2024年1月29日更新会社・事業を売る

M&Aの仲介手数料とは?金額の相場や仲介手数料の種類を解説

M&Aにおける仲介手数料に関する相場や種類、計算方法を解説します。仲介手数料には、事前相談料、着手金、中間金、成功報酬、最低手数料等があります。成功報酬の算出方法が異なると、支払う手数料の額が大きく変わるため注意が必要です。

目次
  1. M&Aの仲介手数料は誰が支払うのか
  2. M&Aにおいて仲介会社を利用するメリット
  3. M&Aにおいて仲介会社を利用するデメリット
  4. M&Aを成功させる仲介会社の主要業務
  5. M&A算出方法で採用されている「レーマン方式」について
  6. M&Aにおける仲介手数料の種類と相場
  7. M&Aにおける仲介手数料の比較
  8. M&A仲介会社を選ぶ際の注意点
  9. M&Aの仲介手数料まとめ

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M&Aの仲介手数料は誰が支払うのか

M&Aの仲介手数料の支払い責任者は、取引の形態によって異なります。両手取引の場合、買い手と売り手(売主)双方が手数料を支払います。一方で、片手取引では、M&A専門家と契約を結んだ買い手か売り手のいずれか一方が負担します。

「両手取引」と「片手取引」という用語は、もともと不動産業界で使用されるものですが、仲介業務の性質が類似しているため、M&A業界でも広く用いられています。

M&Aの専門家によっては、両手取引と片手取引の両方を採用している場合もあれば、片方に特化している場合もあります。そのため、M&A仲介手数料の支払い責任者を明確にするためには、その専門家がどのような契約形式を採用しているかを確認することが重要です。

M&Aにおいて仲介会社を利用するメリット

M&Aにおける仲介手数料の種類や相場を調べていく前に、まず最初に仲介手数料を支払ってでも仲介会社を利用するメリットを確認しておきましょう。

  1. M&Aに関するノウハウの豊富さ
  2. ネットワークの豊富さ
  3. 妥当な取引金額や条件で交渉が進む
  4. 訴訟などのトラブル回避
  5. 効率的なプロジェクトの進行

①M&Aに関するノウハウの豊富さ

M&A仲介会社は長年の業務経験から得たノウハウ、知識を持っています。当たり前ですが、在籍しているのは全てM&Aのプロです。
そのため、M&Aを最初から最後まで丁寧にサポートしてくれます。

 慣れない初めてのM&Aの交渉時には、問題やトラブルが起こることもあるでしょう。そのような場合に適切なアドバイスをくれます。
これはM&A仲介会社を利用する最大のメリットです。

②ネットワークの豊富さ

同じ業界のみならず、幅広いネットワークと深い知識があるためシナジー効果の大きい企業を紹介してくれます。売り手、買い手、双方に大きな利益となる相手をマッチングすることが可能です。依頼主自らの情報や知識だけでは多くの企業と接点を持つことは難しくなりますが、M&A仲介会社が間に入っていると効率よくマッチングしてくれます。  

また、売り手側がM&A仲介会社に依頼した場合、買い手側からの信頼を得やすくなります。
なぜなら、売り手側からの直接の売り込みの場合とは違い、M&A仲介会社が入る場合には買い手側は客観的な情報をもとに検討することができるからです。

【関連】M&A仲介とは?FAとの違いや仲介会社の役割・依頼費用・メリットと選ぶときの注意点を解説!

③妥当な取引金額や条件で交渉が進む

モノやサービスを購入するのと同じように、M&Aでも割高な価格で相手先企業を買収することは避けなければなりません。売り手も同様に安すぎる価格での売却は損をします。

しかし、当事者だけでM&Aの交渉を進めてしまうと、相互に提示された金額に乖離が生まれ、話がまとまらなくなる恐れがあります。

M&A仲介会社なら過去の取引事例などを元におおよその妥当な金額がわかります。そのため、売り手と買い手の間に入っても適切なアドバイスができます。

④訴訟などのトラブル回避

M&Aを進行している中でトラブルが発生することは稀なケースではありません。双方の意見の食い違いで当事者同士での解決が難しくなってしまうこともあります。最悪のケースになると、裁判にまで発展し、無駄な時間や費用を浪費してしまう事態になってしまうでしょう。

