マレーシアのM&Aとは?M&A件数・金額、メリットをご紹介

マレーシアは、日本人の感覚から見ると発展の半ばにあるような国に見えます。しかし、国政は「ビジョン2020」として先進国入りを目指すなど経済的な発展をしようとしている国でもあります。日本の高度成長期のような状態にもあるので、これからもっと経済的な動きは活発になるでしょう。

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2019年12月27日更新

目次
  1. マレーシアのM&A市場の現状
  2. マレーシアのM&A件数・金額が伸び続けている理由
  3. マレーシアでM&Aをするメリット
  4. マレーシアのM&Aが遅れている理由
  5. マレーシアでM&Aを成功させる方法
  6. まとめ

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マレーシアのM&A市場の現状

マレーシアはイギリス連邦に加盟する連立憲君主制国家で、ASEANにも加盟している東南アジアの国です。
マレーシアの人口は3178万6000人で、生産年齢人口割合(15歳以上64歳以下)は、69.6%と高く、少子高齢化が進む日本と比べ得ても高水準となっています。
この数字は今後の伸びる傾向にあり、2040年まで生産年齢人口割合が高い数値を推移すると予測されています。
また、失業率も3.1%と低く、多くの世代の人が何かしらの仕事を持っていることになります。
経済成長率はおよそ5%で、近年の経済成長は安定を保持しています。
東南アジア諸国のM&Aの件数は年々増加しており、2010年は50件に満たない件数でしたが、2015年には100件を超える数値を推移しています。
その中にはマレーシアでのM&Aも含まれており、経済的な発展が伸びているといえます。
東南アジア全体が欧米の強い植民地支配を経験しており、全体的に発展が遅れているのも事実です。
マレーシアは、イギリス植民地時代からゴムの大規模工場生産や錫の採掘、天然ガスの掘削などが盛んな地域で、従来の農作物や鉱産物の輸出、観光業に依存している傾向がありましたが、2020年には先進国入りを目標にしており、ほかの産業も盛んになっています。
そのような中でマレーシアは、日本を手本に工業化を進めて経済の成長を達成しようとしています。
世界的に見ても、今後の経済発展が注目されている国で、各国の企業がマレーシア企業とのM&Aを模索している最中と言えます。
マレーシアは先進国よりは所得が低いため中進国と表現され、日本の企業はM&Aを実施する時に中国やタイと比べると人件費が高いことが懸念する材料となって、進出を躊躇する場合もあるようです。
マレーシアの主要都市では、公共交通機関や水道、電話、インターネットなどが安定しており、外資に対する規制もないので海外企業とのM&Aも積極艇に受け入れよとする姿勢があるようです。
特に日本とは友好的な関係が築けており、マレーシアが日本をお手本にしているという点においても、日本国内の企業とマレーシアの企業がM&Aを実行しやすい傾向があります。
さらに、2015年末に発足したASEAN経済共同体(AEC)によって、経済的な発展や再整備も実施されており、ASEAN全体を統一市場とみる動きもあります。
それに伴ってマレーシアの企業が海外の企業とのM&Aを進める動きを活発にすることが予測できます。

