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2019年12月25日更新
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事業譲渡で発生する税金は?税務について徹底解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

事業譲渡は会社の中の事業の一部、あるいは全部を相手に譲り渡すことです。それは一部の例外を除いて、譲受側が譲渡側に金銭という対価を支払って成立します。金銭取引である事業譲渡は当然、課税を受けます。事業譲渡の特徴と税金の実態について説明します。

目次
  1. 事業譲渡とは
  2. 事業譲渡で発生する税金①譲渡側
  3. 事業譲渡で発生する税金②譲受側
  4. 事業譲渡の税務対策
  5. 事業譲渡のメリット
  6. 事業譲渡のデメリット
  7. まとめ

事業譲渡とは

事業譲渡はM&Aで使われる手法の1つです。会社が行っている事業の一部、あるいは全部を第三者に売却して譲渡することをさしています。例外として、会社オーナーが身内などに対し、無償贈与という形式で事業譲渡が行われるケースもあります。

ただし、無償贈与が行われる一般的ケースとしては、事業単位での事業譲渡よりも、後継者に対し会社の経営権を丸ごと譲渡する、会社承継が行われることのほうが多いでしょう。そして、そのことから、事業譲渡の特徴が浮き彫りになります。

つまり、会社の中の事業をどのように譲渡しようと、会社そのものがなくなることはありません。この点が事業譲渡の最大の特性であり、経営者にとって意味がある選択なのです。また、事業譲渡はその手続きを進めるにあたって、株主総会を経なければいけないという面があります。

そのため、株主の数が極めて少数であったり、あるいは株主が経営者しかいないオーナー企業などが多い中小企業でよく使われる手法です。しかし、株主総会は簡略に済ませられるとしても、事業承継は複雑な手続きとその準備、そして、相手との交渉があります。

実際に事業譲渡を行っていくにあたっては、M&A専門家の仲介やサポートが不可欠です。事業譲渡を検討される場合には、ぜひ一度、M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つ公認会計士がM&Aをフルサポートいたします。

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事業譲渡で発生する税金①譲渡側

事業譲渡を実施した際、譲渡側で納税義務が生じるのは消費税、および法人税とそれに付随して事業税、地方法人税、法人住民税です。それぞれ個別に解説します。

⑴消費税

事業譲渡の際に発生する消費税については、混同しやすいので注意してください。まず、消費税が課税されるのは、譲渡対象の中に課税資産が含まれている場合です。消費税の納付は譲渡側が行うことなりますが、消費税そのものを負担するのは譲受側になります。

よく考えれば、一般の商品を購入するときと同じです。したがって、譲渡側は譲渡対象に課税資産が含まれていれば、その分の消費税を加えて譲受側に請求します。譲受側からの支払いを受け、後日、消費税を納付するという流れです。

つまり、譲渡側において消費税額分の実負担はありません。

⑵法人税・事業税・地方法人税・法人住民税

事業譲渡により得た対価で利益が出れば、その利益額について法人税の課税を受けます。法人税の課税を受ける場合には、事業税、地方法人税、法人住民税も課税されることになるのは必然です。なお、利益額の計算は以下の式で求めます。

  • 事業譲渡益=譲渡価格-譲渡資産の簿価

法人税、事業税、地方法人税、法人住民税の全てを合わせた実効税率は、2019(令和元)年12月現在で約31~35%です。事業譲渡益の金額が大きければ、それだけ納税額もインパクトのある数字となります。

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事業譲渡で発生する税金②譲受側

次に、事業譲渡で譲受側にかかる税金を見てみましょう。前項でも述べたとおり、まずは消費税があります。不動産取得税、登録免許税も考えられます。こちらも、それぞれ個別に説明します。

⑴消費税

譲渡対象の中に課税資産が含まれていれば、消費税の課税を受けるのは前述したとおりです。課税資産、および非課税資産の主なものを以下に記載します。

  • 課税資産:無形固定資産、土地以外の有形固定資産、棚卸資産、のれん代(営業権)
  • 非課税資産:土地、有価証券、債権

念のため、課税資産の具体例を説明しておきます。無形固定資産とは、ソフトウェアや特許権、商標権などです。営業権をこの中に含める解釈をする場合もあるようです。有形固定資産は施設、設備、機材、10万円以上の備品が該当します。

