2021年5月28日更新会社・事業を売る

M&Aにおける税理士の役割は?相談するメリット、選び方も紹介

税理士は、M&Aプロセスの中でもバリュエーションや税務デューデリジェンスなどの役割を果たす専門家です。税務の専門知識を持っており、M&A成功を目指す上で頼りになります。M&Aを円滑に済ませるためには税理士の役割が必要不可欠です。

目次
  1. M&Aでは税理士が頼りになる
  2. M&Aと税理士の関係性
  3. M&Aにおける税理士の役割
  4. M&A実務を税理士に依頼するメリット
  5. M&A実務を税理士に依頼するときの報酬相場
  6. M&Aについて税理士に相談するときの選ぶポイント
  7. M&Aを相談できる税理士以外の専門家
  8. M&Aにおける税理士の役割まとめ
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M&Aでは税理士が頼りになる

M&Aでは税理士が頼りになる

M&Aプロセスを進めるには、さまざまな専門家の協力が必要です。その専門家の中でも、税理士は税務の観点からM&Aをサポートする役割を担っています。しかし、具体的な税理士の役割は、あまり知られていないかもしれません。

そこで本記事では、M&Aにおいて税理士が実際にどのような役割を果たしているのか紹介するとともに、M&A実務を税理士に依頼するメリットや報酬額の相場なども解説します。

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M&Aと税理士の関係性

M&Aと税理士の関係性

はじめに、M&Aと税理士の関係性を把握するために、以下の項目に分けて解説します。

  1. M&Aとは
  2. 税理士とは

①M&Aとは

M&AはMergers and Acquisitionsの略称です。Mergersは合併、Acquisitionsは買収という意味を持ちます。

具体的なM&Aスキーム(手法)には、株式譲渡事業譲渡株式交換・会社合併・会社分割などがありますが、総じて、会社や事業を売買、または統合するなどの経営戦略行為の総称がM&Aです。

M&Aを実施する目的としては、売却側は事業承継・事業分野の集中・市場での生き残りなど、買収側は事業の多角化(新規参入)・事業規模拡大などが挙げられます。特に最近では、後継者不足に悩む中小企業の事業承継手段としてM&Aを実施するケースが増加中です。

M&Aを実施する場合には、多くの専門的なプロセスを経る必要があり、自社単独で行うのは現実的ではありません。M&A仲介会社や税理士などの士業事務所、金融機関などに仲介業務を依頼し、アドバイスを受けながら行われることがほとんどです。

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②税理士とは

税理士とは国家資格であり、税務の専門家です。税理士の主な業務には、確定申告・税務代理・税務書類作成・会計業務・税務相談などが挙げられます。特に個人事業主や中小企業の場合、節税や資金繰りの相談相手という一面もあるでしょう。

また、中小企業では計算関係書類の記載の正確性を証明する役割を担うため、会計参与として税理士が在籍するケースがあります。この場合、税理士は取締役と共同で計算書類を作成し、会計の透明性を示す役割を果たすでしょう。

なお、M&Aの現場で税理士が任せられる具体的な役割は、次章で説明します。

M&Aに強い税理士の特徴

税理士は税務のプロであり、M&Aでも大いなる役割を担います。一般的な税理士の知識・経験だけでは、M&A全般に対応するには難しいでしょう。M&Aに強い税理士には、以下の特徴が見られます。

  • 相談される会社の事業の特徴を熟知している。
  • 税務だけでなく経営全般のアドバイスができる。
  • 不足知識を補うために、連携できる弁護士・公認会計士などとのネットワークを持っている。
  • M&A仲介実績がある。

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M&Aにおける税理士の役割

M&Aにおける税理士の役割

ここでは、M&Aにおいて税理士が役割を担う業務を紹介します。

  1. バリュエーション
  2. 財務・税務デューデリジェンス
  3. FA(ファイナンシャルアドバイザリー)業務

①バリュエーション

バリュエーション(企業価値評価)とは、M&Aにおいては妥当な買収価額を決定する目的で実施されます。バリュエーションで用いられる代表的な手法は、以下の通りです。

  • コストアプローチ:財務諸表の純資産をもとにバリュエーションをする
  • インカムアプローチ:将来的な予想利益やキャッシュフローをもとにバリュエーションをする
  • マーケットアプローチ:既存の他社やM&A取引をもとにバリュエーションをする