そこで、M&A仲介会社が仲裁に入れば、相互の意見をよく聞いてトラブルに発展するリスクを抑えられるというメリットがあります。

⑤効率的なプロジェクトの進行

M&Aは、社運をかけた重要なプロジェクトです。計画してから完了するまで、数ヶ月以上の期間がかかります。M&A仲介会社を通さずに、自力で自社の売却を計画して実行する場合、M&Aに充てる時間が膨大になってしまうでしょう。

M&A仲介会社に業務を委託する理由も、M&Aの話がまとまるまでは、通常の経営を続けなければならないからです。M&Aをプロジェクトとして効率的に進行させるには、M&Aに関するノウハウや知見が豊富な仲介会社を探して依頼することが重要です。

M&Aはスピードが重視されます。できる限り工数を減らし、効率的にスピーディーに実施することで成功確率を高めることが可能です。

【関連】仲介会社 - M&A用語集

M&Aにおいて仲介会社を利用するデメリット

先にM&A仲介会社を利用するメリットについてご紹介しました。

一方で、仲介会社を活用することにはデメリットもあるため、留意しておくようにしましょう。M&Aを実施する際に仲介会社を利用する場合の最大のデメリットといえるのは、「仲介会社だけが利益を得られる方向に誘導される恐れがある」という点です。

これからご紹介するM&A総合研究所や日本M&Aセンターのような豊富な経験や実績のある仲介会社なら心配はありませんが、なかには提携仲介契約(中間契約)に自社に都合がいい事項を盛り込み、自分たちの利益を得られる方向に誘導していくような会社も存在することは否定できません。

例えば、自社でしかサービスを受けられないようにする「専任事項」や、クライアントの利益よりM&Aの実現を優先させる「双方代理事項」などといったものが挙げられます。

悪質な仲介会社であると、こういった事項を設けたことをきちんと説明をしないまま、提携仲介契約を締結しようとしてくることもあるため、注意が必要です。

  1. 高額な手数料が発生
  2. M&A中断時は着手金や中間金は返金されない
  3. 利益相反するリスクがある

①高額な手数料が発生

M&A仲介会社への仲介業務の依頼は、無料ではありません。高額な仲介手数料が発生します。M&Aの仲介手数料の多くは、「レーマン方式」によって計算されています。

また、買収価格の5%程度の成功報酬、相談料、着手金、中間金、リテイナーフィーなどの利用するM&A仲介会社によって追加費用も発生することがあります。

高額な仲介手数料を払いたくない場合やそもそも用意できないので払えない場合は、低料金でも利用可能なM&Aプラットフォームを利用すべきです。M&Aプラットフォームは手数料が無料です。M&A仲介会社に業務を依頼したときよりも売却の手取額が単純に5%以上増えるからです。

高額な手数料が問題となって売却に進めない場合は、M&Aプラットフォームを利用するしかないケースもあります。

【関連】レーマン方式 - M&A用語集

②M&A中断時は着手金や中間金は返金されない

M&A仲介会社に業務を依頼した後、仮にM&Aが不成立に終わったとしても、支払った費用は返金されないのが通常です。例えば、着手金や中間金などを支払った後にM&Aがだめになってしまったとしても、返金はありません。

途中でM&Aを中止した場合は、かかった費用は全て無駄に終わります。ただし、相談料や着手金が無料となっているところもあります。高額な着手金や中間金が必要なM&A仲介会社を利用する場合は、特に慎重に検討を進める必要があるでしょう。

【関連】着手金 - M&A用語集

③利益相反するリスクがある

M&Aが中断したとしても、M&A仲介会社には着手金や中間金は支払われます。しかし、M&Aが成立しなければ、報酬の大部分となる成功報酬が発生しないため、多少の無理があっても仲介が始まってしまうと取引をまとめる方向で進んでいきます。

このケースでのM&A仲介会社のアドバイスは、利益相反を生じさせる恐れがあります。M&Aが進んでいる途中で、本音では止めたいと考えているなら、仲介会社のアドバイスを真に受ける必要はありません。

利益相反するリスクを避けるためには、仲介会社が買い手・売り手の一方にしかアドバイスを提供しない「FA型契約」を結ぶ方法があります。

【関連】利益相反取引 - M&A用語集

M&Aを成功させる仲介会社の主要業務

支払う仲介手数料が妥当な金額なのかどうか、M&A仲介業務を成功させる仲介会社の主要業務についても確認しておきましょう。

  1. 全体スケジュールの策定
  2. 自社に最適な相手先の選定
  3. 相互に有利な条件交渉の支援
  4. 独自のネックとワークを駆使した優秀な専門家の存在

