2021年4月21日更新会社・事業を売る

三角合併

三角合併とは、近年認められるようになった会社間における吸収合併の方式です。組織再編行為である会社合併に際し、合併当事者の親会社も加わって3社が関わる吸収合併であることから三角合併といわれています。本記事では三角合併の詳細に迫ります。

目次
  1. 三角合併~会社合併の新しい潮流
  2. 三角合併の特徴
  3. 三角合併のメリット
  4. 三角合併のデメリット
  5. まとめ
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三角合併~会社合併の新しい潮流

三角合併~会社合併の新しい潮流

M&Aの手法の1つであり、企業組織再編行為の1つともされる会社合併は、その合併方式の違いにより、新設合併と吸収合併の2つの種類に大別されます。新設合併とは、合併当事者の会社がそれぞれ解散し、事業や従業員、権利義務などを全て新設した会社が承継する方式です。

吸収合併は、合併当事者の中の1社が存続会社となり、そのほかの会社は解散します。解散した会社の持っていた事業や従業員、権利義務などは全て存続した会社が承継する方式です。三角合併は、この吸収合併の方式の1つとして、2007(平成19)年に解禁・施行されました。

ちなみに、会社合併というと2社間で行われるイメージが強いかもしれません。しかし、会社合併は2社間のみなどという規定は存在せず、何社間でも会社合併は可能です。

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会社の合併

合併の種類

三角合併の特徴

三角合併の特徴

2社間で実施される吸収合併の場合、解散・消滅する会社の株主に対する報酬(対価)として、消滅会社の全権利義務を承継する存続会社の株式を交付します。

そして、三角合併では、存続会社が消滅会社の株主に交付する株式が、自社株ではなく親会社の株式になります。

子会社は親会社の株式を自由にできませんので、この吸収合併の主体者は親会社です。自身の子会社に合併を実行させ、相手方の会社を吸収合併により子会社化します。

このように、吸収合併の当事者2社に親会社が加わり、3社が合併に関わることから三角合併と呼ばれています。

三角合併解禁の経緯

ややこしい構図に見える三角合併ですが、2007年に解禁されたのには理由があります。海外企業、とりわけ米国側からの強い要請を受けて会社法が改正され、発布・施行へとおよんでいます。

現行法での規定により、海外の企業が日本の企業を直接合併し、その当事者として株式のやり取りを行うことは不可能です。しかし、三角合併の規定では、存続会社の親会社について、特に国籍の縛りなどは定められていません。

つまり、海外企業が日本で子会社を設立し、その子会社に相手会社を合併させて自分の株式を交付することが、2007年の三角合併解禁から認められるようになったのです。

クロスボーダーM&Aとしての三角合併

三角合併の解禁は、事実上の海外企業による日本企業の子会社化であるクロスボーダーM&Aが可能になったことを意味します。

現在、日本の中小企業の技術力や開発力などは、海外からも強く注目を集めています。不意に、海外企業の日本法人からオファーがあるかもしれません。

そのような場合には、自社の利益を最大限に守るため、M&Aの専門家にアドバイスを受けることをおすすめします。

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三角合併のメリット

三角合併のメリット

三角合併は、海外企業だけにメリットがあるわけではありません。日本国内の企業同士による三角合併にもメリットがあります。ここでは三角合併のメリットを3つ説明します。

①合併後の会社のコントロールのしやすさ

親会社の立場になって、通常の吸収合併と三角合併を比べてみましょう。子会社が通常の吸収合併を行った場合、消滅会社の株主に対して子会社の株式を交付することになります。つまり、合併前は100%子会社であったのが、吸収合併により親会社の持株比率が変わってしまうのです。

その点、三角合併であれば、交付するのは親会社の株式ですから、子会社の持株比率には何ら変動は起きないため、従来どおり100%子会社として経営をコントロールできます。このことは、親会社の国籍に関わらず、三角合併の大きなメリットの1つといえるでしょう。

②手間やコストの削減効果

三角合併が解禁される以前にも、国内企業同士による吸収合併であれば、結果的に三角合併とほぼ同じ状態にすることが可能でした。具体的に、通常の吸収合併成立と同時に、消滅会社の株主と親会社との間で株式交換を実施する方法です。

