2022年6月6日更新会社・事業を売る

中国でのM&Aは?M&A成功のポイント懸念点を解説

中国は、海外で事業を展開するうえで無視できない経済大国です。中国でのM&Aは政治・外交上の対立などの問題が影響するため、政治情勢・内部事情を見極めながら実施しましょう。一見すると問題のないスキームを設計しても、想定外の失敗が生じる場合もあるため注意が必要です。

目次
  1. 中国企業とのM&A
  2. 中国企業と日本企業の間で起こったM&A事例4選
  3. 日本と中国のM&Aの現状
  4. M&Aに関する中国の経済政策とは
  5. 世界におけるM&Aの動向と中国企業によるM&Aの特徴
  6. 中国企業とのM&Aで懸念すべき注意点
  7. 中国でのM&Aを成功させるポイント
  8. 中国のM&Aまとめ

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中国企業とのM&A

最近では、日本においても、国内企業同士だけでなく中国企業を相手にM&Aを行う会社が増加しています。中国は経済大国であるうえに政治的・文化的な影響力も大きいため、魅力的なマーケットのひとつです。その一方で、中国には日本とは異なる規制・条件などが存在します。

そのため、専門的な知識を持たないままではM&Aをはじめとする海外進出を成功させるのは非常に困難です。そこで本記事では、中国企業とのM&Aに焦点を絞って、中国の特徴・M&Aを成功させるためのポイントなどをわかりやすく紹介します。

なお、他のアジア諸国のM&Aについても知りたい方は、ぜひ関連記事もご参考ください。

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中国企業と日本企業の間で起こったM&A事例4選

本章では、中国企業と日本企業の間で起こったM&A事例として、以下の4件を取り上げます。

  1. FHTホールディングス✕上海蓉勤健康管理
  2. 小林製薬✕江蘇中丹製薬
  3. 海信電器✕東芝
  4. Baidu,Inc✕popIn

それぞれの事例からポイントをつかんで、自社のM&A戦略に役立てましょう。

①FHTホールディングス✕上海蓉勤健康管理

FHTホールディングス

出典:https://www.fht-hd.com/

2019年5月、FHTホールディングスは、子会社の「吉奥莱科特医疗健康科技」を通じて、上海蓉勤健康管理の株式の一部を取得して子会社化しました。株式の取得価額はおよそ14億4,000万円であり、所有割合を19.9%から50.9%まで上げています。

買収側の吉奥莱科特医疗健康科技は、医療科学技術事業に関する技術開発・技術譲渡・技術コンサルティング・技術サービス業務・養老サービス業務などを展開し、高齢者向けに特化したヘルスケア事業を推進している企業です。

売却側の上海蓉勤健康管理は、ヘルスケアに関するコンサルティングサービス・技術開発・技術コンサルティングやコンピューターシステムインテグレーションなどを展開する企業です。とりわけ養老介護に特化したヘルスケア事業を手掛けており、子会社において富裕層向け施設の開発プロジェクトを推進しています。

本件M&Aの目的は、ヘルスケア事業の推進・拡大および、これに伴うグループの成長の加速化です。しかし2021年2月、FHTホールディングスは、新型コロナウイルス感染症の影響などを理由に、販売戦略にもとづいた活動に苦戦しているとして、中国におけるヘルスケア事業から撤退する方針を決めています。

②小林製薬✕江蘇中丹製薬

小林製薬

出典:https://www.kobayashi.co.jp/

2018年3月、小林製薬は、中国の医薬品製造販売会社「江蘇中丹製薬」の全持分の取得および、中国に統括会社を設立すると発表しました。本件M&Aの取引金額は非公開です。

買収側の小林製薬は、医薬品および衛生雑貨の企画・製造・販売を手掛ける日本企業です。海外事業の展開を成長事業に位置付けており、アメリカ・中国・イギリス・その他のアジア地域に現地法人を設立し事業を展開しています。

売却側の江蘇中丹製薬は、染料・化学原料などを製造販売する「江蘇中丹集団股份」の100%子会社であり、医薬品を製造販売するなど中国の医薬品事業に精通しています。本件M&Aの目的は、中国における一般用医薬品ビジネスの展開・拡大です。