①全体スケジュールの策定

M&Aを実施する場合、開始から終了までの標準的な期間は半年から1年程度です。場合によっては1年以上かかることがあります。時間のかかるデューデリジェンスは、専門家、取引先、従業員などの多くの利害関係者の調整が必要だからです。

M&A仲介会社を通せば、通常業務で忙しい依頼主に代わって、現在の経営状況や希望に基づき、きちんとしたスケジュール管理を行って、M&Aを成功に導きます。期限に遅れてしまうと、双方に大きな損失が出る場合もありますので、全体スケジュールの策定もその実行管理も大変重要です。

例えば、全体の先行きがわからない状態でM&Aプロジェクトを進めることは不可能です。M&Aがいつ実行されるのか、いつ終わるのかわからない状態では、継続することなく途中で中断してしまうでしょう。

M&A成功という最終目標から逆算して、重要なやるべきことと期限、担当者などを明確にして、全体スケジュールを策定することがM&A仲介会社の重要な業務です。

【関連】デューデリジェンス - M&A用語集

②自社に最適な相手先の選定

M&A仲介会社は、まだM&Aの相手先企業が決まっていない状態でも、新たに適切な相手先企業探しを行うことができます。また、自社名を出さずに関心の有無を確認することができるため、M&A候補の相手先の絞り込みにも役立ちます。

さらに、相手先企業の企業価値の算定、さまざまな交渉、デューデリジェンスの援助、各種書類の作成などの重要な業務を支援しています。専門性の高いM&Aの手続きに関しても経験豊富なプロが支援しますので、徹底したサポートによってM&Aの手続きが途中でストップして遅れることはありません。

③相互に有利な条件交渉の支援

M&Aにおいて、相手先との金額等の条件交渉は必ず難航します。売り手と買い手が直接交渉することが基本ですが、お互いの条件がまとまらない場合は、M&A仲介会社が間に入り交渉をまとめていきます。

M&A仲介会社を通すメリットは、お互いの本音をぶつけ合うような交渉が可能になることです。仮に交渉がまとまらない場合でも、M&A仲介会社は、相互の論点を明らかにし、譲れないポイント・譲れるポイントを一つひとつ丁寧に洗い出して潰していきます。そのため、M&Aが成立する確率が大幅にアップします。

④独自のネックとワークを駆使した優秀な専門家の存在

M&Aの業務においては、買い手と売り手をサポートする優秀な専門家の存在を忘れてはなりません。M&Aに関わる専門家としては、公認会計士、税理士、弁護士などが挙げられます。

M&Aを遂行するにあたって、依頼主が専門家を使うことは難しく、どのように依頼すればいいのかもわかりません。また、優秀な専門家を集めることもほぼ不可能です。

M&A仲介会社は、独自のネットワークを駆使し、豊富なM&A業務経験に基づく強いつながりを通じてM&Aを成功に導きます。独自のネットワークを通じたM&Aに強い専門家の紹介も可能なため、こちらもM&A仲介会社を利用するメリットの一つとして知られています。

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M&A算出方法で採用されている「レーマン方式」について

こちらではM&Aの成功報酬の算出方法でよく採用されている「レーマン方式」について解説します。
成功報酬の金額を判断する際の参考にしてください。

  1. レーマン方式の計算方法
  2. レーマン方式の具体的な計算事例

①レーマン方式の計算方法

レーマン方式とは、取引金額に応じて報酬料率が変わる報酬体系です。この計算方法では、譲渡金額が大きければ大きいほど、手数料率は低くなります。逆に譲渡金額が少なければ少ないほど、手数料率が高くなります。また、最低報酬金額が設定されている場合は、500〜2,500万円で設定していることがほとんどです。

取引金額 報酬料率
5億円まで 5%
5〜10億円 4%
10〜50億円 3%
50〜100億円 2%
100億円超 1%

M&Aの成功報酬算定でレーマン方式を採用している場合に注意することは、何を元にして成功報酬料率を定めているのかということです。

当然ですが、M&Aの取引金額は大変大きいことが多いので、起算基準によって、成功報酬が大きく変わってしまうからです。会社の資産に加えて営業権(のれん代)なども入れて成功報酬を計算することが多いのでご注意ください。

