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同族会社とは?メリットやデメリット、税金や株式譲渡の際の注意点を解説します

同族会社とは?メリットやデメリット、税金や株式譲渡の際の注意点を解説します

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    同族会社

    同族会社の形式をとっている会社は少なくありません。

    同族会社というと親族経営を行っている会社をイメージする人が多いかと思いますが、同族会社の定義はそれだけではありません。

    例え経営陣の面々が他人同士でも、同族会社と扱われることがあります。

    また同族会社は税務面で不利になることがあり、その点も注意しておく必要があります。

    今回は同族会社の概要や、メリット・デメリット、税金、株式譲渡の際の注意点についてお伝えします。

    同族会社とは?意味についてご紹介

    まずは同族会社について、その意味を確認していきましょう。

    同族会社と聴くと親族で経営しているような会社をイメージすることが多いかと思いますが、実際の定義はそうではありません。

    同族会社の定義は「会社の株主の3人以下、並びにこれらと特殊な関係にある個人や法人が議決権の50%超を保有している会社」です。

    つまり、3人以下の会社の株主か、株主と「特殊な関係」を持っている個人、あるいは法人が株主の半分超を所有している会社のことを指します。

    ここでいう「特殊な関係」は決して親族だけを指しているものではありません。

    特殊な関係に該当するものはそれぞれ以下の通りです。

    • 配偶者、六親等以内の血族、三親等以内の姻族といった株主などの親族
    • 婚約者のような、株主などと事実上の婚姻関係にある者
    • 株主などの使用人
    • 株主などから得ている金銭、あるいはその他の資産で生計を立てている者
    • 株主などや、株主などと特殊な関係にある個人、あるいは法人で他の会社を支配している場合の当該他の会社

    いうなれば、特殊な関係とは、特定の関係性にある個人、あるいは法人に会社の経営権が集中しているような状態を指します。

    そのため、株式総数や出資金の半分超が、特定の個人や法人の保有株式数や出資金になっているのであれば、同族会社と判断されます。

    同族会社=親族というわけではなく、一定以上の株式を保有していたり、出資を行っているのであれば、その会社は同族会社と見なされます。

    同族会社というと、経営者一族や創業者一族がポストを独占しているような大企業を連想するかと思いますが、中小企業の同族会社も少なくありません。

    むしろ中小企業は規模が限られるため、経営者の依存度が高く、外部の株主も設置していないことが珍しくないため、経営者だけのワンマン経営や、同族経営になっているケースが多くなっています。

