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2019年11月26日更新
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企業価値と株式価値の違い

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

企業価値や株式価値はその違いがわかりにくく、どうやってその価値が決定されるかもわかりづらいです。企業価値・株式価値・事業価値の関係、コストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチといった企業価値・株式価値・事業価値の手法についても解説していきます。

目次
  1. 企業価値と株式価値の違い
  2. 企業価値とは
  3. 株式価値とは
  4. 企業価値・株式価値・事業価値の関係
  5. 企業価値・株式価値・事業価値評価の手法
  6. まとめ

企業価値と株式価値の違い

企業価値や株式価値といった言葉は経済系のニュースや新聞でよく見かけられるものかと思います。

ただ、企業価値や株式価値はその違いがわかりにくく、実際はどういうものか理解するのは難しいものです。

また企業価値や株式価値といった事柄の関係性もわかりにくく、どうやってその価値が決定されるかもわかりづらいものです。

今回は企業価値や株式価値の意味やその価値を決定するプロセスなどをお伝えしていきます。

企業価値とは

企業価値の概要

まずは企業価値がどういったものかについてお伝えしていきます。

企業価値は読んで字のごとく、その企業全体の価値を示すものであり、企業が持つ事業やキャッシュフロー、株式、資産、負債などを総合的に判断して評価されます。

端的にいってしまえば「企業の魅力度」と言うべきでしょう。

よく企業価値は株式の時価総額と混同されがちですが、この両者は異なっています。

株式に時価総額はあくまで株主に対する価値であり、株式の発行済み株式数と株価をかけあわせてだす「自己資本価値」と呼ばれる部類に入ります。

企業価値とM&A

企業価値はその自己資本価値だけでなく負債の価値や事業価値には含まれない資産なども考慮して評価されるため、決して自己資本価値=株式の時価総額のみによって評価されるものではないのです。

ただ企業価値は事業の種類や特性によって評価の手法が異なることが多く、一義的に評価するのは難しいという側面があります。

だからこそ企業価値の評価は非常に難しいものだといえるでしょう。

企業価値は主にM&AやTOBなどといった場面で使用されるものであり、大企業でも中小企業でも使用する機会があるものです。

その際、企業価値はコストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチの3種類の手法を会社に併せて使用し、評価されます(一般的にはインカムアプローチを使う事例が多いようです)。

企業価値は近年その重要性が重視されています。

昨今は企業の倫理観の確立や社会的責任を拡充することが求められる傾向があり、企業価値を評価し、評価された企業価値をさらに向上させていくという取り組みは規模を問わず、あらゆる企業で行われるべき事柄だといえます。

その点を踏まえても、経営者の方にとって自身が経営する企業の企業価値を正確に評価し、それに応じた戦略を組み立てていくことは必要不可欠なことだといえるでしょう。

他方で、M&Aにおいて企業価値を決定する重要な要素には売り手となる企業の内情だといえます。

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ある意味、想定した企業価値は売り手と買い手の条件が合っているからこそ実現するものです。

もし条件の合う売り手を見つけたいのなら、M&A総合研究所のM&Aプラットフォームを活用しましょう。

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株式価値とは

株式価値の概要

続いては企業価値と混同されやすい株式価値についてお伝えしていきます。

株式価値は別名EQVと呼ばれるものであり、一般的に株価と呼ばれるものと同一です。

最初にお伝えした株式の時価総額とも同じカテゴリーに入るものだといえます。

株式価値はその名の通り株式の価値を示すものであり、企業価値と株式保有割合をかけあわせることで評価されます。

つまり株式価値は企業価値に株式というファクターを加えて評価するものであり、企業価値に基づいて評価される別種の価値だということです。

そのような株式価値ですが、株式市場での売買を見ればわかるように、株式価値は常に変動していくものです。

上場企業・非上場企業に関わらず発生しているものであり、例え市場に出回っていない非公開株式でも株式価値は評価できますし、その都度変動するものになっています。

実際中小企業は非上場企業が多く、そういった企業は大抵非公開株式を持っているものです。

株式価値とM&A

そのため株式価値が把握されていないことが多く、M&AやTOB、事業承継を行う段階になって初めて株式価値が評価されるというケースも少なくありません。

実際中小企業の経営者の方にとってM&AやTOB、事業承継といった場面に出会わない限りは株式価値を把握していなくても経営には支障がないことが多いため、普段から株式価値を意識しておく必要性はあまり高くないように感じられます。