【関連】営業権 - M&A用語集

②レーマン方式の具体的な計算事例

レーマン方式でM&Aの成功報酬を算出する場合の具体的な計算事例を挙げておきます。事例としては取引金額が「15億円」であったと仮定します。計算事例としては、以下のの3つの部分に分けて計算します。

  • 〜5億円部分(5億円)
  • 5〜10億円部分(5億円)
  • 10〜15億円部分(5億円)

決して15億円に報酬料率3%かけて算出しているわけではないことに注意してください。

  • 5億円 ✕ 5% = 2,500万円
  • 5億円 ✕ 4% = 2,000万円
  • 5億円 ✕ 3% = 1,500万円
  • 合計6,000万円(2,500万円 + 2,000万円 + 1,500万円)

5億円未満で最低報酬金額が設定されている場合は、例えば、500〜2,500万円になるでしょう。

M&Aにおける仲介手数料の種類と相場

まず、M&Aの仲介手数料は大きく分けて7つからなります。

  1. 事前相談料 
  2. 着手金 
  3. 中間金 
  4. 成功報酬 
  5. 業務にかかる実費 
  6. リテーナーフィー(月額報酬) 
  7. デューデリジェンス(DD)
  8. 種類別手数料相場のまとめ

①事前相談料

M&Aを考えたときに仲介会社に最初に相談するときに発生するものです。相場は有料の場合は5,000~10,000円ほどですが、正式な依頼をする前の相談であるため、多くの仲介会社では無料となっています。

M&Aについて最初の相談を行う際には、念のため料金の確認を事前にしておきましょう。 

②着手金

着手金は仲介会社に依頼する際に支払いうもので、仮にM&Aが成立しなかったとしても払い戻されることはありません。相手の会社を探してもらい、交渉の席につくための費用と考えましょう。

相場としては50万~200万円ほどですが、着手金とは別に月額報酬を支払う場合もあります。リテーナーフィーと着手金を同一にしている仲介会社も存在し、その定義は曖昧であるため、依頼をする際には事前にチェックしておいたほうがいいでしょう。

③中間金

M&Aの基本合意契約が締結された段階で発生します。金額は成功報酬の10~20%に設定されている場合が多く、相場は50~200万円ほどです。

基本合意契約とは、買い手側の会社がM&Aによって買収を行う意思を表明するために締結されるもので、最終的な契約が成立する前に結ばれます。具体的な内容としては、基本条件や企業調査の期間、具体的なスケジュールなどが盛り込まれるものです。

この段階でほぼM&Aは成立することになりますが、100%ではありません。場合によっては企業調査の結果、基本合意契約が結ばれていても最終的な合意に達しないこともあります。その場合であっても中間金は返金されません

【関連】基本合意書 - M&A用語集

④成功報酬

成功報酬とは文字通り、M&Aがめでたく成約となった段階で発生するものです。成立しなければ、支払う必要はありません。成功報酬の金額については譲渡価格によって変動します。レーマン方式を採用することが一般的です。

レーマン方式とは仲介会社が関わった案件の譲渡価格に対して一定の料率をかけることで報酬を算出する方式です。案件の総額が大きければ大きいほど報酬は上がり、小さいほど下がります。
レーマン方式の詳細や計算方法については、このページに記載の関連記事をご確認ください。

仲介会社によってさまざまな基準が設けられていることがあります。成功報酬についても、依頼する前にしっかりと確認しておきましょう。

⑤業務にかかる実費

成功報酬とは別に活動費用を実費で請求されることもあります。例えば、企業調査のための出張費用や弁護士費用などの経費です。仲介会社によっては着手金や成功報酬の中に活動費用も含まれている場合もあるので、よくわからない費用がある場合は、この点も確認が必要です。

⑥リテーナーフィー(月額報酬)

一定期間の継続的な業務に対して支払う料金です。月額報酬と表記される場合もあります。相場としては、月額30〜200万円ぐらいです。仲介会社によって金額に幅があり、無料でやっている場合もあります。毎月の費用ですので、できれば、リテーナーフィーのない仲介会社を選ぶほうがコストは削減できます

⑦デューデリジェンス(DD)

M&Aの最終的な意思決定を行う際に、専門家が対象会社や事業などの実態を調査し、問題点を把握する手続きをデューデリジェンスといいます。そのときに仲介手数料を支払う場合があります。最低でも10~80万円の費用がかかります。

