M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2022年6月6日更新業種別M&A
保険代理店の事業売却とは?業界の動向や事業売却事例を紹介!
保険代理店業界では、事業売却によるM&Aが活発化しています。この記事では、保険代理店における事業売却やM&Aについて、動向やメリット・デメリット、実際に行われた事例などを紹介します。保険代理店の事業売却を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
目次
保険代理店の事業売却について
近年、保険代理店の数が減少傾向にあり、少子高齢化の影響によって保険代理店業界の市場も減少傾向にあります。このような中、保険代理店業界では各社が状況打開のためさまざまな事業戦略を策定しており、保険代理店事業以外の事業も行っている会社では事業売却によって一方の事業に集中する動きもあります。
一方で、複数の保険商品を扱う保険ショップは増加傾向です。保険ショップを展開する企業をM&Aによって買収することで新規参入を図るといったケースもあります。このように、保険代理店業界においてもさまざまな目的で事業売却やM&Aが活発化しています。
なお、会社売却やM&Aを行う際は専門的な知識や手続きだけでなく、相手会社との交渉も必要となります。代理店業務の傍らそれらをすべて自力で行うことは難しいため、M&Aの専門家に相談・依頼することが望ましいです。
もしも会社売却やM&Aを行いたい場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A仲介会社であるM&A総合研究所には、知識と経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、これまで培ったノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。
保険代理店業界の特徴・動向
保険代理店は、保険会社の代理として顧客に保険の提案や契約締結など各種サービスを提供する会社・人(募集人)をさします。近年は少子高齢化の影響を受けて市場が減少傾向にあり、それに伴って保険代理店の数も少なくなっています。
一般社団法人生命保険協会が公表する「生命保険の動向(2018年版)」によると、平成26年度から平成29年度までに法人代理店の数はほぼ横ばいで推移していますが、個人代理店の数は減少傾向が見られ、年度ごとに約2,000店ずつ減少しているとのことです。
また、一般社団法人日本損害保険協会の「ファクトブック2018 日本の損害保険」によると、2017年度末における損害保険代理店実在数は18万6,733店となり、2016年から4.7%減少しています。このように、生命保険・損害保険ともに代理店の数は減少傾向です。
保険ショップは増加傾向にある
保険代理店の数は減少傾向にありますが、保険ショップは増加傾向です。保険ショップは「乗合代理店」ともいわれ、一つの代理店が複数の保険会社と代理店契約を結ぶ形態をさします。一つの店舗で複数の保険商品を選べる点が大きな特徴です。
保険ショップはショッピングモール内に店舗を構えていることも多く、休日に買い物に来たついでに保険の相談ができることで、近年ではとくに若年層を中心に支持されています。
保険代理店業界と事業売却・M&Aの関係
ここまでご紹介した保険代理店業界の特徴や動向を踏まえ、事業売却やM&Aとの関係を見ていきましょう。
事業の選択を進めるための事業売却
保険代理店のほかに別事業も行っている場合、事業の選択と経営資源の集中を図るために保険代理店事業を売却するケースもあります。このケースは自動車整備事業を行っている傍ら、主に自賠責保険や自動車保険を扱うために保険代理店をしている会社に多いです。
保険代理店からは撤退しますが、他の事業を効率的に進め、会社全体としての業績を伸ばしていくためには、このような選択もときには必要になります。
事業承継のための事業売却
他業種の会社と同様に、保険代理店も事業を引き継ぐのは主に子供などの親族が一般的です。しかし、近年では親族に後継者がいないケースも多くなっています。それが原因で保険代理店を廃業することも珍しいことではなく、これも代理店が減少傾向にある一つの要因です。
しかし、事業売却やM&Aを行うことで第三者に保険代理店を引き継ぐことができます。また、事業売却によって売却益が得られ、老後の資金などに使用できるようになります。
事業拡大のためのM&A
小規模だけでなく中堅クラスの保険代理店であっても、減少傾向にある市場においてシェアの拡大は難しいです。保険代理店はそれぞれが特定の地域で基盤を持っており、M&Aを行うことで比較的簡単にシェアを拡大させることが可能になります。
また、保険代理店によって得意な対象(個人・法人)や商品・種目が違うことも多く、M&Aでその強みや苦手分野を強化できるためシナジー効果が得られます。
新規事業への参入を図るM&A
他業種の企業が新規事業へ参入する際にM&Aを活用するケースは多く、これは保険代理店業界も例外ではありません。
M&Aによって新規事業に参入する場合、その事業に強みを持つ会社を買収し、グループ事業として展開すれば自社で一から事業を開始するよりも比較的短期間で新規参入が可能になります。
また、保険は専門的な知識と募集をするための資格が必要です。その人材を育てるには多くの時間と費用が必要なので、M&Aによって新規参入するほうが費用を抑えられる可能性があります。それに加えて顧客や契約を引き継げるため、最初からある程度の基盤を持つことが可能になります。
保険代理店の事業売却におけるメリット・デメリット
ここで、保険代理店の事業売却のメリット・デメリットをご紹介しますが、まずは事業売却とはどのようなものかについて解説します。
事業売却とは
事業売却とは、基本的には会社の事業の全部または一部を他の会社に売却(譲渡)することであり、M&Aのスキームでは事業譲渡や株式譲渡が用いられることが多いです。また、事業譲渡では商権譲渡が用いられることもあります。
商権譲渡は営業権を売却することであり、主に保険代理店のほかに別の事業を行っている会社が活用します。買収した会社と共同で契約を管理する形式(代理店分担)で、売却した会社は売却後も手数料の一部をもらえます。
メリットとデメリット