算出基準をどこに置くかによってバリュエーションの手法は分けられます。いずれの手法も会計の専門知識が必要であり、税理士や公認会計士がその役割を担うでしょう。

【関連】バリュエーションとは?バリュエーションの方法と注意点

②財務・税務デューデリジェンス

デューデリジェンスとは買収側が実施するもので、売却企業の価値やリスクを詳しく調査することです。M&Aにおいては、最終契約前の重要局面で行われ、その結果が契約条件にダイレクトに反映されます。デューデリジェンスの調査範囲は、以下の通りです。

  • 財務:貸借対照表などを参考に、簿外債務などの財務リスクの有無を調査
  • 法務:資産の保有権や法務上のリスク有無を調査
  • 税務:納税が適切に実施されているかなどを確認
  • ビジネス:事業の将来性やライバル企業を調査
  • IT:システム統合の費用やリスクを調査
  • 人事労務:人材などに関して調査
調査範囲ごとに実施する専門家は異なり、税理士が担当するのが税務デューデリジェンスです。場合によっては財務デューデリジェンスを担当することもあります。

税務デューデリジェンスのポイント

税理士が主として担当する税務デューデリジェンスの具体的な内容について、以下に掲示しておきます。

  • 税務申告書の確認:未納税金や申告漏れの有無のチェック
  • 税務調査の内容確認:過去に税務署からを受けていた場合、その内容と事後の対応をチェック
  • 同族関係者や関係会社との取引内容確認:寄付金・受贈益・役員賞与などの認定に該当する取引の有無のチェック
  • 組織再編履歴の確認:合併などを行った過去がある場合、その際の税務処理の適切性をチェック
  • 経営者・経理担当者への聞き取り:書類の記録だけでは見つけられない税務上のリスクに関する有無のチェックのため面談を行う

【関連】デューデリジェンスとは?M&Aでの流れや進め方、必要な資料・期間・費用をわかりやすく解説

③FA(ファイナンシャルアドバイザリー)業務

FA業務とは相手先探しからバリュエーション・クロージングに至るまで、M&Aの流れまでを一貫して実施する業務のことです。M&Aの経験や知識が豊富な税理士に相談すれば、M&Aのあらゆる業務を請け負うFA業務も担ってもらえます。

【関連】 M&AではFAを利用すべき?仲介との違いや業者選びのポイントを解説!

M&A実務を税理士に依頼するメリット

M&A実務を税理士に依頼するメリット

M&A実務を税理士に依頼するメリットは、以下の通りです。

  1. M&Aのリスクを発見できる
  2. 妥当な売買価額を算出できる
  3. ほかの専門家とのネットワークを活用できる
  4. M&Aの税務に関して的確なアドバイスを得られる
それぞれのメリットを順番に見ていきます。

①M&Aのリスクを発見できる

税理士は税務や会計のスペシャリストであるため、依頼すればM&Aのリスクを発見しやすくなります。M&Aにあるリスクの中でも簿外債務・偶発債務・資産の価値低下などは、会計や税務の高度な知識がなければ判別しにくいものです。

そこでM&Aによる売却を実施するときに税理士に相談すれば、あらかじめリスクとなる要因や資産を排除でき、より良い条件で交渉に成功する可能性が高まります。

一方、買い手側の場合、税理士に依頼することでデューデリジェンスにおいてリスクを的確に洗い出すことが可能です。

②妥当な売買価額を算出できる

税理士にバリュエーションを依頼すれば、M&Aにおける妥当な売買価額を算出してもらえます。買い手側からすれば、M&Aの買収価額が高額になってしまうと将来的に減損などの深刻な損失を被るかもしれません。

そこで税理士を起用することで、減損によるM&A失敗のリスクを軽減することが可能です。また、売り手企業が税理士を起用すれば、自社の価値を最大化させるバリュエーション手法を活用してもらえるため、より満足感の高いM&A実施につなげられます。

③ほかの専門家とのネットワークを活用できる

M&A実務に関わる税理士の中には、弁護士や公認会計士とのネットワークを有している専門家も少なくありません。税理士にM&A実務を請け負ってもらえば、弁護士や公認会計士などM&Aに関わるほかの専門家を紹介してもらえる可能性が高いでしょう。

そもそもM&Aは、複数の専門家が連携してプロセスを進行させるケースも多く、税理士が有するネットワークを活用できればスムーズにM&Aを進められます。

④M&Aの税務に関して的確なアドバイスを得られる

M&Aを実施すると、多額の所得税や法人税が課せられます。もしも多額の税負担による利益減少を防ぎたいなら、何らかの節税対策を講じる必要があるでしょう。

税理士に相談すれば、M&Aで活用できる節税対策についてアドバイスが受けられるため、結果的に多くの利益を手元に残すことも可能です。税理士が税務代理を請け負ってくれるため、経営者が負うはずだった手間も減らせます。

【関連】M&Aで生じる税金は?税務について徹底解説!

