M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2022年6月6日更新業種別M&A
太陽光発電事業のM&Aや売却/買収事例とは?買う・売る方法、費用の相場を解説
この記事では、太陽光発電事業のM&Aの動向や相場、成功・失敗事例をご紹介します。M&Aの中でも、太陽光発電事業のM&A事例は少ないため、慎重に実施する必要があります。専門家の意見やアドバイスを聴き、理想的な買い手・売り手を探すことが重要です。
目次
太陽光発電事業のM&Aとは?
はじめに、太陽光発電事業のM&Aについて、意味や概要をお伝えします。そもそも「太陽光発電」とは、家屋の屋根に取り付けた太陽電池を用いて、太陽光を電気に変換することです。太陽光発電事業のM&Aとは、太陽光発電事業を経営する会社の売買を意味します。
太陽光発電により生み出した電気は主に家庭内で使用しますが、使い切れなかった電気に関しては、電力会社が買い取ってくれる仕組みになっています。災害などにより停電になった場合であっても電気を使用できる点が太陽光発電を導入するメリットです。
また、深刻化している地球温暖化対策としても、二酸化炭素を排出しない太陽光発電は注目を集めています。さらに、太陽光発電は近年の法改正などの影響でM&Aが活発化しています。他の業界とは異なり、太陽光発電事業に特有の事情(法改正など)が、M&Aの活発化を促進しているのです。
一方、M&Aのプロセスや手続きなどは他業種のM&Aとは異なる部分があります。太陽光発電事業のM&Aを実施する際は、太陽光発電独自のルールや動向をあらかじめ把握しておくことが必要です。
太陽光発電事業のM&Aの現状と動向
次に、太陽光発電事業M&Aの現状と動向について説明します。
①太陽光発電の現状
一時期注目された太陽光発電ですが、2012年以降は倒産する事業者が増加し続けています。太陽光発電事業は、「売電事業」「施工事業」「管理メンテナンス事業」の3種類に大きくわけられます。
売電事業者は、法制度活用で繰り延べていた税負担の顕在化により、止むを得ず倒産するケースが多いです。また、施工事業と管理メンテナンス事業については、競争激化とそれに伴う工事単価の低下により、倒産する事業者が増えています。
太陽光発電が注目されたことで新規参入が増加し、急激な競争激化が生じました。そのため、予期せぬ競争激化により、想定よりも売り上げを得られなかった企業が数多く発生し、倒産数の増加に繋がっています。
法令改正により、メンテナンスなどを行わない事業者や認可のみ取得して設備を持っていない事業者は太陽光発電事業の実施が困難となりました。太陽光発電は法や制度の改正に左右されやすく、今後の改正次第ではさらに厳しい環境となる可能性があります。
②太陽光発電事業M&Aの動向
制度の都合上、早い時期から太陽光発電事業を行なっている場合、これから事業を開始する事業者よりも安定的に高収益を得られます。そのため、安定的な高収益を得られる太陽光発電事業者を巡って、買い手によるM&Aのニーズが増えています。
一方、M&Aにより、太陽光発電事業を売却したいと考える事業者も増加傾向です。一部の業者(権利のみ持っている業者やメンテナンスをしてない業者など)にとって、今後収益を得ることは非常に困難となります。
そのため、「高額な設備投資を伴う開業」もしくは「売電権利の取り消し」のいずれかを迫られた太陽光発電事業者が、急いでM&Aを実施する事例が増加しており、買い手・売り手双方のニーズ増加により太陽光発電事業のM&Aは活発化している状況です。
太陽光発電事業M&Aをご検討の際は、ぜひ一度M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、知識・支援実績豊富なアドバイザーによる専任フルサポートを行っています。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。
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太陽光発電事業のM&Aの相場と費用