事業売却には、事業の選別や経営者利益の獲得、事業承継問題の解決などのメリットがあります。そして、買収側には事業の強化や拡大、競争力の強化、新規事業への参入などのメリットがあります。また、保険代理店同士の場合は強みのさらなる強化や弱点の補強などができ、シナジー効果を期待できます。
一方で、事業売却は適切な対象企業と取引してこそ成功するものです。場合によっては思うような価格で売却できないこともありますし、顧客に不利益が生じる可能性もあります。
保険代理店の事業売却における注意点
会社売却を行う場合は、対象企業の選定にはとくに注意しなくてはなりません。保険代理店はそれぞれで社風や方針が異なり、社風や方針が合わなければ人材の流出につながる可能性が高くなります。
実際に募集やサービスを提供する人材がいなければ保険代理店事業は成り立たせることは困難になります。そのため、会社を売却する会社はもちろんのこと、買収側においても従業員へのフォローは確実に行わなくてはなりません。
また、顧客に対してもフォローは必須であり、売却後に顧客が離れないよう丁寧に対応しなければなりません。
買収側はリスクの引き継ぎに注意
株式譲渡を行った場合、買収側は売却側の債務や保証債務などのリスクについても引き継ぐことになります。株式譲渡は比較的簡単な手続きでスピーディーに行われるのがメリットですが、資産や従業員などのプラス要素だけでなく、負債などのマイナス要素も承継の対象です。
保険代理店事業にかかわらず、実際に簿外債務が表面化してM&Aが破断するケースもあります。買収をする際は専門家に依頼し、しっかりデューデリジェンスを行ったうえで進めるようにしましょう。
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保険代理店の事業売却事例3選
ここでは、実際に行われた保険代理店に関する事業売却やM&Aの事例についてご紹介します。
新生銀行がファイナンシャル・ジャパンを連結子会社化
2019年4月、新生銀行はファイナンシャル・ジャパンのすべての株式を取得して連結子会社化すると発表しました。ファイナンシャル・ジャパンは乗合代理店であり、在籍する専門家が複数の保険商品から顧客のライフプランに合った商品を提案するなど、コンサルティングに強みがある会社です。
新生銀行でも窓口で保険商品を販売しているが、コンサルティングという点では強みがあるとはいえず、ファイナンシャル・ジャパンを買収することでノウハウを共有し、販売チャネルの拡大や強化を図るとしています。
幸楽苑ホールディングスが子会社の保険代理店事業をヒューリック保険サービスに譲渡
2018年7月、ラーメン店「幸楽苑」の展開などを行う幸楽苑ホールディングスが、子会社の保険代理店事業をヒューリック保険サービスに譲渡することを発表しました。
これは、幸楽苑ホールディングスの連結子会社であるデン・ホケンの保険代理店事業をヒューリック保険サービスに譲渡したうえで、幸楽苑ホールディングスがデン・ホケンを吸収合併するという流れになっています。
デン・ホケンとしては、保険代理店事業をヒューリック保険サービスに引き継いでもらう形となり、デン・ホケン自体は最終的に幸楽苑ホールディングスに合併されて従業員の引き継ぎなどが行われ、解散することになりました。
この保険代理店事業の譲渡は、幸楽苑ホールディングスがグループ事業の選択と経営資源の集中の一環として行ったものであり、ラーメン店をはじめとした外食分野に集中した形です。
日本生命保険がほけんの110番を買収
2017年3月、生命保険大手の日本生命保険は、保険ショップの展開を行う「ほけんの110番」を買収することを発表し、同年4月に日本生命保険が「ほけんの110番」の株式の100%を取得しています。
日本生命保険は豊富な実績を誇り、生命保険業と付随業務・その他の業務を幅広く手がけ、海外展開も積極的に行っています。一方で「ほけんの110番」は、複数の保険会社と代理店契約を結ぶ店舗型乗合代理店で、九州地方を中心に全国で90を超える保険ショップを展開しています。
近年、複数の保険商品を比較検討できる保険ショップが若年層を中心に支持されており、日本生命保険もこのような利用者との接点を拡大するため、乗合代理店マーケットでの取り組みを進めていました。今回の買収もその一環として行われています。
「ほけんの110番」の買収によって日本生命保険は、自社の経営資源やネットワークを活かして「ほけんの110番」の事業を拡大し、そして利用者との接点拡大につなげるとしています。
保険代理店の事業売却はM&A仲介会社の専門家に相談
事業売却やM&Aの手法はさまざまあり、事業譲渡や株式譲渡があるほか、合併や会社分割などもあります。このような手法から自社の目的に合ったものを選び、さらに手続きの際には法務や税務、財務など、さまざまな分野で高度に専門的な知識が求められます。
そのため、自社だけで事業売却やM&Aを進めることは難しくなります。手続き上のトラブルを防ぐためにも、実際に行う際にはM&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家に依頼し、サポートを受けるのがおすすめです。
保険代理店の事業売却をお考えの場合は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所にはM&Aの知識と経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しております。
さまざまな業種のM&Aに携わってきた実績で培ったノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。
まとめ
保険代理店業界では、少子高齢化などの影響により市場や保険代理店が減少傾向にありますが、保険ショップは需要が増加傾向です。このような中で各社はさまざまな事業戦略を策定していますが、後継者問題の解消や本業への集中などで事業売却するケースも少なくありません。
一方で、M&Aによって事業の強化や拡大を狙い、同じ分野で活躍する会社同士がM&Aを行って双方のノウハウやサービス体制などを活かし、シェアの拡大や競争力の強化を図るケースもあります。また、保険代理店事業へ新規参入するためにM&Aを行うケースもあり、今後もM&Aは活発化すると予想されます。
しかし、事業売却にしろM&Aにしろ、高度な専門知識や交渉力が必要となることから、実施の際はM&Aの専門家に相談して交渉からその後の手続きまでサポートを受けることをおすすめします。
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