2020年3月26日更新会社・事業を売る

合併と株価

合併すると、株価に影響を与えます。ここでは合併による株価への影響、合併の際に必要となる代表的な株価計算、合併比率と株価の関係について解説していきます。また、合併により生じるメリットやM&Aと合併についてもご紹介していきます。

目次
  1. 合併と株価
  2. 合併とは
  3. 合併による株価への影響
  4. 合併時の株価計算
  5. 合併比率の決定
  6. 合併前後に株価が推移した事例
  7. まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談
【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

合併と株価

多くの企業で用いる経営戦略に、M&Aがあります。M&A(Merger and Acquisition)は、直訳すると「合併と買収」です。つまり、他の会社を買収したり、会社同士を一つにしたりする経営戦略です。M&Aを活用すれば、目標を短時間で達成できます。

ここ数年、M&Aを経営戦略として遂行する企業が増加しています。国内市場の縮小に伴い、大企業は海外企業とのM&Aを視野に入れています。また中小企業も、生き残りをかけてM&Aの活用を画策しています。今後M&Aを活用する企業は、ますます増加するでしょう。

M&Aは、多方面にさまざまな影響をもたらします。株価に対する影響も、例外ではありません。特に大規模となりやすい合併では、株価への影響が非常に注目されます。また合併では、株価の算定が重要な意味を持ちます。合併と株価は切り離せない関係です。

そこで今回は、合併と株価の関係性について詳しくご紹介します。合併と株価の関係について知りたい方は、必見です。

※関連記事
企業合併とは

合併とは

まずは、合併の基本知識についてご紹介します。

合併とM&A

合併とは、複数の会社を一つに統合するM&A手法です。いずれかの企業の法人格が、必ず消滅する点が合併の特徴です。また合併は、新設合併と吸収合併に大別されます。新設合併とは、新しく設立する会社に複数企業の中身を移転する手法です。つまり、合併に関わる全企業の法人格が消滅します。

吸収合併は、片方の企業の中身を他方の企業に統合する手法です。吸収合併では、片方の企業のみ法人格が消滅します。M&Aの実務では吸収合併が用いられ、他の手法よりも大規模なM&Aとなる傾向があります。そのため合併は、大企業が好んで用いる手法です。

合併のメリット

合併を実施すれば、主に下記のメリットが得られます。

無駄の削減

合併では、二つの組織が一つとなるため、重複する部分を削減できます。また、顧客の取り合いなどがなくなるため、コスト削減にもつながります。互いの良い面のみを残せるため、組織が以前よりもシンプルになり洗練されます。

PMIの成功

合併で企業が統合されると、シナジー効果が発生します。別々に事業を行った頃より、多くの利益を生み出せるでしょう。ただし合併によるシナジー効果を発揮するには、PMIの成功が不可欠です。PMIとは、M&A以後の統合作業です。合併では、M&A後の統合が難しいといわれています。

従業員同士の摩擦などが発生すれば、得られる利益を獲得できません。シナジー効果を確実に得るためにも、合併後のPMIは慎重かつ重点的に実施してください。

※関連記事
PMIとは?M&A・買収におけるPMIの重要性

合併による株価への影響

合併は、株価にどのような影響を与えるのか見ていきましょう。基本的には合併により株価は上昇する可能性が高く、上場企業同士の合併の発表後、株価は上昇する傾向にあります。では、どうして株価は上昇するのでしょうか?

合併によって株価が上昇する要因

合併に関係なく、M&Aの前後で株価は変動します。この点を理解するには、株式市場の仕組みを理解する必要があります。各企業の株価は、投資家の期待値によって決定します。では、その期待値とはどのように決定するのでしょうか?

投資家は利益を得るために、投資を行います。そのため、利益をもたらす可能性のある企業に投資します。投資する人間が多いほど、企業の株価は上昇します。つまり、将来的な収益性の高い企業ほど、株価は上昇します。

合併も例外ではありません。合併の影響で十分な利益が創造すると判断されれば、株価は上昇します。合併では、二つの企業が一つに統合されます。そして、シナジー効果により利益は増加します。

以上の理由から、合併の影響で株価は上昇する可能性が高く、有望な企業同士の合併ほど株価は上昇するといえます。投資家の期待値が高いからです。

合併によって株価が下落するケース

合併の発表直後、株価は上昇する傾向がありますが、中には合併発表により株価が下落するケースも存在します。その背景には、投資家からの期待値が低いという理由があります。合併後に十分な利益を生み出せないと多くの投資家が判断すれば、株価は下落します。

これはあくまで理論的な話で、実際の株式市場では理論的な株価とはかけ離れるケースもあります。例えば、政治情勢の悪化などが重なれば、株価は下落する恐れがあります。短期的な相場動向によっても、株価が下落するかもしれません。