ここでは、太陽光発電事業M&Aの相場と費用について説明していきます。
①太陽光発電事業のM&A相場
太陽光発電の用地のみを売買する場合は、坪単価5,000〜1万円程度が相場です。一方、太陽光発電を事業ごと売買する場合は、土地のみならず発電所や権利なども引き継ぎます。
そのため、太陽光発電事業ごとM&Aを行う際は、売電により将来的に得られるキャッシュフローを基準に相場が決定します。結果的に、将来的に得られるフリーキャッシュフロー数年分を算出し、それらの現在価値を合計した金額がM&Aの相場です。
基本的には将来的なキャッシュフローに基づきますが、現在は買い手側のニーズが高まっているため、さらに価格が上乗せされる傾向があります。近年太陽光発電事業のM&A相場は高い水準で推移しており、売り手にとって有利な状況です。
②太陽光発電事業のM&A費用
買い手や売り手と直接M&Aを実施する際は、諸手続き以外に大きな費用は発生しません。一方、M&A仲介会社を利用して太陽光発電事業を売買する場合、仲介会社への手数料が発生します。手早く太陽光発電事業を売却したい場合や、自力でM&Aの対象を探すのが困難な場合は、仲介会社に依頼するのをおすすめします。
M&A仲介会社を利用すると、着手金やリテイナーフィー、中間報酬、成功報酬などの費用がかかります。M&A仲介契約を締結した時点で発生する着手金や、契約中毎月発生するリテイナーフィーなどは、M&Aの交渉が失敗に終わっても手元に戻ってこないため注意が必要です。
また、M&A仲介会社によっては、着手金やリテイナーフィー、中間報酬を無料にしている会社もあります。M&Aの費用を抑えたい場合は、着手金やリテイナーフィーなどを無料としているM&A仲介会社を選ぶことをおすすめします。
さらに、成功報酬に関しては取引金額の数%程度となるケースが一般的です。取引金額には譲渡金額、企業価値、移動総資産のいずれかが用いられます。譲渡金額を取引金額に設定する場合が最も成功報酬が安く済むため、M&A費用を少なくした上で、太陽光発電事業を売却したい方は、成功報酬の算出方法を確認しましょう。
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太陽光発電事業の買収とは?買う・買いたい場合
ここでは、太陽光発電事業をM&Aにより買収する際のポイントをご説明します。太陽光発電事業を買収する際は、以下のポイントに留意しましょう。
- デューデリジェンスを徹底する
- 買収後のメンテナンスも怠らない
①デューデリジェンスを徹底する
太陽光発電事業を買収する際は、デューデリジェンスを重視しましょう。デューデリジェンスとは、M&A相手(売り手側)や投資の潜在的なリスクを調査する行為を意味し、M&Aの中でも特に重要なプロセスです。
デューデリジェンスを実施することで、M&Aの潜在的なリスクや相手企業の問題点を洗い出し、高値掴みなどの可能性を低減させることができます。一般的なM&Aでは、デューデリジェンスで財務やビジネス、税務、法務などの分野に関して調査します。
一方、太陽光発電事業の買収に際しては、売り手が持つ発電所の土地を重点的に調査しましょう。太陽光発電による収益は、発電所の所在する土地の良し悪しに左右されます。
土地の状態が悪い場合、予想以上に造成費がかさむ可能性もあります。M&A後に後悔しないためには、デューデリジェンスを徹底することが重要です。
②買収後のメンテナンスも怠らない
太陽光発電事業を買収する際は、買収後のメンテナンスも視野に入れなくてはなりません。なぜなら、太陽光発電事業を継続するためには、定期的なメンテナンスを要するからです。買うだけ買って放置していると、権利が剥奪される恐れもあります。
しかし、定期的にメンテナンスしておけば、将来的に太陽光発電事業を売却する際、高値でM&Aを実施できる可能性があります。太陽光発電事業を買収する時は、長期的な目線を持ってメンテナンスを欠かさないことが重要です。
太陽光発電事業の売却とは?売る・売りたい場合