③海信電器✕東芝

東芝

出典:https://www.global.toshiba/jp/top.html

2018年2月、ハイセンスグループ傘下の海信電器は、東芝の子会社である東芝映像ソリューションの株式95%を取得しました。本件株式取得価額は約129億円です。

ハイセンスは東芝テレビの商品・ブランド・運営サービスなどの業務および東芝テレビのグローバルブランドライセンスを40年間保有します。

買収側のハイセンスグループは中国を拠点とする電機メーカーの企業グループであり、現在は東芝・TVS REGZAなどを子会社に持っています。売却側の東芝は、日本の大手電機メーカーです。

本件M&Aの目的は、当事会社双方の研究開発・サプライチェーン・グローバルルートの資源の統合による、市場規模の向上およびグローバル化の促進などです。

④Baidu,Inc✕popIn

popIn

出典:https://www.popin.cc/

2015年5月、Baidu,Incは、日本法人であるバイドゥを通じて、popInの株式すべてを取得して完全子会社化しました。本件M&Aの株式取得金額は正式には公表されていないものの、およそ10億円と考えられています。

買収側のBaidu,Incは、中国のインターネット検索事業における最大手企業です。売却側のpopInは東京大学発のベンチャー企業であり、東京大学エッジキャピタルUTECから投資を受けて同大学施設内に拠点を置いて活動しています。

本件M&Aの目的は、popInの持つ先進的なネイティブ広告(記事と体裁が類似するネット広告)技術の中国およびアジアを中心とする世界展開の実現にありました。

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日本と中国のM&Aの現状

本章では、日本と中国のM&Aの現状について取り上げます。以前より、日本企業は中国に進出するためにM&Aを積極的に実施していました。

しかし、2012年以降は日本企業の直接的な投資が減少し、2013年には日中関係の影響を受けて日本企業と中国企業のM&A件数が減少傾向に転じています。

とはいえ、2015年以降はM&A件数が徐々に増加しており、回復傾向にある状況です。ここからは、以下の項目に沿って日本と中国のM&Aの現状をより詳しく掘り下げます。

  1. 外交問題の影響と規制強化の影響
  2. 中国人観光客の増加

それぞれの項目について順番に詳しく紹介します。

①外交問題の影響と規制強化の影響

外交問題の影響や中国の規制強化などを懸念して、中国企業とのM&Aに踏み切れない日本企業は多く見られます。

また、過去に中国で反日デモが激化した際には日本企業にも被害が及んだこともあり、日本企業がM&Aにより中国に進出しにくい状況です。

上記のほか、中国が経済成長を続けた結果として、コストの高騰により新興国に進出するメリットが得られなくなるおそれがある点も考慮すべきです。

その一方で、中国では「一帯一路」や「国有企業改革」などの経済政策が開始されており、自国の企業が行うM&Aに対して緩和政策を講じる動きが見られます。

そのため、以前よりも日本企業と中国企業がM&Aを行いやすい環境が整備されています。

②中国人観光客の増加

「爆買い」に代表される中国人観光客の影響力も無視できません。2014~2015年には日本を訪れる中国人観光客が爆発的に増加し、日本の官公庁における外国人観光客誘致政策も相まって日本に多大な利益をもたらしました。

また、東京オリンピックに伴う不動産ブームの到来も中国人を惹きつけており、新たなビジネスチャンスを創出しています。しかし、欧米と中国の対立により、EU(欧州連合)が中国企業のM&Aを規制したり中国とアメリカが互いの企業に規制しあったりするなど、中国の経済政策は順風満帆とはいえない状況です。

もともと中国では指導政党である「中国共産党」の力が強いために意思決定や方針転換が早く、何らかの問題が発生すれば日本企業に悪影響が及ぶ事態は十分に想定されます。以上のことから、日本が中国においてM&Aを行う際は、政治情勢や外交情勢の見極めが非常に重要です。

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M&Aに関する中国の経済政策とは

世界最大の人口を誇るうえに世界第2位の経済大国である中国は、海外進出を考える企業にとって無視できない存在です。中国のM&A市場はリーマンショック以降に一時期低迷したものの、現在は政府主導の政策も相まって再び拡大傾向にあります。

