2020年3月29日更新会社を売る

企業価値と株式価値の違い

企業価値と株式価値はその違いがわかりにくく、どのようにその価値が決定されるかもわかりにくいものです。今回は企業価値と株式価値の違いや事業価値・時価総額との関係、コストアプローチ、マーケットアプローチ、インカムアプローチなど企業価値の評価手法を説明していきます。

目次
  1. 企業価値と株式価値の違い
  2. 企業価値とは
  3. 株式価値とは
  4. 企業価値・株式価値・事業価値の関係
  5. 企業価値・株式価値・事業価値評価の手法
  6. まとめ
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企業価値と株式価値の違い

企業価値や株式価値といった言葉は経済系のニュースや新聞でよく見かけられますが、企業価値と株式価値は同じものではありません。しかし、両者の違いがわかりにくく、どうやってその価値が決定されるかもわかりづらいものです。

そこで、今回は企業価値や株式価値の違いやその価値を決定するプロセスなどをお伝えしていきます。

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株式価値とは

企業価値とは

まずは、企業価値の意味とM&Aにおける企業価値の評価方法について説明します。

①企業価値の意味

企業価値は読んで字のごとく、その企業全体の価値を示すものであり、企業が持つ事業やキャッシュフロー、株式、資産、負債などを総合的に判断して評価されます。端的にいってしまえば「企業の魅力度」というべきでしょう。

よく企業価値は株式価値(株式の時価総額)と混同されがちですが、この両者は異なりますので注意しましょう。株式価値はあくまで株主に対する価値であり、株式の発行済み株式数と株価をかけあわせて算出する自己資本価値と呼ばれる部類に入ります。

つまり、企業価値はその自己資本価値だけでなく、負債の価値や事業価値には含まれない資産なども考慮して評価されるため、決して自己資本価値=株式の時価総額のみによって評価されるものではありません。

また、企業価値は事業の種類や特性によって評価の手法が異なることが多く、一義的に評価するのは難しいという側面があります。

企業価値は近年その重要性が重視されており、企業の倫理観の確立や社会的責任を拡充することが求められ、評価された企業価値をさらに向上させていくという取り組みは、規模を問わずあらゆる企業で行われるべき事柄だといえます。

その点を踏まえても、経営者の方にとって自身が経営する企業の企業価値を正確に評価し、それに応じた戦略を組み立てることは必要不可欠といえます。

②M&Aにおける企業価値の評価方法

企業価値は主にM&AやTOBなどの場面で、企業規模にかかわらず大企業でも中小企業でも使用されます。また、以下の3種類の手法により評価しますが、一般的にはインカムアプローチを使う事例が多くみられます。

  • コストアプローチ
  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

M&Aで企業価値を決定する重要な要素となるのは売り手となる企業の内情ですが、想定した企業価値は売り手と買い手の条件が合っているからこそ実現するものです。

条件の合う売り手を見つけたい場合はM&A総合研究所のM&Aプラットフォームの活用をおすすめします。M&A総合研究所のM&Aプラットフォームには独自のAIがあり、買収ニーズを登録するだけで条件の合う売り手をマッチングします。無料ですので、ぜひ利用してみてください。

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株式価値とは

次に、株式価値の意味とM&Aにおける株式価値の評価方法について説明します。

①株式価値の意味

株式価値は別名EQVと呼ばれ、株式の時価総額と同じです。株式価値はその名のとおり株式の価値を示すものです。株式価値はM&AやTOB、事業承継を行う段階になって初めて評価されるケースも少なくありません。

実際、中小企業の経営者の方にとっては、M&AやTOB、事業承継といった場面にならない限り、株式価値を把握していなくても経営には支障がないことが多いため、普段から株式価値を意識しておく必要性はあまりないといえます。

しかし、株式価値の評価は企業価値をベースにしており、その評価には時間と手間がかかるので、普段から株式価値を意識しておくことが重要です。

②M&Aにおける株式価値の評価方法

株式価値は、企業価値と株式保有割合をかけあわせることで評価されます。

つまり、株式価値は企業価値に株式というファクターを加えて評価するものであり、企業価値に基づいて評価される別種の価値だということです。株式市場での売買を見ればわかるように、株式価値は常に変動していくものです。

また、上場企業・非上場企業に関わらず発生し、たとえ市場に出回っていない非公開株式でも株式価値は評価でき、その都度変動します。実際、中小企業では非上場企業が多く、そのほとんどが非公開株式を持っています。

株式価値の評価は経営者個人で行うには難しいものであり、コンサルティング会社や税理士、公認会計士などの専門家に依頼するのが一般的です。

とりわけ事業承継の際に後継者に株式を譲渡する場合、株式価値がどれくらいかによって税負担が大きく変わるため、場合によっては株式価値を調整する必要があります。

株式価値の具体的な価額を知らなくても、株式価値に関する知識は常日頃持っておいたほうが良いでしょう。

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企業価値・株式価値・事業価値の関係

株式価値は企業価値をベースに評価され、その企業価値は企業が有する事業に対する評価である事業価値をベースに評価されるものです

事業価値とは、その事業の収益性やブランド力などの企業特有の要素に基づき評価される価値のことです。「のれん」も事業価値に含まれます。

企業価値、株式価値、事業価値の意味をあらためて整理すると、以下のとおりです。

  • 企業価値:会社全体の価値
  • 株式価値:株式の時価総額
  • 事業価値:事業特有の要素に基づく価値

株式価値を評価する場合には事業価値→企業価値→株式価値の順番で評価していくことになります。

まずは事業価値でその企業が有する事業の価値を評価し、続いてその事業に関係ない負債や資産の価値、つまり非事業価値や債権者価値を加味して企業価値を評価して、最後に株式保有割合をかけあわせて株式価値を評価する流れです。