ここでは、M&Aにより太陽光発電事業を売却する場合のポイントを解説します。太陽光発電事業を売却する際、高値で売れるに越したことはありません。M&Aにより高値で売却するためには、下記2つの要件を満たすことが重要です。
- 設備や土地の状態が良い
- 売電実績がある
①設備や土地の状態が良い
土地の立地や状態が良ければ、M&Aにより高値で売却できる可能性が高まります。設備に関しても日頃からメンテナンスを徹底し、良好な状態を維持していれば高値で査定されるでしょう。
一方、修繕などを実施していても安値で売却される可能性はあるため、早急にM&Aを実施したい方は売却しても良いでしょう。高値で太陽光発電事業を売却したい方は、極力初期の状態に近づけた上でM&Aを実施しましょう。
②売電実績がある
買い手側は将来的に得られる収益性を基準に、M&Aの実行可否や価格を決定します。過去に豊富な売電実績があれば、収益性が高いと評価される可能性が高いです。売却実績が豊富にある場合は、高値での売却を期待できるでしょう。
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太陽光発電事業のM&Aの成功・失敗事例
最後に太陽光発電事業のM&Aに関して、成功事例と失敗事例をご紹介します。
①太陽光発電事業のM&A成功事例
成功事例として、住友商事とオーストラリアのInfinite EnergyとのM&Aが挙げられます。
2019年1月、住友商事は、分散型太陽光発電システム開発・販売事業、蓄電池の施工・販売事業、電力小売事業を展開するオーストラリアのInfinite Energyの株式を100%取得したことを発表しました。
Infinite Energyは、太陽光発電システムの販売や据え付けだけでなく、太陽光発電システムや、卸売電力市場より調達した電力を既存の送電網を利用して需要家向けに販売する電力小売事業を展開しています。
そのため、住友商事は、住友商事グループが持つ豊富なビジネスラインのノウハウやネットワークを活用した上で、オーストラリアにおける分散型太陽光発電・蓄電池供給事業を活用した電力小売事業のプラットフォーム構築に取り組み、電力と他ビジネスを掛け合わせた新ビジネス領域の創造を目指しています。
②太陽光発電事業のM&A失敗事例
一方、太陽光発電事業のM&A関して、市場に失敗事例が出回ることはほぼありません。しかし、市場に出回ることは少ないものの、太陽光発電事業のM&A失敗事例は少なくありません。
M&A後に十分な収益を得られない、もしくは想定よりも低い価格で売却したことで十分な利益が残らなかったなど、売り手・買い手共にM&Aが失敗する可能性はあります。
太陽光発電事業のM&Aで失敗しないためには、買い手側は徹底的なデューデリジェンスを実施する必要があります。また、売り手側も、修繕などにより事業価値を高めることが大切です。
まとめ
今回は、太陽光発電事業のM&Aの動向や相場、成功・失敗事例をご紹介しました。太陽光発電事業のM&Aは、M&Aの中でもニッチな部門であり、事例が少ないため慎重に実施しましょう。専門家の意見やアドバイスを聴き、理想的な買い手・売り手を探す必要があります。
要点をまとめると下記のとおりです。
・太陽光発電の現状
→競争激化の影響で想定よりも売り上げを得られなかった企業が数多く発生し、倒産数が増加している
・太陽光発電事業M&Aの動向
→買い手・売り手双方のニーズ増加により、太陽光発電事業のM&Aは活発化している
・太陽光発電事業のM&A相場
→土地のみの売買では、坪単価5,000〜1万円程度が相場であり、事業ごとの売買では発電所や権利なども引き継ぐ
・太陽光発電事業のM&A費用
→M&A仲介会社を利用した場合、着手金、リテイナーフィー、中間報酬、成功報酬などの費用がかかる
・太陽光発電事業の買収におけるポイント
→デューデリジェンスを徹底する、買収後のメンテナンスも怠らない
・太陽光発電事業の売却におけるポイント
→設備や土地の状態が良い、売電実績がある
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