中国におけるM&A市場拡大の背景には、中国政府による法令や規制の改定に伴う投資環境の緩和および新たな経済政策の展開などが大きな影響を与えている状況です。そこで本章では、近年の中国が行っている以下2つの経済政策について取り上げます。

  1. 一帯一路
  2. 国有企業改革

それぞれの項目について順番に詳しく紹介します。

①一帯一路

一帯一路とは、2014年に中国の国家主席である習近平氏が発表した巨大な経済圏構想をさします。簡単にいうと、21世紀版シルクロードのことです。

つまり、中国西部から中央アジア・ヨーロッパを結ぶ陸路の「シルクロード経済帯(一帯)」および、中国沿岸部から東南アジア・インド・アフリカ・中東・欧州を結ぶ海上航路の「21世紀海路シルクロード(一路)」を構築する計画を意味します。

ここには、アジアとヨーロッパを陸路と海上航路でつなぐ物流ルートの構築によって、貿易を活発化させてさらなる経済成長を図りたい中国の狙いがあります。そこで、新たな経済圏を創立して、ルート上にある国家との相互理解の実現を目的に掲げているのです。

中国は一帯一路を実現するために、多くの国家から支持を獲得しようと交渉を実施しています。もしも一帯一路が実現すれば、世界経済の中心が欧米から東アジアに変わる可能性もあるのです。しかし、中国ほどの大国が世界経済に影響を及ぼす構想を発表したために、反発する国家も現れています。

上記を受けて、習近平氏は影響力の拡大を懸念する国家に向けて以下の3つを掲げて柔軟な姿勢を強調しています。

  • Win-Winの関係が基本であること
  • 他国の内政に干渉しないこと
  • 他国に体制モデルを押し付けないこと

とはいえ、一帯一路の実現に向けた交渉が進められる一方で、中国の覇権主義を懸念する欧米からの支持は得られていない状況です。一帯一路の実現に向けて開かれた大規模な会議「一帯一路フォーラム」でも、参加した欧米諸国はロシアとイタリアのみでした。

イギリス・フランス・ドイツなどの主要国は貿易推進事業の関連文書への署名を拒否したほか、インドも使節団の派遣を見合わせています。なお、中国は一帯一路の支持を得るために、アフリカやアジアの発展途上国などへ多額の融資や支援を実施しました。

これに対して、自国の経済力を超える融資による債務危機を懸念した国家や、自国の利益に結び付かない支援に不審感を持った国家などが拒否するケースも増加中です。そのため、一帯一路の実現には依然として多くの問題が残っているうえに不安要素も多いですが、今後も注目され続ける経済政策だといえます。

②国有企業改革

中国の国有企業改革も、一帯一路に並ぶ重要な経済政策のひとつです。もともと中国の国有企業政策は1980年代より開始されており、これまで3つのフェーズにわたって実施されてきました。2015年には、第4フェーズである「国有企業改革」に着手しています。

  • 1980年代:経営請負制度の導入
  • 1990年代:民営化
  • 2000年代:強大化
  • 2015年以降:国有企業改革に着手

1980年代の経営請負制度とは、国有企業(政府所有会社)の経営の自由をある程度認める旨の制度のことです。国に上納する利潤額などの目標を達成すれば、自社の裁量により設備投資を行えたり、従業員の給与に利益を充てられたりするなど、従来は厳しく制限されていた企業の自由が若干緩和されています。

1990年代の民営化では、画期的な決定である国有企業の株式会社化を実施しています。これには、株主である所有者と経営者を分離させて企業経営者の自由度を一段と高めることで、国有企業経営の効率化により企業価値を向上させる狙いがありました。

2000年代に入ると中国は、国有企業の監督管理を強化するために強大化にシフトしています。具体的には、国有企業が支配的地位を占めるべき範囲を、国防などの一部から採掘・インフラ整備・ハイテク産業など幅広い分野に拡大しています。そして、2015年には、以下の3点を柱に国有企業改革を開始しました。

  • 現代企業制度の整備
  • 混合所有制経済の推進
  • 国有資本運営会社の設立

上記の改革を通じて、国内の112社の国有企業の組織再編・業界再編を実施し、30社~50社ほどに減少させることを目標に掲げています。国有企業改革の対象事業は、軍事工業・電力工業・化学工業・海運業などであり、中国におけるM&Aを活発化させる要因のひとつです。