    同族会社のメリット・デメリット

    同族会社のメリット・デメリットはそれぞれ以下のようになっています。

    ①同族会社のメリット

    同族会社は会社の経営権が一部に集中するような形になっているため、意思決定が早くなる点が最大のメリットです。

    同族会社は経営者を含め、関わりが深い人間だけが経営権を握っている状態になっており、同じ意向を共有しやすくなります。

    経営陣の中に、経営者のスタンスと対立するような人物がいたとしても、経営権を握っている状態であるため、意思統一をいちいちやる必要がなくなります。

    このような状態は「経営権の寡占」とネガティブな目で見られることも多いですが、決して悪いことではありません。

    例えば会社が長期的な経営改革を行いたい場合、意思決定が迅速でないと、なかなか施策を打つことができなくなります。

    しかし、同族会社のように意思決定を迅速化できる組織になっていれば、長期的な経営改革でもスムーズに進められやすくなります。

    この点は、MGOで非上場会社になるのと同じようなことだといえます。

    また、事業承継のような、会社の存続に関わる重要な場面でも、同族会社の方が有利になるケースが多いです。

    事業承継は後継者の競合相手や敵対する役員がいると、スムーズに進まないばかりだけでなく、最悪後継者がその地位を奪われてしまう恐れもあります。

    しかし、同族会社であれば、前もって後継者に経営権を握らせるプロセスを行いやすくなるため、リスクを最大限まで減らすことができるでしょう。

    後、これは同族会社を行う経営陣だけのメリットになりますが、同族会社は経営陣にリターンが入りやすい構造になっているため、経営陣の資産をかなり増やすことができます。

    とりわけ上場する際、経営陣は多大なリターンを得られるようになるでしょう。

    ②同族会社のデメリット

    さきほども触れましたが、同族会社は良くも悪くも経営権を寡占する行為であるため、健全な経営ができなくなってしまう恐れがあります。

    当然、経営権を握っている経営陣が公明正大であれば問題はありませんが、必ずしもそうであるとは限らないものです。

    同族会社は大企業が過去に起こした不祥事にありがちな、経営者一族や関係者が会社の経費を使って豪遊したり、私的行為の資金にするなどといった不祥事の温床になりやすくなります。

    また、経営権を経営者と少数の人間で握ることにより、不当な人事が発生しやすくなることも難点です。

    経営者と特別な関係であるというだけで、能力に見合わないポストを手に入れる人間が出てきたり、経営陣と対立した人間が異動させられるなど、権力を不当に利用した人事が行われるようになると、従業員全体のモチベーションを大きく低下させてしまう可能性があります。

    経営陣が良識のある判断を行い、フェアな評価をしていれば問題はありませんが、経営権を握っているという事実を快く思わない従業員は常に一定数いるものです。

    同族会社は合理的な経営を行えるかが重要になるといえるでしょう。

    また、同族会社は税務面で不利になりやすいものです。

    同族会社は経営者と、経営者と深い関係にある人間が経営権を握る形をとるため、節税と称した不正行為が行われやすい一面があり、税法で特別規定が設けられています。

    特別規定は3種類あります。

    1つ目は「行為または計算の否認」といいます。

    これは同族会社が税負担を下げるために行った計算や行為が認められた際に、税務署長が法人税額を決定できるという強力な規定です(実際に発動されたケースはほとんどありません)。

    2つ目は「役員または使用人兼務役員の範囲の特例」です。

    これは、たとえ肩書上は役員でなかったとしても、実質的に会社の経営の中核に関わっていると判断された従業員は、「みなし役員」として、税務上は役員として扱うというものです。

    そして3つ目が「特定同族会社の留保金課税」です。

    特定同族会社とは、被支配会社で、株主にそれ以外の法人がいた場合、それを抜いても被支配会社であると見なせる会社を指しています。

    そして留保金課税とは、特定同族会社の一定の控除額を超える金額を留保した場合、その金銭に法人税とは別の税金を課税することをいいます。

    このように、3つの特別規定が設けられる同族会社は、税務面で不利になりやすいわけです。

    同族会社間の非上場株式譲渡にかかる税金一覧

    同族会社間で非上場株式の譲渡を行う際、どのような税金が発生するのでしょうか?

    同族会社間での非上場株式の譲渡を行った場合、以下のような税金が発生する可能性があります。

    ①株式譲渡所得課税(所得税+消費税)

    株式譲渡の際に発生する税金として代表的なものとしては、株式譲渡を行った際に得られる株式譲渡所得に対して課税される所得税と消費税が挙げられるでしょう。

    この場合、株式譲渡の際に得た総収入金額を譲渡所得として計算し、定められた税率に基づいて所得税と消費税が発生します。

    ②法人税

    株式譲渡を行った当時者が法人だった場合は法人税が課せられます。

    同族会社の場合、当該株式譲渡が同族会社による取引だったかどうかは、株式譲渡が行われた後に判断されます。

    ③贈与税

    株式譲渡において、取引価額が実際の株式の時価より著しく低かった場合、贈与税が課税されることになります。

    いうなれば、「売主が買主から贈与を受けた」と判断されるわけです。

    気を付けておきたいのが、個人でも法人でも関係なく、著しく低い取引価額で株式譲渡を行った場合は贈与と判断される可能性が高くなるという点です。

    とりわけ同族株主同士で株式譲渡を行った場合は、贈与と認定される確率が高くなるため、取引価額や株式の時価の算定方法には注意を払っておく必要があります。

    ちなみに、株式譲渡をきっかけに借金を多く棒引きするような行為なども、贈与と見なされることもあります。

    ④寄付金課税

    これは少し特殊な課税になりますが、売主が個人であり、買主が法人であった場合、時価よりも高い取引価額で非上場株式を譲渡すると、譲渡した時の取引価額と株式の時価の差額が寄付金と見なされることになります。

