が多いです。

ちなみに事業価値も企業価値も、M&Aの際に買い手が売り手の会社の条件を判別する基準になります。条件の合う売り手を見つけたければM&A総合研究所のM&Aプラットフォームをお使いください。M&A総合研究所のM&Aプラットフォームは独自のAIを使っており、買収ニーズを登録するだけで条件の合う売り手を見つけ出します。
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EVと企業価値の違い

この項では、EVと企業価値についてお伝えします。EVとは「Enterprise Value」の略称であり、直訳すると企業価値となります。しかし、EVは一般的に用いられる企業価値とは若干意味が異なります。

企業価値の意味は「株式価値(時価総額)+負債価値」もしくは「事業価値+非事業価値」と表す一方で、EVと言った場合には「株式価値(時価総額)+負債価値−現金及び現金同等物」を表します。

  • EV=株式価値(時価総額)+負債価値−現金及び現金同等物

つまり、EVは企業価値から現金及び現金同等物を差し引いた金額であり、評価対象企業を購入する際に必要な正味金額を表します。EVの理解を深めるために、企業を購入するために必要な費用を試算してみましょう。

企業を購入するためには、株式を100%購入しなくてはいけないため、時価総額と同じ金額が最低限必要となります。企業を購入する際には債権者に対する負債の返済義務を負う為、負債総額分も必要です。

上記で企業価値自体は計算完了しますが、企業価値には現金や現金に準ずる資産も含まれます。現金は負債の返済に充てることが出来るため、実質その分購入費用が少なく済みます。

以上より、企業の購入に必要な実質金額は「時価総額+有利子負債−現金及び現金同等物」となる訳です。EVは単なる企業価値ではなく、企業を購入する時に必要な「価格」なのです。

【関連】買収価格とは?買収価格決定プロセスと買収価格の交渉
【関連】LBOとは?仕組みやスキーム、メリット・デメリットや事例をわかりやすく解説

企業価値の評価方法

場面や評価対象により、企業価値の評価方法は異なります。最適な企業価値を算出する為には、場面や対象に適した評価方法を用いる必要があります。この項では、ファイナンス理論に基づいた企業価値の評価方法を3つお伝えします。

⑴コストアプローチ

コストアプローチとは、企業の「純資産」に着目した企業価値の評価方法です。貸借対照表上の純資産を株式価値として企業価値を計算する「簿価純資産価額法」や、資産と負債を時価評価した上で算出した時価純資産額を株式価値とする「時価純資産価額法」などがあります。

貸借対照表のみあれば簡単に企業価値を算出できる点や、客観性の高い企業価値を算出可能である点がこの評価方法のメリットです。一方、この評価方法には、企業の将来性を加味できないデメリットもあります。コストアプローチは、事業を継続しない会社(清算等の場面)や社歴の長い中小企業に適した評価方法です。

簿価純資産価額法

簿価純資産価額法では、評価対象企業の資産と負債の帳簿価格に基づいて計算を行います。帳簿上に計上されている資産合計から負債合計を差し引き、算出された純資産額を株式価値とみなします。

  • 株式価値=資産(帳簿価格)ー負債(帳簿価格)

簿価純資産価額法には、帳簿上に記載されている数値に着目するため数値の客観性を保てるというメリットがあります。また、帳簿上の資産-負債=純資産と簡易的な方法で株式価値を算出することが可能です。

時価純資産価額法

時価純資産価額法は、会社の株価を算定する基準日時点での資産及び負債の時価を算定し、その差額を株式価値とします。

  • 株式価値=資産(時価)ー負債(時価)

時価のある資産は時価で評価し、時価が無いものについては基本的に帳簿価格で評価されますが、滞留している債権や在庫については一定の金額まで減額する方法が採られることが多いです。

⑵マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、市場や類似会社に着目する企業価値の評価方法です。数ヶ月分の平均株価を用いる「市場株価法」や類似会社のPERやEBITDAを用いる「マルチプル法」があります。

客観性の高い企業価値を算出可能な点や、十分な利益を得ていないベンチャー企業でも活用できる点がこの評価方法のメリットです。一方、類似企業や類似取引が見つからない場合は妥当な企業価値を算出できないデメリットもあります。

市場株価法

市場株価法とは、過去1ヶ月~6ヶ月程度の市場株価をもとにした平均株価を評価額とする方法です。 市場株価法は、市場で多くの参加者の需給によって形成される株価を平均して求めるので、客観性が高いといえます。 