棚卸資産とは、事業における販売を目的として譲渡側が保有・保管していた製品や商品のことです。

⑵不動産取得税

譲渡対象事業の内容によっては、事業を行うために必須となる事業所や工場、作業場などが譲渡対象リストに加わることになります。そうなれば、譲受側では新たに不動産を取得したことになりますから、当然ながら不動産取得税がかかります。

⑶登録免許税

上記の不動産取得の場合、登記変更手続きも行いますから、その際に登録免許税がかかります。また、その他にも譲受側としては、譲渡対象事業に関連する許認可は、全て新たに取得しなければなりません。一つひとつの許認可に付随して、そこでも登録免許税は生じます。

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事業譲渡の税務対策

事業譲渡で生じる税金は、譲渡側と譲受側とでは内容が違うことがわかりました。そこで、それぞれの立場における税務の注意点について掲示します。

⑴事業譲渡での譲渡側税務対策

事業譲渡の譲渡側税務として最大の関心事は、やはり法人税、事業税、地方法人税、法人住民税でしょう。しかし、これら法人税について直接的に処方できる節税策はありません。また、他のM&A手法の場合では適用されることもある課税優遇措置も事業譲渡の場合、存在しません。

その実情を踏まえて、取れる対策には以下のようなものがあります。

まず、仮に会社の決算が赤字状態であるならば、赤字額と同程度の事業譲渡益になるようにすることで、法人税の課税対象ではなくなります。

あるいは、決算の数字が判明していないタイミングであれば、譲渡価格を譲渡資産の簿価と同等額にして事業譲渡益をゼロとするという考え方もあります。これら2つの対応は難しいということであれば、経費の計上を怠らずに行うなどといった一般的な節税対策しかありません。

⑵事業譲渡での譲受側税務対策

事業譲渡の譲受側税務としては、消費税額の把握が第一に求められます。譲渡対象リストの中から課税資産と非課税資産を仕分けし、消費税額を算出するわけですが、厄介なのは棚卸資産です。おそらくは、譲渡側においても棚卸資産の詳細で正確な数量は把握しきれていない可能性があります。

さらに、それを簿価ではなく時価で換算するとなると、かなりの時間を要するでしょう。のれん代(営業権)については、5年間の均等償却措置となります。つまり、5年間にわたって、課税所得の損金算入という節税効果を得ることができるのです。

以上のような事業譲渡時の税務対策を適切、かつ迅速に行っていくにあたっては、専門家のサポートも必須ですが、それに加えて、事業譲渡のコンセプトを共有できる相手探しも重要な鍵を握ります。

そこで、M&A総合研究所のM&Aプラットフォームの活用をおすすめします。M&A総合研究所のM&Aプラットフォームは、独自のAIプログラムによって、買収ニーズを登録するだけで理想的なマッチングをご提案できるようになっています。

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事業譲渡のメリット

事業譲渡の税金面での実像がつかめたところで、事業譲渡を実施するにあたってのメリットを、譲渡側、譲受側それぞれの立場に分けて記載します。

⑴事業譲渡での譲渡側のメリット

事業譲渡で事業を譲渡する側としては、主として以下のメリットが挙げられます。

  • 残したい事業、売却したい事業を自由に選べる
  • 会社は継続できる
  • 残したい資産を自由に選べる
  • 売却対価を経営資源に向けられる
  • 会社継続のための従業員を保持できる
  • 債権者への公告、通知などが義務化されていない

事業譲渡のメリットの中のポイントの1つは、事業を整理するという観点です。会社の収益拡大のために事業領域を広げてみたものの、全ての事業を成功させるのはなかなか難しいでしょう。そこで、不採算部門となってしまった事業を譲渡し、売却対価を得られるのは望ましいことです。

譲渡する資産や移籍させる従業員も自由選択となりますから、譲渡せずに残した主事業に経営資源を集中させて会社を継続させていけることにつながります。また、事業整理という意味合いでは別の観点もあります。

どうしても後継者がいない中小企業の場合、オーナーを含めたごく少人数だけで運営できる事業を残し、あとは全て事業譲渡してしまうケースです。会社は売却したくないが、事業にフル稼働する体力はないなどといった、セミリタイア的場面でも事業譲渡は適切です。