マレーシアのM&A件数・金額が伸び続けている理由

マレーシアにおけるM&Aの件数は、シンガポール、ベトナムなどの東南アジア諸国に比べると低い水準となっており、日本国内の企業とM&Aの件数は2005年から2009年では27件、2010年から2014年では67件、2015年単年を見ると11件にとどまっています。
ASEAN諸国でのM&AのM&A件数は、2005年から2009年が158件、2010年から2014年では411件、2015年の単年では110件となっています。
ASEAN諸国の全体の件数から見るとマレーシアが占めるM&Aの件数は、比較的少なく、2015年単年だけ見ると、年間11件とASEAN諸国の中で最下位となっています。
近年は、シンガポールやベトナムのM&A件数が多くを占めており、タイ。フィリピンなども比較的多い数値になっています。
日本とのM&Aの金額ではASEAN諸国全体では、2005年から2009年は136億2500万円を推移しており、20010年から2014年は185億9800万円と高水準となっています。
2015年の単年では41億2600万円と全体的に取引金額が落ち込んでいます。
マレーシアだけの金額を見ると、2005年から209年は30億8600万円、2010年から2014年は21億7900万円、2015年の単年では1億6100万円となっています。
この金額は、ASEAN諸国の取引金額から見ても上位3位前後を推移している金額になります。
世界各国とのM&Aの件数に目を向けると、2005年から2009年は781件、2010年から2014年は573件、2015年単年は110件となります。
金額については、2005年から2009年168億8300万円、2010年から2014年は242億円6200万円、2015年単年は42億3000万円となっています。
マレーシアの企業そのものが成長途中にあるために、高額のM&Aは実施されないことが理由だといえます。
2015年のM&Aの件数と金額を見ると全体的に落ち込んでおり、M&Aの実施が少なかったことを意味しています。
その理由にはASEAN経済共同体(AEC)の発足が関係している可能性があり、ASEAN経済共同体の発足によって、拠点展開や再整備などを進めていくことが予測でき、その後の動向を見据えたものと考えられます。
また、AECの発足によって、シンガポールだけでな、ASEAN諸国の統一市場を見越した動きであるとも言えます。
マレーシアでは国政で「ワワサン(マレー語でvisionの意味)2020」を掲げており、2020年には先進国入りすることを目標としているため、国内の工場化の成功やIT先進国政策、天然資源、リゾート開発などを進めています。
また、公共交通網や生活インフラの安定化など、様々な政策を実施して国全体の経済発展を目標としています。
このようなことから、海外の企業や個人投資家などからの注目もあり、今後の経済活動が活発になることが理由で、M&Aの件数や取引金額が伸びている理由と言えます。
新規参入企業に対しても、外資100%でも参入が可能になったので、今後もクロスボーダーM&Aが実施されていくでしょう。
日本や海外の企業がマレーシアの企業を買収するだけでなく、マレーシアの企業が日本の企業を買収したいという希望も増えているようです。
日本の企業は、マレーシアの飲食店やローカル繊維メーカー、物流会社、サプライヤーなどを買収したいと考えているところが多いようです。
マレーシアは、観光業の発展も期待できますし、物流においてもASEAN諸国の中心に当たる位置になるので、東南アジアの貿易などを考えている企業にとっては、要の国となるでしょう。
そのほかにも、IT系の企業などを買収したいと考える日本企業もあるようです。

マレーシアでM&Aをするメリット

日本国内の企業がマレーシアの企業とM&Aを実施するメリットは、ルックイースト政策の恩恵を受けられるということが挙げられます。
ルックイースト政策とは、1981年当時のマハティール首相が掲げた政策で、日本を手本とした集団主義と勤労倫理を学ぼうとするものです。
その中で、トヨタ自動車や日本航空、イオンなどの日本に本拠地を置く企業のマレーシア進出が進み、日本的な思想を持つ国民が増えているようです。
ルックイースト政策によって、個人だけの収益だけを考えるのではなく、集団での収益を優先させるなどの考え方があります。
また、親日国家でもあるので、日本の企業とのM&Aに対しても、友好的に交渉が進む可能性があります。
マレーシアは、外資にかかわる規制があまりなく、外資系企業を受け入れやすい体制が整っています。
2009年にはサービス業の自由化が開始され、外資の資本規制も緩やかになっています。
そのほかにも、製造業、流通・サービス業も除外されている部分もありますが、外資が承認されているので、M&Aが実施しやすい環境であることもメリットとなります。
マレーシアは、2015年の段階では人口およそ3000万人と決して多いわけではありませんが、生産年齢人口が多く働き手が多くいる国でもあります。
日本のように少子高齢化が進んでいないので、消費者も多く経済成長率も5%程度を推移しています。
生産年齢人口は、今後の増えていく見込みで、若い年齢層を中心とした人口増が望める国でもあります。
若い年齢層が多いということは所得の上昇にも期待が持てるので、市場の拡大や消費者の増加などによって、これから経済発展していく国と考えると、M&Aを実施すればシナジー効果も期待できますし、販路の拡大、事業拡大なども視野に入ってくるでしょう。
そのほかには、名目GDPもフィリピンのおよそ3倍で、高位中所得国とされています。
公共交通機関のほかに水道や電気などの生活インフラも整っており、ビジネスをする環境も整っているといえます。
言葉の問題に対しても、イギリスの植民地だったこともあり、多民族国家でもあるので、マレー語以外にも、英語、中国語なども堪能な人材が多く、親日国家でもあるので日本語を話せる人も多いようです。

