M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2025年6月27日更新業種別M&A
家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aの動向は?現状から事例まで解説!
賃貸管理会社のM&Aをご検討中ですか?本記事では、業界の最新動向や売却・買収の成功事例、費用相場を解説します。M&Aのメリットや成功の秘訣も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 家賃保証会社・賃貸管理会社とは
- 賃貸管理業界のM&Aに影響する3つの市場動向
- 賃貸管理・家賃保証会社のM&A市場における現状
- 賃貸管理会社のM&A・売却における費用相場と企業価値
- 家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&A事例12選
- 賃貸管理会社のM&Aを成功に導く3つのポイント
- 家賃保証会社・賃貸管理会社のM&A案件例
- 家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aのメリット
- 家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aのデメリット
- 家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aにおける注意点
- 家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&A案件探しでチェックすべきポイント4選
- 賃貸管理のM&Aは専門の仲介会社への相談が成功のカギ
- 家賃保証会社・賃貸管理会社業界におけるM&Aについてまとめ
家賃保証会社・賃貸管理会社とは
はじめに、家賃保証会社・賃貸管理会社それぞれの概要・手掛ける業務などを見ていきましょう。
家賃保証会社とは
家賃保証会社とは、賃貸住宅の契約時に借主に求められる連帯保証人の代行を主な業務とする会社です。つまり、連帯保証人の代行が家賃保証会社の役目で、借主が家賃滞納をすれば貸主の代わりに代位弁済を行います。
家賃保証会社は何らかの事情により連帯保証人を立てられない人にとって非常に便利な存在ですが、最近は連帯保証人の代行よりも、貸主の家賃取り立て代行における業務に関する重要性が上昇している状況です。
家賃保証会社は比較的新しい業態の会社で、リーマン・ショック以降に数が急増しました。昨今でも外国人労働者の増加により家賃保証会社のニーズが高まっているため、家賃保証会社業界に進出する異業種企業が増えています。
賃貸管理会社とは
賃貸管理会社は「不動産管理会社」とも呼ばれ、マンション・アパート・オフィスビル・商業施設など賃貸物件の管理・運営を主な業務とする会社です。
賃貸管理会社は、その名のとおり賃貸物件の管理をメインの業務としていますが、仲介部署を持っていれば自身で客付けも行えます。
一方、仲介部署を持たない賃貸管理会社は、仲介専門の不動産会社と連携して客付けを行う必要があります。
また、賃貸管理会社は賃貸物件に関する総合的な管理を請け負うため、必要に応じて新たな設備を導入するなど常に一定以上のコストを背負っている点が特徴的です。
不動産管理会社の事業承継については下記の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
賃貸管理業界のM&Aに影響する3つの市場動向
家賃保証会社・賃貸管理会社業界を取り巻く環境はどのようになっているのでしょうか。ここでは近年の動向をみていきましょう。
①単身高齢者の入居件数の増加
超高齢化や核家族化により、近年は「親族がいない」「親族には頼めない」など連帯保証人がいない高齢の借主も増えています。また、連帯保証人がいても、高齢になってくれば連帯保証人として支払いが難しくなる可能性も高いです。
貸主側はこういった入居者を受け入れるとリスクが大きくなるので、家賃保証会社・賃貸管理会社の需要が高まってきています。
②AI・IoTサービスの導入が求められる
従来、賃貸管理業界は他社との差別化が難しいとされてきました。しかし2024年現在、「不動産テック」の導入が加速し、AIやIoTを活用したサービスで付加価値を高める動きが活発です。
具体的には、AIによる賃料査定や最適な修繕時期の予測、IoT技術を活用したスマートロックや高齢入居者の見守りサービスなどが挙げられます。こうしたIT技術の活用は、業務効率化と入居者満足度の向上に直結するため、今後も重要な差別化要因となるでしょう。
③市場を活性化させる必要性
家賃保証会社・賃貸管理会社の需要は、超高齢化、核家族化によって増えています。しかし、それに対する供給は十分とはいえません。
家賃保証会社・賃貸管理会社のトラブルもあり、業界は対策に努めていますが、十分な成果は出ていない状況です。
市場がさらに活性化して規制が整備されると、借主や貸主も安心して家賃保証会社・賃貸管理会社を活用できるでしょう。
賃貸管理・家賃保証会社のM&A市場における現状