もう1つの観点は、非上場企業の場合の手続きの気軽さがあります。事業譲渡の手続きそのものは決して簡単なものではないため、上場企業では敬遠されがちです。しかし、非上場企業であれば、株主総会の簡略化や債権者通知不要などの点で手続きが進めやすくなっています。

⑵事業譲渡での譲受側のメリット

事業譲渡を譲受する側にも、もちろん以下のようなメリットがあります。

  • 自由に事業を選択できる
  • 資産、契約先、従業員も自由に選択できる
  • 新規事業を自社内で立ち上げるよりも低コストで済む
  • 自社にはない技術やノウハウを得られる
  • 債務は引き継がなくて済む
  • のれんや償却資産を譲受した場合は節税効果が生じる

事業譲渡を譲受する側のメリットの第一は、自社内の事業を瞬間的に補強できることです。すでに存在する事業の弱点を補うケースもあれば、既存事業とのシナジー効果が期待できるケースもあるでしょう。全く新しい事業を一から社内で始める場合でも、はるかに効率的です。

また、事業譲渡の譲受側特有のメリットは財務面にもあります。会社を買収した場合には避けることのできない債務などは、事業譲渡であれば選択可能ですから選ばずに済みます。さらに、のれんなどによって、数年間の節税効果が得られるのも意義が大きい点です。

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事業譲渡のデメリット

どのようなM&A手法にもデメリットがあるように、事業譲渡においてもデメリットは存在します。こちらも譲渡側、譲受側それぞれに分けてまとめました。

⑴事業譲渡での譲渡側のデメリット

まずは、事業譲渡する側のデメリットについて列記します。

  • 株主総会での特別決議承認が必要
  • 譲渡対象事業の契約取引先への説明責任
  • 譲渡対象事業に従事する社員への移籍説得
  • 譲渡益には課税措置がある
  • 譲渡対象事業に関連する負債は譲受拒否される
  • 譲渡対象事業と同一事業は20年間行えなくなる

譲渡側のデメリットとして最大のものは、とにかくいろいろな方面への煩雑な手続きや対応をしなければならないことです。税金の説明でも触れたとおり法人税などの税金の負担は大きく、有効な節税措置もありません。そのうえ、負債は譲受側に拒絶されるのは明白です。

さらに、会社法の規定で譲渡対象事業は、同一区域、および隣接区域内では20年間、再開することは禁止されています。この規定は、事業譲渡契約時に譲受側の同意があれば排除することもできますが、簡単に同意は得られないでしょう。

⑵事業譲渡での譲受側のデメリット

事業譲渡で譲受する側のデメリットは、譲渡側とも共通するものが多いです。まずは、以下をご覧ください。

  • 譲渡対象事業の許認可などは全て取り直し
  • 譲渡対象事業に付随する特許権や不動産などは登記変更手続きが必要
  • 譲渡対象事業の取引先との契約も締結し直し
  • 譲渡対象事業の従業員が移籍しないリスク
  • 事業譲渡費用は相応の金額がかかる

事業譲渡において、煩雑な手続きや対応が発生するというデメリットは譲渡側も譲受側も変わりません。また、従業員との問題でいうと、移籍における労働契約手続きも人数によっては大変なものでしょう。

それよりも根本的な問題として、事業を担う人間が移籍を選ばないというリスクも気がかりとなるところです。これらデメリットは、会社の規模が大きくなるほど増大するということになります。

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まとめ

事業譲渡は、中小企業にとっては会社の独立性を担保したまま行えるM&Aとして有効な手法です。さまざまな手続きの面倒さは否定できませんが、それでも大企業に比べれば簡素化できる点もあります。

税対策も含めて、M&Aの専門家サポートを得ながら準備をしていけば、有効さを活かした対応が取れるでしょう。本記事の概要は、以下のとおりです。

  • 事業譲渡は会社の一部、または全部の事業を譲渡するM&Aの手法。
  • 事業譲渡では主に譲渡側に法人税、譲受側に消費税が発生する。
  • 譲渡側に明白な法人税対策はないが、譲受側ではのれんによる節税効果が期待できる。
  • 事業譲渡のメリットは譲渡するもの、譲受するものを選択できること。
  • 事業譲渡のデメリットは、手続きに手間が煩雑であること。

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