たださきほどもお伝えしたように株式価値の評価は企業価値をベースにしているものであり、その評価を行う際にはそれなりの手間がかかります。

評価のプロセスは経営者個人で行うには難しいものであり、コンサルティング会社や税理士事務所、会計士事務所のような機関に依頼してバリュエーションをしてもらうことが一般的です。

とりわけ事業承継の際に後継者に株式を譲渡する場合、株式価値がどれくらいかによって課税の際の負担が大きく変わるため、時には株式価値を意図的に調整する必要があるケースも珍しくありません。

そういった点を考えると、株式価値の具体的な価額を知らなくても、株式価値に関する知識は常日頃持っておいた方がいいでしょう。

企業価値・株式価値・事業価値の関係

さきほどもお伝えしたように株式価値は企業価値をベースに評価されます。

さらにその企業価値は企業が有する事業に対する評価である「事業価値」をベースに評価されるものです。

そのため、もし株式価値を評価したいなら事業価値→企業価値→株式価値といった順番で評価を下していくことになります。

まずは事業価値でその企業が有する事業の価値を評価し、続いてその事業に関係ない負債や資産の価値、いうなれば非事業価値や債権者価値を加味して企業価値を評価、そして株式保有割合をかけあわせて株式価値を評価するといった流れです。

このように企業価値、株式価値、そして事業価値はそれぞれ異なる対象の価値を下すものでありながらも、それぞれが関連して評価されているということがわかります。

ただ、気を付けてほしい部分がこれら3つの価値は専門家でも混同しやすいものであり、たとえ会計士や税理士でも間違って使用してしまうケースがあります。

バリュエーションを専門家に依頼した際に専門家が誤って価値を評価してしまう、あるいはその会社に見合っていない手法を使ってしまうといったケースが発生するリスクはあります。

そういった点を踏まえるとバリュエーションを依頼する際には一つの機関に留まらず、別の機関にセカンドオピニオンをもらうようにしておくのもよいでしょう。

バリュエーションに関してはコンサルティング会社、会計士事務所、税理士事務所に依頼しましょう。

バリュエーションを格安で実施してくれる企業もあるため、セカンドオピニオンは予算と時間が許す限りはなるべく積極的に活用しましょう。

もしM&Aの際にバリュエーションをしっかりした専門家に任せたいのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。

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企業価値・株式価値・事業価値評価の手法

企業価値や株式価値、事業価値の評価は冒頭で述べたコストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチの3つの手法による評価をベースにしています。

この3つの手法はいずれもメリット・デメリットがあり、実際に企業価値などを評価する際にはメリット・デメリットを踏まえたうえで各手法を組み合わせて使用することが多いです。

それぞれの手法のメリット・デメリットを理解し、いずれの手法が、そしていずれの手法の組み合わせが自社に適しているかをしっかり判断しておくようにしましょう。

本来はコストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチのそれぞれのカテゴリーにもまた複数の手法がありますが、ここでは3つの手法の概要を網羅的にお伝えしていきます。

①コストアプローチ

コストアプローチは対象となる企業が所有している資産の価値(純資産価値)を重視して評価する手法です。

イメージとしては貸借対照表を参照することに近い手法です。

コストアプローチに類する手法として代表的な手法には簿価純資産法や時価純資産法が挙げられます。

コストアプローチは会社所有している資産を重視して評価する手法であるため、不動産業など資産そのものに価値を見出すことを前提にしている業種にはマッチしている手法だといえます。