マレーシアのM&Aが遅れている理由

マレーシアは、過去に「ブミプトラ政策」によって、外資規制が広く行われていました。
ブミプトラ政策とは、華僑が経済的に有利になるのに対抗して、マレー人の地位を向上させようと1971年から始まった政策です。
マレーシアは、以前から中国やインドからの移民が多く、それに加えてイギリスの植民地だったため、中国やインドからの外国人労働者が多く、多民族国家となりました。
イギリスから独立すると、経済的に豊かな中国系人と元々住んでいたマレー人による対立が起こり、経済格差が起こりました。
マレー人を経済的に優遇する国策がなされていました。
ブミプトラ政策があったために、起業の設立や租税の軽減などの経済活動は、稀京住民が優遇される事態となり、経済の発展が遅れたとされています。
このような背景から、マレーシアの会社が海外の会社とのM&Aをしようという考えは少なく、これまで実行されなかったといってよいでしょう。
また、近年では会社同士のM&Aではなく、マレーシアの企業に直接投資をする投資家や企業も多いのもM&Aが進まない理由でもあります。
2009年になって、やっと資本規制緩和が実施され、規制撤廃などを経てマレーシアの企業とも比較的自由にM&Aを進めることができるようになりました。
外資の規制も緩和されているので、マレーシアはこれからM&Aの実績が増えていくことが予測できます。
首都のクアラルンプールには日系の企業も多く進出しており、海外の駐在員数は4万人とされており、すでに多くの企業がマレーシアに進出しています。
日系の会社はおよそ900社程度あり、日本人在住者は6000人になります。
40年ほど続く日本人会や日本人学校もあるので、日本企業がマレーシアの企業とM&Aを行って、シナジー効果を期待した取引ができるようになるでしょう。
観光地としても人気のあるペナンには半導体やPC産業の企業が集まっており、マレーシアのシリコンバレーのような地域でもあります。
半導体やPC産業については、近年の発展が顕著で1970年から日系企業の進出も進んでいます。
マレーシアのM&Aが遅れている理由には、中間層の人口が多く、中国やタイに比べると人件費が割高であることや物流、サービス業の参入が禁止とされていたことなどが挙げられます。
そのほかにも、金融分野においてもマレーシア中央銀行の事前承認が必要など、様々な規制があり、出資比率の上限が業種によって設けられているので、なかなか外資からの参入が難しく、M&Aも実施しにくい環境にありました。
さらに、労働者不足も懸念材料となり、M&Aを実施しても生産性が低いと判断されていた部分もM&Aが遅れた理由と言えるでしょう。

マレーシアでM&Aを成功させる方法

マレーシアの企業とM&Aを実行する時は、ターゲットを明確にすることがポイントとなります。
相手企業と交渉を始める前に、どのような会社なのかをしっかりとリサーチしておく必要があります。
マレーシアに企業が進出を検討する時には、M&Aを実施した方がいいのか、新規に事業所を設立した方が良いのかしっかりと検討しましょう。
何のためのM&Aなのか、M&Aをする理由はどこにあるのか、事業拡大につながるのか、など検討すべき項目は多くあります。
マレーシアの国民性を知ることも大切な項目になります。
日本は勤勉な国民性ですが、マレーシアの国民性は、日本人ほど仕事に熱心ではない一面もあるようです。
しかし、ルックイースト政策によって、日本をお手本にして改革しようとした経緯もあるので、日本人に似た気質が高まっているようです。
マレーシアには、すでに日本の子会社となっている企業も存在するので、そのような時は、孫会社となる可能性もあるので、買収しようとしている企業の現状をよく把握しておくと良いでしょう。
買収しようとしている企業の情報だけでなく、マレーシアと言う国がどのような国なのか、を知ることも大切です。
国が変われば法律も変わります。
生活インフラや公共交通機関の安定なども重要なポイントになります。
どのように経済的な発展が見込めるのか、と言うことも重要になるでしょう。
マレーシアに限らず、日本の企業が海外の企業とのM&Aを実施するにはそれぞれの国の法律や企業のあり方などが異なるので、統一性を図るのが難しい場面もあります。
国全体の市場調査や消費者の需要などもM&Aを実施した後の売上高などに影響を与えます。
マーケティングも必要であれば、専門のマーケティング会社に依頼しても良いでしょう。
まだ、不安定な部分を残し、発展の途中にあるマレーシアの企業とM&Aを成功させるには、しっかりとした調査や準備が必要になるでしょう。

まとめ

マレーシアは、日本人の感覚から見ると発展の半ばにあるような国に見えます。
しかし、国政は「ビジョン2020」として先進国入りを目指すなど経済的な発展をしようとしている国でもあります。
日本の高度成長期のような状態にもあるので、これからもっと経済的な動きは活発になるでしょう。
首都のクアラルンプールも高層マンションやビルが立ち並び、交通インフラも整っています。
また、水道や電気なども止まることが少なく、ビジネスをする環境も整いつつまります。
中東と東南アジアのハブを目指す戦略もあるので、今後も経済が発展していくでしょう。
日本とは、友好的な関係が築けており、マレーシアの首相が日本をお手本にしようと政策を掲げるほどです。
マレーシアの学生は、日本への留学や日本語を取得しようという動きもあり、今後M&Aを実施しても、現地で日本語も話せる人材を確保できる可能性もあるでしょう。

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