M&A仲介会社に依頼しても多くのメリットを獲得できる

M&A仲介会社にM&Aのサポートを依頼する場合も、多くのメリットを得られます。M&A仲介会社は一貫支援を行っているため、初めてM&Aを実施する場合も安心して臨めるでしょう。

M&A仲介会社をお探しの経営者様は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。全国の中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所では、豊富な知識や経験を持つM&Aアドバイザーが専任となり、相談時からクロージングまでM&Aを徹底サポートいたします。

また、通常は10カ月~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3カ月でスピード成約する機動力もM&A総合研究所の強みです。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

随時、無料相談を受け付けておりますので、M&A・事業譲渡をご検討の際には、お気軽にお問い合わせください。

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M&A実務を税理士に依頼するときの報酬相場

M&A実務を税理士に依頼するときの報酬相場

ここでは、M&A実務を税理士に依頼するときに支払う報酬の相場を紹介します。ただし、税理士ごとに採用している報酬体系は異なる上に、M&A取引や当事会社の規模によっても報酬額は変動してしまうものです。

したがって報酬相場を一概に紹介するのは困難ですが、一般的な報酬額相場を以下の項目に分けて紹介します。

  1. バリュエーションの報酬相場
  2. 財務・税務デューデリジェンスの報酬相場
  3. FA(ファイナンシャルアドバイザリー)業務の報酬相場

①バリュエーションの報酬相場

M&Aのバリュエーションを税理士に依頼するとなると、最低の相場でも30万円〜50万円程度の報酬が求められます。また、バリュエーション業務の複雑性が増すことから、法人の規模が大きいほど支払う報酬額も高くなりやすいです。

しかし、小規模な中小企業が依頼するケースであれば、100万円を超えることはほとんどありません。

②財務・税務デューデリジェンスの報酬相場

M&Aにおけるデューデリジェンスを税理士に依頼すると、最低の相場でも30万円〜50万円程度の報酬が求められます。この報酬金額は、調査する対象法人の規模・業種・事業所数などによって作業量が増減するため、それに比例して金額も変動するものです。

③FA(ファイナンシャルアドバイザリー)業務の報酬相場

FA業務ではM&Aプロセスを一貫して実施する行為を請け負うため、報酬は多額になりやすいです。したがって、税理士に依頼するとなると、最低の相場でも150万円程度の報酬が求められます。

規模が大きい会社のM&Aであれば、場合によっては報酬額が数千万円規模にまで及ぶこともあるでしょう。なお、税理士がFA業務を実施するときは、レーマン方式による成功報酬制が採用されることも多いです。

【関連】M&Aの費用
【関連】レーマン方式とは?成果報酬の設定や計算方法、契約書について解説

費用を抑えてM&Aを実施するなら仲介会社への依頼がおすすめ

ここまでM&A実務を税理士に依頼するときの報酬相場を、依頼する業務ごとに見てきましたが、M&Aで発生する費用は決して安いものではありません。

特に資金が限られる中小企業ほどM&Aの費用を重荷に感じやすく、最悪のケースでは費用が用意できないことが原因で実施に踏み切れないこともあります。したがって、M&A成功を目指すなら、なるべく費用を抑えて実施することも大切といえるでしょう。

しかし、M&Aアドバイザーの報酬体系にばかり目を向けるのではなく、実績やサポート体制なども確認しておくことをおすすめします。M&Aをご検討の際はぜひ、M&A総合研究所へご相談ください。

M&A総合研究所では、知識・支援実績豊富なM&Aアドバイザーによる専任フルサポートを行っています。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

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M&Aについて税理士に相談するときの選ぶポイント

M&Aについて税理士に相談するときの選ぶポイント

依頼する税理士を選ぶときは、M&Aに関する実績を吟味することが大切です。その点を踏まえて、M&Aについて相談する税理士を選ぶポイントを、以下の2項目に分けて解説します。