通常の吸収合併であれば、存続会社は消滅会社の株主に自社株を交付します。その交付した存続会社の株式を、吸収合併と同時に存続会社の親会社株式と交換してしまえば、結果的に三角合併と同等の常態です。

以前は、吸収合併において、そのような株式交換の手間をかけて子会社の持株比率を維持していました。

しかし、三角合併によって、株式交換の手間は全く必要なくなりました。ただでさえ時間や労力、コストがかかる会社合併において、手続きの簡素化は大きなメリットです。

③株式の売却で利益を得ることも可能

三角合併のメリットは、存続会社側だけにあるものではありません。消滅会社側にもメリットがあります。三角合併が実施されれば、消滅会社の株主には存続会社の親会社の株式が交付されます。

その親会社株式の株価が非常に高ければ、株式を売却して多大な利益を得ることが可能です。株式であれば売り時を自分で決められる点も含めて、消滅会社の株主にも、このようなメリットがあります。

また、M&Aでは、ダイレクトに自社株を売却して経営権を譲渡する方法もあります。三角合併で手にできる大手企業の株式取得と比較し、どちらが自分に都合がよいことなのか、M&Aの方法に選択の幅ができる点でもメリットでしょう。

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合併のメリット

三角合併のデメリット

三角合併のデメリット

物事の習いとして長所だけで短所がないなどの事例はありません。三角合併においてもメリットと同時にデメリットは存在します。三角合併の場合、デメリットよりもリスク、あるいは、懸念事項というべきかもしれません。三角合併のデメリットを3項目に大別して説明します。

①経営や市場への影響

三角合併で、存続会社である子会社が親会社株式を交付する場合、子会社は親会社の株式を取得する必要があります。本来、親会社の100%子会社である会社が、親会社の株式を取得するというのは、一時的とはいえパワーバランスが狂ったり、市場に影響を与えたりするかもしれません。

子会社が親会社株式を取得する具体策として、親会社の増資に応じる方法があります。そのとき、増資資金を親会社から調達すると、いわゆる「見せ金」として解釈されかねません。最悪の場合、意図せず法律への抵触が危惧されます。

したがって、子会社が親会社の株式を取得する際には慎重なやり取りが必要です。このように、神経質になって執り行わなければならないのはデメリットでしょう。

②トラブル対応の懸念

三角合併は規模が大きいM&Aです。場合によっては、グループの編成を大きく変化させる可能性があります。グループの再編に発展するような可能性も十分に考えられるため、債権者や株主が三角合併に反対するかもしれません。

会社法においても三角合併を実行する際には、債権者保護や株主の株式買取請求に応じることが義務付けられています。つまり、三角合併に反対の声が上がった場合、その都度対応する必要が生じ、細かな手続きや対応を煩雑に行うのはデメリットです。

また、海外企業による三角合併の場合、消滅会社の株主はその海外企業の株主になります。従来の国内企業の株式のやり取りとは違った事態が多々発生すると予想されます。海外企業の株式について予備知識がなければ、トラブルに発展する可能性もあるでしょう。

③敵対的買収の不安

三角合併の解禁が決まった当初から報道機関などで目立った論調として、外資系企業による国内企業への敵対的買収が大幅に増えるものがありました。現在でも、その意見を唱える記事はあり、これに不安感を持つ経営者もいます。

しかしながら三角合併は、会社を買収するM&Aと違い、対価として現金を用意する必要がありません。ただし、対価として株式を交付する三角合併などの会社合併を成立させるには、消滅会社側の同意が必要です。

つまり、友好的な協議が行われなければ三角合併の成立は危ういといえます。敵対的買収への不安は杞憂で済むものかもしれません。

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合併とは?意味や種類、メリット・デメリットや事例をご紹介

まとめ

まとめ

三角合併が解禁されて10年以上が経過しましたが、実際に活用された例は予想されたほど多くはありません。しかし、M&A自体は成立件数が毎年記録更新するほどの活況を示しており、クロスボーダーM&Aの成立件数も増えています。

これからは、三角合併だけでなく何らかのM&Aの機会を得ることは、どの中小企業にも起こり得ることです。会社の買収だけがM&Aではないということをふまえ、三角合併を含めほかのM&Aについても予備知識を培っておきましょう。

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