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世界におけるM&Aの動向と中国企業によるM&Aの特徴

本章では、世界におけるM&Aの動向と中国企業によるM&Aの特徴について、2つの項目に分けて深堀りします。まずは、EUなど世界各国による中国への対応から把握しておきましょう。

EUでは中国に関するM&Aの規制を強化

世界各国の中国への警戒態勢は、やはり無視できません。特にEUが試行する中国事業のM&Aに対する規制には注意が必要です。この規制は覇権主義を強化する中国への牽制だけでなく、中国への特定の技術・知的財産権の流出を防ぐ目的も掲げられています。

上記のような規制を実施している国としては、中国との貿易摩擦が発生しているアメリカも挙げられます。アメリカでは政府審査をさらに強化する方針を採用しているうえに、中国企業であるファーウェイやZTEの製品などを政府調達より排除したほか、ファーウェイ副会長を逮捕するなど強硬的な姿勢を強めてきました。

これらはすべて海外の取り組みですが、日本にとっても無関係ではありません。そもそも日本では、中国に限らず外国資本が日本企業を買収するケースが少ないため、外資に対する規制が強くありません。

その一方で、日本は「IT 調達に係る国の物品等又は役務の調達方針及び調達手続に関する申合せ」を発表し、アメリカへの同調姿勢を取っています。つまり、日本もアメリカやEUと同じ方針に転換したのです。

とはいえ、日本では中国との関係を重視する政府の意向によりそれほど強い規制は志向せず、あくまでも同調のみの姿勢を見せています。これにより、中国からの名指しでの非難や反発を避けながら、中立的な立場を構築している状況です。

そのため、中国とのM&Aが阻害されるほどの規制が試行されるおそれは現時点ではありませんが、将来的に中国と欧米の対立が激化すれば日本でも中国とのM&Aに影響する規制が講じられる可能性は否定できません。

中国のM&Aの特徴

ここでは、中国におけるM&A市場の特徴について取り上げます。中国では2014年以降、国内業界再編・投資環境促進のための規制緩和・一帯一路政策の推進などにより、国内M&A市場が3年連続で成長しましたが、2016年をピークに減少に転じています。

デロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの報告より、2018年における中国国内のM&A市場を見ると、取引件数は1,263件・取引総額は2,589億米ドルであり、前年比でいずれも減少しました(2017年:1,511件・3,069億米ドル)。

M&A市場縮小の要因としては、アメリカとの貿易摩擦・EUによる規制強化・資本流出防止を目的とした中国政府による海外買収案件の審査の強化などが挙げられます。

なお、中国企業による海外M&A実施の主な目的としては、海外の資源や技術力の獲得が挙げられます。近年の中国では急速な経済成長によりエネルギーや天然資源などが不足しており、これらを獲得するために国営企業が積極的に海外M&Aを実施しています。

上記に対して中国の民間企業では、市場拡大および技術・ブランド・販路などの経営資源の獲得を目的に、海外M&Aに着手している状況です。

参考:世界のM&A事情 ~中国~ 中国M&A・インバウンド投資市場動向(デロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)

中国企業とのM&Aで懸念すべき注意点

本章では、中国でのM&Aにおいて懸念すべき注意点として、以下の項目を取り上げます。

  1. 不透明な中国企業と政府の関係
  2. 中国の法律や規制

それぞれの項目について順番に詳しく紹介します。

①不透明な中国企業と政府の関係

中国には多数の国有企業が存在しており、これは多くの中国企業が中国政府と密接な関係にあることを意味します。この関係性の実態は不透明であり、全容の把握は不可能です。もともと中国企業はメディアに対して好意的ではなく、取材を拒否するケースも少なくありません。

そのため、中国企業と政府の関係や投資元の存在などに不明点が多いです。こうした不透明さも、欧米が中国や中国企業に対して警戒心を示している要因のひとつとされています。

②中国の法律や規制

もちろん、中国の法律や規制にも注意を払う必要があります。中国の法律・規制において注意すべき点は、法律や規制の内容が明確に記されておらず曖昧な表記が見られる点です。この特徴は、主に中国の会社法(中華人民共和国公司法)および独占禁止法(競争法)において顕著に見られます。