  1. M&Aの実務経験を豊富に持っている税理士に相談する
  2. 自社と相性の良い税理士に相談する

①M&Aの実務経験を豊富に持っている税理士に相談する

M&Aについて相談するとき、最も大切なポイントは税理士の実績です。これまでに数多くのM&Aに携わっている税理士に相談すれば、自社の案件もスムーズに対応できる可能性が高いでしょう。

特に自社と類似する会社のM&Aを担当したことがあれば、より心強いです。以上のことから、税理士を選ぶときは過去にどのようなM&A案件を扱ってきたのか、その実績を調べることをおすすめします。

②自社と相性の良い税理士に相談する

税理士を選ぶときは、自社との相性も充十分にチェックすると良いです。たとえ数多くのM&Aに携わってきた経歴を持つ税理士だとしても、自社と相性が良くなければ頼りになる相談相手にはなりません

例えば、担当する税理士との相性が悪いと、細やかな範囲まで綿密にコミュニケーションすることが困難となるため、M&Aプロセスが必要以上に時間がかかり失敗につながることもあります。

場合によってはM&A取引がキャンセルされてしまうこともあり得るため、依頼をする前にコミュニケーションを取ることで、税理士との相性を確かめることが大切です。

【関連】株式譲渡の相談は税理士・弁護士にするべき?相談先一覧!

M&Aを相談できる税理士以外の専門家

M&Aを相談できる税理士以外の専門家

すでに述べてきているように、M&Aにはさまざまな専門家が関わっています。税理士以外でM&Aに関わる、代表的な以下の3つの専門家について見てみましょう。

  1. 弁護士
  2. 公認会計士
  3. M&Aアドバイザー・仲介会社

①弁護士

税理士と同様に国家資格である弁護士も、M&Aには欠かせない専門家です。M&Aでは、締結することになる契約書として、秘密保持契約書・基本合意書・最終契約書があります。それらの文面の作成、あるいは法的な内容チェックに弁護士は必須です。

また、法務デューデリジェンスは弁護士に任せるしかありません。そのほかにも法的な判断や書類の作成なども適宜、発生するため、M&Aでの弁護士の役割は大きなものがあります。そのため、M&A全体を担当する弁護士も少なくありません。

【関連】M&Aにおける弁護士の役割

②公認会計士

公認会計士も国家資格であり、こちらは会計の専門家になります。M&Aでは、バリュエーション、財務デューデリジェンスなどを担当し、税理士と近い役回りです。ほかの専門家と同様に、M&A全体を担当する公認会計士も少なからずいます。

【関連】M&Aにおける公認会計士の役割

③M&Aアドバイザー・仲介会社

M&Aアドバイザーには税理士のような国家資格はありませんが、M&Aアドバイザー・仲介会社はM&Aに特化したサービスを提供する存在ですから、一般の税理士などでは習得していない専門的なM&Aの知識・経験を有しています。

また、M&Aに関連する税務・財務・法務の知識であれば、士業者と同等の知識は携えており、決して引けは取りません。M&Aに関する業務を丸ごと依頼したいなら、M&Aアドバイザー・仲介会社に任せるのが安心です。

【関連】M&Aアドバイザーとは?料金体系やメリット・デメリット、M&Aアドバイザーランキングを解説

M&Aにおける税理士の役割まとめ

M&Aにおける税理士の役割まとめ

税務のスペシャリストである税理士は、M&Aプロセスの中でもバリュエーションや税務デューデリジェンスを実施します。専門性の高い税理士をM&Aアドバイザーとして起用すれば、円滑で満足のいくM&Aを実施することが可能です。本記事の概要は、以下の通りです。

〇M&Aとは
 →会社や事業を売買、または統合するなどの経営戦略手段

〇税理士とは
 →税務に関する助言や税申告を代行する税務のスペシャリスト

〇M&Aにおける税理士の役割
 →バリュエーション
 →税務デューデリジェンス
 →FA(ファイナンシャルアドバイザリー)業務

〇M&A実務を税理士に依頼するメリット
 →M&Aのリスクを発見できる
 →妥当な買収価額を算出できる
 →ほかの専門家とのネットワークを活用できる
 →M&Aの税務に関して的確なアドバイスを得られる

〇M&Aについて税理士に相談するときの選ぶポイント
 →M&Aの実務経験を豊富に持っている税理士に相談する
 →自社と相性の良い税理士に相談する

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