2025年4月13日更新会社・事業を売る

M&Aの報酬とは?仲介会社に支払う手数料の種類と相場を紹介

M&Aのサポートを仲介会社に依頼すれば、スムーズに手続きや交渉が進みますが、場合によっては数千万円の際が生じるので事前の確認が重要です。本記事では、M&Aの報酬について種類や相場を紹介します。

目次
  1. M&A仲介会社の報酬体系を紹介
  2. よくある質問
  3. M&Aの報酬まとめ

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M&A仲介会社の報酬体系を紹介

M&A仲介会社次第で採用する手数料はさまざまであり、報酬体系も非常に多くなっています。この章では、M&A仲介会社の報酬体系に採用されることが多い手数料の種類や概要を解説します。

【M&A仲介会社の報酬体系】

  • 相談料
  • 着手金
  • 中間金
  • 成功報酬
  • 月額報酬
  • デューデリジェンス費用
  • その他、業務にかかる費用

相談料

相談料はM&A仲介会社に相談する際に発生する手数料です。近年はM&A業界の競争も激化しているため、間口を広げる目的で相談料無料が一般的になりつつあります。

しかし、中には数万円程度の相談料を要求する会社も存在します。トラブルを防ぐため、M&A仲介会社に相談する前に、相談料が発生するかどうか、そしてその金額を事前に確認することが大切です。

主な相談内容は「M&Aの正当性」や「M&Aの大まかな流れ」などです。多くの経営者にとってM&Aは初経験であることが多いので、M&Aに対する疑問や不安を解消する場という意味合いが強くなっています。

そのほか、M&Aの見通しを立てるとともに、相談先の力量を測る手段として活用できます。M&Aにおける重要なプロセスでもあるので、「依頼する事前段階」として相談することがおすすめです。

着手金

着手金はM&A仲介会社に依頼する際に発生する手数料です。M&Aは初期段階の作業に人員が必要であるため、人件費や実費として着手金が発生します。無料でサービスを提供する場合もあれば、案件の規模に応じて50万円から200万円程度の費用がかかることがあります。

主な作業内容は「業界動向の調査」や「企業概要書等の資料作成」です。高い能力や多大な時間を要し、M&A戦略策定に欠かすことのできないプロセスとなっています。

なお、着手金を支払った段階でM&Aの成約は保証されていません。今後の交渉でM&Aが破談になったとしても、着手金が返金されることはないので、着手金を採用する仲介会社に依頼する際は注意が必要です。

【関連】M&Aの着手金とは?相場や会計処理の方法、損金参入の可否、その他の費用について詳しく解説!

中間金

中間金は基本合意時に発生する手数料です。譲渡企業と譲受企業の双方がM&Aに対して前向きであることを意思表明したことを意味するので、一定成果の見返りとして中間金を支払います。

基本合意の主な内容は「現段階の交渉内容の整理・確認」や「今後のスケジュール確認」などです。一部の条項を除いて法的な効力はないため、今後の交渉内容次第では記載内容が変更されることもあります。

中間金は成功報酬の一部の前払いという形式が一般的です。成功報酬の10~30%を先払いして、成約時に成功報酬の残り70~90%を支払う形になります。

【関連】M&Aでの中間金・中間報酬とは?相場や注意点から税務上の取り扱いまで紹介!

成功報酬

成功報酬はM&A成約時に発生する手数料です。M&Aの成約という確かな成果をあげているため、M&A仲介会社の報酬体系のなかで最も高額な手数料になります。

最終契約書の締結段階で支払いが確定します。依頼主によっては譲渡代金の一部から成功報酬を支払うケースもあるので、実際に支払うのはクロージング後が一般的です。他の手数料とは異なり、M&Aが成約しなかった場合は支払う必要がありません。このことからも、完全成功報酬制の報酬体系は、無駄な出費リスクを抑えられる良心的なシステムといえます。

成功報酬の算出には「レーマン方式」と呼ばれる方法が一般的に用いられます。この方式では、取引金額が増えるにつれて手数料の割合が減少するという特徴があります。ただし、レーマン方式での取引金額の基準には、株式譲渡価格の他に総資産額や企業価値(株式価額プラス有利子負債)が含まれることもあるため、契約時にはどの基準を用いるのかを明確にすることが重要です。

【関連】M&Aの完全成功報酬とは?メリット・デメリットを徹底解説

レーマン方式による手数料率の計算方法

【レーマン方式の手数料率(例)】

  • 5,000万円までの部分    10%
  • 5,000万円超〜1億円までの部分    5%
  • 1億円超〜5億円までの部分    4%
  • 5億円超〜10億円までの部分    3%
  • 10億円を超える部分    2%

例えば、取引金額が7億円の場合の手数料は以下のように算出されます。

  • 5,000万円 × 10% = 500万円
  • 次の5,000万円(1億円まで)× 5% = 250万円
  • 次の4億円(5億円まで)× 4% = 1,600万円
  • 残りの2億円(7億円まで)× 3% = 600万円
  • 合計:500万円 + 250万円 + 1,600万円 + 600万円 = 2,950万円

このように、段階的に料率が変わる点がレーマン方式の特徴です。取引金額が大きくなるほど、全体に対する平均手数料率は低くなります。

月額報酬

月額報酬は毎月発生する手数料です。リテイナーフィーとも呼ばれています。相場は月額50万円程度で、仲介業務に携わるアドバイザーやコンサルタントの人件費として毎月支払います。

月額報酬を採用している場合、資金が潤沢になってM&Aを円滑に進めやすくなるメリットがあるものの、M&A交渉が長期化すると、月額報酬がかさんで依頼主の負担が膨らんでいくデメリットもあります。

