M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年2月9日更新会社・事業を売る
M&Aブティックとは?意味・業務内容と役割・ランキング・主要企業の一覧も紹介
M&Aブティックは、効率的なM&Aの実施に必要不可欠で、一般的にM&A実施前の準備も含めて依頼主を支援する専門家です。今回は、M&Aブティックの業務内容や年収・報酬、会社一覧などを解説します。
目次
M&Aブティックとは?M&Aブティックの意味
ビジネスシーンにおける「ブティック」とは、何らかの専門分野に特化したアドバイザリーや専門家集団を指します。つまり、M&Aブティックとは、M&Aのサポートを専門に手掛ける機関(集団)という意味です。
M&Aブティックに該当する機関としては、M&Aアドバイザリー会社・M&A仲介会社・コンサルティングファームなどがあり、銀行や証券会社なども含まれます。
M&Aには高度な専門知識が必要
M&Aを進める際は、会計・税務・法務だけでなく、M&A手法や手続きに関する非常に高度な専門知識も必要です。そのため、すでにM&Aに慣れている経営者でないと、M&Aを独力で遂行することは困難です。
M&Aを行う際は、専門家であるM&Aブティックの活用が一般的とされています。大規模なM&Aであるほど専門性や複雑性が高まるため、例えば有名企業同士のM&AではほとんどのケースでM&Aブティックが関与しています。
M&Aブティックの活用をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所にお任せください。M&A総合研究所には知識・経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ってきたノウハウを生かしてM&Aをフルサポートいたします。
着料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。 相談料は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。
仲介会社との違い
M&A仲介会社とは、売り手と買い手の間に立って、企業の合併や買収(M&A)を手助けする会社のことです。
M&Aブティックは、M&Aに特化した専門家集団であり、M&A仲介会社もその一部として含まれます。また、M&Aブティックには、コンサルティングファームや銀行、証券会社なども含まれています。
M&Aアドバイザーとの違い
M&Aアドバイザーは、企業の合併や買収(M&A)を専門にサポートする専門家です。彼らは個人として業務を行える存在です。一方、M&Aブティックは、M&Aアドバイザーが集まって組織として活動する場合をさします。
例えば、コンサルティングファームなどがM&Aブティックとして機能することがあります。個人と組織の違いがありますが、どちらもM&Aを専門に扱っているという共通点があります。
M&Aブティックを活用するメリット
M&Aのプロセスは多く、進めていくためには時間と手間が必要です。経営者からすると、本業を行いながらM&Aのプロセスを進行させていくことは非常に困難であるうえに、M&Aの成功確率を低下させる要因にもなりかねません。
M&Aブティックを活用することで、M&Aの相手先選びや買収候補となる企業価値評価、デューデリジェンスといった重要なプロセスを専門家に依頼できます。効率的にM&Aを進行させられるうえに、M&Aの成功確率の向上にもつながります。
また、M&Aを進めるうえでトラブルに見舞われるケースも少なからずありますが、M&Aブティックを活用することで、さまざまな経験・知識を備えた専門家から、最適な改善策を提案してもらえます。
M&Aブティックを活用する際の注意点
M&Aブティックを活用することでさまざまなメリットが得られる一方で、デメリットが発生するおそれもあることから理解しておくことが大切です。代表底な注意点の1つに、「必ずしもM&Aを成功させられるとは限らない」点が挙げられます。
M&Aブティックを活用する際に支払う報酬は非常に高額となるのが一般的ですが、たとえ依頼したからといって必ずしもM&Aが成功するとは限りません。仮に結果が伴わなかった場合でも、M&Aブティックに責任を求められない点は把握しておきましょう。
M&Aブティックの業務内容
M&Aブティックの定義を踏まえて、本章ではM&Aブティックが実際にどのような業務を手掛けているのか、以下の内容に分けて取り上げます。
- M&A戦略策定に関する助言
- M&Aの相手探しや交渉
- バリュエーション
- デューデリジェンス
- 契約書作成
- クロージング・PMIの支援
それぞれの項目を順番に詳しく紹介します。
①M&A戦略策定に関する助言