この章では、家賃保証会社・賃貸管理会社業界におけるM&Aの現状について見ていきましょう。
①件数が増加傾向
賃貸管理業界では、後継者不在に悩む中小企業の事業承継を目的としたM&Aが増加しています。また、安定したストック収益(管理手数料)が見込めるため、異業種からの新規参入や事業規模の拡大を目指す同業他社にとって、賃貸管理会社は魅力的な買収対象です。
景気変動の影響を受けにくい安定性から買い手需要は根強く、M&Aの件数は増加傾向にあります。
②異業種・他業種からの参入事例の増加
家賃保証会社・賃貸管理会社は安定した収益が得やすく他業種への展開が行いやすい事業なので、シナジー効果を見込む他業種からのM&Aによる参入も増えています。
また、事業承継需要から売却・譲渡案件が増加した点も、家賃保証会社・賃貸管理会社へ他業種から参入しやすい理由といえるでしょう。
③不動産テックを意識した事例の増加見込み
家賃保証会社・賃貸管理会社業界でIT技術を活用するサービスは、他社との差別化につながります。そのため、IT企業による家賃保証会社・賃貸管理会社の買収や、不動産会社によるIT企業の買収事例も少なくありません。
家賃保証会社・賃貸管理会社のIT化は、伸び代があるため、これからもIT技術を意識したM&Aが増えるでしょう。
賃貸管理会社のM&A・売却における費用相場と企業価値
賃貸管理会社のM&Aにおける企業価値評価は、一般的に「時価純資産 + 営業利益 × 倍率(のれん)」で算出されます。2024年現在の相場では、営業利益の3~7年分が目安とされています。
管理戸数が多く、解約率が低い安定した事業基盤を持つ企業や、不動産テックを導入し業務効率化が進んでいる企業は、より高い企業価値がつく傾向にあります。買収ニーズの高さから、競争環境によっては相場以上の価格で取引されるケースも少なくありません。
家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&A事例12選
この章では、家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&A事例を見ていきましょう。
- ヒューリック×リソー教育
- 香陵住販によるKASUMIC
- ラクーンホールディングス×ALEMO
- GA technologies×リーガル賃貸保証
- アジアゲートホールディングス×東日本不動産
- APAMAN×プレストサービス
- フォーサイド×日本賃貸住宅保証機構
- 西部ガス×エストラスト
- 日本アセットマーケティング×アセッツ・パートナーズ
- AMBITION×VALOR
- タカラレーベン×住宅情報館
- ビジネス・ワンホールディングス×ピーエムジャパン
それぞれの事例からポイントをつかみ、自社のM&A戦略策定に役立ててください。
①ヒューリック×リソー教育
2020年9月、ヒューリックとリソー教育は資本業務提携契約を結びました。リソー教育はヒューリックの発行する普通株式5%分を23億7,700万円で得て、ヒューリックは、リソー教育の取締役会長が有するリソー教育の株式5%相当分を得ています。
リソー教育は、学習塾「TOMAS」などの運営や幼児教育事業「伸芽会」などを手掛け、ヒューリックは、不動産の所有・賃貸・売買・仲介業務を行う会社です。
この資本業務提携と同時に、上記2社にコナミスポーツを加えた3社による、教育事業の新サービス・施設開発を目的とした業務提携契約が発表されました。ヒューリックは、不動産関連事業で培ったノウハウを生かし、新事業分野に進出する見込みです。
参考:ヒューリック株式会社との資本・業務提携に関するお知らせ
一般にM&Aといえば、買収や会社合併などがイメージされますが、資本の移動を伴う資本業務提携も、広義のM&Aです。
②香陵住販によるKASUMIC
2019年3月、香陵住販は、KASUMICを、株式譲渡により子会社としました。取得価額は3億1,300万円です。
香陵住販は、賃貸管理・賃貸仲介などを手掛け、KASUMICは、茨城県で不動産の仲介・管理などを行っています。
これにより、香陵住販は茨城県での管理戸数を拡げ、KASUMICとの不動産事業におけるシナジー効果を得ることを見込みます。
参考:株式会社KASUMICの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ
③ラクーンホールディングス×ALEMO
2018年12月、ラクーンホールディングスは、家賃保証会社のALEMOを買収しました。
買収側のラクーンホールディングスは事業者向けのEC事業やフィナンシャル事業を手掛けるほか、事業者向けの家賃保証事業も行っています。売却側のALEMOは、個人向け居住物件を対象とする家賃保証会社です。
本件M&Aにより、ラクーンホールディングスは、ニーズが高まっている家賃保証事業の拡充だけでなく、事業者向け・個人向けの家賃保証事業へ進出しています。
また、ラクーンホールディングスの持つ企業与信ノウハウ・IT技術とALEMOのノウハウを組み合わせて、事業者向け・個人向けの家賃保証双方に対応できるサービスの提供も図ります。