特に、独占禁止法およびこれを執行する独占禁止法当局に注意しましょう。過去の事例を見ると、オランダ企業「NXPセミコンダクターズ」の買収を図ったアメリカ企業「クアルコム」によるM&A取引に対して、独占禁止法当局が不承認の裁可を出すなど、M&Aの障害になるケースが発生しています。

上記の事例については、独占禁止法当局は中国の政府に属する組織であり、中国とアメリカの貿易摩擦に対するカウンターとしてM&Aを不承認にしたと考えられています。本来であれば政治における対立をビジネスシーンに持ち込んで、政府に関連する組織が妨害するような事態は好ましくありません。

しかし中国では、こうした事態が発生するリスクを考慮しなければなりません。実際に中国でM&Aを行う際は、法律・規制・当局の意向などを意識しながらスキームを設計しましょう。

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中国でのM&Aを成功させるポイント

最後に、中国でのM&Aを成功させるためのポイントとして、以下の2つを取り上げます。

  1. 中国の情報収集を徹底的に行う
  2. 中国でのM&Aに詳しい専門家の協力を得る

それぞれの項目について順番に詳しく紹介します。

①中国の情報収集を徹底的に行う

中国でM&Aを行う際は、事前に中国の情報を十分に収集しておくことが重要です。中国は一帯一路の実現や国有企業改革の推進なども相まって、国家全体で積極的に諸外国と交渉しているほか、新たな法律や規制の施行も実施しています。

すでに施行した法律や規制についても頻繁に改定しているため、マーケットの状況や経営環境が急変するケースは珍しくありません。また、中国と欧米の対立などの問題についても常に状況を把握しておく必要があります。

特に中国とアメリカの対立については、日本は板挟みの立場に置かれるケースが多く、アメリカに同調する可能性が高いです。もしも将来的に中国が日本を規制対象国に指定したり、日中関係が悪化したりすれば、M&Aの実施自体が不可能となるおそれもあります

そのほか、中国企業は欧米より不公正な商慣習があると非難される傾向があり、日本やその他の海外企業と商慣習が大きく異なるケースも珍しくありません。M&Aの交渉時にトラブルの発生を防ぐためにも、有益な情報を十分に収集しておきましょう。

②中国でのM&Aに詳しい専門家の協力を得る

中国でのM&Aに詳しい専門家の協力を得ることも、中国でのM&Aを成功させるポイントのひとつです。中国の法律や規制には曖昧な表記も多く見られるため、単純に表記のみを見て判断しているとM&Aをスムーズに進行できないおそれがあります。

また、政府の意向により関連組織に警戒されるケースもあるため、法律や規制だけでなく中国の政治情勢や内部事情に詳しい専門家のサポートが必要不可欠です。

最近では、中国に限らずさまざまな国・地域への海外進出が積極的に行われており、M&A仲介会社や経営コンサルティング会社においても、中国への進出や中国企業とのM&Aに特化している業者が増加しています。

こうした業者は中国の法律や規制に詳しいだけでなく、独自のネットワークを駆使してM&Aの実現をサポートしてくれるため、非常に心強い存在です。ただし、すべての業者が必ずしも有能であるとはいえないため、業者を選ぶ際は実績や周囲からの評価などを念入りに調べたうえで依頼しましょう。

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中国のM&Aまとめ

中国は海外事業を展開するうえで無視できない経済大国であり、大型の経済政策を行っているためにさまざまなビジネスチャンスが眠っている国です。とはいえ、中国でのM&Aは政治・外交上での対立・問題などが影響するケースが多く、政治情勢や中国の内部事情を常に見極めて実施する必要があります。

一見すると問題のないスキームを設計したつもりでも、想定外の場面で失敗するケースが見られるため注意しましょう。本記事の要点は、以下のとおりです。

・M&A市場に影響を与えている中国の経済政策
→一帯一路、国有企業改革

・日本と中国のM&Aの現状
→M&Aを実施しやすい環境が整備されている、新たなビジネスチャンスが生まれている

・中国でのM&Aで懸念すべき注意点
→不透明な中国企業と政府の関係、中国の法律や規制

・中国でのM&Aを成功させるポイント
→情報収集を徹底的に行う、詳しい専門家の協力を得る

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