M&Aを計画する際、まずは戦略の策定から始めます。特にM&Aの経験が少ない企業では、戦略を自ら策定するのが難しい場合が多いです。このようなとき、M&Aの専門知識と経験を持つM&Aブティックが役立ちます。彼らは、M&A戦略の策定をはじめ、適切な手法についてのアドバイスを提供します。
さらに、M&Aを進める過程で、戦略に合った具体的な方法についても助言を受けることが可能です。選択するスキームによっては、法律や税金の面で大きな影響が出る可能性があるため、専門家のアドバイスを得ることでリスクを軽減できます。
②M&Aの相手探しや交渉
M&Aブティックの中には、M&Aの相手探しや交渉などの仲介業務を遂行する機関も多いです。こうした機関に依頼すると、単純に相手を捜すだけでなく、実際にM&Aが行われた場合のシナジー効果・業界の成長性などを考慮したうえで、最大限の利益を得られる相手を選定してもらえます。
M&A候補が見つかると交渉プロセスに移りますが、当事者となる会社経営者のみでは交渉が平行線をたどってしまい、スムーズに交渉できないおそれがあります。そこで、仲介形式のM&Aブティックに依頼すれば、双方の満足度が最大限となるように第三者の公平な立場から交渉を進めてくれます。
その一方で、アドバイザリー形式のM&Aブティックでは、自身の顧客である会社の利益を最大化するために交渉を有利に進める役割を担いますが、場合によってはM&Aの成約に向けて譲歩などのアドバイスを行うケースもあります。
M&Aを円滑に進めるためには高いコミュニケーションスキル・交渉スキルが必要ですが、最近ではM&A仲介サイトを運営するM&Aブティックも多く、ユーザーが自身により買い手や売り手を探せる仕組みが構築されています。
③バリュエーション
バリュエーションとは、M&Aの売買価格を決定する業務のことです。M&Aにおけるバリュエーションには「コストアプローチ」や「マーケットアプローチ」などの方法がありますが、M&Aで最大限の利益を獲得するためには状況に応じて最適なバリュエーション方法を用いる必要があります。
このバリュエーション業務では会計・財務に関する高度な能力が求められるため、M&Aブティックの専門的かつ適切なサポートを受けると良いでしょう。
④デューデリジェンス
デューデリジェンスとは、M&Aにおける売り手企業に対して、さまざまな観点から調査するプロセスのことです。M&Aにおける買い手企業は簿外債務・偶発債務などのリスクにさらされており、このリスクがM&A後に顕在化すると買い手側の利益が損なわれてしまいます。
デューデリジェンスはM&Aに介在するリスクの発見・対処を目的とする調査であり、M&Aブティックが行う重要な業務です。調査領域は財務・IT・税務・法務などで、それぞれ必要な知識・能力は異なります。
M&Aブティックのサポートを受けているとM&A後のリスクを最小限に抑えられるため、これを理由にM&Aブティックを利用する企業も多いです。
⑤契約書作成
M&Aのプロセスでは、秘密保持のための「秘密保持契約書」や基本的内容を合意した時点で締結する「基本合意契約書」などさまざまな契約書や書類を作成します。この契約書を作成するためには、法律に関する専門知識が必要です。
作成後には適切な内容であるかチェックする必要もありますが、M&Aブティックのサポートを受けていればM&Aに関する書類を作成してもらえるため、書類の準備に関する心配は不要です。
経営者が独力でM&Aを実施しようとしてもスムーズに行える可能性は低いため、M&Aブティックのサポートを受けて進めていくことが望ましいです。
⑥クロージング・PMIの支援
M&Aプロセスでは、デューデリジェンス、企業評価、契約書の交渉といったステップを経た後、クロージングへと進みます。クロージングに至るには、契約条件の達成、必要な資料の収集など、準備が綿密に必要です。この段階で、M&Aブティックが重要な支援を提供します。
さらに、M&A後の統合(PMI:ポスト・マージャー・インテグレーション)も成功の鍵です。新しく合併・買収した企業を自社の運営に無事統合し、貢献させることが目標です。しかし、自社だけの知識と経験ではPMIを円滑に進めるのが難しい場合もあります。ここでも、M&Aブティックがその専門知識と経験を生かしてサポートを提供します。
これらのプロセスにおいてM&Aブティックのサポートを受けることで、M&Aをスムーズに進行させることが可能です。必要に応じて、これらの業務をM&Aブティックに依頼しましょう。
M&Aブティックの年収・報酬
M&Aの成功を目指すためにM&Aブティックには非常に高度な知識が求められますが、本章ではM&Aブティックの年収や報酬に関する情報を取り上げます。2022年に東洋経済新報社が作成したデータによると、平均年収が1,000万円以上のM&Aブティックが複数社存在していることがわかりました。