    そうなった場合、寄付金課税の適用を受けることになります。

    これも贈与と同様、取引価額や時価の算定に配慮しておく必要があります。

    パターン別同族会社が非上場株式を譲渡する際の税金

    ここではパターン別に、同族会社が非上場株式を譲渡した際の税金をチェックしていきましょう。

    ①同族会社間の個人から個人への譲渡の場合

    同族会社間の個人から個人へ譲渡を行う場合、譲渡金額が適正価格の場合であれば譲渡益に所得税、時価を下回る場合や時価を上回る場合は贈与税が課税される可能性が高くなります。

    ②同族会社間の個人から法人への譲渡の場合

    同族会社間の株式譲渡で、個人から法人へ譲渡が行われる場合、適正価格で譲渡した場合や、時価を下回る金額で譲渡した場合、時価を上回る金額で譲渡した場合のいずれでも所得税として扱われます。

    ただ、金額の数字によっては扱いが変わることもあるので注意しておきましょう。

    ③同族会社間の法人から個人への譲渡の場合

    同族会社間の法人から個人へ譲渡する場合、適正価格で譲渡した場合や時価を上回る金額の場合は法人税、時価を下回る金額で譲渡した場合は損金への算入することができます。

    ただし、時価を下回る金額で譲渡した場合、個人の方は寄付金と見なされて所得税を課税されることもあります。

    ④同族会社間の法人から法人への譲渡の場合

    法人間での譲渡の場合、適正価格で譲渡した場合、時価を下回る金額で譲渡した場合、時価を上回る金額の場合のいずれでも法人税の対象となる可能性が高くなります。

    ⑤相続として譲渡された場合

    相続として同族会社間で株式譲渡が行われた場合、被相続人には所得税などが、相続人には相続税が課税される可能性があります。

    ただ、中小企業税制を活用すれば、相続税に納税猶予が付くことがあります。

    同族会社間の非上場株式譲渡に迷ったら

    もし、同族会社間の非上場株式譲渡に迷うようなことがあった場合は、会計士や弁護士、税理士などといった専門家の協力を得ておくようにしましょう。

    非上場株式は上場株式と違い、市場で株価を判断することができないため、企業価値評価を行い、改めて株価を算定する必要があります。

    このバリュエーションと呼ばれる作業は、専門家の協力がなければ難しいものであるため、スムーズに株価を算定するためにも、なるべく専門家に協力を依頼するようにしましょう。

    また、同族会社は不正の温床になりやすく、また税務において不利になりやすい立場です。

    公平な立場で譲渡をチェックし、また確実な節税を行いたいのであれば、専門家の協力は欠かせなくなるでしょう。

    とりわけ、中小企業のような経営陣に経営権が集中しやすい構造になっている会社は、ことさら専門家の協力が必要だといっても過言ではありません。

    不正を行ったり、知識がない状態で税務を行ったりすれば、経営陣のみならず、会社全体に致命的な損失を招いてしまう恐れもあります。

    確実に税務を完了させ、損失を出さないようにするにも、株式譲渡を行う際には専門家に協力を依頼しておくようにしましょう。

    ただ、節税のようなプロセスは専門家の腕次第という一面があり、良い専門家に依頼するか、悪い専門家に依頼するかで成果が大きく変わります。

    専門家の実績や得意分野もあらかじめしっかり調べておくことがおすすめです。

    まとめ

    同族会社は一般的なイメージと比べると、定義が複雑であり、また税法で特別規定を設けられているなど、税務では不利になりやすいものです。

    同族会社と取引する、あるいは自分の会社が同族会社である場合は、適切な知識を身に付けるように心がけましょう。

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