合併が株価にどのような影響を与えるかは、誰にもわかりません。理論上では株価に対する影響を説明できますが、株式市場では理論で解決できない事態が生じ得ます。

※関連記事
M&Aによる株価の影響とは?M&Aによる株価の上昇・下落事例を解説

合併時の株価計算

合併時は、株価計算が非常に重要な意味を持ちます。株価計算は、合併比率を決定する要因です。ここでは、合併時の代表的な株価計算方法についてご紹介します。

DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法

DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法は、企業の将来性に着目した手法です。インカムアプローチに属する手法になります。企業が創出するフリーキャッシュフロー(FCF)を基に、株価を計算します。将来性を判断材料に用いるため、合併の株価計算で最も合理的です。

特に大企業の合併で、好んで用いられます。ただ、合理的な株価を計算できる一方、主観的・恣意的になりやすいデメリットもあります。株価は、企業の事業計画に基づいて計算します。そのため、現実的でない事業計画を作成すれば、計算する株価は合理的ではなくなります。

DCF法を用いる際は、公平かつ綿密な事業計画の作成が重要です。

市場株価法

市場株価法は、過去数ヶ月間の株価の平均を計算し、それを合併時の理論株価とする手法です。マーケットアプローチに属する手法になります。株価計算の際は、直近1ヶ月から3ヶ月程度の株価を利用するのが一般的です。

株価はさまざまな投資家の意思を反映しており、市場参加者全体の期待値の平均です。よって市場株価法を利用すれば、非常に客観性の高い株価を計算できます。ただしこの計算方法は、公開企業にしか適用できません。

中小企業のほとんどは、株式を公開していません。株式が非公開の場合、市場株価法は活用不可です。中小企業が合併を行う際は、この点に注意しましょう。

純資産価額法

純資産価額法は、純資産額を基に株価を計算します。コストアプローチに属する手法の一つです。この方法の利点は、株価の計算が簡単である点です。純資産額を発行済株式総数で割れば、株価を計算できます。簡単に計算できるため、中小企業の合併でも活用しやすいでしょう。

なお、純資産を時価換算したものも利用できます。時価換算すれば、より正確な株価を計算できます。ただし純資産価額法では、将来の収益性を株価に加味できません。合併は、将来に得られる利益を目的に行います。その観点で見ると、合併時の株価計算には不向きといえます。

※関連記事
株価算定方法を解説します

合併比率の決定

合併の際は、存続する企業が消滅する企業に自社株式を交付します。存続企業側は、消滅企業側と同数の株式を交付しません。両社間に、収益力やブランド力の差があるからです。合併時は、この両社の差を考慮して、交付する株式数を決定します。

交付する株式数を決める比率を、合併比率といいます。合併比率は、双方当事会社の株主が持つ財産金額が変動しないように決定します。合併比率を決定する際は両社の株価を基準に用い、そのうえで合併後の株主構成などを微調整します。

合併比率の決定には、高度な専門知識が必要です。経営者が独力で決めるのは非常に難しいため、税理士やM&Aアドバイザリーなど、専門家に相談するのがベストです。

もしM&Aを検討されている場合は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A仲介会社であるM&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、多くのM&Aを成約に導いた実績があります。

初回の無料相談後も一切費用が発生しない完全成功報酬制で、成功報酬は国内最安値水準で皆様からご好評をいただいておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

【※実績豊富なスタッフ多数在籍】M&A仲介サービスはこちら

※関連記事
株式交換比率とは?株式交換比率の決め方や求め方を解説

合併前後に株価が推移した事例

2018年に、日産とルノーの合併交渉が発表されて以来、日産の株価は下がり続けています。ルノーが日産の株式議決権を多く持ち、筆頭株主はフランス政府のため、合併によって日産はほとんどフランス企業の状態です。

市場が日産とルノーの合併に低評価のところに、日産会長でルノー社長のゴーン氏が金融商品取引法違反で逮捕となり、株価はさらに下がりました。このままルノーが日産への支配力を強めれば、日産の株価は下がり続けるでしょう。

今後、日産が生まれ変わると評価されれば、株価が持ち直す可能性があります。いずれにしろ、しばらく日産の株価は低調といわれています。

まとめ

今回は、合併と株価の関連性をご紹介しました。合併を実行すれば、多岐にわたるメリットを享受できます。一方、株価の影響も考えなくてはいけません。合併の前後では、ほぼ必ず株価が変動します。投資家からの期待が高いほど株価は上昇し、期待が低ければ株価は下落する傾向があります。

また合併の際は、株価の計算が重要です。計算された株価を基に、合併比率を決定するためです。合併比率の決定を含め、合併の手続きは非常に専門的なので、M&Aアドバイザリーを起用したうえで合併を行うことをおすすめします。要点をまとめると、下記になります。

・合併とは?
→複数の会社を一つに統合するM&A手法、必ずいずれかの企業の法人格が消滅

・合併のメリットは?
→あらゆる無駄を削減、シナジー効果による利益の取得

・合併による株価への影響とは?
→合併の発表直後に株価が上昇

・合併時の株価計算は?
→DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法、市場株価法、純資産価額法など

・合併比率とは?
→双方企業の株価や合併後の株主構成を基に決定

M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談は完全成功報酬制(成約まで完全無料)のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
  3. 最短3ヶ月という圧倒的なスピード成約
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

Documents
【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

あなたにおすすめの記事

M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!【図解あり】

M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!【図解あり】

M&Aとは合併と買収という意味の言葉です。M&Aは経営戦略として人気で、年々行われる件数が増加しています。経営課題解決のために前向きにM&Aを考えてみてください。M&A仲介会社と相談しながら、自...