また評価のプロセスも会社が保有する資産の価値から負債を差し引くだけと単純なものであるため、スピーディーに評価を下せる手法だといえます。

会計上の資産の価値というものは基本的に会計ルールに沿って算定されているものであるため、実際に市場で売却する際の資産の価値とギャップが発生することがあります。

無論手法によって調整はできますが、会社の経理がどのように行われているかによってその都度様々な手法を用いらなければならないためかえって手間がかかることも考えられます。

何よりコストアプローチは会社が保有する資産の価値に注目する手法であるため、その企業の将来性や技術・ノウハウの価値といったものは評価に含まれません。

そのため企業の魅力度それ自体を網羅できないこともあります。

実際コストアプローチは企業価値などの評価の際に単独で使われることはほとんどなく、他の手法と組み合わせて使われるケースが多いです。

②インカムアプローチ

冒頭でお伝えしたようにインカムアプローチは最も使われる評価の手法であり、代表的なものにはDCF法、配当還元法といったものがあります。

インカムアプローチの最大の特徴はその企業が産出する利益やキャッシュフローといった収益性を重視している点であり、対象となる企業の収益性を判断し、将来的にどれだけの付加価値が生み出されるかを、リスクを差し引いたうえで判断することで企業価値の評価を下します。

インカムアプローチはさきほどお伝えしたコストアプローチとは違い、ただ資産の価値を見るだけでは加味できない企業の将来性をベースに置いているため、最も論理的に企業の価値を評価できうる手法だといえます。

インカムアプローチは良くも悪くも不確実な将来に重きを置いている手法であり、希望的観測が混合してしまう可能性は否めません。

言ってしまえばインカムアプローチで下された評価は見積もりの集合体のようなものであり、エビデンスが不足しており、最悪ただの数字遊びとしての企業価値が出てしまうリスクがあります。

そのためインカムアプローチを行う際には事業計画をどれだけ正確に、具体的に作るかが重要になります。

③マーケットアプローチ

マーケットアプローチも比較的よく使われる手法であり、対象となる企業と類似した企業の時価総額や買収事例を参照・比較することで評価していくというものです。

基本的にマーケットアプローチは一般市場で公開されている上場企業の株式評価をベースに行うことが多く、非上場企業でも自身の企業と似ている企業をピックアップし、参照・比較していくことになります。

マーケットアプローチは資産の価値に傾倒しがちなコストアプローチや将来性の判断が主観的になってしまうインカムアプローチと違い、市場で確立している価値をベースに評価するため客観性を担保しやすく、またその業界の取引環境が反映されやすくなるというメリットがあります。

ただマーケットアプローチは評価する企業の固有の性質やビジネスモデル、コンセプト、成長ステージといった観点を反映させるのは難しく、企業によってはそもそも比較対象になる企業が存在しないと言うケースも考えられます。

まとめ

今回の記事をまとめると以下のようになります。

  • 企業価値とはその企業の魅力度というべきものであり、企業が有する事業や資産、負債などを総合的に判断して評価される。
  • 株式価値は企業価値に株式保有割合をかけあわせて評価するもの。
  • 企業価値と株式価値、そして事業価値はそれぞれ関連している。
  • ただ専門家でも企業価値、株式価値、事業価値を混同していたり、誤認していることもあるので注意。
  • 企業価値・株式価値・事業価値はコストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチといった3つの手法による評価がベースとなる。
  • この3つの手法はそれぞれメリット・デメリットがあり、それらを踏まえたうえでそれぞれを組み合わせて使用することが多い。

企業価値や株式価値は似たような語感の言葉であり、実際関連しているものではありますが、意味合いは異なっています。

そのため企業価値や株式価値は誤認されやすくなっており、実際株価=企業価値と認識している人も多いでしょう。

企業価値や株式価値は経営をしていくうえで、何かしらの形で評価していくものであり、その際は正確な知識を持っていることが重要になります。

経営者の方は常日頃から企業価値に関する知識を培っておくことがおすすめします。

M&Aの定義について再度確認したい場合は「M&Aとは?M&Aの意味をわかりやすく解説!」の記事をご参照ください。

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