参考:株式会社ラクーンホールディングス、家賃保証事業を行うALEMO株式会社を完全子会社化 家賃保証のラインナップを強化し、シェア拡大へ
④GA technologies×リーガル賃貸保証
2018年11月、GA technologiesは、リーガル賃貸保証を株式譲渡により完全子会社としました。譲渡価額は1億5,000万円です。
GA technologiesは、中古不動産のプラットフォームを手掛け、リーガル賃貸保証は、家賃保証会社です。
これにより、GA technologiesはリーガル賃貸保証が持つデータをベースとして、AIを用いたプラットフォームの構築を進めています。リーガル賃貸保証は2020年5月より、商号をRENOSY ASSET MANAGEMENTに変えました。
参考:リーガル賃貸保証株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ〜次世代型家賃債務保証サービス創出へ向けて〜
⑤アジアゲートホールディングス×東日本不動産
この事例は、M&Aが不成立となったケースです。
2018年10月、アジアゲートホールディングスは、東日本不動産と株式譲渡の基本合意に至りました。アジアゲートホールディングスは、不動産関連事業を幅広く手掛け、東日本不動産は、主に東北で賃貸管理事業などを行っている会社です。
アジアゲートホールディングスは東日本不動産の人材やノウハウを得ることが目的でしたが、最終的な交渉がうまくいかず、株式譲渡契約は2018年12月に中止となっています。
参考:株式取得(子会社化)に関する基本合意書の解除に関するお知らせ
⑥APAMAN×プレストサービス
2018年5月、APAMANは子会社のApaman Propertyをつうじ、プレストサービスを株式譲渡により子会社としました。取得価額は公表されていません。
両社とも、賃貸管理会社です。これにより、APAMANは収益をより安定させ、事業範囲を拡げることを狙っています。
参考:当社連結子会社による株式会社プレストサービスの株式の取得(孫会社化)に関するお知らせ
⑦フォーサイド×日本賃貸住宅保証機構
2017年6月、フォーサイドは、日本賃貸住宅保証機構を株式譲渡によって買収しました。取得した株式数は全体の40%で、取得価額は4億100万円になります。
フォーサイドは、IT分野で幅広い事業を行い、日本賃貸住宅保証機構は賃貸保証会社です。これにより、フォーサイドは、収益構造を安定させることと多角化を狙います。
⑧西部ガス×エストラスト
2017年2月、西部ガスは、エストラストをTOB(株式公開買付)によって子会社としました。
西部ガスはガス事業以外の事業範囲拡大を促進しており、福岡県に建築会社や不動産販売会社・賃貸管理会社などを子会社に持ち、エストラストは不動産販売会社です。
これにより、西部ガスは、山口県にあるエストラストの賃貸事業・管理事業を得て、事業エリアを拡げています。
参考:株式会社エストラスト株式(証券コード 3280)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
⑨日本アセットマーケティング×アセッツ・パートナーズ
2016年12月、日本アセットマーケティングは、アセッツ・パートナーズを株式譲渡により完全子会社としました。取得価額は100万円です。
両社ともに、不動産賃貸・管理業などを手掛けています。これにより、日本アセットマーケティングは、事業チャンスを迅速に捉えることを見込んでいます。
⑩AMBITION×VALOR
2015年6月、AMBITIONは、VALORを、株式譲渡により買収しました。取得価額は、公表されていません。VALORは、神奈川県の賃貸管理会社です。
これにより、AMBITIONは、神奈川県に事業エリアを拡げ、VALORとノウハウを共有して生じるシナジー効果を得ました。
参考:株式会社VALORの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ
⑪タカラレーベン×住宅情報館
2015年1月、分譲マンションデベロッパーであるタカラレーベンは、不動産開発や管理を手掛ける愛媛県の住宅情報館を買収しました。住宅情報館は社名を「タカラレーベン西日本」に改めて、連結子会社として運営されます。
本件M&Aの目的は、賃貸管理会社である住宅情報館の持つ2,200件もの賃貸物件承継による安定的な収益の獲得および、地方都市への進出における足掛かりを作ることです。実際にタカラレーベンは、本件M&A後に西日本への進出を加速させました。
⑫ビジネス・ワンホールディングス×ピーエムジャパン
2014年4月、ビジネス・ワンホールディングスは子会社のビジネス・ワン賃貸管理をつうじて、ピーエムジャパンにおける賃貸管理会社事業の一部を事業譲渡により譲受しました。譲渡価額は1億8,000万円です。ビジネス・ワン賃貸管理は、賃貸管理会社になります。
ビジネス・ワンホールディングスは、事業の拡大と収益の安定化を狙いましたが、事業譲渡後、ピーエムジャパンの賃貸管理物件オーナーに対する送金資金の回収遅延が生じ、訴訟に発展しました。