このように企業価値、株式価値、事業価値はそれぞれ異なる対象の価値するものでありながらも、それぞれが関連して評価されます。

企業価値などの評価(バリュエーション)は複雑な専門知識が必要になるため、コンサルティング会社、会計士事務所、税理士事務所などの専門家に依頼しましょう。

ただ、注意しなければならないのは、これら3つの価値は専門家でも混同しやすく、会計士や税理士でも誤った評価をしてしまう場合もあり得ます。

このような誤った評価が起こるリスクを避けるために、一つの機関だけではなく、別の機関にセカンドオピニオンをもらうことをおすすめします。セカンドオピニオンは予算と時間が許す限りなるべく積極的に活用しましょう。

M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つプロがM&Aをフルサポートいたします。会計士などの専門家も多数在籍しています。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。また、費用に関しても国内最安値水準ですのでご安心ください。

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企業価値・株式価値・事業価値評価の手法

M&Aでは、コストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチの3つの手法を組み合わせて使用することが多いです。

それぞれの手法のメリット・デメリットを理解したうえで、どの手法との組み合わせが自社に適しているかをしっかり判断しておくようにしましょう。ここでは3つの手法の概要を網羅的にお伝えしていきます。

①コストアプローチ

対象となる企業が所有している資産の価値(純資産価値)を重視して評価する手法です。イメージとしては貸借対照表を参照することに近い手法です。単独で使われることはほとんどなく、他の手法と組み合わせて使われるケースが多いです。

これに類する代表的な手法に簿価純資産法や時価純資産法が挙げられます。また、この手法の主なメリット・デメリットは以下のとおりです、

メリット

会社が保有する資産を重視して評価する手法であるため、不動産業など資産そのものに価値を見出すことを前提にしている業種にはマッチしています。

また、評価のプロセスも会社が保有する資産の価値から負債を差し引くだけと単純で、スピーディーに評価を下すことができます。

デメリット

会計上の資産の価値が基本的に会計ルールに沿って算定されるため、実際に市場で売却する際の資産の価値とギャップが発生することがあります。

また、会社の経理がどのように行われているかによって、その都度さまざまな手法を用いらなければならないため、かえって手間がかかることがあります。

加えて、会社が保有する資産の価値に注目する手法である以上、その企業の将来性や技術・ノウハウの価値などは評価に含まれず、企業の魅力度それ自体を網羅できないこともあります。

②インカムアプローチ

冒頭でお伝えしたようにインカムアプローチは最も使われる評価の手法であり、代表的なものにはDCF法や配当還元法などがあります。

インカムアプローチの最大の特徴は、その企業が産出する利益やキャッシュフローといった収益性を重視している点であり、対象となる企業の収益性を判断し、将来的にどれだけの付加価値が生み出されるかを、リスクを差し引いたうえで判断することで企業価値の評価を下します。

また、この手法の主なメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット

コストアプローチとは違い、ただ資産の価値を見るだけでは加味できない企業の将来性をベースに置いているため、最も論理的に企業の価値を評価できる手法といえます。

デメリット

良くも悪くも不確実な将来に重きを置いている手法であるため、希望的観測が混合してしまう可能性は否めません。下された評価は見積もりの集合体のようなものでエビデンスが不足しており、最悪ただの数字遊びとしての企業価値が出てしまうリスクがあります。

そのため、この手法を使う場合には事業計画をどれだけ正確に具体的に作るかが重要です。

③マーケットアプローチ

インカムアプローチの次に比較的よく使われる手法であり、対象となる企業と類似した企業の時価総額や買収事例を参照・比較することで評価していきます。

基本的には一般市場で公開されている上場企業の株式評価をベースに行うことが多く、非上場企業でも自身の企業と似ている企業をピックアップし、参照・比較していきます。

また、この手法の主なメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット

資産の価値に傾倒しがちなコストアプローチや、将来性の判断が主観的になってしまうインカムアプローチと違い、市場で確立している価値をベースに評価するため客観性を担保しやすく、その業界の取引環境が反映されやすくなります

 

デメリット

評価する企業の固有の性質やビジネスモデル、コンセプト、成長ステージといった観点を反映させるのは難しく、企業によってはそもそも比較対象になる企業が存在しないケースも考えられます。

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コストアプローチ
DCF法による企業価値の算定

まとめ

企業価値と株式価値は同じではありません。また、双方の評価において事業価値の評価が必要になります。それぞれの価値の違いを踏まえたうえで、自社のM&Aに最適な評価手法を検討しましょう。今回の記事をまとめると以下のとおりです。

・企業価値、株式価値、事業価値の意味の違い
→企業価値:会社全体の価値、株式価値:株式の時価総額、事業価値:事業特有の要素に基づく価値

・企業価値・株式価値・事業価値の評価時の注意点
→専門家でも評価を誤ることがあるため、別の専門家のセカンドオピニオンを得る

・M&Aにおける企業価値の評価方法3つ
→コストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチ

・上記の評価方法の使い方
→各方法のメリット・デメリットを踏まえて各手法の組み合わせで行う

・上記の各評価方法のメリット・デメリット
→①コストアプローチ
  メリット:スピーディーに評価できるなど
  デメリット:企業の魅力度は反映されないなど
 ②インカムアプローチ
  メリット:最も論理的に企業の価値を評価できるなど
  デメリット:希望的観測が混合するなど
 ③マーケットアプローチ
  メリット:客観性が担保されるなど
  デメリット:企業によっては比較対象となる企業がないなど

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