業務に必要な知識が非常に高度であるため、平均年収は他業種よりも高い傾向にあります。その中でも、外資系やM&A仲介会社に在籍するアドバイザーは平均年収が特に高いです。給与体系にもよりますが、2,000万円〜3,000万円ほどの年収を稼ぐアドバイザーも存在します。
そもそもM&Aブティックは成功報酬や着手金など、1つのM&A案件で多額の報酬を獲得するケースが多いです。必要とされる専門知識やスキルの高さ・相手探しや売買価格決定といった業務の専門性の高さなどを考慮すると、M&Aブティックの年収・報酬の高さには納得できます。
M&Aブティック一覧
ひとことにM&Aブティックといっても、下記のようにさまざまな種類に分けられます。
- 外資系投資銀行
- 経営コンサルティングファーム
- M&A仲介会社
- 証券会社
- メガバンク
本章では、それぞれの特徴や主なM&Aブティックを紹介します。「M&Aを行う際にどこに依頼したら良いのかわからない」とお悩みの経営者の方は、本章を読んでまずはM&Aブティックの種類を把握しておきましょう。
①外資系投資銀行
資産運用を主な業務とする外資系投資銀行の中には、M&Aブティックの業務を行う機関も見られます。主なM&Aブティックは、以下の外資系投資銀行です。
- ゴールドマン・サックス
- ラザード
- モルガン・スタンレー
M&Aブティックとしての外資系投資銀行では、主に大規模なクロスボーダー案件を取り扱っています。
②経営コンサルティングファーム
経営コンサルティングファームの中でも、以下の機関はM&Aブティックとしても知られています。
- デロイトトーマツ
- PwCアドバイザリー
- アクセンチュア
M&Aブティックの業務を行う経営コンサルティングファームでは、デューデリジェンスなどの専門的な業務のクオリティに強みがあります。
③M&A仲介会社
もともとM&Aブティックは売り手・買い手のいずれかに付きますが、仲介役としてサポートするM&A仲介会社もM&Aブティックと呼ばれます。その中でも、M&A総合研究所は、主に中小・中堅規模のM&Aを取り扱う仲介会社です。豊富な知識と経験を持つアドバイザーによる専任フルサポートを行っています。
また、M&Aは1年程度の期間を要することが多いですが、M&A総合研究所ではスピーディーなサポートを実践しており、最短3カ月での成約実績を有しております。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。
④証券会社
証券会社の中には、M&Aブティックとしての部署を設置している機関も存在します。主なM&Aブティックは、以下の証券会社です。
- 野村證券
- 大和証券
- SMBC日興証券
証券会社では案件規模よりも取り扱う案件数を重視しており、成約件数が非常に多い点に特徴があります。
⑤メガバンク
経営資源が豊富なメガバンクでは、M&Aブティックとしての業務も取り扱っています。主なM&Aブティックは、下記のメガバンクです。
- みずほフィナンシャルグループ
- 三井住友フィナンシャルグループ
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
メガバンクでは、M&A仲介会社や証券会社などとは異なり、比較的規模の大きいM&A案件を担う傾向があります。
M&Aブティックのランキング
最後に、「リフィニティブ(旧トムソン・ロイター)」が発表する「M&Aリーグテーブル(日本M&Aレビュー ファイナンシャル・アドバイザー 2021年上半期)」より、国内案件におけるM&Aブティックのランキング(ランクバリューベース)を以下にまとめました。
順位 | M&Aブティック | ランクバリュー(億円) |
1 | 三菱UFJモルガン・スタンレー | 9,584 |
2 | 野村 | 9,420 |
3 | 三井住友フィナンシャルグループ | 6,317 |
4 | BofAセキュリティーズ | 6,280 |
5 | ゴールドマン・サックス | 5,930 |
(出典:リフィニティブ-「M&Aリーグテーブル(日本M&Aレビュー ファイナンシャル・アドバイザー 2021年上半期)」)
ランクバリューとは、株式価値と負債を合計したうえで現金(キャッシュ)を差し引いた金額をさします。
M&Aブティックまとめ
今回は、M&Aブティックの概要を解説しました。M&Aの専門家であるM&Aブティックは、効率的にM&Aを遂行するうえで欠かせない存在です。
M&Aを行う際はM&Aブティックからサポートを受けるのが一般的であるため、M&Aをご検討中の方はM&Aブティックに相談するとよいでしょう。
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