買収とは?意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策を解説します

買収とは?意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策を解説します

買収には、友好的買収と敵対的買収があります。また、買収には「株式を買収する場合」「事業を買収する場合」の2種類があります。メリット・デメリットをしっかり把握し、知識を得て実施・検討しましょう。

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説

M&Aや投資の意思決定をする上で、現在価値の理解は欠かせません。現在価値は、今後得られる利益の現時点での価値を表す指標であり、将来の利益を期待して行う取引や契約、投資では重要な概念です。

株価算定方法を解説します

株価算定方法を解説します

株価算定方法は、多種多様でそれぞれ活用する場面や特徴が異なります。マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチといった株価算定方法の種類、株価算定のプロセスについて詳細に解説します...

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説

法人税を節税するために、赤字経営をわざと行う会社も存在します。会社は赤字だからといって、倒産する訳ではありません。逆に黒字でも倒産するリスクがあります。赤字経営のメリット・デメリットを踏まえ経営...

関連する記事

会計の「のれん」とは?意味や計算方法、会計基準(日本・IFRS)ごとの会計処理

会計の「のれん」とは?意味や計算方法、会計基準(日本・IFRS)ごとの会計処理

買収額と純資産の差額である無形の固定資産が会計の「のれん」です。当記事では、会計の「のれん」の意味をはじめ、会計の「のれん」計算法・計算例や、会計基準ごとの処理、のれんの償却・減損、のれんが大き...

DCF法とは?メリット・デメリット、エクセルでの計算式や割引率を解説【例題あり】

DCF法とは?メリット・デメリット、エクセルでの計算式や割引率を解説【例題あり】

DCF法とは割引率を使って現在の事業価値を調べる計算法です。DCFとはとの疑問に応えて、DCF法の計算式や、計算で使う割引率・永久成長率、エクセルを取り入れたDCF法の計算式、例題、メリット・デ...

のれんの減損とは?減損する理由や事例、兆候を解説【コロナへの対応も】

のれんの減損とは?減損する理由や事例、兆候を解説【コロナへの対応も】

のれんの減損が起きると、株価低下や配当金の減少などのリスクが発生します。近年は頻繁にM&Aが行われるようになったこともあり、のれんの減損処理の事例が増加しています。本記事では、のれんの減損が起こ...

廃業でも従業員は退職金を受け取れる?給料や有給休暇の取り扱いも解説

廃業でも従業員は退職金を受け取れる?給料や有給休暇の取り扱いも解説

経営状態の悪化などの影響で会社を廃業せざる得ない状況になることがありますが、従業員の退職金や給料、有給休暇はどのような扱いになるのでしょうか。本記事では、会社の廃業の際の退職金や給料、有給休暇の...

民事再生法とは?条文、手続きや費用、JALとレナウンの事例も解説

民事再生法とは?条文、手続きや費用、JALとレナウンの事例も解説

民事再生法とは法律の1つで会社を再建するためには非常に有効な手段となっていますがメリット・デメリットが存在します。今回は民事再生法による詳細な内容と民事再生法の手続きや費用などを解説するとともに...

有料老人ホームのM&A・買収の最新動向/相場/メリットを解説【事例あり】

有料老人ホームのM&A・買収の最新動向/相場/メリットを解説【事例あり】

入所する高齢者に介護などの支援を提供するのが有料老人ホームの事業です。当記事では、有料老人ホーム業が抱える問題をはじめ、M&Aの動き、M&Aの手法、買収の相場、関係者が享受できるメリット、スケー...

中小企業の廃業理由とは?廃業数・廃業率の推移と相談窓口も紹介

中小企業の廃業理由とは?廃業数・廃業率の推移と相談窓口も紹介

民間調査会社のデータによると中小企業の廃業件数は増加しています。また、近年は廃業を視野に入れている中小企業の経営者も増加しています。そこでこの記事では中小企業の廃業に関する現状や廃業理由、また、...

廃業による従業員の処遇は?解雇にせずM&Aで雇用を守る方法も解説

廃業による従業員の処遇は?解雇にせずM&Aで雇用を守る方法も解説

廃業を行うと従業員の処遇で困ることやさまざまなリスクがあるため、できる限り行いたくはありません。そのような場合においてM&Aは従業員を解雇せずに守ることができます。今回は廃業による従業員の処遇と...

M&A、事業承継における内部監査の役割とは?不正リスク低減と係争回避

M&A、事業承継における内部監査の役割とは?不正リスク低減と係争回避

内部統制・内部監査とは、会社が組織的に機能するために必要なルールや仕組みのことです。日常的な経営はもちろんのこと、M&Aの実行の際も組織としての地盤がとても重要になります。本記事では、M&A・事...

記事検索
M&Aコラム
人気の記事
最新の記事
セミナー・イベント
【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。
ご相談はこちら
(秘密厳守)