高額な費用がかかるので、デューデリジェンスを実施しない場合もありますが、買収後に問題点が浮上するリスクがあります。従って、たとえ高額であってもデューデリジェンスはできる限り行ったほうがいいでしょう。 

【関連】レーマン方式とは?成果報酬の設定や計算方法、種類、契約書を解説

⑧種類別手数料相場のまとめ

この章の最後に種類別の手数料相場をまとめました。買収金額が100億円を超えるような場合やM&A案件の特殊性によって、これらの手数料は大きく異なります。

   
事前相談料 無料〜1万円
着手金 無料〜200万円
中間金 無料〜200万円(または成功報酬の10〜20%)
デューデリジェンス費用(DD) 10〜200万円
成功報酬費用 買取金額✕5%程度
リテイナーフィー(月額費用) 月額30〜200万円
その他業務にかかる実費 実費

M&Aで会社の売却を検討している場合、M&A仲介会社を利用しましょう。M&A総合研究所は、公認会計士が在籍しているM&A仲介会社です。もし、M&A総合研究所に相談頂ければ、あなたのM&Aが成功するように経験豊富な専門家が金額の算出や条件交渉など、少しでも会社を高く売れるようサポート致します。

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M&Aにおける仲介手数料の比較

仲介手数料は金額の違いだけでなく、仲介会社によってどの種類の手数料が発生するかも異なります。仲介手数料を比較する際には、どこに注目するべきかを解説します。

  1. 完全成功報酬制であるか否か
  2. 報酬とサービスのバランスが重要

①完全成功報酬制であるか否か

仲介手数料を比較する際、まずは完全成功報酬制であるか否かという点を確認します。
例えば、完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)を取っているM&A総合研究所と着手金が発生する日本M&Aセンターを比較してみましょう。

M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)
それに対して、日本M&Aセンターは提携仲介契約を締結した段階で着手金が発生し、その後、M&A案件の結果次第でさらに成功報酬が発生します。

②報酬とサービスのバランスが重要

一見すると完全成功報酬制のほうが負担が少なく、魅力的なもののようにも見えます。
しかし、着手金が発生するM&A仲介会社はすでに利益を得ている分、クライアントのためにしっかり時間をかけてM&A仲介やM&Aアドバイザリーを行ってくれる傾向がありますので、どちらがいいかは一概には判断できません。

逆に完全成功報酬制を取っている仲介会社の中には、利益を得るためにクライアントの利益に関係なく実現性が高いM&A案件を無理矢理紹介してくるケースもあります。
そのため、完全成功報酬制であるからといって、必ずしもいい仲介会社というわけではありません。

M&A総合研究所や日本M&Aセンターなどはそれぞれに良質なサービスを提供する仲介会社です。しかし、全てのM&A仲介会社が質の高いサービスを提供しているとは限りませんので、仲介会社選びは慎重に行いましょう。

M&A総合研究所は主に中小・中堅規模のM&A案件を取り扱っており、中小企業のM&A支援実績を豊富に有しています。

案件ごとにM&Aに関する豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが担当につき、M&Aをフルサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

【関連】成功報酬 - M&A用語集
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M&A仲介会社を選ぶ際の注意点

最後にM&A仲介会社を選ぶ際の注意点についてまとめました。

  1. 契約の種類を確認すること
  2. 成功事例を中心とした実績の確認
  3. 特定の事業セグメントが強い
  4. 手数料体系の違い
  5. M&A仲介会社以外の選択肢も検討

①契約の種類を確認すること

M&A仲介会社との契約方法は2種類あります。その2つとは、仲介契約とFA契約です。この2つの契約方法において、報酬額に違いはありません。しかし、アドバイスの方法に大きな違いがあります。仲介契約では、買い手と売り手の双方にアドバイスを行います。

しかし、FA契約では買い手・売り手のどちらかのみにしかアドバイスを行いません。どちらの契約方法にもメリット・デメリットがありますので、契約を結ぶ際には慎重に決定しなければなりません。

FA契約を選べば、顧客視点に立ったアドバイスを受けることができます。M&Aをスピーディーに進めてなるべく成立させたいのであれば仲介契約を検討すべきです。

その理由は、相互の妥協点を探しやすく、M&Aが成立しやすくなるからです。このようにM&A仲介会社との契約方法は、どの方法が得意なのかどうかよく調べてから選ぶ必要があるでしょう。