平均値は出来高加重平均(VWAP)や終値平均をとることが多いです。ただし、出来高が極端に少ない銘柄や不自然な株価の動きがある銘柄(風評被害や仕手筋が動いていたり、インサイダーによる情報漏れで株価が上下しているなど)の場合は市場株価法による評価結果が合理的であるとは言えないので、注意が必要です。
 

マルチプル法

マルチプル法(類似企業比較法)とは、類似した上場企業の評価倍率を元にして、対象となる企業をバリュエーションする方法のことを指します。類似した企業の評価倍率が「マルチプル」であり、具体的には、利益やEBITDA、純資産といった財務指標から算出された倍率のことを言います。

そして、この倍率に評価対象企業の財務数値(純利益、純資産など)を掛け合わせることで、企業の株主資本価値を算定します。この性質から、マルチプル法には、「類似上場会社法」や「類似会社比較法」、「倍率法」および「乗数法」などの様々な呼び方があります。

⑶インカムアプローチ

インカムアプローチとは、企業が将来的に得られる収益やキャッシュフローに着目する企業価値の評価方法です。当期純利益の現在価値を用いる「収益還元法」やフリーキャッシュフローの現在価値を用いる「DCF法」があります。

将来性を加味できる為、様々な場面に活用できる点がこの評価方法のメリットです。一方、この評価方法には、恣意性や主観性が企業価値に加味されやすいというデメリットも伴います。インカムアプローチは、M&Aや事業投資等あらゆる場面で活用できる評価方法です。

収益還元法

収益還元法とは、企業が将来生み出すであろう収益を現在価値に変換して企業価値を評価するものです。収益還元法による企業価値算出式は次の通り。

  • 企業価値=平均収益÷資本還元率
資本還元率とは、資本金利および長期的な国債の利回りに会社の経営状態・規模などから判断したリスクを加味したものです。収益還元法は平均収益の変動が少ないことが理想なのでベンチャー企業のように収益の変動が大きい会社に適用するのは難しいです。

DCF法

DCF法とは、企業が将来的に生み出すフリーキャッシュフローの期待値を割引率で割り引いて、現在の企業価値を算出する方法です。フリーキャッシュフローとは、最終的に「債権者と株主に分配可能なキャッシュフロー」のことです。

フリーキャッシュフローという言葉は、しばしば株主に分配可能なキャッシュフローのみを指す場合もあり、混同されがちですので注意しましょう。また、DCF法の計算式は複雑になるので割愛しますが、興味がある方は下記の関連記事を参考にしてみてください。

【関連】DCF法による企業価値の算定
【関連】企業価値の算定方法

 

企業価値を高める方法

最後に、企業価値を高める代表的な方法を3つお伝えします。有利な条件でM&Aを実施するためには企業価値の向上は不可欠なので、必ず理解しておきましょう。

⑴収益力の向上

収益力の向上は、最も効果的に企業価値を高められる方法です。ビジネスモデルや経営戦略の見直し、営業体制の強化により、売上高や利益増大を図る施策が有効です。清算管理の徹底やアウトソーシングにより、費用を圧縮する方法も企業価値を高める事に効果的です。まず最初に収益力の向上に取り組みましょう。

⑵財務の改善

財務状況を改善することは企業価値の向上に繋がります。負債の比率を増加させる事で、「負債利用の節税効果」や「財務レバレッジ効果」により企業価値が向上します。本格的に理解する為にはファイナンスの専門知識が必要となるため割愛しますが、負債を利用すれば企業価値を高めることが出来ます。

⑶投資効率性の向上

企業価値を高めるためには、投資効率性の向上も不可欠です。簡単に言うと、無駄な資産を持たなければ企業価値の向上に繋がります。

遊休資産や回転率の低い在庫等無駄な資産を削減すれば、投資効率性が向上します。投資効率性の向上は企業価値の向上に繋がるだけでなく、M&Aの買い手に対する印象を良くする効果も期待できます。

【関連】会社を売りたい
【関連】M&Aの成功を左右する企業価値

まとめ

今回は、企業価値とはどのようなものかお伝えしました。企業価値についての理解はM&Aや事業投資に必ず役に立つので、ぜひ参考にしてください。本記事の要点をまとめると下記になります。

  • 企業価値=株式価値+負債価値
  • 時価総額=株式価値
  • 時価総額=株価×発行済株式総数
  • EV=企業価値ー現金及び現金同等物
  • ファイナンス理論に基づいた企業価値の評価方法とは、コストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチの3つである
  • 企業価値を高める主な方法とは、収益力の向上、財務の改善、投資効率性の向上の3つである

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