M&A成約の望みがない案件の交渉を悪戯に引き延ばし、月額報酬だけを徴収しようとする業者もなかには存在します。メリットよりデメリットが大きくなるケースも多いので、基本的に月額報酬を採用する仲介会社は避けたほうが無難でしょう。

デューデリジェンス費用

デューデリジェンスは基本合意の締結後に実施するものです。M&A対象の価値・リスクを調査する活動のことで、税務・財務・法務などの観点から潜在的リスクを徹底的に調べます。M&A成約後に潜在的リスクが発覚すると、M&A前から想定していたシナジー効果が創出できなくなる恐れがあります。そのため、最終契約書の締結前に全て洗い出しておくのです。

デューデリジェンス費用の負担者は譲受企業側です。譲受企業の主導で行われるので、譲渡企業側はマネジメントインタビューや関連資料の提供などを通して協力することになります。

関わる専門家の人数や稼働時間、案件規模によって大きく変動するものの、中規模企業が会計、財務、法務その他全般にわたってデューデリジェンスを行うケースでは、費用相場は200~300万円程度が目安です。

その他、業務にかかる費用

ここまで報酬体系を見てきましたが、M&Aではほかにも必要になる費用があります。主な費用は以下の4つです。

【その他、業務にかかる費用】

  • 税金
  • 買収費用
  • 株券発行費
  • 書類作成費用

税金

M&Aによる会社売却で譲渡企業側に譲渡益が発生した場合は、用いる手法によって税金を納める必要があります。

株式譲渡の場合は、20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税)が譲渡益に対して課せられます。譲渡益は、M&Aの譲渡価格から株式取得費用やアドバイザリー費用を差し引いた価格です。

事業譲渡の場合は、法人税30~40%(実効税率)が、譲渡益に対して課せられます。譲渡益は、譲渡代金から譲渡資産の簿価を差し引いた価格で、負担が大きくなる傾向にあります。

事業譲渡の場合、譲受企業側は消費税10%を納める必要があるので注意が必要です。土地などの非課税資産を除いた課税資産に対して消費税10%を乗じて算出します。

買収費用

譲受企業側は、譲渡企業の買収費用が必要です。企業価値評価で算出した値を基準に、M&A交渉やデューデリジェンスを経て最終的な取引価格が決定されます。

キャッシュが足りていない場合は、融資や増資を活用して資金調達を行います。金融機関からの融資であれば、M&Aの正当性や事業計画の見通しを提出して審査を受けましょう。

融資が難しい場合は、増資を活用する方法もあります。第三者割当増資は、特定の第三者に新株引受権を付与して資本金を増資する手法です。

中小企業でも実践しやすい増資方法なので、資金調達方法として幅広く活用されています。株式の希薄化というデメリットから既存株主が嫌う傾向がありますが、調達した資金が前向きなものであれば受け入れられやすいでしょう。

株券発行費

株券発行費とは、自社株式を発行するための費用です。定款で株券の印刷発行が義務づけられている場合は、M&Aで売却する際に発行しなくてはなりません。

印刷費用の相場は1万~10万円程度であり、ほかの費用と比較すると少額となっています。定款に印刷発行を義務づけていない場合は、発行する必要も費用を払う必要もありません。

書類作成費用

M&Aは、取引の有効性を証明するために、進捗に応じて秘密保持契約書や基本合意書、最終契約書など、さまざまな契約書を作成・締結します。契約書の内容には税務や法務などの部分もかかわるため、作成・チェックには手間がかかります。

作成費用は基本的に着手金や中間金に含まれることが多いですが、別途請求されることもあるので、あらかじめ確認するとよいでしょう。

【関連】M&Aの着手金とは?相場や会計処理の方法、損金参入の可否、その他の費用について詳しく解説!
【関連】株式譲渡したときの税金は?種類、節税方法、計算方法を解説

よくある質問

最後に、M&Aの報酬に関してよくある質問をまとめました。

M&Aの報酬は誰が支払う?

M&Aにおける仲介手数料は、原則として買い手企業または売り手企業が負担します。具体的には、相談料・着手金・中間金・成功報酬・リテイナーフィーなどの費用は、M&A仲介会社に対して依頼した当事者が支払うことになります。これらの手数料は、依頼内容や契約形態によって異なります。

また、M&Aにおける重要な調査プロセスであるデューデリジェンスにかかる費用は、通常、買い手企業が負担するケースが一般的です。

M&Aで支払う報酬額を抑えるには?

M&Aにかかる手数料を抑えるためには、まず各費用項目の相場を把握し、複数のM&A仲介会社から見積もりを取ることが重要です。ただし、単に手数料が安いという理由だけで選んでしまうと、M&Aが成立しないリスクもあります。

そのため、手数料だけでなく、仲介会社の業種理解や地域対応力、過去の実績なども含めて、総合的に比較・検討することが大切です。

M&Aの報酬まとめ

本記事では、M&A仲介会社のマージンについて解説しました。M&Aの進行に合わせてさまざまな手数料が発生するので、各項目を認識しておくことが大切です。

仲介会社によって、採用している仕組みが違います。どこに依頼するかで手数料負担が大きく変わるので、M&Aを依頼する際は、より多くの仲介会社を比較検討するとよいでしょう。

【M&A仲介会社のマージンのまとめ】

  • M&Aのマージンの仕組みは仲介会社によって異なる
  • M&Aのマージンが高い理由は人件費が高いため


【M&A仲介会社の報酬体系】

  • 相談料
  • 着手金
  • 中間金
  • 成功報酬
  • 月額報酬
  • デューデリジェンス費用


【その他、業務にかかる費用】

  • 税金
  • 買収費用
  • 株券発行費
  • 書類作成費用

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