②成功事例を中心とした実績の確認

専門知識が必要なM&A業務を遂行するにあたって、全般的な知識はもちろんのこと、専門的な知識、豊富な業務経験が必要となるのは当然です。 M&A仲介会社がこれまでどのような買収をまとめてきたのか、正確な実績を確認できなければ契約を結ぶのはやめておきましょう。

例えば、これまでの実績が正確な数値などで確認できたり、有名企業の成功事例が掲載されていたりするなら、かなりわかりやすい事例です。

また、M&A仲介会社によって、小型案件、大型案件など得意分野が異なることがあります。 買収金額が高くなる場合は、事業規模も大きくなりますので、大規模な案件を多数取り扱ってきた実績の豊富なM&A仲介会社を選ぶことが成功への大きなポイントです。

③特定の事業セグメントが強い

M&A仲介会社を探す場合に、自社と同様の特定の事業に強みを持つ仲介会社を探すことがM&A成功への近道です。例えば、飲食店、フランチャイズ、クリニック、ドラッグストアなど、特定の業界、特定の事業セグメントにおいて成功実績の豊富なM&A仲介会社も多数存在するからです。

特定事業に特化したM&A仲介会社なら、業界・業種のことを熟知しており、初めてでも安心してM&Aを進められる可能性が高まります。

④手数料体系の違い

M&A仲介会社の場合、手数料体系は成功報酬であることが多く、その計算方式といえばレーマン方式でした。しかし、その他の相談料、着手金、中間金などは個々の仲介会社によって大きく異なりますし、計算方式も同様に異なっています。手数料体系は予め確認しておくべき事項です。

報酬の額を大きく左右する成功報酬は、手数料率にはあまり違いがありませんが、買取価格が何を基準にしているのかで大きく金額が変わってしまうので注意が必要です。例えば、買取価格、総資産など、基礎となる計算基準が異なることが多いので、細かい部分のチェックを怠ることのないようにしてください。

手数料体系が公開されていないM&A仲介会社の場合は、必ず質問を行ったうえで書面でもしっかりと確認を行うようにしてください。

⑤M&A仲介会社以外の選択肢も検討

M&A仲介会社に何らかの事情で依頼できない場合でも、その他の方法を利用してM&Aを進めることができます。このケースでは、M&A仲介会社を利用するのではなく、「M&Aプラットフォーム」や「事業引継センター」などの新しい方法の活用を模索してください。

「M&Aプラットフォーム」は、インターネットを活用してM&Aの売り手と買い手をマッチングさせる新しい方式のサービスです。仲介会社を利用するよりも、手数料が安く抑えられます。売り手の場合は、手数料が無料のところもありますので、M&A仲介会社を探す際にも同じように比較検討してみましょう。

「事業引継センター」は、後継者不在に悩む中小企業者に対して、事業引継に対するアドバイスや後継者のマッチングサービスを提供しています。47都道府県に支援センターが設置されており、各センターの専門家が事業引き継ぎに関するさまざまな課題解決にあたっています。

M&Aの仲介手数料まとめ

M&A仲介会社に依頼する際に支払う仲介手数料の種類や成功報酬の相場などを解説してきました。報酬の種類や金額はM&A仲介会社によってそれぞれ異なりますので、さまざまな会社の仲介手数料のシステムを確認したうえで検討し、自社に適した仲介会社を探しましょう。

M&Aを成功させることは決して簡単なことではありません。成功率を高めるには専門家のサポートが欠かせません。M&A仲介会社などの専門家のサポートを活用してきっちりと準備をし、計画的にM&Aを実行しましょう。

専門家を選ぶ際には、手数料や実績、士業であるかなど、選定の基準がいくつかあります。自社の利益を最優先に追求する仲介会社も存在するのが実情ですので、信頼できる専門家を選択することが重要です。

今回の記事をまとめると、以下のようになります。

・M&Aにおいて仲介会社を利用するメリットは?
→M&Aに関するノウハウとネットワークの豊富さ

・M&Aにおいて仲介会社を利用するデメリットは?
→仲介会社が利益を得られる方向に誘導される恐れがある

・M&Aにおける仲介手数料の種類は?
→事前相談料、着手金、中間金、成功報酬、業務にかかる実費、リテーナーフィー、デューデリジェンス

・仲介手数料によるM&A仲介会社の選び方のポイントは?
→完全成功報酬制であるか否か

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