2017年5月、福岡地方裁判所で、ピーエムジャパンは8,192万5,060円と利子の支払いといった判決を受けています。
参考:訴訟の判決に関するお知らせ
賃貸管理会社のM&Aを成功に導く3つのポイント
M&Aを成功させるためには、戦略的な準備が欠かせません。ここでは、賃貸管理会社のM&Aを成功に導くための3つの重要なポイントを解説します。
企業価値を正しく評価する
M&Aの成功は、自社の価値を客観的かつ正確に把握することから始まります。単に財務諸表上の数字だけでなく、管理物件の質やエリア、顧客層、従業員のスキル、独自のノウハウといった無形資産も価値に含まれます。
専門家による企業価値評価(バリュエーション)を受け、自社の強みと弱みを明確にすることが、最適な相手先選定と有利な条件交渉の第一歩です。
最適なM&Aのタイミングを見極める
M&Aはタイミングが極めて重要です。一般的に、業績が好調で市場が活況な時期ほど、高値での売却が期待できます。経営者の引退時期から逆算して準備を進めるだけでなく、業界再編の動きや法改正など、外部環境の変化も考慮に入れるべきです。
準備不足で焦って売却すると、買い叩かれるリスクもあるため、余裕を持ったスケジュールで計画的に進めることが成功のカギとなります。
M&Aの専門家と連携する
賃貸管理業界のM&Aには、法務、税務、会計といった専門知識に加え、業界特有の慣行やデューデリジェンスのポイントを理解している必要があります。M&A仲介会社やアドバイザーといった専門家のサポートは不可欠です。
自社の希望条件に合う相手先を見つけ、複雑な交渉や契約手続きをスムーズに進め、リスクを最小限に抑えるためにも、信頼できるパートナーを選びましょう。
家賃保証会社・賃貸管理会社のM&A案件例
ここでは、家賃保証会社・賃貸管理会社のM&A案件例を2件紹介します。
【好立地/カバーエリア23区内】都内の不動産賃貸管理・仲介業
不動産賃貸管理・仲介を営む企業をご紹介します。
都内2ヶ所に店舗を構え、東京23区内のマンション約700戸のサブリース管理及び賃貸仲介業を手掛けています。山手線内の駅から徒歩数分内の好立地に店舗を構え、顧客を確保し易い環境を確立しています。
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 他事業への注力 |
【北関東×不動産管理業】1,200戸以上の管理物件保有
北関東で不動産管理業、売買業、仲介業を展開している企業をご紹介します。
テナント管理戸数は地域トップクラスなのが特徴です。地域密着の企業として長年の業歴があり、土地仕入・建築・管理まで行っています。金融機関とのコネクションが強固であるため土地情報が安定的に入ってくる状態です。
売上高 | 5億円〜10億円 |
譲渡希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在 |
家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aのメリット
M&Aでは多種多様なメリットが期待できます。本章では家賃保証会社・賃貸管理会社業界のメリットに焦点を絞り、譲渡側・買収側それぞれの立場に分けて順番に見ていきましょう。
譲渡側メリット
M&Aによる会社売却は、譲渡側企業に多くのメリットをもたらします。特に後継者不在問題を抱える経営者にとっては、廃業を回避し、事業や従業員の雇用を存続させる有効な解決策となります。
また、大手企業の傘下に入ることで経営基盤が安定し、資金力やブランド力を活用した事業成長が期待できます。経営者個人にとっては、株式譲渡によって創業者利益を確保でき、引退後の生活資金や新規事業への投資資金を得られる点も大きなメリットです。
買収側メリット
買い手企業にとって、賃貸管理会社のM&Aは事業拡大を加速させる効率的な手段です。ゼロから事業を立ち上げるのに比べ、管理物件や顧客、専門知識を持つ人材、許認可などを一括で獲得できるため、時間とコストを大幅に削減できます。
特に、管理戸数の増加はスケールメリットに直結し、収益性の向上に繋がります。また、新たなエリアへ進出する際の足掛かりとしても有効であり、既存事業とのシナジー効果によって企業全体の価値向上も期待できます。
家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aのデメリット
家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aではさまざまなメリットが期待できるものの、その一方でデメリットも少なからず存在するため双方を把握しましょう。本章では、M&Aのデメリットについて、譲渡側・買収側それぞれの立場に分けて順番に取り上げます。
譲渡側デメリット
家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aにおける譲渡側のデメリットは、主に以下のとおりです。
- 買い手が見つかるとは限らない
- 希望の条件で売却できるとは限らない
- 取引先・顧客・従業員に反発されるおそれがある
- 経営に関する権限が縮小する
- 企業文化・風土の変更により従業員のモチベーションが下がる
上記のデメリットは、主にM&Aにおけるマッチングの失敗により発生する可能性が高いです。マッチングを成功させてスムーズにM&A手続きを済ませるためにも、専門家からサポートを得ると良いでしょう。
買収側デメリット
家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aにおける買収側のデメリットは、主に以下のとおりです。
- 従業員同士の摩擦により離職が発生するおそれがある
- 企業統合に多くの時間と費用がかかる
- 売却側において重大なリスクが発覚する
- 期待していたシナジー効果が得られるとは限らない
- のれんの減損リスクが生じる
- 希望条件を満たす売り手が見つかるとは限らない
上記のデメリットは、主にM&Aにおけるマッチングおよび企業統合(PMI)プロセスの失敗により発生するおそれがあります。これらのプロセスをスムーズに成功させるためにも、譲渡側と同様にM&Aの専門家からサポートを得ることが大切です。
家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aにおける注意点
家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aにおける譲渡側の注意点は、主に以下のとおりです。
- 強み・アピールポイントを洗い出しておく
- 高い地域性や取引先・顧客リストを抱えておく
- M&Aの専門家に相談する
上記のポイントを押さえて実践すれば、M&Aによる譲渡の成功確率を高められます。一方で、家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aにおける買収側は、以下の点に注意しましょう。
- デューデリジェンス(買収監査)を徹底する
- 企業統合プロセスを丁寧に構築する
- M&Aの専門家に相談する
譲渡側であれ買収側であれ、家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aでは専門的に高度なプロセスの遂行が求められます。経営者のみで進めていくことは非常に困難であるため、M&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼すると良いでしょう。
家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&A案件探しでチェックすべきポイント4選
賃貸不動産管理および仲介業のM&Aを検討する際の主要なチェックポイントは以下の通りです。
ポイント | 補足 |
差別化の確認(賃貸不動産管理業の場合) | 賃貸不動産管理業は定型的な業務が多いので、どのように管理物件の付加価値を高めているかを確認することが重要です。 |
サービス内容と営業形態(賃貸不動産管理業の場合) | 入居者やオーナーへの管理業務や建物の保全・管理に関するサービス内容を見ることが重要です。また、営業形態、例えば管理人の勤務体制や従業員の役割分担などもチェックします。 |
月次ベースの売上確認(不動産仲介業の場合) | 住宅用不動産業界は季節による売上の変動が大きいため、特に学校近くの事業所では季節変動を月次の試算表で確認します。 |
近隣の不動産情報確認(不動産仲介業の場合) | 近隣の企業や工場の動向、新築マンションの建設などが収益や資金繰りに影響を与える可能性があるため、近隣の不動産情報を詳しく調べます。 |
賃貸管理のM&Aは専門の仲介会社への相談が成功のカギ
M&Aを成功させるためには、専門家のサポートを受けることがおすすめです。M&A仲介会社などの専門家に相談・依頼すれば、複雑なM&Aプロセスの代行・サポートを受けられます。
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家賃保証会社・賃貸管理会社業界におけるM&Aについてまとめ
家賃保証会社も賃貸管理会社も高いニーズを持っているので、今後も業界への進出を図る企業は増えると考えられます。しかし、いずれの会社も専門知識が必要で一定以上の顧客を確保しなければならず、新規事業の立ち上げは簡単ではありません。
そこで、M&Aの利用が注目されているのです。本記事の要点は、下記です。
・家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aのメリット
→経営基盤の強化(譲渡側)、家賃保証会社・賃貸管理会社業界への進出(買収側)など
・家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aのデメリット
→買い手が見つかるとは限らない(譲渡側)、従業員同士の摩擦により離職が発生するおそれがある(買収側)など
・家賃保証会社・賃貸管理会社業界のM&Aにおける注意点
→強みやアピールポイントを洗い出しておく(譲渡側)、デューデリジェンスを徹底する(買収側)など
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